JPH073235U - 分岐接続箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロアケースとアッパーケースが嵌合している
か否かの確認を容易に行える分岐接続箱を提供する。 【構成】 ロアケース（１）とアッパーケース（２）の
各ロック突起の内、嵌合ロック時に下側となるロック突
起（２ｃ）の幅寸法を、上側となるロック突起（１ｃ）
の幅寸法よりも長く設定する。このロック突起を目視で
確認する際、上側のロック突起の下方に、幅寸法の長い
ロック突起が見えるときには嵌合ロック状態であると確
認できる。逆に、上側のロック突起の下方に、幅寸法の
長いロック突起が見えないときには半嵌合ロック状態で
あると確認できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車用ワイヤハーネス等のコネクタを接続して、回路を分岐する 分岐接続箱に関し、詳しくは、ロアケースとアッパーケースを備え、該ロアケー スとアッパーケースが嵌合ロックされたか否かを容易に確認できる分岐接続箱に 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

自動車用ワイヤハーネス等を種々の電装品に分岐接続するのに用いられる分岐 接続箱は、分岐接続点を１箇所に集中させて、配線を合理的かつ経済的に分岐接 続するものであり、ワイヤハーネスの高密度化に伴って種々の形式のものが開発 されている。

【０００３】 例えば、図３に示すようにロアケース１とアッパーケース２とを備え、このロ アケース１とアッパーケース２を嵌合ロックすると共に、嵌合ロックしたロアケ ース１とアッパーケース２の上方及び下方をアッパーカバー、ロアカバー（図示 せず。）により閉鎖する構造とした分岐接続箱が提供されている。この図３の分 岐接続箱では、ロアケース１の外周壁１ａの内面にアッパーケース２の外周壁２ ａの外面を嵌合させると、上記外周壁１ａの内面に形成したロック突起１ｂが上 記外周壁２ａの外面に形成したロック突起２ｂを乗り越える。そして、図５及び 図６（Ａ）に示すように、ロック突起２ｂが下側、ロック突起１ｂが上側となり 、ロアケース１とアッパーケース２が嵌合ロックされる。

【０００４】 上記ロアケース１にアッパーケース２を嵌合させて嵌合ロックする際、図６（ Ｂ）のように、ロック突起１ｂにロック突起２ｂが乗り上げた半嵌合状態では、 ロアケース１の外周壁１ａがロック突起１ｂの高さ（例えば２mm）分だけ外方へ たわむので、このたわみにより半嵌合状態であることを確認することができる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、ロアケース１のロック突起１ｂにアッパーケース２のロック突 起２ｂが乗り上げる前の状態では、ロアケース１の外周壁１ａが外方へたわまな い。また、図４に示すように、上方から各外周壁１ａ，２ａのロック突起１ｂ， ２ｂを目視で確認しようとしても、嵌合ロックが完了した状態で下側となるロッ ク突起２ｂの幅寸法ｌ２と、上側となるロック突起１ｂの幅寸法ｌ１は同寸法で あるため（ｌ２＝ｌ１）、ロック突起１ｂ，２ｂが完全に嵌合しているのか、あ るいは、半嵌合状態にあるのかを目視で確認するのは困難である。

【０００６】 本考案は上記問題を解消するためになされたもので、アッパーケースとロアケ ースが嵌合しているか否かの確認を容易に行うことができる分岐接続箱を提供す ることを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、ロアケースとアッパーケースとを備え 、該ロアケースとアッパーケースの内のいずれか一方の外周壁の内面に形成した ロック突起と、いずれか他方の外周壁の外面に形成したロック突起とが相互に乗 り越えて、上記ロアケースとアッパーケースを嵌合ロックする分岐接続箱におい て、上記各ロック突起の内、嵌合ロック時に下側となるロック突起の幅寸法を、 上側となるロック突起の幅寸法よりも長く設定したことを特徴とする分岐接続箱 を提供するものである。

【０００８】

【作用】

本考案によれば、ロアケースとアッパーケースの各ロック突起の内、嵌合ロッ ク時に下側となるロック突起の幅寸法を、上側となるロック突起の幅寸法よりも 長く設定することにより、両ケースの外周壁の間のロック突起を目視で確認する 際、上側のロック突起の下方に幅寸法の長いロック突起が見えるときには嵌合状 態であると確認でき、逆に、上側のロック突起の下方に幅寸法の長いロック突起 が見えないときには半嵌合状態であると確認できる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案を図示の実施例により詳細に説明する。 なお、図３以下の従来技術と同一構成・作用の箇所は同一番号を付して詳細な 説明は省略する。

【００１０】 図１及び図２に示すように、本実施例の分岐接続箱では、ロアケース１の外周 壁１ａの内面の適所に、ロック突起１ｃを形成すると共に、アッパーケース２の 外周壁２ａの外面の適所に、ロック突起２ｃを形成している。

【００１１】 上記アッパーケース２のロック突起２ｃの幅寸法ｌ４は、ロアケース１のロッ ク突起１ｃの幅寸法ｌ３よりも長く設定する（ｌ４＞ｌ３）。例えば、ロック突 起１ｃの幅寸法ｌ３を７mmとすれば、ロック突起２ｃの幅寸法ｌ４を１２mmとす る。

【００１２】 上記ロアケース１とアッパーケース２は、ロアケース１の外周壁１ａの内面に アッパーケース２の外周壁２ａの外面を嵌合させ、上記ロアケース１のロック突 起１ｃに上記アッパーケース２のロック突起２ｃを乗り越えさせて、ロック突起 １ｃを上側、ロック突起２ｃを下側とすることにより嵌合ロックされる。

【００１３】 上記ロアケース１とアッパーケース２の嵌合ロックを目視により確認する際に は、図２に示すように、両ケース１，２の外周壁１ａ，２ａの間から、幅寸法ｌ ３の短いロック突起１ｃの下方に幅寸法ｌ４の長いロック突起２ｃの両側部がは み出して見えていれば、ロック突起２ｃはロック突起１ｃの下側に位置しており 、嵌合ロック状態であると確認できる。

【００１４】 一方、上側に見えるロック突起の下方に、両側部がはみ出したロック突起が見 えないときには、幅寸法ｌ４の長いロック突起２ｃが上側で幅寸法ｌ３の短いロ ック突起１ｃが下側にあり、ロアケース１とアッパーケース２は半嵌合状態であ ると確認できる。

【００１５】 このように、本実施例の分岐接続箱では、ロアケース１とアッパーケース２の 外周壁１ａ，２ａの間のロック突起１ｃ，２ｃの長短を目視で確認するだけで、 両ケース１，２の嵌合状態の確認を容易かつ確実に行うことができる。

【００１６】 なお、上記実施例では、ロアケース１の外周壁１ａの内面にアッパーケース２ の外周壁２ａの外面を嵌合させる構造としているが、本考案はこれに限定されも のではなく、ロアケースとアッパーケースの外壁のロック突起のうち、嵌合ロッ ク時に下側となるロック突起の幅寸法を、上側となるロック突起の幅寸法よりも 長く設定すればよい。例えば、アッパーケースの外周壁の内面にロアケースの外 周壁の外面に嵌合する構造の場合には、ロアケースの外壁の外面に設けるロック 突起の幅寸法を、アッパーケースの外壁の内面に設けるロック突起の幅寸法より 大きく設定すればよい。

【００１７】

【考案の効果】

以上の説明より明らかなように、本考案の分岐接続箱は、ロアケースとアッパ ーケースの各ロック突起の内、嵌合ロック時に下側となるロック突起の幅寸法を 、上側となるロック突起の幅寸法よりも長く設定しているため、両ケースの外周 壁の間のロック突起を目視で確認する際、上側のロック突起の下方に、幅寸法の 長いロック突起が見えるときには嵌合ロック状態であると確認でき、逆に、上側 のロック突起の下方に、幅寸法の長いロック突起が見えないときには半嵌合ロッ ク状態であると確認できる。よって、本考案によれば、アッパーケースとロアケ ースが嵌合しているか否かの確認を容易かつ確実に行えることができ、分岐接続 箱の組立作業の作業効率の向上を図ると共に、分岐接続箱が半嵌合のまま次工程 に移されるのを確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の分岐接続箱の分解斜視図である。

【図２】 図１の要部平面図である。

【図３】 従来の分岐接続箱の分解斜視図である。

【図４】 図３の要部平面図である。

【図５】 図４のＡ−Ａ線断面図である。

【図６】 （Ａ）はロック突起の嵌合ロック時の断面
図、（Ｂ）はロック突起が相互に乗り上げた半嵌合ロッ
ク時の断面図である。

【符号の説明】

１ ロアケース １ａ 外周壁 １ｃ ロック突起 ２ アッパーケース ２ａ 外周壁 ２ｃ ロック突起 ｌ３，ｌ４ 幅寸法

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロアケースとアッパーケースとを備え、
   該ロアケースとアッパーケースの内のいずれか一方の外
   周壁の内面に形成したロック突起と、いずれか他方の外
   周壁の外面に形成したロック突起とが相互に乗り越え
   て、上記ロアケースとアッパーケースを嵌合ロックする
   分岐接続箱において、 上記各ロック突起の内、嵌合ロック時に下側となるロッ
   ク突起の幅寸法を、上側となるロック突起の幅寸法より
   も長く設定したことを特徴とする分岐接続箱。