JPH07323027A - コンピュータ断層撮影装置 - Google Patents
コンピュータ断層撮影装置Info
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- JPH07323027A JPH07323027A JP6267280A JP26728094A JPH07323027A JP H07323027 A JPH07323027 A JP H07323027A JP 6267280 A JP6267280 A JP 6267280A JP 26728094 A JP26728094 A JP 26728094A JP H07323027 A JPH07323027 A JP H07323027A
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Abstract
被検体の実際の動きを表示できるコンピュータ断層撮影
装置を提供することである。 【構成】本発明のコンピュータ断層撮影装置は、スキャ
ン動作により被検体に関する多方向の投影データを収集
するデータ収集装置18と、スキャン動作に要する時間
より短時間で多方向の投影データに基づき断層画像デー
タを再構成する再構成部と、断層画像データをスキャン
動作から所定時間後に表示する手段とを具備する。
Description
装置(以下、CTと略称する)に係り、特にスキャン動
作を連続的に実行可能なCTに関する。
像再構成、画像表示の3つの処理が時系列的に行なわれ
る。X線管の回転、またはX線管と検出器アレイの一体
的な回転により収集された多方向の投影データはディジ
タル化され、キャリブレーション等の前処理を受けた
後、生データとして磁気ディスク等の大容量記憶装置に
一旦格納される。
が読出され、メモリを介して再構成部に送り込まれる。
再構成部で再構成された断層画像データは、磁気ディス
クに格納されると共に、表示用メモリを介してビデオ信
号としてCRTモニタに転送され表示される。
続スキャンが可能になった。この連続スキャンにより、
同一又は複数のスライスに関する複数の多方向の投影デ
ータが時系列的に収集できるようになった。これらの多
方向の投影データは、上述したように磁気ディスクを介
して任意のタイミングで再構成部に読出され、再構成に
供されていた。この再構成処理に要する時間はスキャン
時間より長く、しかも磁気ディスクは格納及びアクセス
時間が長い。したがって、連続スキャンを実行しなが
ら、リアルタイムで断層画像をシネ映像のように連続的
に表示させることはできなかった。
化の域に達しようとしている。これにより、連続スキャ
ンを実行しながら、リアルタイムで断層画像をシネ映像
のように連続的に表示させることが期待されているが、
磁気ディスクの格納及びアクセス時間が長いことが障害
となって実用に至っていない。さらに、磁気ディスクへ
の格納及びアクセスの際の待ち時間が不規則に発生する
ので、スキャン動作から断層画像の表示までの時間間隔
が不規則になって、被検体の実際の動きを再現すること
ができなかった。
に対処すべくなされたもので、その目的は、スキャン中
にリアルタイムで被検体の実際の動きを表示できるコン
ピュータ断層撮影装置を提供することである。
ータ断層撮影装置は、スキャン動作により被検体に関す
る多方向の投影データを収集するデータ収集手段と、前
記スキャン動作に要する時間より短時間で前記多方向の
投影データに基づき断層画像データを再構成する画像再
構成手段と、前記断層画像データを前記スキャン動作か
ら所定時間後に表示する表示手段とを具備する。
は、第1のスキャン動作に続いて第2のスキャン動作を
実行することにより第1の多方向の投影データに続いて
所定時間後に第2の多方向の投影データを収集するデー
タ収集手段と、前記第1のスキャン動作に要する時間よ
り短時間で前記第1の多方向の投影データに基づいて第
1の断層画像データを再構成し、前記第2のスキャン動
作に要する時間より短時間で前記第2の多方向の投影デ
ータに基づいて第2の断層画像データを再構成する画像
再構成手段と、前記第1の断層画像データを表示し、前
記第1の断層画像データの表示タイミングから前記所定
時間後に第2の断層画像データを表示する表示手段とを
具備する。
は、1枚の断層画像データを再構成するのに必要な多方
向の投影データを収集するためのスキャン動作を連続的
に実行可能なコンピュータ断層撮影装置において、前記
スキャン動作を連続的に実行し、断層画像データを連続
的に再構成し、最初のスキャン動作から所定時間後に断
層画像データの連続表示を開始する透視モードと、前記
スキャン動作を1回実行し、1枚の断層画像データを再
構成し、この1枚の断層画像データを表示する撮影モー
ドとを選択的に実行することを特徴とする。
れば、スキャン動作に要する時間より短時間で多方向の
投影データに基づき断層画像データを再構成することが
でき、しかも断層画像データをスキャン動作から所定時
間後に表示するので、スキャン動作から断層画像の表示
までの時間間隔が不規則になって被検体の実際の動きを
再現することができなくなることなく、リアルタイムで
断層画像をシネ映像のように連続的に表示させることが
可能となる。
によれば、スキャン動作に要する時間より短時間で断層
画像データを再構成し、しかも第1の断層画像データを
表示してから第2の断層画像データを表示するまでの時
間差を、第1の多方向の投影データを収集してから第2
の多方向の投影データを収集するまでの時間差と同じと
したことにより、スキャン動作から断層画像の表示まで
の時間間隔が不規則になって被検体の実際の動きを再現
することができなくなることなく、リアルタイムで断層
画像をシネ映像のように連続的に表示させることができ
る。
によれば、必要に応じて透視モードと撮影モードとを選
択的に実行できる。しかも、透視モードでは、スキャン
動作を連続的に実行し、断層画像データを連続的に再構
成し、最初のスキャン動作から所定時間後に断層画像デ
ータの連続表示を開始するので、リアルタイムで断層画
像をシネ映像のように連続的に表示させることができ
る。
ータ断層撮影装置の第1実施例を説明する。図2は第1
実施例の構成を示す概略図である。本実施例のコンピュ
ータ断層撮影装置は、架台1、寝台2、操作卓3から構
成される。架台1の中心部には、被検体が挿入される開
口部4が設けられている。架台1の前面には、寝台2が
配置される。寝台2は電動で高さが調節できるように構
成されている。寝台2の上面には被検体が載置される天
板5が設けられ、天板5は寝台2の上面から架台1の方
へ電動でスライドできるように構成されている。なお、
図示していないが、架台1の下部にキャスター等が取り
付けられ、架台1が寝台2に向かって手動でスライド可
能となっている。これは、手術と併用してCT透視が用
いられることがあり、この場合、天板5を動かすことよ
りも、架台1を動かすことによってスライス位置を変え
ることが安全性の点から好ましいからである。もちろ
ん、天板5のスライドによりスライス位置を変えること
もできる。なお、撮影モードにおいては、天板5のスラ
イドのみによってスライス位置を変えることが一般的で
ある。
でいてもよい)6、CRTモニタ7が配置され、操作卓
3内には制御部が収納されている。この制御部は架台
1、寝台2のいずれにも接続される。
上に載置された被検体10に扇状のX線ビームを曝射す
るX線管12と、X線管12の焦点を中心として複数の
検出器が円弧状に配列されてなり、被検体10を透過し
たX線を多チャンネルで検出する検出器アレイ16と
が、被検体10を挟んで対向したまま一体として被検体
10の周囲を連続回転することができるように回転部に
支持されている。さらに、このX線管12と検出器アレ
イ16は、固定部に対してスリップリングを介して電気
的に接続されている。これにより、X線管12と検出器
アレイ16とが被検体10の周囲を連続回転しながら、
1枚の断層画像の再構成に要する被検体10に関する多
方向の投影データを連続的に収集することができ、同一
スライス位置で連続して回転する場合は、例えば造影剤
の流入、流出による断層画像の変化を追跡するいわゆる
ダイナミックスキャンが可能となり、また回転に同期し
てスライス位置を変える場合は、いわゆるヘリカルスキ
ャンが可能となる。なお、このタイプのCTは、いわゆ
る第3世代(R/R方式)と称される。なお、架台1と
しては、このタイプに限定されず、360゜にわたって
検出器が被検体の周囲に配列され、X線管12のみが回
転するいわゆる第4世代(R/S方式)でもよいし、検
出器に加えてX線管12も360゜にわたって被検体の
周囲に配置されるいわゆる第5世代(S/S方式)でも
よい。
めにX線管12に管電流、管電圧を連続的又はパルス状
に供給するX線発生装置16が設置され、スリップリン
グを介してX線管12に接続されている。また、架台1
の固定部には、データ収集システム(DAS;Data Acqu
isition System)18が設置され、スリップリングを介
して検出器アレイ16に接続されている。このデータ収
集システム18は、検出器アレイ16の各検出器からの
出力信号を時間的に積分する積分器と、この積分器の出
力をチャンネル単位で高速且つシリアルに取り込むため
のマルチプレクサと、このマルチプレクサの出力信号を
ディジタルに変換するアナログディジタルコンバータ等
から構成され、X線パス毎のX線透過率に反映した投影
データを収集し出力する。
図である。ホストコントローラとしてのCPU22が設
けられ、コントロールバス24とデータバス26とがこ
のCPU22に接続される。CPU22はクロック回路
42を内蔵し、このクロック回路42からのクロックを
用いて各部の動作及び時間を管理し、またこのクロック
を共通クロックとして制御部20内の各部に供給するよ
うになっている。コントロールバス24には、前処理部
28、ディスクインターフェース(ディスクI/F)3
0、再構成部32、表示メモリ34が接続される。この
コントロールバス24には、上述したキーボード6、X
線発生装置14が接続される。データバス26には、前
処理部28、ディスクI/F30、再構成部32、表示
メモリ34、メモリ36が接続される。ディスクI/F
30には大容量記憶装置としての磁気ディスク装置38
が接続される。このデータバス26には、データ収集シ
ステム18が接続される。データ収集システム18から
の投影データは、前処理部28でキャリブレーション等
の前処理を受けた後、生データとしてデータバス26を
介して、読み書き可能なDRAM等のメモリ36に一旦
書き込まれ、さらにここから読み出されて再構成部32
に送られる。再構成部32は、多方向の投影データに基
づいて断層画像データを再構成する。この断層画像デー
タは、読み書き可能なDRAM等の表示用メモリ34に
一旦書き込まれ、さらにここからCRTモニタ7に読み
出され、断層画像として表示される。また、この断層画
像データは、表示用メモリ34から読み出され、ディス
クI/F30を介して磁気ディスク装置38に格納され
る。
は、透視モードのフローチャートである。図5は透視モ
ードのスキャンから表示までの概略的な流れを示す図で
ある。。本実施例では、上述したように動作モードとし
て、透視モードと撮影モードとを有し、キーボード6を
介して入力されたオペレータの指示により、一方のモー
ドが選択的に設定される。動作が開始されると、ステッ
プ#10でX線管12、検出器アレイ16の連続回転が
開始され、連続スキャンが開始される。連続スキャンと
は、スキャン動作を連続的に繰り返すことで定義され
る。スキャン動作とは、X線管12と検出器アレイ16
とが回転しながら、1枚の断層画像を再構成するのに要
する多方向の投影データを収集することで定義される。
連続スキャンの間、スライス位置は固定されていてもよ
いし、変化してもよい。後述するように、本実施例によ
れば、データ収集、画像再構成、表示が一連の動作とし
て高速に行なわれるとともに、1枚分の投影データを収
集するスキャン動作時間から、再構成処理を経て、断層
画像を表示するまでの時間間隔(時間差)が全てのスキ
ャン動作に対して一定であるので、スキャン動作から断
層画像の表示までの時間間隔がメモリ34,36への書
き込み、読み出し時の待ち時間の有無等に起因して不規
則になって被検体10の実際の動きを実時間で再現する
ことができなくなることなく、ほぼリアルタイムで断層
画像をシネ映像のように表示することができる。この透
視モードは、例えば、穿刺治療中に穿刺針の先端の腫瘍
部への到達を、連続スキャンしながら断層画像の連続表
示により確認するために行なわれる。この場合は、連続
スキャン中のスライス位置は固定である。また、通常の
撮影を行なうスライス位置の位置決めのために使用され
ることもできるが、この場合はスライス位置を自由に変
えることが必要になると考えられる。このスライス位置
の変化は天板5のスライドによってもよいが、手術中に
透視モードを使う場合は、種々の管や器材が取り付けら
れている患者を動かすことは好ましくないので、架台1
のスライドによりスライス位置を代えることが望まし
い。なお、この場合、架台1にパワーアシスト機構を備
えておいて、医師が軽快に手動で移動できる構成が好ま
しい。さらに、透視モードの場合のスライス位置の変化
は通常のヘリカルスキャンのように、一定速度である必
要はなく、不規則に停止と移動を繰り返したり、速度を
変化させてもよい。
集され出力される投影データは、前処理部28でキャリ
ブレーション等の前処理を受けた後、生データとしてメ
モリ36に順次書込まれる。例えば、X線管12と検出
器アレイ16の回転速度が1秒/1回転とし、1回の連
続スキャンはX線管12と検出器アレイ16が50回転
する期間(50秒)が決められる。この期間は、X線管
12の耐熱性及び被検体10の被曝に対する安全性との
観点から決められる許容時間を越えないように設定され
ている。1回の連続スキャン分の全ての生データを格納
できるように、1回転で2MBの生データが収集される
として、約100MBの記憶容量をメモリ36は保有し
ている。また、表示用メモリ34は、1回の連続スキャ
ンで得られる複数の断層画像データを格納できる記憶容
量を保有している。
を再構成するに必要な生データが収集されたか否かがC
PU22で判定される。収集された場合は、ステップ#
14でこの生データがメモリ36から再構成部32へ転
送される。なお、スキャン動作は、連続して続行され
る。データ収集装置18からメモリ36を介して再構成
部32に生データを送り込むようにしたので、アクセス
時間の長い磁気ディスクを介するよりも、スキャン動作
から再構成処理を開始するまでの時間を著しく短縮する
ことが可能となった。従来は、全ての生データを磁気デ
ィスク一旦へ格納してから、空いた時間に読出して再構
成していたので、スキャン動作から再構成処理を開始す
るまでに長時間を要して、リアルタイム性を得ることが
できなかった。
ン動作(データ収集時間)より短縮された高速処理が採
用されている。これによりスキャン動作に対する断層画
像の再構成完了の時間的なずれ、具体的には1枚の断層
画像を再構成するのに必要な投影データの収集を完了し
た時点からそのデータを用いた再構成完了の時点までの
時間差が、スキャン動作を繰り返す毎に累積的に増加す
ることが回避される。この高速処理は、再構成部32は
複数のプロセッサを並列接続し、ビュー毎、あるいはチ
ャンネル(1検出器が1チャンネルに対応することが一
般的である)毎に生データを分割して再構成処理を並列
で進行する。この並列処理数を増加することによって、
処理スピードを上げることができる。また、クロックを
高速化することによっても、処理スピードを上げること
ができる。
施例ではさらに360゜(1回転)当りのビュー数を減
らす(間引く、もしくは束ねる)ことも採用される。例
えば、通常の撮影の際には、900ビュー/1回転の投
影データを収集する、つまり1回転する間にデータ収集
装置18で900サイクルでデータ収集を繰り返すが、
透視モードの場合は450ビュー/1回転でデータ収集
を繰り返す。こうすると、断層画像の空間分解能の低下
が見られるが、連続スキャンによる透視モードの目的は
被検体10の動きをリアルタイムに近い状態で即時的に
見ることであり、空間分解能の高い断層画像は撮影モー
ドで撮影すればよいので、空間分解能の低下から波及す
るような問題は生じない。さらに、再構成時間の短縮の
ために、再構成の際の画素数(ピクセル数)を減らすこ
とが行なわれてもよい。通常の撮影モードの際は、1枚
の断層画像を512×512画素のサイズで再構成し、
そのサイズで表示するが、透視モードの際には、256
×256画素のサイズで再構成し、表示の際に補間して
画素数を512×512画素に増やすことで時間の短縮
が図れる。
が繰り返し再構成されるが、これを1回転で1枚の断層
画像を再構成し、次の1回転で次の1枚の断層画像を再
構成するとし、さらにX線管12と検出器アレイ16の
回転速度が1秒/1回転とれば、断層画像は1毎/1秒
のレートで再構成される。本実施例では、この再構成レ
ートを高めるために、特開平4−266744号公報に
既述した技術を採用してもよい。これは、X線管12と
検出器アレイ16とが微小角度α°(例えばα°=10
°)回転する毎に、10°分の投影データから部分画像
を次々に再構成する。そして、360°分の36枚の部
分画像を加算することで、360°分の完全な1枚の断
層画像を作成する。さらに一旦、1枚の断層画像が作成
された後は、最新の部分画像をこの断層画像に加算し、
且つ最古の部分画像を当該断層画像から減算することを
繰り返す。これにより、10°回転する毎に新しい断層
画像が次々と作成されることになり、高い再構成レート
で断層画像を連続的に獲得することができる。また、再
構成レートを高めるために、特公平1−23136号公
報の技術を採用してもよい。この技術とは、1画像分の
一群のプロジェクションデータから再構成画像情報をバ
ックプロジェクションにより得る。そして、この一群の
プロジェクションデータの直後に得た最新のプロジェク
ションデータと、この直後のプロジェクションデータと
位置的に対応する一群の中のプロジェクションデータと
の差分データを、再構成画像情報に対してさらにバック
プロジェクションする。これにより時間的にずれた次の
再構成画像情報を高速で作成することが可能になる。い
ずれの技術も一旦再構成した断層画像を順次更新してい
くという考え方がその根本に存在しており、この考え方
から波及する他の技術を採用して、再構成レートを高め
てもよい。
層画像データが表示用メモリ34に書込まれる。次の断
層画像が再構成されて、表示されるタイミングまで、C
RTモニタ7に現の断層画像をフリーズの状態で表示す
るように、表示用メモリ34から現の断層画像データを
一定周期で繰り返し読出し、読出したデータをCRTモ
ニタ7に転送している。このような表示方式はX線撮影
装置におけるシネ表示と同じである。なお、表示用メモ
リ34の読出し中に次の断層画像データの書込みを行な
うと、画像の上下で情報が異なってしまうので、読出し
中は書込みを待機させることが必要になる。
完了したか否か、すなわちスキャンを開始してから50
秒が経過したか否かがCPU22により判定される。否
の場合は、ステップ#12に戻り、次の1枚の断層画像
の再構成に必要なデータの収集が完了するまで待機す
る。1回の連続スキャンが終了した場合は、ステップ#
20でメモリ36内の生データを磁気ディスク38へ格
納する。なお、生データの保存の必要が無い場合は、ス
テップ#20は省略しても構わない。ステップ#22で
次の連続スキャンを行なうか否か判定し、行なう場合は
ステップ#10へ戻り、行なわない場合は終了する。
ン分の生データはメモリ36に記憶されているので、連
続スキャン終了後、再び断層画像を表示したい場合は、
メモリ36から読出した生データを再構成すればよい。
上述したように透視モードでは、ほぼリアルタイムで断
層画像を観察できるので、穿刺等の手術の最中に、手術
の支援画像として使われることがある。ただし、術者は
手術中にモニタを観察できないことも多く、助手が見な
がら、術者(医者)に種々の指示を与える。しかし、医
者が1回の連続スキャンの終了後、穿刺の経過を見たい
ことがあり、連続スキャン終了後、最後の断層画像はフ
リーズしておき、医者が指示を与えると、メモリ36か
ら読出した生データを再構成し、画像をコマ送り表示す
ることで見ることができる。
ら表示までの動作を詳細に説明する。図6はこの動作を
示すタイムチャートである。X線管12と検出器アレイ
16とが被検体10の周囲を回転しながら微小角度毎に
データ収集システム18から投影データが出力される。
この投影データは、前処理部28を介して生データとし
てメモリ36に次々と書き込まれていく。1枚の断層画
像を再構成するのに必要な全角度分( 0°〜 360°)の
投影データが全てメモリ36に書き込まれた後、投影デ
ータはメモリ36から読み出され、再構成部32に転送
される。再構成部32では、断層画像データが高速、つ
まりデータ収集時間よりも短時間で再構成され、表示用
メモリ34に書込まれる。この間、磁気ディスク38へ
のアクセスは行なわない。表示用メモリ34から断層画
像データが読み出され、表示のためにCRTモニタ7へ
送られる。上述したように表示用メモリ34からの断層
画像データの読み出しは、次の断層画像を表示するまで
繰り返される。
表示)にとって重要なのは、スキャン動作から断層画像
表示までの時間短縮の他に、動きの速度を忠実に再現す
ることがある。例えば、1秒間隔でデータ収集した2枚
の断層画像を、1.1秒間隔で切替えて表示すること
は、実際の動きを再現しているものではない。本実施例
では、図7(a)に示すように、1枚の断層画像のため
のスキャン動作完了時点(データ収集完了時点)から、
断層画像の表示開始までの時間差△tを、全ての断層画
像I1 ,I2 ,I3 …について一定とすることで、換言
すると、図7(b)に示すように、断層画像I1 ,I2
を各々のスキャン動作の間隔△t1 に等しい間隔で表示
し、断層画像I2 ,I3 を各々のスキャン動作の間隔△
t2 に等しい間隔で表示し、以降同様にスキャン動作の
間隔に等しい時間差をもって断層画像を順次切替え表示
することで、スキャン動作と表示の時間スケールを等価
させて、実際の動きを忠実に再現することを実現する。
一般に、スキャン動作から、表示用メモリ34への断層
画像データの書き込み終了するまでの時間△t´は、C
PU22にかかる負荷状況によって、例えばスキャン中
は長く、スキャンしていないときは短くなるように、変
動する。したがって、表示用メモリ34へ断層画像デー
タの書き込みが終了した後、直ちに読み出しを開始する
と、実際の動きを再現することはできない。本実施例で
は、スキャン動作から断層画像データ読み出し開始(表
示開始)までの時間差を、少なくともCPU22が最大
負荷を受けているときの時間(最長時間)以上に固定
し、実際の動きを再現することを実現する。この時間制
御は、周知技術で実現可能であり、図4に示すように、
CPU22で各部28,32,34,36の動作を統括
的に時間制御してもよいし、図8に示すように再構成部
32と表示用メモリ34のクロックを共通化してもよい
し、また図示しないが、前処理部28と表示用メモリ3
4にタイマ回路を装備させて、前処理部28から表示用
メモリ34内のコントローラに1枚分の投影データが到
着完了した時刻を通知し、この時刻から一定時間経過し
た時刻に表示用メモリ34から断層画像データを読み出
すようにしてもよい。
連続スキャンしながら対象の動きをシネ映像のようにほ
ぼリアルタイムに観察することができる。したがって、
血流(造影剤の流れ)を観察したり、この透視下で最適
なタイミングで撮影を実行したり、カテーテルの動き、
血種の変化を見ることでバイオプシー等の支援も可能と
なる。
形例として、第3世代のCT装置の場合は多管球(例え
ば、3管球)のX線管を用いたり、X線の回転速度を高
速化したり、第5世代のCT装置を用いることにより達
成できる。第5世代のCT装置とは、多数のX線管を被
検体の周囲に配置する、あるいは被検体を囲む円環状の
陰極を有する釣鐘状X線管を用いて電子ビームを走査す
ることにより高速回転を実現する。
間を高速化する変形例として、360゜分の投影データ
から再構成を行なうのではなく、360゜より少ない例
えば180°分の投影データから再構成を行なういわゆ
るハーフスキャン再構成方式を採用する。
防止する変形例として、低管電流でX線を発生できるX
線発生装置、パルスX線を発生できるX線発生装置を採
用する。X線の線量は管電流mAと曝射時間t(秒)の
積であるmAsに大きく依存する。そのため、線量を低
減するには、管電流を下げればよい。しかし、通常のC
T装置は数百mAの管電流でX線を出力するように設計
されているため、数十mAという低い管電流でもX線を
出力できるように管電圧、管電流の制御方法を変える。
T装置で主流となっている連続X線の代わりにパルスX
線を使用する方法がある。例えば、図9に示すように、
デューティ比50%(全時間の1/2の時間だけX線を
曝射する)のパルスX線を使用すると、連続X線に比べ
て線量を1/2とすることができる。また、操作卓3内
の制御部にX線の曝射を高速にオン/オフ制御する回路
を設け、X線管12、検出器アレイ16の回転の継続、
及びX線管12のプレヒート状態を継続させつつ、高速
にオペレータが意図した時にX線をオンしたり、オフす
ることができるようにしてもよい。これにより、X線の
頻繁なオン/オフを容易に高速に行なうことができ、被
検体の被曝量を減らすことができる。
のX線出口、もしくは上部スリット42付近にアルミニ
ウム、もしくは銅からなるフィルタ40を設けることに
より被検体の被曝量を低減させることもできる。フィル
タ40の材質としてはテフロン、モリブデン等もある。
また、フィルタ40やウェッジ43の厚さを撮影中に可
変できる構成とすることにより、撮影中に被曝量を調整
することができる。
は磁気ディスク38には保存しないが、CRTモニタ7
で表示されている断層画像を必要に応じてビデオレコー
ダを用いて保存してもよい。スキャン終了後に、ビデオ
レコーダから断層画像を再生して表示することにより、
コマ送り、逆送りも可能となり、診断が容易となる。ま
た、再構成された画像データや付帯情報をそのままディ
ジタルの形式で録画してもよい。録画されたデータを表
示する場合は、表示34を経由してCRTモニタ7上に
転送される。ディジタルデータとして録画すると、削除
等の後処理を容易に行なうことができる。
置は、スキャン動作により被検体に関する多方向の投影
データを収集するデータ収集手段と、前記スキャン動作
に要する時間より短時間で前記多方向の投影データに基
づき断層画像データを再構成する画像再構成手段と、前
記断層画像データを前記スキャン動作から所定時間後に
表示する表示手段とを具備したので、スキャン動作に要
する時間より短時間で多方向の投影データに基づき断層
画像データを再構成することができ、しかも断層画像デ
ータをスキャン動作から所定時間後に表示するので、ス
キャン動作から断層画像の表示までの時間間隔が不規則
になって被検体の実際の動きを再現することができなく
なることなく、リアルタイムで断層画像をシネ映像のよ
うに連続的に表示させることが可能となる。
は、第1のスキャン動作に続いて第2のスキャン動作を
実行することにより第1の多方向の投影データに続いて
所定時間後に第2の多方向の投影データを収集するデー
タ収集手段と、前記第1のスキャン動作に要する時間よ
り短時間で前記第1の多方向の投影データに基づいて第
1の断層画像データを再構成し、前記第2のスキャン動
作に要する時間より短時間で前記第2の多方向の投影デ
ータに基づいて第2の断層画像データを再構成する画像
再構成手段と、前記第1の断層画像データを表示し、前
記第1の断層画像データの表示タイミングから前記所定
時間後に第2の断層画像データを表示する表示手段とを
具備したので、スキャン動作に要する時間より短時間で
断層画像データを再構成し、しかも第1の断層画像デー
タを表示してから第2の断層画像データを表示するまで
の時間差を、第1の多方向の投影データを収集してから
第2の多方向の投影データを収集するまでの時間差と同
じとしたことにより、スキャン動作から断層画像の表示
までの時間間隔が不規則になって被検体の実際の動きを
再現することができなくなることなく、リアルタイムで
断層画像をシネ映像のように連続的に表示させることが
できる。
は、1枚の断層画像データを再構成するのに必要な多方
向の投影データを収集するためのスキャン動作を連続的
に実行可能なコンピュータ断層撮影装置において、前記
スキャン動作を連続的に実行し、断層画像データを連続
的に再構成し、最初のスキャン動作から所定時間後に断
層画像データの連続表示を開始する透視モードと、前記
スキャン動作を1回実行し、1枚の断層画像データを再
構成し、この1枚の断層画像データを表示する撮影モー
ドとを選択的に実行することを特徴としたので、必要に
応じて透視モードと撮影モードとを選択的に実行でき
る。しかも、透視モードでは、スキャン動作を連続的に
実行し、断層画像データを連続的に再構成し、最初のス
キャン動作から所定時間後に断層画像データの連続表示
を開始するので、リアルタイムで断層画像をシネ映像の
ように連続的に表示させることができる。
施例における透視モードの動作を示すフローチャート。
図。
示の各処理の経過を示す図。
での動作手順を示す図。
収集と表示のタイミングを示す図。
す図。
す図。
卓、 5…天板、6…キーボード、
7…CRTモニタ、10…被検体、
12…X線管、14…X線発生装置、
16…検出器、18…データ収集システム、 2
0…制御部、22…CPU、 24…コ
ントロールバス、26…データバス、 2 8…
前処理部、30…ディスクI/F、 32…再構
成部、34…表示用メモリ、 36…メモリ、
38…磁気ディスク。
Claims (10)
- 【請求項1】 スキャン動作により被検体に関する多方
向の投影データを収集するデータ収集手段と、 前記スキャン動作に要する時間より短時間で前記多方向
の投影データに基づき断層画像データを再構成する画像
再構成手段と、 前記断層画像データを前記スキャン動作から所定時間後
に表示する表示手段とを具備することを特徴とするコン
ピュータ断層撮影装置。 - 【請求項2】 前記データ収集手段は第1のスキャン動
作に続いて第2のスキャン動作を実行することにより第
1の投影データに続いて第2の投影データを収集し、前
記画像再構成手段は前記第1の投影データから第1の断
層画像データを再構成し、前記第2の投影データから第
2の断層画像データを再構成し、前記表示手段は前記第
1のスキャン動作から前記所定時間経過後に前記第1の
断層画像データを表示し、前記第2のスキャン動作から
前記所定時間後に前記第2の断層画像データを表示する
ことを特徴とする請求項1記載のコンピュータ断層撮影
装置。 - 【請求項3】 前記表示手段は前記第2の断層画像デー
タを表示するまで前記第1の断層画像データをフリーズ
表示することを特徴とする請求項1記載のコンピュータ
断層撮影装置。 - 【請求項4】 前記画像再構成手段は、読み書き可能な
メモリを介して前記データ収集手段から前記多方向の投
影データを入力することを特徴とする請求項1記載のコ
ンピュータ断層撮影装置。 - 【請求項5】 第1のスキャン動作に続いて第2のスキ
ャン動作を実行することにより第1の多方向の投影デー
タに続いて所定時間後に第2の多方向の投影データを収
集するデータ収集手段と、 前記第1のスキャン動作に要する時間より短時間で前記
第1の多方向の投影データに基づいて第1の断層画像デ
ータを再構成し、前記第2のスキャン動作に要する時間
より短時間で前記第2の多方向の投影データに基づいて
第2の断層画像データを再構成する画像再構成手段と、 前記第1の断層画像データを表示し、前記第1の断層画
像データの表示タイミングから前記所定時間後に第2の
断層画像データを表示する表示手段とを具備することを
特徴とするコンピュータ断層撮影装置。 - 【請求項6】 前記表示手段は前記第1の断層画像デー
タを前記第1のスキャン動作から一定時間経過後に表示
することを特徴とする請求項5記載のコンピュータ断層
撮影装置。 - 【請求項7】 前記表示手段は前記第2の断層画像デー
タを表示するまで前記第1の断層画像データをフリーズ
表示することを特徴とする請求項5記載のコンピュータ
断層撮影装置。 - 【請求項8】 前記画像再構成手段は、読み書き可能な
メモリを介して前記データ収集手段から前記第1の多方
向の投影データと前記第2の多方向の投影データとを入
力することを特徴とする請求項5記載のコンピュータ断
層撮影装置。 - 【請求項9】 1枚の断層画像データを再構成するのに
必要な多方向の投影データを収集するためのスキャン動
作を連続的に実行可能なコンピュータ断層撮影装置にお
いて、 前記スキャン動作を連続的に実行し、断層画像データを
連続的に再構成し、最初のスキャン動作から所定時間後
に断層画像データの連続表示を開始する透視モードと、
前記スキャン動作を1回実行し、1枚の断層画像データ
を再構成し、この1枚の断層画像データを表示する撮影
モードとを選択的に実行することを特徴とするコンピュ
ータ断層撮影装置。 - 【請求項10】 前記透視モードにおける放射線エネル
ギーが前記撮影モードにおける放射線エネルギーより低
いことを特徴とする請求項10記載のコンピュータ断層
撮影装置。
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