JPH073233A - 二液型接着剤 - Google Patents

二液型接着剤

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JPH073233A
JPH073233A JP29303693A JP29303693A JPH073233A JP H073233 A JPH073233 A JP H073233A JP 29303693 A JP29303693 A JP 29303693A JP 29303693 A JP29303693 A JP 29303693A JP H073233 A JPH073233 A JP H073233A
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Toshiki Origuchi
俊樹 折口
Koji Hayashi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 初期接着強度が急速に上昇し、表面が粗い被
着体の接着が容易な水性二液型接着剤を提供することを
目的とするものである。 【構成】 本発明の二液型接着剤は、(A)高分子成分
と乳化剤とを含む水性エマルジョン液であって、該高分
子成分及び乳化剤のうち少なくとも1方がアニオン基を
含有するものと、(B)アミノ基を有するアクリル系共
重合体を含有する溶液とからなるを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二液型接着剤、より詳
しくは、ウレタンフォーム等の表面が粗い被着体の接着
に好適に使用される二液型接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、クロロプレン系接着剤を代表とす
るゴム系接着剤を有機溶剤に溶解した接着剤組成物が広
範に使用されていた。しかし、溶剤の引火性や毒性、公
害などが問題となったため、近年、被着体が水又は水蒸
気を透過吸収する性質を有する場合には水性エマルジョ
ン型接着剤が用いられるようになってきた。
【0003】しかし、水性エマルジョン型接着剤は、有
機溶剤を用いた接着剤と比較すると初期接着力の発現が
遅く、十分な接着強度を得るのに長時間が必要である。
具体的には、有機溶剤を用いたゴム系接着剤を使用する
と、単に被着体を圧着させるだけで十分に接着できるの
に対し、水性エマルジョン型接着剤を使用した場合は、
水の蒸発速度が小さいために接着層の形成が遅く、接着
に時間を要する。又、ウレタンフォーム等の発泡体同士
を接着させる際には、接着層が形成される前にエマルジ
ョンが発泡体の空孔に浸透するため、十分な接着強度を
得られない。従って、この欠点は使用上の大きな障害と
なる。
【0004】このような問題を解決するために、被着体
に塗布したエマルジョン型接着剤を加熱して水を蒸発さ
せ、形成される接着剤層がほぼ乾燥した後に、被着体を
圧着させる方法が採用されている。しかし、この方法で
も十分な初期接着強度は得られない。かえって、乾燥設
備を別途必要とする点で不利である。
【0005】他方、特公昭63−17871号公報、特
公平1−60190号公報、特公平1−60191号公
報、特公平1−60192号公報では、水性エマルジョ
ン型接着剤をゲル化させる方法が幾つか提案されてい
る。これらの方法においては、被着体の一方にエマルジ
ョン型接着剤を塗布し、他方の被着体にエマルジョンを
ゲル化させるゲル化剤溶液を塗布し、両者を接触させる
ことによりエマルジョンがゲル化して両被着体が貼り合
わされる。これらの方法においては、初期接着強度が改
善されるが、ウレタンフォーム等における浸透の問題は
解決されていない。又、提案された接着剤の接着界面で
起こるゲル硬化は極めて急激であるため、濡れ性が著し
く低下する。従って、これらの方法は、ウレタンフォー
ムやガラスウールの様な表面が粗い被着体の接着には不
向きである。
【0006】又、特公昭60−26434号公報では、
別のゲル化方法が提示されており、これにおいては、水
性エマルジョン型接着剤とそれをゲル化させる物質を含
有するゲル化液とを同時に噴霧し、霧滴状態の両者は混
合されて被着体に吹き付けられる。しかし、この方法で
も、混合物が急激にゲル硬化するため、被着体に対する
濡れ性が悪く、従来のゴム系接着剤の代替物とはなり得
ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の水性エマルジョン型接着剤は、ゲル硬化が急激である
ために、表面の粗い被着体の接着に適さないという問題
があった。
【0008】本発明は、このような従来技術の課題を解
決するためになされたもので、初期接着強度が急速に上
昇し、表面が粗い被着体の接着が容易な水性接着剤を提
供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、高分子化合物
のアニオン基を含有した水性エマルジョンと、分子内に
アミノ基を有するアクリル系共重合体とを組み合わせて
用いる方法が有望であることを見いだし、本発明の二液
型接着剤を発明するに至った。
【0010】本発明の二液型接着剤は、(A)高分子成
分と乳化剤とを含む水性エマルジョン液であって、該高
分子成分及び乳化剤のうち少なくとも1方がアニオン基
を含有するものと、(B)アミノ基を有するアクリル系
共重合体を含有する溶液とからなるものである。
【0011】以下、本発明の二液型接着剤について説明
する。
【0012】従来の二液型エマルジョン接着剤における
ゲル化は、例えば金属イオン等のエマルジョンを不安定
化する物質がエマルジョンに浸入することによってエマ
ルジョンが急速に崩壊し、ゲル硬化する。ゲル化につい
ての本発明者らによる研究によると、従来の二液型エマ
ルジョン接着剤ではゲル硬化が急激に起こるために、接
着剤の被着体に対する濡れ性が悪くなる。又、ゲル硬化
に伴って水がゲル化物の外に急速に放出されて被着面と
接着剤とを隔てるために、被着面、特に粗面に対して、
十分な初期接着強度が発現しないものと考えられる。
【0013】これに比べ、本発明に係る二液型エマルジ
ョン接着剤では、エマルジョン液(A)とゲル化液
(B)との接触により起こるゲル硬化は、適度な速度で
進行し、得られるゲル化物は、鳥もち様の粘性物とな
る。このことから、本発明の接着剤において起こるゲル
化の機構は、従来の二液型エマルジョン接着剤における
機構とは異なるものと考えられる。ゲル化速度の緩和及
びゲル化物の物性の違いにより、接着剤は良好な濡れ性
を示し、十分な粘着性が発揮される。従って、本発明の
接着剤は、ウレタンフォームの様な発泡体や表面の粗い
被着体の接着をも好適に行うことができる。
【0014】本発明の接着剤におけるゲル化機構につい
ては、詳細はまだよく解っていないが、ゲル化の際に、
エマルジョン液(A)のミセルの不安定化及び崩壊のみ
ならず、ゲル化液(B)における不溶化が起こるようで
ある。つまり、粘着性の高い好適なゲルは、両液の接触
の際にゲル化液(B)の不溶化が起こるときに得られ
る。以下、上記のような性質を有する二液型エマルジョ
ン接着剤について説明する。
【0015】本発明に係る二液型エマルジョン接着剤は
水性エマルジョン液(A)と該エマルジョン液(A)を
ゲル化するゲル化液(B)とからなる。エマルジョン液
(A)は、高分子化合物の水性エマルジョンであって、
エマルジョンミセルがアニオン基を含有するものであれ
ばよい。従って、分子内にアニオン基を有する高分子化
合物をエマルジョン化するか、あるいは、分子内にアニ
オン基を有する界面活性剤を乳化剤として用いて高分子
化合物をエマルジョン化することによって、このエマル
ジョン液(A)を調製することができる。高分子成分と
界面活性剤の両方がアニオン基を有すればより好まし
く、良好な鳥もち状のゲル化接着剤が得られる。
【0016】アニオン基としては、例えば、カルボキシ
ル基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基及びその誘導体
と、これらの各種塩が挙げられる。
【0017】分子内にアニオン基を有する高分子化合物
をアニオン要素として用いる場合、該高分子化合物とし
ては、アニオン基を有する不飽和単量体を単独重合した
もの、あるいは、アニオン基を有する不飽和単量体と他
の共重合可能な不飽和単量体とを共重合したものを用い
ることができる。共重合体は3種以上の単量体から調製
してもよい。又、重合触媒によって高分子末端にアニオ
ン基を導入することもでき、例えば、触媒として過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウム等を用いると硫酸基が導
入される。但し、重合触媒のみで十分な鳥もち状ゲルを
得られる程度にアニオン基を導入するのはかなり難しい
ので、以下に示すようにアニオン基を有するモノマーを
用いて十分にアニオン基を導入するのが好ましい。
【0018】アニオン基を有する不飽和単量体として
は、カルボキシル基を有するもの及びスルホン酸基を有
するものが一般に用い易く、カルボキシル基を有する不
飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などの不飽和カ
ルボン酸が上げられる。スルホン酸基を有する不飽和単
量体としては、例えば、スチレンスルホン酸、アリルス
ルホン酸、スルホプロピルアクリレート、2−メタクリ
ロイルオキシナフタレン−2−スルホン酸、2−アクリ
ロイルオキシベンゼンスルホン酸等が挙げられる。もち
ろん、これらの単量体のカルボキシル基又はスルホン酸
基が塩基性化合物で中和された塩の形態であってもよ
い。
【0019】上記アニオン基を有する高分子化合物とし
て共重合体を採用する場合、共重合させる不飽和単量体
としては、上記のようなアニオン基を有する不飽和単量
体と共重合可能である限り、従来公知のエチレン性不飽
和単量体のいずれをも使用することができる。この代表
例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキ
シル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オク
チル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸ラウリル、
アクリル酸ステアリル等のアクリル酸エステル;メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロ
ピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチ
ル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸ステアリル等のメタクリル酸エステ
ル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、
N−ビニルピロリドン、ビニルピリジンなどの芳香族不
飽和単量体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブ
チレン、ペンテン等のオレフィン化合物;ブタジエン、
イソプレン、クロロプレン等のジエン化合物;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等のニトリルを挙げるこ
とができる。あるいは、アクリル酸ヒドロキシアルキ
ル、メタクリル酸ヒドロキシアルキル、アクリル酸メト
キシメチル、アクリル酸エトキシメチル、アクリル酸グ
リシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、
メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N
−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシブチル
アクリルアミド等も使用することができる。特に、アク
リル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキ
シ基を有するモノマーをコモノマーとして用いることに
より得られる共重合体をエマルジョン液(A)の成分と
して使用すると、エポキシ基がゲル化液(B)のアミノ
基と結合して架橋され、ゲル化した接着剤の接着強度、
耐熱性、耐水性を向上させることができる。
【0020】上述のモノマーは、通常のノニオン界面活
性剤又はアニオン界面活性剤を用いて乳化重合すること
によりアニオン基を有する高分子化合物の水性エマルジ
ョン(A)に調製される。界面活性剤は、常法に従っ
て、全モノマーに対し0.1〜20重量%程度使用され
る。概して、40〜90℃程度の温度で1.5〜8時間
程度加熱することにより重合が行なわれる。共重合体を
製造する場合は、アニオン基を有する不飽和単量体が全
モノマーに対して0.05〜90重量%程度、好ましく
は0.1〜50重量%程度になるように配合するのがよ
い。又、界面活性剤に代えて、ポリビニルアルコールの
ような水溶性の高いポリマーを用いて乳化重合すること
もできる。前述の単量体の組合せによって、各種共重合
体が得られるが、中でも、アクリル系共重合体、スチレ
ン−ブタジエン共重合体及びクロロプレン重合体、特に
アクリル系共重合体が、鳥もち状の優れたゲル化接着剤
を得るのに適している。尚、本願において、「アクリル
系共重合体」とは、アクリル酸エステル及びメタクリル
酸エステル(以下、これらを総じてアクリル系エステル
と称す)の少なくとも1種を単量体として共重合するこ
とによって得られる共重合体を意味するものとし、スチ
レン、酢酸ビニル、エチレン等の非アクリル系単量体と
アクリル系エステル単量体との共重合物をも包含する。
【0021】エマルジョン液(A)のアニオン要素とし
て分子内にアニオン基を有する界面活性剤、すなわちア
ニオン界面活性剤、を用いる場合、アニオン界面活性剤
としては、従来公知のものを広く使用することができ、
例えば、各種脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アル
キル燐酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル
ナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸
塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル
塩等を挙げることができる。他のタイプの界面活性剤と
して、反応性アニオン界面活性剤と呼ばれる、分子内に
二重結合が導入されたアニオン界面活性剤が挙げられ、
例えば、アデカリアソープシリーズ(商品名、旭電化工
業(株)社製)、アクアロンシリーズ(商品名、第一工
業製薬(株)社製)等の市販品が用いられる。反応性ア
ニオン界面活性剤を用いると、エマルジョン重合の際
に、界面活性剤自身も反応して高分子成分としての機能
を有するようになる。又、アニオン基を導入したポリビ
ニルアルコール等を界面活性剤に代えて乳化剤として用
いることができ、この場合も乳化剤が高分子成分の機能
を有することになる。
【0022】アニオン界面活性剤を使った場合に用いら
れる高分子化合物としては、上記に挙げたアニオン基を
有する不飽和単量体の単独重合体及び共重合体、不飽和
単量体の単独重合体及び共重合体、及び、アニオン基を
有する不飽和単量体と適切なコモノマーとの共重合体を
挙げることができる。上記共重合体において単量体は3
種以上用いてもよい。上述の重合体の中でも、アクリル
系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体及びクロロ
プレン重合体、特にアクリル系共重合体が好ましい。こ
れらの重合体を製造する際には、しばしば、アニオン界
面活性剤を用いる乳化重合法が採用されるので、前述の
アニオン界面活性剤を乳化重合の乳化剤として使用する
ことにより、重合後の反応液をそのままエマルジョン液
(A)として利用することができる。もちろん、重合反
応の後にアニオン界面活性剤を添加してもよい。アニオ
ン界面活性剤をエマルジョン液(A)のアニオン成分と
する場合、アニオン界面活性剤の配合量は、特に限定さ
れるものではない。しかし、上記高分子化合物に対して
0.1重量%より少ないと、ゲル化物が鳥もち状になり
難く、30重量%を超えると、ゲル化後の接着剤の接着
性及び耐水性が低下する傾向があるので、0.1〜30
重量%程度、好ましくは0.5〜15重量%程度に設定
される。
【0023】上述から理解されるように、水性エマルジ
ョン液(A)は、上記高分子化合物が接着剤としての機
能を発揮する樹脂成分として含有されるものである。水
性エマルジョン中の樹脂成分の濃度は特に限定されるも
のではない。しかし、樹脂成分量が少なくなると、ゲル
化した接着剤が被着面上に満足な層を形成し難くなり、
十分な初期接着性が得られない。過剰であると、被着体
への塗布作業に支障をきたす。これらの点から、本発明
ではエマルジョン液中の上記高分子化合物の量は、好ま
しくは20〜80重量%程度、より好ましくは40〜7
0重量%程度に設定される。
【0024】更に、水性エマルジョン液(A)に、エポ
キシ樹脂を配合すると、ゲル化液(B)の成分のアミノ
基との間に架橋が起こり、ゲル化した接着剤の耐熱性、
耐水性等を向上させることができる。エポキシ樹脂とし
ては、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物を
広く使用でき、例えば、ビスフェノールAジグリシジル
エーテル等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールFジグリシジルエーテル等のビスフェノールF
型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテ
ル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ヘキサヒド
ロビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、ポリプロ
ピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチル
グリコールジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジ
ルエステル、オキシ安息香酸グリシジルエステルエーテ
ル型エポキシ樹脂等の2官能性エポキシ樹脂、トリグリ
シジルイソシアヌレート、N,N,N’,N’−テトラ
グリシジル−m−キシレンジアミン、クレゾールノボラ
ックポリグリシジルエーテル等のノボラック型エポキシ
樹脂等の多官能性エポキシ樹脂を挙げることができる。
エポキシ樹脂は複数種用いてもよい。
【0025】上記水性エマルジョン液(A)は、必要に
応じて、ロジンエステル、石油樹脂、テルペン樹脂等の
タッキファイアー;及び、炭酸カルシウム、クレー等の
充填剤等を適宜配合することができる。
【0026】水性エマルジョン液(A)の溶媒は、水又
は水性混合溶媒を用いることができる。粘りけのあるゲ
ル化接着剤を得るためには、グリコールエーテル溶媒を
含んだ水性溶媒を用いるのが好ましい。
【0027】本発明において、ゲル化液(B)は、ゲル
化剤を含有する溶液であり、ゲル化剤が、分子内にアミ
ノ基を有するアクリル系共重合体である点において特徴
的である。ゲル化液(B)は、エマルジョン液(A)と
接してゲル化する際に、不溶化を起こす。この不溶化が
良好な場合に優れた鳥もち状ゲルが得られる。アミノ基
は親水性であるので、ゲル化剤に含まれるアミノ基の割
合は、不溶化に影響する1つの要素である。ゲル化剤の
アミノ基含量の適量は、アミノ基が第1、第2及び第3
アミノ基のいずれであるかによって幾分変わるが、好ま
しくは2×10-4〜60×10-4mol /g程度、より好
ましくは5×10-4〜40×10-4mol/g程度に設定
するとよい。ポリマー中のアミノ基の含量は、原料の配
合比や公知のアミノ基定量方法により測定することがで
きる。例えば、ポリビニル硫酸カリウム標準溶液を用い
たコロイド適定法により定量されるアミン水素当量を用
いて算出することができる。又、米国特許363437
2号公報に示されるアミン当量等の測定によってもアミ
ノ基含量は得られる。
【0028】ゲル化剤に含有されるアミノ基は、第1ア
ミン、第2アミン、第3アミンのいずれの形態でもよ
く、各種酸基とのアミン塩であってもよい。ゲル化剤の
アクリル系共重合体部分の構造は、従来公知のものを広
く使用することができるが、アミノ基が第1、第2、第
3アミンのいずれであるかは、調製方法によって異な
る。以下、ゲル化剤、つまり、アミノ基を含有するアク
リル系共重合体について詳細に説明する。
【0029】例えば、カルボキシル基を有するアクリル
系共重合体にアルキレンイミンを反応させることによっ
て、分子内に第1アミンの形態でアミノ基を含有するア
クリル系共重合体が得られ、この場合の生成物(以下、
アクリルアミンポリマーと称する)は、アクリル系共重
合体構造を有する主鎖と、下記式(1)に示すような末
端に第1アミンを有するアミノアルキル構造の側鎖とか
らなる。式から理解されるように、繰り返し単位n=1
の場合には、側鎖のアミノ基は第1アミンだけである
が、n=2以上の場合には第1アミンと第2アミンとを
含有する。これは、各種酸を用いて中和すると、アミノ
基がアミン塩に変換される。
【0030】
【化1】 (上記において、R1 及びR2 は水素原子又は炭素数1
〜3のアルキル基であり、nは1〜4の範囲の繰り返し
単位数を表す。
【0031】このアクリルアミンポリマーの調製におい
て、カルボキシル基を有するアクリル系共重合体は、カ
ルボキシル基含有不飽和単量体1〜50重量%と、コモ
ノマー50〜99重量%とを適切な有機溶媒中で溶液重
合することによって得られる。コモノマーは、上記カル
ボキシル基含有不飽和単量体と共重合可能な不飽和単量
体であるが、望ましくはアクリル系エステル(つまりア
クリル酸エステル又はメタクリル酸エステル)を用い
る。コモノマーは、アクリル系エステルを主成分として
含有する複数種の不飽和単量体混合物を用いてもよい。
溶液重合反応は、開始剤の存在下、4〜24時間程度、
60〜100℃程度の温度で加熱することによって進行
する。得られたカルボキシル基を有するアクリル系共重
合物のカルボキシル基をアルキレンイミンと反応させる
ことによってアクリルアミンポリマーが調製される。ア
ルキレンイミンとの反応は、例えば、40〜150℃の
温度条件下でアクリル系共重合物とアルキレンイミンと
を混合攪拌することによって行うことができる。
【0032】カルボキシル基含有不飽和単量体として
は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン
酸、イタコン酸等や、マレイン酸無水物、イタコン酸無
水物などの酸無水物が挙げられる。これらの中でもアク
リル酸及びメタクリル酸が特に好ましい。コモノマー
は、アクリル系エステルを少なくとも50重量%以上含
有するのが望ましい。アクリル系エステルとしては、具
体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸ラウリル、ア
クリル酸ステアリル、アクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸2−
ヒドロキシエチ等のアクリル酸エステル;及び、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロ
ピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチ
ル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルア
ミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタ
クリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸エステ
ルを挙げることができる。
【0033】又、上記コモノマーとして使用可能なアク
リル系エステル以外の不飽和単量体としては、例えば、
スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−
メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリル
アミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を挙
げることができる。
【0034】重合に用いられる溶媒としては、具体的に
は、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低
級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジエチレングリコール等のグリコール類;エチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール等
のグリコールエーテル類;アセトン、メチルエチルケト
ン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類;及び、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル
類などが挙げられる。これらの中で、グリコールエーテ
ル類が特に好ましい。
【0035】アミノ基を導入するためのアルキレンイミ
ンとしては、エチレンイミン、プロピレンイミン、1−
ブチレンイミン、2−ブチレンイミン等のアルキレンイ
ミン類を用いることができ、特に、エチレンイミン及び
プロピレンイミンが好ましい。アルキレンイミンによっ
て構成されるアミノアルキル側鎖における繰り返し単位
数は1〜4の範囲に設定されるのが好ましい。
【0036】又、上述の調製方法において、アルキレン
イミンに代えて、N−(2−アミノエチル)アジリジ
ン、N−(3−アミノプロピル)アジリジン、N−(2
−アミノプロピル)アジリジン等のN−(アミノアルキ
ル)置換アジリジンを用いることもできる。
【0037】本発明においては、ゲル化剤は溶液に調製
される。これをそのままゲル化液として用いてもよい
が、ゲル化液(B)は使用に際して水性エマルジョン液
(A)と組み合わせるので、より好ましくは、ゲル化液
(B)は水性エマルジョン液に均質に混合し得るように
調整される。これに適する1つの方法として、アクリル
アミンポリマーを親水性溶媒に溶解してゲル化液(B)
とするものがある。別の方法として、水溶性の高いアク
リルアミンポリマーを採用するということがある。この
点については、上述のアクリルアミンポリマーのアミノ
基を、酸、特に、水溶性の酸との塩に変換すると、ポリ
マーの水溶性が向上し、水性溶媒に均質に溶解し易くな
る点は注目に値する。アクリルアミンポリマーの水溶性
酸との塩を用いると、ゲル化液(B)の溶媒として水及
び含水溶媒を採用し易くなる。従って、有機溶剤の使用
による問題の解決の点からも好ましい。塩を形成するた
めに好適に用いられる水溶性酸としては、例えば、塩
酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸等の鉱酸類;酢酸、プロピ
オン酸等のカルボン酸類;乳酸、酒石酸等のオキシカル
ボン酸類が挙げられる。
【0038】アクリルアミンポリマーの塩の形成は、上
記のような水溶性酸の水溶液を用いて行うのが操作とし
て行い易い。従って、前述のアクリルアミンポリマーの
合成における溶液重合反応及びアミノ基導入で使用した
溶媒が低級アルコール類、グリコール類、グリコールエ
ーテル類、ケトン類などの親水性溶媒であれば、すぐに
造塩工程に移行することができる。特に、グリコール
類、グリコールエーテル類が、好適なゲルを得るのに好
ましい。有機溶媒を用いてポリマーを調製した後に、一
旦アクリルアミンポリマーを反応液から取り出して、水
又は親水性溶媒で適宜造塩することもできる。
【0039】アクリルアミンポリマーのアミノ基と塩を
形成する酸の量は、厳格に規定されるものではないが、
ゲル化液(B)のpH値が2〜7の範囲となるように酸
成分の量を調整するのが上述の目的のために好ましい。
【0040】上述のアクリルアミンポリマー中和物とし
て、具体的には、(株)日本触媒社からポリメントNK
−100PM、及び、ポリメントNK−200PMの商
品名で市販されている各ポリマーを採用することができ
る。
【0041】別のゲル化剤として、1置換又は2置換ア
ミノ基が結合した不飽和単量体の単独重合体、あるい
は、1置換又は2置換アミノ基が結合した不飽和単量体
と共重合可能なコモノマーとを有機溶媒中で共重合させ
ることによって、分子内に2級又は3級アミンの形態で
アミノ基を含有するアクリル系共重合体(以下、置換ア
ミノアクリルポリマーと称する)を調整することができ
る。コモノマーとしては、アクリル系エステルが用いら
れ、アクリル系エステルを主成分とする複数種の不飽和
単量体混合物を用いることもできる。得られた共重合体
を酸性物質で処理すれば置換アミノ含有アクリルポリマ
ー中和塩が得られる。塩形成のための酸性物質は、アク
リルアミンポリマーの場合と同様のものが用いられる。
【0042】1置換又は2置換アミノ基が結合した不飽
和単量体としては、例えば、アクリル酸2−t−ブチル
アミノエチル、アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、
アクリル酸2−ジエチルアミノエチル、アクリル酸3−
ジメチルアミノ−1−ヒドロキシプロピル、アクリル酸
3−ジエチルアミノ−1−ヒドロキシプロピル、N−2
−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N−2−ジエ
チルアミノエチルアクリルアミド、N−3−ジメチルア
ミノプロピルアクリルアミド、メタクリル酸2−t−ブ
チルアミノエチル、メタクリル酸2−ジメチルアミノエ
チル、メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル、メタク
リル酸3−ジメチルアミノ−1−ヒドロキシプロピル、
メタクリル酸3−ジエチルアミノ−1−ヒドロキシプロ
ピル、N−2−ジメチルアミノエチルメタクリルアミ
ド、N−2−ジエチルアミノエチルメタクリルアミド、
N−3−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド等が
挙げられる。
【0043】上記1置換又は2置換アミノ基が結合した
不飽和単量体と共重合可能なコモノマーの具体例として
は、前述のアクリルアミンポリマーの製造の際に用いら
れるコモノマーを挙げることができる。上記アミノ基が
結合した不飽和単量体の共重合可能なコモノマーに対す
る使用割合は、重量比で1/99程度以上に設定される
のが好ましい。
【0044】単独重合反応あるいは共重合反応の際に使
用される有機溶媒、及び、1置換又は2置換アミノ基の
中和に用いられる酸性物質については、前述のアクリル
アミンポリマーの製造及び中和の際に用いられるものを
使用することができる。
【0045】本発明に係るゲル化液(B)は、アミノ基
を有するアクリル系共重合体(ゲル化剤)が親水性溶液
の形態に調製されて好適に使用に供され、ゲル化液
(B)の親水性媒体は、前述のアクリルアミンポリマー
の説明で述べたように、水、親水性溶媒又は含水親水性
溶媒が用いられる。親水性溶媒としては、例えば、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノ
ール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノー
ル等の低級アルコール類;エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール
類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタ
ノール等のグリコールエーテル類;及び、アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン類等が挙げられる。上記媒
体の中でも、特に、グリコール類、グリコールエーテル
類及び水が好ましい。親水性媒体は、上記溶媒を単独又
は2種以上を混合して用いることができる。
【0046】ゲル化液(B)中のゲル化剤の量は、ゲル
化力及びゲル化液の粘性の点を考慮して、好ましくは2
〜80重量%程度、より好ましくは5〜60重量%に設
定される。ゲル化剤の含量が不足すると、十分にゲル化
するのが難しくなり、ゲル化剤の含量が過剰であると、
ゲル化液(B)の粘度が高くなりすぎ、塗布作業に支障
を来す。
【0047】本発明に係る水性エマルジョン液(A)と
ゲル化液(B)とからなる二液型接着剤は、石膏ボー
ド、硅カル板、スレート板などの無機質材料、発泡スチ
ロール、ポリエチレン発泡体などのプラスチック材料の
他、従来の水性接着剤組成物では接着が困難であったウ
レタンフォーム、ガラスウール、ガラスマット、フェル
ト、布等の接着にも好適に使用することができる。
【0048】本発明の二液型接着剤の使用態様について
は、従来公知の方法を広く適用できる。例えば、(A)
液と(B)液の液滴が気相中で混合されて被着面の一方
に施されるようにスプレーし、他方の被着面を接着する
ことができる。スプレー法を採用する場合、従来公知の
エアスプレー及びエアレススプレーを使用できる。ある
いは、一方の被着面に(A)液を他方の被着面に(B)
液を塗布し、両者を接触させる方法を採用してもよい。
この場合、塗布方法は、刷毛塗り、ロールコーターによ
る塗布等の通常の方法から適宜選択することができる。
【0049】(A)液と(B)液との混合割合は、各液
の濃度に応じて適宜調節することができる。概して、
(A)液の重合体成分:(B)液の重合体成分比は、重
量比で1:0.01〜10、より好ましくは1:0.0
2〜5に設定するのが好ましい。被着剤への接着剤の塗
布量は、(A)液及び(B)液の重合体成分の合計が1
0〜500g/m2 程度となるように設定するのが好ま
しい。
【0050】上述の構成に従って調製された接着剤は、
ゲル化時にゲル化液(B)での不溶化が起こり、粘着性
の高いゲルになる。ゲル化液(B)での不溶化は、様々
な要素の影響を受ける。例えば、エマルジョン液(A)
のアニオン基の影響、ゲル化液(B)の濃度、溶媒混合
比の変化、pH値変化や機械的刺激によっても不溶化す
る。故に、両液の種類や組合せに応じて、各液の組成割
合、pH値、塗布量等を適宜調整するのが望ましい。
【0051】上記に従って調製された本発明に係る二液
型接着剤は、ゲル化剤としてアミノ基を含有するアクリ
ル系共重合体を用いることにより、従来のゲル化剤より
ゲル硬化速度が適度に緩やかになるため、ゲル化初期に
濡れ性を保持することができる。このため、粗い被着面
上にも接着層が速やかにフィットし、初期接着力がすぐ
に発現し、急激に増加する。又、ゲル化した接着剤の粘
着性が高いので、発泡体のような弾性を有する被着体の
接着にも使用することができる。ゲル化した接着剤が水
を放出しないので、プラスチックのような疎水性材料も
接着できる。
【0052】以下、本発明に係る二液型接着剤につい
て、実施例及び比較例を用いて更に詳細に説明する。
【0053】
【実施例】以下に記載する試料1〜11の接着剤を調製
し、接着性能試験を行うことにより各接着剤の評価を行
った。尚、以下の記載に於て、単位「部」及び「%」
は、「重量部」及び「重量%」を意味するものとする。
【0054】(試料1)反応容器に、アデカリアソープ
SE−10N(反応性アニオン界面活性剤[C9 19
6 4 −O−CH2 −CH(CH2 OCH2 CH=C
2 )−(OCH2 CH2 n −OSO3 NH4 ]、旭
電化工業(株)社製)2部、ハイテノールN−08(ア
ニオン界面活性剤、第一工業製薬(株)社製)1部、3
−メチル−3−メトキシブタノール4部、過硫酸カリウ
ム0.3部及びイオン交換水42.7部を仕込み、反応
容器内の温度が70℃迄上昇するように容器を加熱し、
アクリル酸2−エチルヘキシル40部、メタクリル酸メ
チル8部及びアクリル酸2部を90分かけて滴下した。
混合液を75℃で3時間加熱して乳化重合を行い、アニ
オン基を有するアクリル酸エステル重合体のエマルジョ
ン液を得た。エマルジョン液の不揮発分は52%、粘度
は4000mPa・sであった。
【0055】他方、アミン塩酸塩の形態のアミノ基を含
有するアクリル酸エステル共重合体水性溶液(商品名:
ポリメントNK−100PM、(株)日本触媒社製、不
揮発分49%、アミン水素当量370g・solid /eq、
アミン水素当量から算定したアミノ基含量16〜20×
10-4 mol/g)50部を水50部で希釈した。
【0056】水性エマルジョン液(A)として、上記ア
クリル酸エステル重合体のエマルジョン液を用い、ゲル
化液(B)として、上記アミノ基を含有するアクリル酸
エステル共重合体水性希釈液を用いて、後述する接着性
能試験を行った。結果を表1に示す。
【0057】(試料2)反応容器に、ハイパーマーA−
409(高分子型ノニオン界面活性剤、アイ・シー・ア
イ ケミカルズ アンド ポリマーズ リミテッド社
製)2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2
部、p−スチレンスルホン酸ナトリウム1部、3−メチ
ル−3−メトキシブタノール3部、過硫酸カリウム0.
3部及びイオン交換水41.7部を仕込み、反応容器内
の温度が70℃迄上昇するように容器を加熱し、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル40部、メタクリル酸メチル8
部及びアクリル酸2部を90分かけて滴下した。混合液
を75℃で3時間加熱して乳化重合を行い、アニオン基
を有するアクリル酸エステル重合体のエマルジョン液を
得た。エマルジョン液の不揮発分は54%、粘度は30
00mPa・sであった。
【0058】水性エマルジョン液(A)として、上記ア
クリル酸エステル重合体のエマルジョン液を用い、ゲル
化液(B)として、試料1のアミノ基を含有するアクリ
ル酸エステル共重合体水性希釈液を用いて、同様に接着
性能試験を行った。結果を表1に示す。
【0059】(試料3)反応容器に、アクリル酸ブチル
20部、メタクリル酸メチル15部、スチレン5部、ア
クリル酸ジメチルアミノエチル10部、アゾビスイソブ
チロニトリル1.5部及び3−メチル−3−メトキシブ
タノール50部を仕込み、反応容器を85℃で10時間
加熱して溶液重合を行った。冷却後、35%塩酸水溶液
5.5部を加えて、更に水100部で希釈して2置換ア
ミノ基を含有するアクリル酸エステル共重合体水性溶液
を得た。水溶液の不揮発分は25%、粘度は1000m
Pa・sであった。
【0060】水性エマルジョン液(A)として、試料1
のアクリル酸エステル重合体のエマルジョン液を用い、
ゲル化液(B)として、上記で得たアミノ基を含有する
アクリル酸エステル共重合体水性溶液を用いて、同様に
接着性能試験を行った。結果を表1に示す。
【0061】(試料4)反応容器に、アクリル酸ブチル
20部、メタクリル酸メチル15部、スチレン5部、ア
クリル酸ジメチルアミノエチル10部、アゾビスイソブ
チロニトリル1.5部及び3−メチル−3−メトキシブ
タノール50部を仕込み、反応容器を85℃で10時間
加熱して溶液重合を行った。冷却後、酢酸3部を加え
て、更に水120部で希釈して2置換アミノ基を含有す
るアクリル酸エステル共重合体水性溶液を得た。水溶液
の不揮発分は23%、粘度は1200mPa・sであっ
た。
【0062】水性エマルジョン液(A)として、試料1
のアクリル酸エステル重合体のエマルジョン液を用い、
ゲル化液(B)として、上記で得たアミノ基を含有する
アクリル酸エステル共重合体水性溶液を用いて、同様に
接着性能試験を行った。結果を表1に示す。
【0063】(試料5)水性エマルジョン液(A)とし
て、アニオン界面活性剤(脂肪酸ナトリウム)を含有す
るスチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン(不揮発
分40%、粘度50mPa・s、商品名:2108、日
本合成ゴム社製)を用い、ゲル化液(B)として、試料
1のアミノ基を含有するアクリル酸エステル共重合体水
性希釈液を用いて、同様に接着性能試験を行った。結果
を表1に示す。
【0064】(試料6)反応容器に、アクリル酸ブチル
20部、メタクリル酸メチル15部、スチレン5部、ア
クリル酸ジメチルアミノエチル10部、アゾビスイソブ
チロニトリル1.5部及び3−メチル−3−メトキシブ
タノール50部を仕込み、反応容器を85℃で10時間
加熱して溶液重合を行った。冷却後、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル65部で希釈して2置換アミノ
基を含有するアクリル酸エステル共重合体水性溶液を得
た。水溶液の不揮発分は30%、粘度は800mPa・
sであった。
【0065】水性エマルジョン液(A)として、試料2
のアクリル酸エステル重合体のエマルジョン液を用い、
ゲル化液(B)として、上記で得たアミノ基を含有する
アクリル酸エステル共重合体水性溶液を用いて、同様に
接着性能試験を行った。結果を表1に示す。
【0066】(試料7)水性エマルジョン液(A)とし
て、試料1のアクリル酸エステル重合体のエマルジョン
液を用い、ゲル化液(B)を用いずに、後述する接着性
能試験に従って接着性を調べた。結果を表1に示す。
【0067】(試料8)反応容器に、エパン750(ノ
ニオン界面活性剤、第一工業製薬(株)社製)2部、エ
マルゲン930(ノニオン界面活性剤、花王(株)社
製)1部、過硫酸カリウム0.3部及びイオン交換水4
6.7部を仕込み、反応容器内の温度が70℃迄上昇す
るように容器を加熱し、アクリル酸2−エチルヘキシル
43部及びメタクリル酸メチル7部を滴下した。混合液
を70〜75℃で3時間加熱して乳化重合を行い、殆ど
アニオン基を含まないアクリル酸エステル重合体のエマ
ルジョン液を得た。エマルジョン液の不揮発分は50
%、粘度は4000mPa・sであった。
【0068】水性エマルジョン液(A)として、上記ア
ニオン基を含まないアクリル酸エステル重合体のエマル
ジョン液を用い、ゲル化液(B)として、試料1のアミ
ノ基を含有するアクリル酸エステル共重合体水性希釈液
を用いて、同様に接着性能試験を行った。結果を表1に
示す。
【0069】(試料9)第1、第2及び第3アミンの形
態のアミノ基を含有するエチレンイミン重合体(樹脂分
98%、商品名:エポミンSP−200、(株)日本触
媒社製)50部を水120部で希釈した。
【0070】水性エマルジョン液(A)として、試料1
のアクリル酸エステル重合体のエマルジョン液を用い、
ゲル化液(B)として、上記エチレンイミン重合体水溶
液を用いて、同様に接着性能試験を行った。結果を表1
に示す。
【0071】(試料10)第1アミン塩酸塩の形態のア
ミノ基を含有するステアリルアミン塩酸塩(有効成分5
0%、商品名:フアーミンR86H、花王(株)社製)
50部を水50部で希釈した。
【0072】水性エマルジョン液(A)として、試料1
のアクリル酸エステル重合体のエマルジョン液を用い、
ゲル化液(B)として、上記ステアリルアミン塩酸塩水
溶液を用いて、同様に接着性能試験を行った。結果を表
1に示す。
【0073】(試料11)水性エマルジョン液(A)と
して、試料1のアクリル酸エステル重合体のエマルジョ
ン液を用い、ゲル化液(B)として、第1アミンの形態
のアミノ基を含有するアクリル系共重合体水性エマルジ
ョン(不揮発分40%、商品名:ポリメントKX−CK
200、(株)日本触媒社製)を用いて、同様に接着性
能試験を行った。結果を表1に示す。
【0074】(接着性能試験)接着性能試験では、温度
20℃、湿度65%RHの雰囲気下で上記接着剤を用い
て以下の作業を行った。
【0075】寸法が5mm×300mm×300mm、密度が
32kg/m3 のガラスマットと寸法が0.18mm×35
0mm×350mmのガラスクロスを用意した。エアスプレ
ーを用いて、(A)液及び(B)液を同時に噴霧し、霧
滴を空気中で混合して、ガラスマット上に均一に塗布し
た。(A)液の塗布量は、30g/m2 、(B)液の塗
布量は10g/m2 であった。この後すぐに、手圧によ
りガラスクロスをガラスマットと貼合わせた。
【0076】貼着後直ちに、ガラスクロスを下側にし
て、ガラスマットとガラスクロスを水平に位置させ、ガ
ラスマットを固定した。ガラスクロスの状況を1分間観
察した。観察の結果は、以下のように評価した。 A:観察中、ガラスクロスは全く剥離しなかった。 B:ガラスクロスは一部剥離したが、脱落しなかった。 C:ガラスクロスは剥離・脱落した。
【0077】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料1 試料2 試料3 試料4 試料5 試料6 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 評価 A A A A B B −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料7 試料8 試料9 試料10 試料11 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 評価 C C C C C −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料1〜6のゲル化物は鳥もち状で、粘性がある。これ
から明らかなように、アミノ基を含有するアクリル系共
重合体は有効に作用し、アミノ基の状態によって多少変
化はするが、接着性を示すことが解る。
【0078】これに対し、試料8及び9のゲル化物はお
から状で脆く、試料7、10及び11ではゲル化しなか
った。これらの結果から、以下のようなことが示唆され
る。 1)試料1と試料9、10との比較によると、ゲル化剤の
主体がアクリル系共重合体であることがゲル化物の接着
性の発揮に有効である。 2)試料1と試料8との比較によると、エマルジョン液
(A)のアニオン基とゲル化液(B)のアミノ基の作用
がゲル化の際の作用に関連する。又、好適な粘りけのあ
るゲルを得られるようにエマルジョン液(A)に十分量
のアニオン基を導入するのが望ましい。 3)試料1と試料11との比較によると、ゲル化の際にゲ
ル化液(B)の不溶化が起こることがゲル化物の粘着性
にとって重要である。
【0079】上記結果から明らかなように、本発明の接
着剤は、ガラスマットとガラスクロスの接着において、
良好な初期接着強度を発現する。従って、従来の水性接
着剤では接着が難しい表面の粗い発泡体やプラスチック
なども容易に接着できることが明かである。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
塗布後の初期接着強度が急速に上昇し、被着面に対する
良好な濡れ性を有する二液型接着剤が提供される。従っ
て、クロロプレン系接着剤などの有機溶剤型ゴム系接着
剤の代替となり得るので、溶剤使用による問題解決に大
きな効果を発揮することができる。故に、その工業的価
値は極めて大である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)高分子成分と乳化剤とを含む水性
    エマルジョン液であって、該高分子成分及び乳化剤のう
    ち少なくとも1方がアニオン基を含有するものと、
    (B)アミノ基を有するアクリル系共重合体を含有する
    溶液とからなる二液型接着剤。
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