JPH0747720B2 - ポリオレフィン用水性接着剤 - Google Patents

ポリオレフィン用水性接着剤

Info

Publication number
JPH0747720B2
JPH0747720B2 JP22214988A JP22214988A JPH0747720B2 JP H0747720 B2 JPH0747720 B2 JP H0747720B2 JP 22214988 A JP22214988 A JP 22214988A JP 22214988 A JP22214988 A JP 22214988A JP H0747720 B2 JPH0747720 B2 JP H0747720B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
acrylic
product
weight
test
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP22214988A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0269587A (ja
Inventor
嘉彦 四柳
和彦 谷口
貞克 林
光治 巌
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konishi Co Ltd
Original Assignee
Konishi Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konishi Co Ltd filed Critical Konishi Co Ltd
Priority to JP22214988A priority Critical patent/JPH0747720B2/ja
Publication of JPH0269587A publication Critical patent/JPH0269587A/ja
Publication of JPH0747720B2 publication Critical patent/JPH0747720B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はポリオレフィン用水性接着剤に関する。更に詳
しくは、ポリオレフィン類を室温にて接着することが可
能で、初期接着力の発現が早く、耐水性や耐熱性の優れ
た水性エマルジョン型接着剤に関する。
従来技術 従来、ポリオレフィン類を含むプラスチック用接着剤と
しては、例えば特公昭59−2474号公報又は特開昭58−21
3071号公報に記載されている酢酸ビニル−エチレン系共
重合エマルジョンにポリアルキレンポリアミン、ポリエ
チレンイミンやポリアミンポリアミドを配合したものが
知られている。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記従来の接着剤は、下記(イ)〜
(ハ)に示す欠点を有している。
(イ)ポリオレフィン類の接着範囲は日本工業規格の
「ポリエチレン及びポリプロピレンのぬれ試験方法(JI
S K6768)」によりぬれ指数の測定が指標となるが、従
来の接着剤ではぬれ指数が33〜40dyn/cmの範囲にあるポ
リオレフィンには実用的な接着を行なうことができず、
41dyn/cmを超えるポリオレフィンにのみ実用的な接着が
可能であり、従って接着できるポリオレフィン材料が限
定される。
(ロ)接着できるポリオレフイン材料であっても、従来
の接着剤では、初期接着速度の発現が遅くて作業性に劣
ると共に、耐水性、耐熱性、耐寒性等に乏しい接着製品
が得られるに過ぎない。
(ハ)接着製品が変色又は着色して品質価値を損なう。
問題点を解決するための手段 本発明者等は、従来の接着剤の欠点を全て解消すべく鋭
意研究を重ねてきた。その結果、下記(A)成分に
(B)成分を配合した場合に限り、上記(イ)〜(ハ)
の欠点が悉く解消された所望の接着剤が得られることを
見い出した。本発明は、斯かる知見に基づき完成された
ものである。
即ち、本発明は、 (A)ポリビニルアルコールを含む酢酸ビニル−エチレ
ン共重合エマルジョン又は酢酸ビニル−エチレン−アク
リル酸エステル共重合エマルジョン、及び (B)カルボキシル基を有するアクリル系共重合ポリマ
ーのカルボキシル基にアルキレンイミンを反応させて得
られる、主鎖にアクリル系共重合ポリマーを有し、側鎖
にポリアルキレンイミン構造を有する化合物の中和物
(以下「アクリルアミンポリマー中和物」という) を含有してなるポリオレフィン用水性接着剤に係る。
本発明において、(A)成分として用いられる酢酸ビニ
ル−エチレン共重合エマルジョン又は酢酸ビニル−エチ
レン−アクリル酸エステル共重合エマルジョンは、ポリ
ビニルアルコールを含有するものである。含有されるポ
リビニルアルコールとしては、平均ケン化度60〜100モ
ル%、平均重合度300〜3000のものが適当であり、その
含有量は樹脂固形分に対し1〜10重量%、好ましくは2
〜8重量%である。更に本発明においては、ポリビニル
アルコール以外の乳化剤や分散剤を粒子系の調節,乳化
力の増大等のために補助的に併用しても差し支えない。
酢酸ビニル−エチレン共重合体としては、その共重合比
率が酢酸ビニル90〜60重量部、エチレン10〜40重量部で
あるものが望ましい。エチレンが10重量部より少なくな
る場合には、斯かる共重合体を配合した接着剤による接
着製品の耐水性及び耐寒性が低下する傾向にあり、エチ
レンが40重量部を越える場合には、凝集力が低下し、得
られる接着剤の接着力並びに耐熱性が低下する傾向にあ
るので、いずれも好ましくない。
酢酸ビニル−エチレン−アクリル酸エステル共重合体と
しては、その共重合比率が酢酸ビニルが90〜40重量部、
エチレンが5〜30重量部及びアクリル酸エステルが5〜
30重量部のものが望ましい。ここでアクリル酸エステル
とは、アクリル酸エステル部のアルキルの炭素数が1〜
10の範囲のものであり、具体的にはメチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イ
ソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、オク
チルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等
を例示できる。これらは1種単独で又は2種以上併用で
きる。エチレン及びアクリル酸エステルの総量が10重量
%より少なくなる場合には、斯かる共重合体を配合した
接着剤による接着製品の耐水性と耐寒性が低下する傾向
にあり、一方逆にエチレン及びアクリル酸エステルの総
量が60重量部を越える場合には、凝集力の低下による接
着力の低下傾向及び接着製品の耐熱性の低下を招く恐れ
があり、好ましくない。
本発明で(B)成分として用いられるアクリルアミンポ
リマー中和物とは、主鎖がアクリル系ポリマーであっ
て、側鎖が次式で表わされる構造を有するものである。
上記式において、R1及びR2は水素原子又は炭素数1〜3
のアルキル基であり、nは通常1〜3の範囲にある。更
にHXは酸を表わし は中和状態を示している。
上記において、n=1の場合には、側鎖はアミノ基だけ
であるが、n=2以上の場合には末端がアミノ基とな
り、その途中はイミノ基となる。これらアミノ基とアミ
ノ基、イミノ基の量はアミン水素当量として示すことが
できる。このアミン水素当量は次式で計算される。
ここでS1:試料の採取量(g) N:試料の固形分(重量%) S2:希釈試料液の採取量(g) F:1/4N−PVSK液の力価 V:1/4N−PVSK液の滴定量(ml) W:希釈試料液の全重量(g) 尚、PVSK液とは、ポリビニル硫酸カルシウム溶液(コロ
イド滴定用、市販品)である。
主鎖にアクリル系共重合ポリマーを有し、側鎖にポリア
ルキレンイミン構造を有する化合物(アクリルアミンポ
リマー)は、カルボキシル基含有不飽和単量体1〜20重
量%とアクリル酸エステルを主成分とする不飽和単量体
99〜80重量%とを適当な有機溶媒中で溶液重合を行なっ
た後に、生成したポリマーの分子中に有するカルボキシ
ル基に対し、エチレンイミン、プロピレンイミン等の炭
素数1〜3のアルキル基を有するアルキレンイミンを反
応させることにより製造される。
ここでカルボキシル基含有不飽和単量体としては、アク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタ
コン酸等やこれらの酸無水物が例示できる。この中でも
アクリル酸及びメタクリル酸が好適である。
アクリル酸エステルを主成分とする不飽和単量体として
は、少なくとも50重量%以上はアクリル酸エステルを含
有している必要があり、斯かる不飽和単量体を使用しな
ければポリオレフィン材料に対する良好な接着性は発現
され難くなる。アクリル酸エステルとしては、アルキル
置換基の炭素数が1〜8の範囲のものを広く使用でき、
具体的にはメチルアクリレート、エチルアクリレート、
プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソ
ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、ヘキシ
ルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート等を例示できる。これらは1種もし
くは2種以上混合して使用され得る。アクリル酸エステ
ル以外の不飽和単量体は、アクリルアミンポリマーの凝
集力を向上せしめ、耐熱性を向上させる目的で、又は親
水性を付与し水溶化を助長する目的で使用される。凝集
力を向上せしめる目的の単量体としては、その単独ポリ
マーのガラス転移温度が室温以上であるスチレン、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル等を
例示でき、親水性を付与する目的の単量体としては、ア
クリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシエチルメタクリレート等を例示できる。良好な
接着性を与えるアクリル酸エステルモノマーとして、好
ましくはエチルアクリレート、ブチルアクリレート及び
2−エチルヘキシルアクリレートを挙げることができ
る。凝集力を向上せしめる単量体として、好ましくはス
チレン及びメチルメタクリレートを挙げることができ
る。また親水性を助長できる単量体として、好ましくは
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジエチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレートを挙げることがで
きる。
用いられる有機溶媒としては、具体的にはメチルアルコ
ール、エチルアルコール、n−もしくはイソプロピルア
ルコール、n−、イソもしくはt−ブチルアルコール等
の低級アルコール類、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレン
グリコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン類、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチルが
例示できる。
上記カルボキシル基含有不飽和単量体とアクリル酸エス
テルを主成分とする不飽和単量体の溶液重合は、例えば
アゾビスイソブチロニトリルやベンゾイルパーオキサイ
ド等の開始剤の存在下、60〜100℃程度、4〜24時間程
度で行なわれ、斯くしてカルボキシル基含有アクリルポ
リマーが重合される。
このようにして得られたカルボキシル基含有アクリル系
ポリマーのカルボキシル基に対しアルキレンイミンを反
応させてアクリルアミンポリマーを製造するには、例え
ば米国特許3634372号明細書に記載の反応条件に従えば
よい。
本発明にとって重要なことは、上記で得られるアクリル
アミンポリマーを中和状態にすることである。この中和
状態にすることによって、(A)成分に対し良好な混和
性を得ることができ、ポリオレフィン類に対する優れた
接着効果を与えることができる。
この中和に用いる酸としては、例えば塩酸、臭化水素
酸、硝酸、硫酸等の鉱酸類、酢酸、プロピオン酸等のカ
ルボン酸類、乳酸、酒石酸等のオキシカルボン酸が挙げ
られる。この中和工程では使用される酸が水溶液である
ことが好ましいので、アクリルアミンポリマーの希釈溶
媒の選択はアクリルアミンポリマーを中和前後で溶解性
を保ち、含水状態であっても均質な溶解系を保つため、
親水性溶媒であることが望まれる。合成したアクリルア
ミンポリマーを中和する場合、溶液重合で使用した有機
溶媒が低級アルコール類、アルキレングリコール類、ケ
トン類等の親水性溶媒であればすぐに中和工程に移行し
てもよく、それ以外の溶媒ならば一旦このポリマーを取
出して所定の溶媒で改めて希釈してもよく、要は中和後
のポリマー溶液が、含水状態となっても均質溶液となっ
ておればよい。中和に対する酸の量は特に限定はなくpH
が2〜7の範囲に調節する。もし含水状態でない場合は
少量の水を添加して上記pH範囲を保つようにすればよ
い。
本発明に使用するアクリルアミンポリマーは、前記滴定
方法により測定されたアミン水素当量(g−solid/eq)
が200〜700の範囲が適する。特に好ましくは300〜600で
ある。アミン水素当量が700より大きいと、ポリオレフ
ィン類に対する接着性が乏しくなる傾向となり、一方ア
ミン水素当量が200より小さくなると、接着製品の耐水
性が低下する傾向となり、好ましくない。また本発明で
用いられるアクリルアミンポリマーの分子量は20000〜4
00000の範囲が適し、特に80000〜300000の範囲が好まし
い。もし20000より小さいと、初期接着速度が低下する
と共に接着製品の耐水性が低下する傾向となり、また40
0000を超えた場合は混和性が低下する傾向となる。
本発明の(A)成分と(B)成分とを配合するに当たっ
ては、通常(A)のエマルジョンをpH3〜7の領域に調
節し、(B)のアクリルアミンポリマー中和物の親水性
有機溶媒に溶解したものを配合する方法を採用するのが
よい。この場合、アクリルアミンポリマー中和物溶液の
濃度は20〜70重量%がよい。もし20重量%以下の時は接
着剤中に含有される溶剤量が増加して低粘度になり過ぎ
ることがあり、70重量%以上の時は混和性が悪くなる。
(A)成分及び(B)成分の配合量としては、(A)の
樹脂分100重量部当り、(B)の樹脂分1〜20重量部が
適当であり、特に好ましくは1.5〜10重量部である。
(B)樹脂分が1重量部より少ないと、ポリオレフィン
類に対する接着性と耐熱性が劣る傾向となり、一方20重
量部を超えると(A)成分に対する良好な混和性が得ら
れ難くなるので、好ましくない。
本発明において、エポキシ樹脂を配合すると、得られる
組成物により一層高度な耐熱性、耐水性、耐煮沸性及び
煮沸繰返し性を賦与することができる。エポキシ樹脂と
しては、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物
を広く使用でき、例えばビスフェノールA−ジクリシジ
ルエーテル、ビスフェノールF−ジグリシジルエーテ
ル、ビスフェノールS−ジグリシジルエーテル、レゾル
シノールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロビスフェ
ノールA−ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリ
コールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコール
ジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステ
ル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等の2官能性エポ
キシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグ
リシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル
メタキシレンジアミン、クレゾールノボラックポリグリ
シジルエーテル等の多官能性エポキシ樹脂を挙げること
ができる。これらエポキシ樹脂の中でも、親水性のアク
リルアミンポリマー中和物のポリオレフィンに対する接
着性の効果を保持する上で、親油性のタイプが好適であ
る。この内特に好ましくは、ビスフェノールA−ジグリ
シジルエーテル及びビスフェノールF−ジグリシジルエ
ーテルである。これらエポキシ樹脂の添加量は、(A)
成分の樹脂分100重量部当り通常1〜40重量部、好まし
くは2〜30重量部とするのがよい。エポキシ樹脂の添加
量が極端に多過ぎると、ポリオレフィンに対する接着性
が乏しくなる傾向となり、好ましくない。エポキシ樹脂
の(A)のエマルジョンに対する添加方法としては、液
状樹脂の場合には、直接添加して高速撹拌により強制乳
化する方法が、また固形エポキシ樹脂又は液状樹脂であ
っても粘稠な場合には、添加エポキシ樹脂の1/4〜等量
程度の溶解可能な有機溶剤に溶解して添加して撹拌を加
えて乳化する方法が一般的であるが、これらの方法に限
定されるものではない。
本発明の接着剤には、通常のエマルジョン型接着剤に配
合される第3成分を適宜添加できる。例えば、増粘を目
的とした少量のトルエン、キシレン、酢酸ブチル、シク
ロヘキサノン等の有機溶剤、ヒドロキシエチルセルロー
ス、メチルセルロース等の水溶性高分子類、炭酸カルシ
ウム、クレー、タルク、小麦粉、セルロース粉末等の充
填剤、耐水性、耐熱性を改良するための少量のフェノー
ル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等を適宜配合するこ
とができる。
本発明の接着剤を使用すれば、室温接着でウェットラミ
ネートを行ない得る。従来の接着剤では、ぬれ指数が低
下すれば加温して表面活性状態を上げた状態でしか実用
的な接着ができず、そのため乾燥装置等多大な設備投資
が必要であったが、本発明の接着剤ではぬれ指数33〜40
dyn/cmのポリオレフィン類でも無加温で室温接着でき
る。更に厳寒期の屋内作業場温度として想定される5℃
の領域においても、安全且つ安定な接着を行なうことが
できる。勿論本発明の接着剤の使用に当り、接着時間を
更に短縮させる目的で、接着剤を塗工後加温又は加熱し
て水分を少し蒸発させた状態で行なうセミドライラミネ
ートを適用しても構わない。
発明の効果 本発明の接着剤は、下記に示す利点を有している。
(1)本発明の接着剤を使用すれば、室温でのウェット
ラミネートにてJIS K6768によるぬれ指数が33〜40dyn/
cmのポリオレフィン類でも実用的な接着が可能となり、
ポリオレフィン類に対する接着の安定化と材料の選択が
自在になる。
(2)本発明の接着剤を用いれば、得られる接着製品に
優れた耐熱性、耐水性、耐寒性等を賦与でき、接着製品
の品質の向上を図ることができる。
(3)初期接着発現速度が速いため、圧締時間が短く、
生産性向上に寄与できる。
(4)接着製品が変色又は着色して品質価値が損なわれ
ることはない。
実 施 例 以下に実施例を掲げて本発明をより一層明らかにする。
尚、以下単に「部」とあるのは「重量部」を、「%」と
あるのは「重量%」を意味する。
実施例1 ケン化度88モル%、平均重合部1700のポリビニルアルコ
ールを樹脂分当り6重量%含有する酢酸ビニル−エチレ
ン共重合エマルジョン(酢酸ビニル:エチレン=82:18
(重量比)、粘度2000cps/30℃、pH3.8、固形分55.3
%)をEVAエマルジョンAとする。
これに配合するアクリルアミンポリマー中和物を次の方
法で得た。即ち攪拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及
び窒素ガス導入管の付いた四つ口フラスコにイソプロピ
ルアルコール50部を仕込み、80℃に調温してブチルアク
リレート30部、ジメチルアミノエチルアクリレート1
部、メチルメタクリレート10部、スチレン5部及びメタ
クリル酸4部に開始剤としてアゾビスイソブチロニトリ
ル0.5部を加えた混合モノマーを窒素ガスを吹き込みな
がら滴下し、次いで80℃にて熟成し、24時間後にカルボ
キシル基含有アクリルポリマー溶液を得た。このポリマ
ー溶液を20℃に冷却し、エチレンイミン4部を20分要し
て滴下した後、徐々に75℃まで昇温し、同温度で5時間
放置後、四つ口フラスコに蒸留装置をセットし、減圧し
加熱しながら流出分と同量のエチレングリコールモノエ
チルエーテルを加えて未反応のエチレンイミンをイソプ
ロピルアルコールと共に除去して溶媒をエチレングリコ
ールモノエチルエーテルに置換した後、固形分を49〜50
%に調節した。このアクリルアミンポリマー溶液の一部
を取り、水と混合したところゲル状となった。
次いで上記アクリルアミンポリマー溶液35%塩酸を少し
ずつ加えてpH5.0に調節してアクリルアミンポリマー中
和物の溶液を得た。この溶液を水と混合したところ完溶
状態であった。これをフラスコから取り出し、その性質
を測定したところアミン水素当量は432、平均分子量は
約160000であり、固形分は50.2%であった。このポリマ
ー溶液をアクリルアミンポリマー中和物溶液Bとする。
比較のため、ポリアルキレンポリアミンとしてトリエチ
レンテトラミンの50%水溶液(これをポリアルキレンポ
リアミンCとする)及びポリエチレンイミンの30%水溶
液(商品P−1000、日本触媒化学工業(株)製、これを
ポリエチレンイミンDとする)を、またポリアミンポリ
アミドとして品名トーマイド255(固形分100%富士化成
工業(株)製)の50%水分散液(これをポリアミンポリ
アミドEとする)を用いる。
EVAエマルジョンAに対し、B〜Eを下記第1表のよう
に配合した。
これらの接着剤(本発明品1及び比較例1〜3)を用い
て下記に示す条件で、室温(25℃)におけるウェットラ
ミネート接着を行なった。
(イ) 試料材料 ポリオレフィン類として下記第2表に示すフィルムを使
用した。
(ロ) 接着条件 接着方法:室温ウェットラミネート(25℃) 接着作業:ポリオレフィンフィルム面にバーコータで塗
付作業した後、そのフィルムを合板に被せゴムロールで
脱気圧着し、そのまま翌日まで放置する。
塗付量:60g/m2 上記で得られる接着製品の物性の測定は下記に従った。
常態接着力試験 接着物を25mm×100mmに切断し、20℃、65%RHの恒温室
で180度剥離試験を行なう。
引張速度200mm/分、強度は中央値、試片は5個。
耐水接着力試験 と同じ形状の試片を20℃の水中に24時間浸漬し、濡れ
たままと同じく180度剥離試験を行なう。
耐熱接着力試験 と同じ形状の試片を60℃のオーブン中に1時間放置後
取出し、即座に熱いままと同じく180度剥離試験を行
なう。
耐寒接着力 と同じ形状の試片を予め半分程度剥離しておき、−5
℃の冷蔵庫に24時間放置した後、取出し、即座に剥離す
る。
○:木破を伴う剥離 ×:界面剥離 JAS2類浸漬剥離試験 JAS法に準じ、75mm角の試験片を70℃の温水中に2時間
放置後60℃にて3時間乾燥する。適合基準はJAS適合基
準による。
この試験の結果、ぬれ指数36dyn/cmのOPPフィルム、38d
yn/cmのCPPフィルム及び40dyn/cmのPEフィルムの全てに
おいて、本発明品1は4kg/25mm以上の強度を示し、剥離
常態も合板材破100%であった。更に耐水性、耐熱性及
び耐寒性も優れており、JAS2類浸漬剥離試験にも合格し
た。
一方比較例1〜3は、強度値が1kg/25mm未満で、剥離状
態も界面剥離となっており、接着しているといえる状態
ではなかった。
実施例2 ケン化度95モル%、平均重合度1700のポリビニルアルコ
ールを樹脂当り8重量%含有する酢酸ビニル−エチレン
共重合エマルジョン(酢酸ビニル:エチレン=80:20
(重量比)、粘度6000cps/30℃、pH4.3、固形分53.2
%)をEVAエマルジョンFとする。
アクリルアミンポリマーの中和物として実施例1と同様
の方法でイソプロピルアルコール50部を仕込み ブチルアクリレート 20 部 エチルアクリレート 10 部 メチルメタクリレート 15 部 ジメチルアミノエチルアクリレート 0.5部 アクリル酸 1 部 メタクリル酸 3.5部 を溶液重合した後、エチレンイミン4.5部を反応させ
た。次いで、実施例1のエチレングリコールモノエチル
エーテルの代りにプロピレングリコールモノメチルエー
テルを用いて、実施例1と同様にイソプロピルアルコー
ルと未反応のエチレンイミンを除去し、アクリルアミン
ポリマーの溶液を得た。これを水溶化のため、実施例1
と同様に塩酸中和してpH5.0とした。このものの性質を
調べたところ、アミン水素当量415、平均分子量約12000
0、固形分51.5%であった。このポリマー溶液をアクリ
ルアミンポリマー中和物溶液Hとする。
このEVAエマルジョンFに対し、アクリルアミンポリマ
ー中和物溶液HとポリアルキレンポリアミンCとポリエ
チレンイミンD及びポリアミンポリアミドEを用い、下
記第4表に示す割合で、各種接着剤を調製した。
これら接着剤を用いて下記の条件で室温(25℃)で2軸
延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)と上質紙
を用いてウェットラミネートを行なった。このOPPフィ
ルムは接着しやすい47dyn/cm(厚み25μ、透明)を選択
した。
ウェットラミネートは、OPPフィルム面に各接着剤をバ
ーコータにて20g/m2を塗布し、直ちに上質紙を貼合わせ
て、翌日試験した。尚接着作業と養生は25℃であった。
(試験項目) 初期接着力試験 上記方法で貼合わせた後、各時間経過後手で剥離し、上
質紙の材破により初期接着力を調べた。
接着性試験 接着後の翌日25℃にて手で剥離し、上質紙の材破を生じ
たものを○とし、界面剥離したものを×とした。
耐熱クリープ試験 25mm巾の試験片の上方を固定し、下方に50gの重りを吊
し、オーブン中で3〜5℃/分の速度で昇温させ、接着
面(長さ25mm)が、界面剥離して重りが落下する温度を
測定する。
耐寒接着力試験 −5℃の冷蔵庫に24時間放置後取出し、即座に剥離す
る。
○:紙破を伴なう剥離(材破) ×::界面剥離 耐水接着力試験 25℃の水中に24時間浸漬後、強制剥離して接着状態をみ
る。
○:紙破を伴なう剥離(材破) ×:界面剥離 耐黄変性試験 フェードメータで10日間照射してその黄変性を調べた。
フェードメータ:ナショナル殺菌灯4本、250〜300μm 初期接着力については、本発明品2は10分で紙破を生じ
たが、比較例4〜6は紙破を呈するのに30〜60分も要し
た。
接着性試験については、OPPフィルムが47dyn/cmとぬれ
指数が高く、比較例4〜6で接着は可能であったが、接
着物性試験では本発明品2が比較例4〜6に比べて格段
に優れていた。
実施例3 実施例2の接着剤を用い、ぬれ指数40dyn/cmのOPPフィ
ルムを用いて実施例2と同様なウェットラミネート接着
を25℃で行なった。その結果、本発明品3は10分で紙破
を生じたが、本発明以外の接着剤は翌日に於ても紙破を
生じることなく容易に界面剥離した。
実施例4 ノニオン−アニオン系界面活性剤を用いて共重合した酢
酸ビニル−エチレン−2−エチルヘキシルアクリレート
エマルジョン(共重合比65:20:15、粘度300cps(30
℃)、pH4.8、固形分55.2%)をEVA−アクリルエマルジ
ョンGとする。
このEVAアクリルエマルジョンGに対し、ポリビニルア
ルコール(ケン化度88モル%、平均重合度2400)の10%
水溶液、実施例1で用いたアクリルアミンポリマー中和
物溶液Bを使用して次の配合を行なった。
これら接着剤を用い、15℃において、ぬれ指数36dyn/c
m、厚さ25μmの透明なOPPフィルムと合板を用い実施例
1と同様にウェットラミネートを行ない、接着物性試験
を行なった。その結果は次の通りであった。
上記第7表から次のことが明らかである。即ち、アクリ
ルアミンポリマーを含有しない場合は界面剥離を呈し、
常態強度を始め、全ての強度が弱かった。またポリビニ
ルアルコールを含有せずアクリルアミンポリマー中和物
のみを含有する場合は、両方を含有する場合に比べて強
度が半分以下で剥離状態は凝集破壊であった。
実施例5 実施例1の本発明品1、比較例1〜比較例3に対してビ
スフェノールA−ジグリシジルエーテルであるエピコー
ト828(油化シェルエポキシ(株)製)5部をトルエン
2部に溶解したエポキシ樹脂溶液を配合した。その配合
を第8表に示す。
これら接着剤(本発明品5及び比較例10〜12)及び実施
例1と同様の試験材料(OPPフィルム、CPPフィルム、PE
フィルム)を用い、実施例1と同様の接着条件で、室温
(25℃)におけるウェットラミネート接着を行なった。
上記で得られる接着製品の物性の測定は、実施例1の試
験方法に加えて、次の方法を追加した。
耐温水接着力試験 実施例1の接着製品の物性の測定と同じ形状の試験片
(25mm×100mm)を60℃の温水中に3時間浸漬後、常温
水に30分つけ戻し、濡れたまま180度剥離試験を行な
う。
引張速度200mm/分、強度は中央値、試片は5個。
耐煮沸接着力試験 実施例1の接着製品の物性の測定と同じ形状の試験片
(25mm×100mm)を煮沸水に4時間浸漬後、室温水に30
分つけ戻し、濡れたまま180度剥離試験を行なう。
引張速度200mm/分、強度は中央値、試片は5個。
JAS1類浸漬剥離試験 JAS法に準じ75mm角の試験片を煮沸水に4時間浸漬後60
℃にて20時間乾燥する。そして再び煮沸水に4時間浸漬
後、60℃にて3時間乾燥する。適合基準はJAS適合基準
による。
煮沸繰返し試験 75mm角の試験片を煮沸水に4時間浸漬後、60℃にて20時
間乾燥する工程を1工程としてこれを10回行なう。
適合基準はJIS適合基準による。
この試験の結果、濡れ指数36dyn/cmのOPPフィルム、38d
yn/cmのCPPフィルム及び40dyn/cmのPEフィルムの全てに
おいて本発明品5は4kg/25mm以上の強度を示し、剥離状
態も合板材破100%であった。
更に、本発明品5は、エポキシ樹脂を含有しない実施例
1の本発明品1に比べて、常態接着力、耐水接着力及び
耐熱接着力が全般に良好であった。また本発明品5は、
耐温水接着力及び耐煮沸接着力も良好な結果を示し、JA
S1類浸漬剥離試験及び煮沸繰返し試験にも合格した。
一方比較例10〜12は、比較例1〜3に比べて接着物性は
若干向上しているものの接着力が全体に低く、剥離状態
も界面剥離となっており、本発明品に比べれば、遥かに
接着力が不足していた。
実施例6 実施例2のEVAエマルジョンF、アクリルアミンポリマ
ー中和物溶液H及びエポキシ樹脂としてエピコート828
(油化シェルエポキシ(株)製)を用いて次の配合を行
なった。
表中の数値は重量部である。また( )内は固形分を示
し、本発明品6のトルエンは増粘の為に配合し、本発明
品7のトルエンはエピコート828の溶解剤及び添加後の
増粘剤として用いた。
この接着剤を用いて実施例1のCPPフィルム(38dyn/c
m)と合板とを実施例1と同じ条件で室温によるウェッ
トラミネート接着を行なった。
上記で得られる接着製品の物性の測定は、実施例1及び
実施例5の試験方法に従った。
本発明品6と本発明品7(エポキシ樹脂配合)は共に優
れた接着物性を示した。本発明品6と7とでは全般的に
本発明品7の方が良好であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 133/14 JDE

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリビニルアルコールを含む酢酸ビ
    ニル−エチレン共重合エマルジョン又は酢酸ビニル−エ
    チレン−アクリル酸エステル共重合エマルジョン、及び (B)カルボキシル基を有するアクリル系共重合ポリマ
    ーのカルボキシル基にアルキレンイミンを反応させて得
    られる、主鎖にアクリル系共重合ポリマーを有し、側鎖
    にポリアルキレンイミン構造を有する化合物の中和物 を含有してなるポリオレフィン用水性接着剤。
  2. 【請求項2】(A)ポリビニルアルコールを含む酢酸ビ
    ニル−エチレン共重合エマルジョン又は酢酸ビニル−エ
    チレン−アクリル酸エステル共重合エマルジョン、 (B)カルボキシル基を有するアクリル系共重合ポリマ
    ーのカルボキシル基にアルキレンイミンを反応させて得
    られる、主鎖にアクリル系共重合ポリマーを有し、側鎖
    にポリアルキレンイミン構造を有する化合物の中和物、
    及び (C)エポキシ樹脂 を含有してなるポリオレフィン用水性接着剤。
JP22214988A 1988-09-05 1988-09-05 ポリオレフィン用水性接着剤 Expired - Fee Related JPH0747720B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22214988A JPH0747720B2 (ja) 1988-09-05 1988-09-05 ポリオレフィン用水性接着剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22214988A JPH0747720B2 (ja) 1988-09-05 1988-09-05 ポリオレフィン用水性接着剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0269587A JPH0269587A (ja) 1990-03-08
JPH0747720B2 true JPH0747720B2 (ja) 1995-05-24

Family

ID=16777947

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22214988A Expired - Fee Related JPH0747720B2 (ja) 1988-09-05 1988-09-05 ポリオレフィン用水性接着剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0747720B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4870864B2 (ja) * 2000-06-26 2012-02-08 中央理化工業株式会社 樹脂分散液
CN1293161C (zh) * 2005-01-27 2007-01-03 柯奇君 一种用于纺织行业的粘合剂及其制备方法
JP5202796B2 (ja) * 2005-09-29 2013-06-05 アイカ工業株式会社 接着剤組成物
JP2007099791A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Aica Kogyo Co Ltd 接着剤組成物
JP2007246828A (ja) * 2006-03-17 2007-09-27 Aica Kogyo Co Ltd 接着剤組成物およびそれによる木工用接着剤
CN105802552B (zh) * 2016-04-25 2017-11-28 新乡市华洋粘合剂有限公司 一种封箱用环保型水基粘合剂及其制备方法
CN115449319B (zh) * 2022-10-20 2024-03-26 万华化学集团股份有限公司 一种pcb钻孔用涂胶及其制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0269587A (ja) 1990-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06287457A (ja) 水性架橋性樹脂組成物
JPH0747720B2 (ja) ポリオレフィン用水性接着剤
JP3522349B2 (ja) 水性塗料用樹脂組成物
JP2603172B2 (ja) 水性樹脂組成物
JP4138098B2 (ja) 1液水性接着剤組成物
JPH0639548B2 (ja) 水性樹脂組成物
JP4225388B2 (ja) 発泡体用水性エマルジョン型粘着剤
JPS6020982A (ja) 接着剤用リムバ−組成物
JPH11172216A (ja) 水系接着剤組成物
JP3348919B2 (ja) 接着剤
JP3348920B2 (ja) エマルジョン組成物
JPH03217478A (ja) 静電植毛用接着剤
JP2901200B2 (ja) 熱硬化型粘接着剤組成物及び熱硬化型粘接着シート
JPH06287534A (ja) 水性粘接着剤組成物
JPH06322342A (ja) 二液型接着剤組成物
JPH0753854B2 (ja) 水性接着剤組成物
JP3048673B2 (ja) 水性接着剤組成物
JP4592164B2 (ja) 水性エマルジョン型接着剤
US20050101723A1 (en) Curable adhesive compositions
JPS61268778A (ja) 水分散型粘接着剤
JP3953664B2 (ja) ポリ酢酸ビニルエマルジョンおよびその製造方法
JP3155655B2 (ja) 二液型接着剤
JPS60120777A (ja) 感圧性接着剤組成物
JP3418472B2 (ja) 水性エマルジョン組成物およびその製法
JPH06287407A (ja) 水性架橋性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees