JP3418472B2 - 水性エマルジョン組成物およびその製法 - Google Patents

水性エマルジョン組成物およびその製法

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JP3418472B2
JP3418472B2 JP00278895A JP278895A JP3418472B2 JP 3418472 B2 JP3418472 B2 JP 3418472B2 JP 00278895 A JP00278895 A JP 00278895A JP 278895 A JP278895 A JP 278895A JP 3418472 B2 JP3418472 B2 JP 3418472B2
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基之 高木
健 馬場
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日本エヌエスシー株式会社
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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料ベース,接着剤,
繊維加工用材料,土木等の広範囲の分野で用いられてい
る水性エマルジョン組成物およびその製法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、水系エマルジョン組成物は溶剤
系のものに比べて、安全面および衛生面において優れて
おり、塗料ベース,接着剤,繊維加工,土木等の各分野
で幅広く使用されている。しかし、水系エマルジョン組
成物の場合、必然的に乳化剤等の水溶性成分が含まれて
いるため、溶剤系と比較すると、これを用いてフィルム
を作製した場合、このフィルムが耐水性に劣るという問
題点がある。この改良手段として、例えば反応性乳化
剤,保護コロイドを用いる、粒子間架橋の利用、粒
子径をコントロールする等の手段があげられ、これら技
術を用いた水性エマルジョン組成物がすでに商品化され
ている。さらに、他の改良手段として、水溶性樹脂の
架橋に関する研究も数多くなされており、例えば特開平
4−159375号公報等で提案されている。この改良
手段は、一液架橋でしかも耐水性に悪影響を付与する上
記水溶性成分を含まない新たなコーティング剤として、
非常に有用である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
,およびのいずれの方法を用いて得られた水系エ
マルジョン組成物にも、その量はともかく水溶性成分が
存在しておりフィルムの耐水性は必ずしも満足のいくも
のではなかった。また、上記については、樹脂の濃度
を上げることが困難であり、そのため乾燥性が悪く、さ
らに低分子量でかつ架橋していることにより必然的にフ
ィルムは脆く強靱性に劣るという欠点がある。これは、
樹脂を水溶性化するため、分子量を下げ親水性官能基を
増やしたことにより生じた欠点である。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、耐水性,耐候性,密着性,フィルム物性に優れ
た被膜を形成することのできる水性エマルジョン組成物
およびその製法の提供をその目的とする。
【0005】
〔ただし、(a)〜(d)の重量割合は、(a):(b):(c):(d)=(0.5〜20):(2〜10):(1〜15):(55〜96.5)である。〕
【0006】
【作用】すなわち、本発明者らは、耐水性,耐候性,密
着性,フィルム物性の全てに優れた水系のエマルジョン
組成物を得るために一連の研究を重ねた。その結果、前
記アルコキシシラン単量体(a),エチレン性不飽和単
量体(d)に加えて、親水性官能基としてアニオン性官
能基を有する単量体(b)およびカチオン性官能基を有
する単量体(c)の四成分から誘導される構造単位を分
子構造とする共重合体からなる水溶性樹脂〔(B)成
分〕を作製し、前記エチレン性不飽和単量体の重合体か
らなる樹脂〔(A)成分〕を、特定割合の上記(B)成
分で被覆した二層構造の微粒子を水性媒体中に含有させ
たエマルジョン組成物を用いると所期の目的が達成され
ることを見出し本発明に到達した。
【0007】つぎに、本発明を詳しく説明する。
【0008】本発明の水性エマルジョン組成物は、特定
の樹脂(A成分)と、特殊な水溶性樹脂(B成分)とを
用いて得られる二層構造の微粒子を、水性媒体中に含有
するものである。
【0009】上記特定の樹脂(A成分)は、エチレン性
不飽和単量体の重合体からなる樹脂である。上記エチレ
ン性不飽和単量体としては、酢酸ビニル,アクリル酸ア
ルキルエステル,メタクリル酸アルキルエステル,スチ
レン,アクリロニトリル,メタクリロニトリル,アクリ
ル酸,メタクリル酸,アクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル,メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル,メタクリル
酸グリシジル,ジビニルベンゼン,アクリルスルホン
酸,アクリル酸アリル,アクロレイン,アクリル酸ジメ
チルアミノエチル,アクリル酸のアミド類,メタクリル
酸のアミド類,メチロール化アミド類,アルコキシメチ
ル化アミド類,3−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン等があげられる。これらは単独でもしくは2種
以上併せて用いられる。また、アルキルメルカプタン等
の連鎖移動剤を併用する場合もある。特に好ましいの
は、耐水性,耐候性に優れるという点からアクリル酸ア
ルキルエステル,メタクリル酸アルキルエステル,スチ
レンであり、また2種以上併せて用いる場合の好適な組
み合わせは、耐水性,耐候性等のバランスがとれている
という点から上記アクリル酸アルキルエステル,メタク
リル酸アルキルエステルおよびスチレンの3成分の少な
くとも2種類の組み合わせである。
【0010】上記A成分とともに用いられる特殊な水溶
性樹脂(B成分)は、下記の(a)〜(d)を用いて得
られる共重合体からなる水溶性樹脂である。
【0011】(a)ラジカル重合可能なアルコキシシラ
ン単量体。 (b)アニオン性官能基と不飽和二重結合を有する単量
体。 (c)カチオン性官能基と不飽和二重結合を有する単量
体。 (d)エチレン性不飽和単量体。
【0012】上記(a)であるアルコキシシラン単量体
としては、下記の一般式(1)で表される単量体を用い
ることが好ましい。
【0013】
【化3】
【0014】なかでも、上記式(1)において、下記の
組み合わせのものを用いるのがアルコキシシランの反応
性,加水分解性のバランスがとれているという点から特
に好ましい。例えば、Rが−Hまたは−CH3 、Zが下
記に示すもの、
【化4】 Xが−OCH3 、−OC2 5 の場合であり、また繰り
返し数nは3、aは2または3が好ましい。具体的に
は、ビニルトリメトキシシラン,ビニルトリエトキシシ
ラン,ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン,
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン,3−
メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン,3−
メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン,3−
メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン,3−メタ
クリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等があげら
れる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。特に、2種以上併せて用いる場合の好適な組み合わ
せは、架橋のコントロールが容易であるという点から、
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランと3−
メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランの組み
合わせである。
【0015】上記(b)である単量体は、得られる水溶
性樹脂(B成分)に親水性およびアニオン性を付与する
ものであり、例えば、カルボキシル基,スルホン酸基等
を有するものがあげられる。具体的には、アクリル酸,
メタクリル酸,マレイン酸,フマール酸,イタコン酸,
クロトン酸,アクリルスルホン酸,メタクリルスルホン
酸,2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸,2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸およびこれらの金属塩,アンモニウム塩,アミン塩
等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せ
て用いられる。特に好ましいのは、比較的重合が容易で
あり粒子安定化機能が大きいという点からアクリル酸,
メタクリル酸であり、また2種以上併せて用いる場合の
好適な組み合わせは、共重合性が良好であるという点か
らアクリル酸とメタクリル酸の組み合わせである。
【0016】上記(c)である単量体は、得られる水溶
性樹脂(B成分)に親水性およびカチオン性を付与する
ものであり、例えば、アミノ基等を有するもの、例えば
四級アンモニウム塩があげられる。具体的には、アクリ
ル酸ジメチルアミノエチル,メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチル,アクリル酸ジエチルアミノエチル,メタクリ
ル酸ジエチルアミノエチル,ジメチルアミノプロピルア
クリルアミドエピクロルヒドリンアダクト,ジメチルア
ミノプロピルメタクリルアミドエピクロルヒドリンアダ
クト等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上
併せて用いられる。特に好ましいのは、比較的重合が容
易であり粒子安定化機能が大きいという点から、アクリ
ルアミド,アクリル酸ジメチルアミノエチル,ジメチル
アミノプロピルメタクリルアミドエピクロルヒドリンア
ダクトであり、また2種以上併せて用いる場合の好適な
組み合わせは、共重合性が良好であるという点から、ア
クリルアミドとジメチルアミノプロピルメタクリルアミ
ドエピクロルヒドリンアダクトの組み合わせである。
【0017】上記(d)であるエチレン性不飽和単量体
としては、前記A成分を構成する単量体で述べたものと
同様のものが用いられる。ただし、両者はその使用時に
おいて同じである必要はない。
【0018】上記B成分の構成要素である(a)〜
(d)の組み合わせにおいて、特に好適なのは、(a)
として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、(b)として、メタクリル酸、(c)として、ジメ
チルアミノプロピルメタクリルアミドエピクロルヒドリ
ンアダクト、(d)として、スチレン,メタクリル酸メ
チル,アクリル酸ブチルまたはアクリル酸−2−エチル
ヘキシルを用いる場合である。そして、上記四者(a)
〜(d)の配合割合では、重量比で、(a):(b):
(c):(d)=(0.5〜20):(2〜10):
(1〜15):(55〜96.5)に設定する必要があ
る。特に好ましくは、(a):(b):(c):(d)
=(1〜10):(4〜8):(4〜10):(72〜
91)である。すなわち、上記配合割合において、
(a)の割合が0.5未満では、耐水性,密着性および
被膜強度が低下する。また、20を超えると、得られる
水性エマルジョン組成物の放置安定性が低下し、さらに
コスト面等での経済性にも劣るからである。そして、
(b)の割合が2未満では、重合時にゲル化が生じ、1
0を超えると耐水性が低下する。さらに、(c)の割合
が1未満では、重合時にゲル化が生じ、15を超えると
耐水性,放置安定性が低下するからである。なお、
(d)の割合は、上記(a)〜(c)の有効範囲から算
出されたものである。
【0019】本発明の水性エマルジョン組成物は、例え
ばつぎのようにして製造される。すなわち、まず、重合
媒体である水等の水性媒体もしくは有機溶媒あるいは水
性媒体と有機溶媒の混合物中に、重合開始剤を添加し、
これに前記ラジカル重合可能なアルコキシシラン単量体
(a),アニオン性官能基と不飽和二重結合を有する単
量体(b),カチオン性官能基と不飽和二重結合を有す
る単量体(c)およびエチレン性不飽和単量体(d)を
添加し重合させることにより水溶性樹脂(B成分)を作
製する。ついで、上記水溶性樹脂(B成分)に、水性媒
体を加え有機溶媒を減圧除去し溶媒を水性媒体に置換す
る。そして、これに前記エチレン性不飽和単量体の重合
体からなる樹脂(A成分)を構成する単量体および重合
開始剤を添加し重合させることにより、図1に示すよう
に、エチレン性不飽和単量体の重合体からなる樹脂(A
成分)1が共重合体からなる水溶性樹脂(B成分)2に
よって被覆された二層構造の微粒子が、水性媒体中に含
有された水性エマルジョン組成物が製造される。上記の
ような工程により製造された二層構造の微粒子の粒子径
は、0.02〜0.20μmに設定されることが好まし
く、特に好ましくは0.04〜0.15μmである。す
なわち、二層構造の微粒子の粒径が、上記範囲外では、
造膜時に緻密な被膜が形成されず、耐水性が劣るからで
ある。
【0020】上記A成分およびB成分の相互の割合は、
固形分重量比で、(A)成分100重量部(以下「部」
と略す)に対して(B)成分が5〜100部に設定する
必要がある。特に好ましくは(B)成分が5〜50部で
ある。すなわち、B成分が5部未満では、重合時にゲル
化が生じ、逆に100部を超えると、耐水性および被膜
の伸度が低下するからである。
【0021】上記有機溶媒としては、水に易溶性の有機
溶剤が好適に用いられる。例えば、アセトン,メタノー
ル,エタノール,2−プロパノール,1−プロパノー
ル,ジオキサン,エチレングリコール,プロピレングリ
コール,グリセリン,メチルカルビトール,エチルカル
ビトール,ブチルカルビトール,メチルセロソルブ,エ
チルセロソルブ,ブチルカルビトールアセテート,ブチ
ルプロピレングリコール,ブチルプロピレングリコー
ル,ブチルプロピレンジグリコール等があげられる。こ
れらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0022】上記重合開始剤としては、有機過酸化物、
例えば、ベンゾイルパーオキサイド,t−ブチルハイド
ロパーオキサイド,t−ブチルペロキシイソブチレー
ト,t−ブチルペロキシ(2−エチルヘキサノエー
ト),t−ブチルペロキシピバレート,t−ブチルペロ
キシネオデカエート,クミルペロキシオキトエート,ク
ミルペロキシネオヘキサノエート,クミルペロキシネオ
デカノエート,t−ヘキシルペロキシネオヘキサノエー
ト,t−ヘキシルペロキシネオデカノエート等があげら
れる。また、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2′−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニト
リル)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以
上併せて用いられる。上記重合開始剤の配合量は、全モ
ノマー量に対して0.5〜2重量%に設定することが好
ましい。
【0023】また、上記製法において、有機溶媒と重合
開始剤を用いる際の組み合わせとして、有機溶媒として
エタノール,2−プロパノール、重合開始剤として2,
2′−アゾビスイソブチロニトリルを用いるのが適度な
連鎖移動効果とポリマーの溶媒和を助長する点で好まし
い。
【0024】さらに、本発明においては、上記各成分以
外に、必要に応じて連鎖移動剤が適宜に用いられる。上
記連鎖移動剤としては、例えば、水溶性または疎水性の
アルキルメルカプタン類等があげられる。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明は、有機溶媒中
で、前記(a)〜(d)を特定の重量割合で共重合反応
させて水溶性樹脂(B成分)を作製し、上記水溶性樹脂
(B成分)に水性媒体を添加する。ついで、上記有機溶
媒を水性媒体に置換した後、エチレン性不飽和単量体を
添加して、このエチレン性不飽和単量体を重合反応させ
ることにより、上記エチレン性不飽和単量体の重合体か
らなる樹脂(A成分)が、特定の重量比率の上記水溶性
樹脂(B成分)によって被覆された二層構造の微粒子を
作製するものである。このため、このようにして得られ
た水性エマルジョン組成物は、耐水性,耐候性,密着
性,フィルム物性の全てに優れた被膜を形成することが
できる。特に、水性コロイドをベースとした水性エマル
ジョンであるため、親水性成分の含有量が少なく、耐水
性,耐候性,密着性に優れる。さらに、単独のコロイド
に比べて分子量が高いため、被膜(フィルム)の強度が
高く強靱なものが得られる。また、コロイドが両性であ
るため、広領域のpH下でエマルジョンの安定性を維持
することができる。このため、耐水性低下の一因となる
親水性官能基を減少させてもコロイドの安定性が維持さ
れる。
【0026】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0027】まず、下記の方法に従って、水溶性樹脂を
作製した。
【0028】〔水溶性樹脂の作製〕攪拌翼,温度計およ
び還流冷却器を備えた四つ口フラスコに、下記の表1お
よび表2に示す原料を投入した。ついで、80℃にて5
時間攪拌することにより各原料を共重合反応させ、同時
に水を300部投入した。さらに、有機溶媒を減圧蒸留
し完全に水と置換した。このようにして、水溶性樹脂W
1〜W11を作製した。濃度はいずれも25重量%であ
った。なお、水溶性樹脂W11は重合反応中凝集(ゲル
化)を生じてしまった。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【実施例1〜9】前記表1に示す水性微粒子分散体を下
記の表3および表4に示す割合で、前記と同様の四つ口
フラスコに投入し、さらに水を投入した。ついで、80
℃下にて下記の表3および表4に示す各モノマーおよび
重合開始剤水溶液を同表に示す割合で3時間かけて滴下
投入した。さらに、2時間反応を続けて水性エマルジョ
ンを得た。なお、下記の表3および表4中に得られたエ
マルジョンの濃度および粒子径(電子顕微鏡により測
定)を併せて示した。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【比較例1〜6】前記表2の水性微粒子分散体を下記の
表5および表6に示す割合で用いた。それ以外は実施例
1と同様にして水性エマルジョンを得た。なお、下記の
表5および表6中に得られたエマルジョンの濃度および
粒子径(電子顕微鏡により測定)を併せて示した。
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】このようにして得られた各実施例品および
比較例品の水性エマルジョン組成物を用いて形成される
被膜の耐水性,耐候性,密着性,強伸度を下記の方法に
従って測定した。これらの結果を後記の表7〜表9に示
す。
【0038】〔耐水性〕テキサノールを用いて予め可塑
化した各水性エマルジョン組成物をガラス板上に厚み1
0milに塗布した。ついで、室温下にて1週間乾燥さ
せた後、50℃の温水中に1週間浸漬した。その結果、
形成された被膜の白化状態を目視により観察した。そし
て、白化しなかったものを○、やや白化したものについ
ては、その白化程度の少ない順に○′,△とし、完全に
白化したものを×として表示した。
【0039】〔耐候性〕市販の単層塗料(カネボウ化成
社製,ベルウォールWM)をスレート板(シーラー塗布
済み)上に塗装し、さらにこの上に、テキサノールを用
いて予め可塑化した水性エマルジョン組成物を厚み約1
0milに塗布した。ついで、充分乾燥させた後、サン
シャインウェザーメーター内に曝露した。そして、20
00時間後の光沢維持率および変色度合(ΔE)を色差
計を用いて測定した。
【0040】〔密着性〕軟鋼板,ガラス板およびポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルムの各表面に、
テキサノールを用いて予め可塑化した水性エマルジョン
組成物を、乾燥膜厚が50μmとなるように塗布した。
そして、80℃×10分の乾燥条件で乾燥させた後、J
IS K5400の碁盤目試験に基づき試験を行った。
その結果を示した。なお、表中の数値は、剥離の度合い
を示す指数であり、10が最も密着性に優れていること
を表し、数値が下がるにつれて密着性が不良となること
を示す。
【0041】〔被膜強度および被膜伸度〕テキサノール
を用いて予め可塑化した水性エマルジョン組成物を、ポ
リエチレン板上にキャスティングして、50℃×2日間
の乾燥条件で乾燥させることにより厚み約0.3mmの
フィルムを得た。このフィルムを用い、JIS A60
21に基づいて引張試験を行い測定した。
【0042】
【表7】
【0043】
【表8】
【0044】
【表9】
【0045】上記表7〜表9の結果から、比較例2品は
耐候性に劣り、比較例3品は耐水性に劣っていることが
わかる。また、比較例3,4品は耐候性もやや劣り、し
かも比較例4,5品は密着性にも劣っている。比較例6
品は耐水性,耐候性および密着性のいずれも不良であ
る。これに対して、実施例品はいずれも、耐水性,耐候
性,密着性の全てに優れ、しかも被膜強度も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における二層構造の微粒子の構造を模式
的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 エチレン性不飽和単量体の重合体からなる樹脂 2 共重合体からなる水溶性樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−1928(JP,A) 特開 平7−133396(JP,A) 特開 平2−289606(JP,A) 特開 平1−315451(JP,A) 特開 平5−179002(JP,A) 特開 平6−206914(JP,A) 特表 平8−509774(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 265/00 C08F 275/00 C08L 43/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)成分が(B)成分によって
    被覆されている二層構造の微粒子を、水性媒体中に含有
    する水性エマルジョン組成物であって、上記(A)成分
    および(B)成分の重量比率が、(A)成分100重量
    部に対して(B)成分が5〜100重量部に設定されて
    いることを特徴とする水性エマルジョン組成物。 (A)エチレン性不飽和単量体の重合体からなる樹脂。 (B)下記の(a)〜(d)のそれぞれから誘導される
    構造単位を分子構造とする共重合体からなる水溶性樹
    脂。 (a)ラジカル重合可能なアルコキシシラン単量体。 (b)アニオン性官能基と不飽和二重結合を有する単量
    体。 (c)カチオン性官能基と不飽和二重結合を有する単量
    体。 (d)エチレン性不飽和単量体。 〔ただし、(a)〜(d)の重量割合は、(a):
    (b):(c):(d)=(0.5〜20):(2〜1
    0):(1〜15):(55〜96.5)である。〕
  2. 【請求項2】 (B)成分中の(a)であるアルコキシ
    シラン単量体が、下記の一般式(1)で表される単量体
    である請求項1記載の水性エマルジョン組成物。 【化1】
  3. 【請求項3】 有機溶媒中で、下記の(a)〜(d)を
    共重合反応させて水溶性樹脂(B成分)を作製する工程
    と、上記水溶性樹脂(B成分)に水性媒体を添加する工
    程と、上記有機溶媒を水性媒体に置換した後、エチレン
    性不飽和単量体を添加する工程と、上記エチレン性不飽
    和単量体を重合反応させることにより、上記エチレン性
    不飽和単量体の重合体からなる樹脂(A成分)が上記水
    溶性樹脂(B成分)によって、A成分100重量部に対
    してB成分が5〜100重量部の割合で被覆された二層
    構造の微粒子を作製する工程とを備えたことを特徴とす
    る水性エマルジョン組成物の製法。 (a)ラジカル重合可能なアルコキシシラン単量体。 (b)アニオン性官能基と不飽和二重結合を有する単量
    体。 (c)カチオン性官能基と不飽和二重結合を有する単量
    体。 (d)エチレン性不飽和単量体。 〔ただし、(a)〜(d)の重量割合は、(a):
    (b):(c):(d)=(0.5〜20):(2〜1
    0):(1〜15):(55〜96.5)である。〕
  4. 【請求項4】(a)であるアルコキシシラン単量体が、
    下記の一般式(1)で表される単量体である請求項3記
    載の水性エマルジョン組成物の製法。 【化2】
JP00278895A 1994-05-12 1995-01-11 水性エマルジョン組成物およびその製法 Expired - Lifetime JP3418472B2 (ja)

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