JPH0731976B2

JPH0731976B2 - 垂下防止手段付吊橋状ヒュ−ズリンクを有するヒュ−ズアッセンブリ

Info

Publication number: JPH0731976B2
Application number: JP61049514A
Authority: JP
Inventors: セイバン・オウ
Original assignee: リトルヒユーズ・インコーポレーテツド
Priority date: 1985-05-22
Filing date: 1986-03-05
Publication date: 1995-04-10
Anticipated expiration: 2010-04-10
Also published as: JPS61271731A; US4635023A; CA1251498A

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は、通常30アンペア以上の高定格電流用ヒューズ
であって、ヒューズリンクが比較的長く、両端だけで支
持されているため、たるみ易いものに関するものであ
る。

本発明の主な適用対象はブレード型車載用ヒューズであ
るが、円筒型、その他の型のヒューズにも応用できる。

［従来の技術］車載用ブレード型差し込み式ヒューズアッセンブリは一
般に、薄い箱型のハウジングと、全体として板状をなす
金属部材であって、ハウジング内に固着された差し込み
式ヒューズエレメントとの２部材から成っている。金属
性差し込み式ヒューズエレメントはハウジングの一端か
ら延出する１対の平行な端子ブレードを有している。端
子ブレードに連なる延長部はハウジング内に収納され、
ハウジングの対向する内壁面間に挟持されている。両端
だけで支持されているヒューズリンクは両延長部間にブ
リッジ状になっており、且つ、例えば家庭用スレッド型
ヒューズのヒューズリンクと比較すると、ハウジング側
壁にやや近接している。

ハウジングにはその一端に開口する隙間が設けられ、端
子ブレードはそれぞれ、その各隙間から外部に突出し、
取付パネルやヒューズブロック側のソケットクリップに
差し込めるようになっている。このヒューズの構造と製
造方法については、米国特許第3,909,767号，第4,344,0
60号、その他の特許文献に開示されている。従来の車両
に設けられているヒューズブロックは概して、取付壁が
垂直に形成され、ヒューズが取付けられたとき、端子ブ
レードが水平になるので、重力のためにヒューズリンク
が垂れ下がると、ハウジング壁との間隔があまり無いの
で、下方のハウジング壁に接触し、後述するような問題
を起こしていた。

この型及び他の型のヒューズ装置のヒューズリンクはヒ
ューズ溶断条件下で溶融し、場合によっては蒸発する。
ヒューズは一般に、低度の過電流が長時間継続したとき
（例えば定格電流の135％の電流が1/2時間継続したと
き）及び短絡電流があったとき、のいずれの場合にも溶
断するように設計されている。低度の過電流が継続した
場合には、ヒューズリンクの温度が徐々に上昇し、つい
にはヒューズが溶断することになる。ヒューズリンクの
温度の上昇は、ヒューズリンクを流れる電流Ｉに対する
ヒューズリンクの電気抵抗Ｒにおける電力損に起因する
ものである。この電力損ＰはＰ＝I²Rの式で表すことが
できる。

通常の回路動作では（通常の電流は定格電流値の約80％
が普通である）、ヒューズリンクにおける発熱は僅かで
あって、ヒューズリンクの大部分は溶融も軟化もしな
い。ヒューズリンクで生じる熱は端子ブレード、ハウジ
ング、パネル側ソケットクリップにも伝わる。定格電流
値を越える電流（約135％）がヒューズリンクに流れる
と、発熱量は発散しきれない程に増大し、溶断温度に達
する。ヒューズリンクは溶融する前にまず軟化する。こ
こで、ヒューズリンクが溶断前の軟化度が大きいと、溶
断しないまま、ハウジングの側壁上に垂下することがあ
るので、ヒューズリンクの軟化度はヒューズの信頼性を
左右する重要な要素となる。すなわち、上述のような事
態が生じると、垂れ下がってハウジングに接触するヒュ
ーズリンクがハウジング壁を溶融しながら冷却され、所
定の時間内に溶断しなかったり、あるいは溶断しないま
ま残ってしまうからである。このようなヒューズリンク
とハウジング壁との接触があると、必ず、ヒューズリン
クの溶断特性が変化してしまう。これまでの車載用ブレ
ード型ヒューズの定格電流値は最大30アンペアだった。
これらのヒューズのヒューズリンクは垂下するほど長く
もなく体積もないので、垂下による問題も生じにくかっ
た。しかしながら、車載用にも30アンペア以上のものが
求められるようになり、その場合、ヒューズリンクが長
尺且つ大径になるので、垂下対策が深刻な問題となって
いた。

全長に亘って均一の断面積を有するヒューズリンクは一
般に、その中心点がホットスポットとなる。この場合、
ヒューズリンクの位置と温度との関係を見ると、温度は
ヒューズリンクの中心位置になるほど高くなる。所定の
溶断遅延時間を有するヒューズを設計するに当っては、
もし遅延時間を始めの試験値より長くする必要があれ
ば、ヒューズの長さと断面積とを増すことにより、体積
を増加する。断面積の増大によりヒューズリンク全体の
抵抗が減少し、長さの増大により抵抗が増す。長さの増
大はまた、ヒューズリンクの垂下傾向の助長を招く。

また、所定のヒューズパラメータを得るために、ヒュー
ズリンクの中央部に急に断面積が減少する部分を設け、
ヒューズリンクの位置対温度特性をヒューズリンクの中
央部で急峻な上昇を示すように設計することもある。い
ずれの場合もヒューズリンクは中央部からまず溶断する
のが普通である。

ヒューズハウジング内に砂などの物質を充填し、高エネ
ルギーアークを消化するようにしたヒューズがあるが、
この場合は、上述のヒューズリンクの垂下の問題は生じ
ない。しかしながら。アーク消化を他の安価な方法で行
える場合に、単にヒューズリンクの支持する目的だけで
砂を用いるのは、実用的でない。砂やその他の支持部材
をヒューズハウジングに充填するための工程か必要とな
り、部材数と工程数の増大により、生産コストが増大す
るからである。

ヒューズリンクの溶断電流は、ヒューズリンクの抵抗、
その材料である合金、その形状など、種種の要素に対応
する。錫などの物質をヒューズリンクに付加することに
より、あるいは、絶縁性コアを螺旋形ヒューズワイアで
囲繞して成るヒューズリンクを用いることにより、ヒュ
ーズリンクの溶断電流、溶断温度を低下させることが知
られている。すなわち、従来のヒューズには、螺旋形ヒ
ューズワイアの隣り合う各巻間にベッド状に錫を付加
し、ヒューズワイアの溶断電流の溶断温度を低下させた
ものがある。また、スレッド型家庭用ヒューズには同様
の目的で、ヒューズリンクの細くなった中央部の片側だ
けに錫箔あるいは錫塊を加えたものもある。この錫はヒ
ューズリンクの対応部分の温度に応じた割合でヒューズ
リンク内に浸透する。上述のスレッド型ヒューズでは、
錫がヒューズリンクの最も熱い中央部分に向かって最高
の割合で浸透する。その結果、錫はヒューズ金属との合
金を形成し、溶断温度を低下させる。

［発明が解決しようとする問題点］本発明は叙上の事情に鑑みて、両端だけで支持されてい
て中央部は宙吊り状態の比較的長いヒューズリンクで
も、ヒューズ溶断前に軟化して垂下することがなく、ま
た、ヒューズリンクの熱でハウジングを焦がしたり、溶
断しないまま危険な高電流を流したりすることがなく、
しかも製造コストが増大することのないヒューズを提供
しようとするものである。

［問題点を解決するための手段］発明者は、錫、その他の溶断温度低下物質をヒューズリ
ンクの所定箇所だけに選択的に設けると錫に隣接し錫の
浸透量が多い部分におけるヒューズリンク位置対温度特
性が変化することを発見した。すなわち、錫をヒューズ
リンクの中央部と、この中央部のホットスポットの両側
だけに設けると、溶断前にヒューズリンクが軟化して垂
下する傾向を、除去できないまでも、大いに減少させる
ことができる。これに対して、錫をヒューズリンクのホ
ットスポットの片側だけに設けると、錫を設けない側の
ヒューズリンクには反対側に位置する錫の効果があまり
およばないので、垂下問題を充分に軽減することができ
ない。

そこで本発明の基本的特徴は、ヒューズリンクのホット
スポットから隔たったその両側の限られた部分に錫を設
け、ヒューズリンクが溶断前に軟化し垂下する傾向を本
質的に低減したことである。所定の溶断電流はこの電流
を生じさせる種々のパラメータ（および錫の配設量及び
位置）を適宜選択することにより定められる。

なお、宙吊り状態のヒューズリンク中央部に選択的に付
加された溶断電流低減物質の垂下防止機能は、これまで
に知られていなかったと考えられる。

本発明は１対の相対する端子間にブリッジ状に形成され
た溶融性ヒューズリンクを有するあらゆるタイプのヒュ
ーズに適用可能であるが、前述したように、ハウジング
の側壁とヒューズリンクとの間隔がヒューズの溶断電流
に大きな影響を与えない必要最小限しかない、被覆式車
載用ブレード型ヒューズに用いると最も効果的である。

そこで本発明のより好ましい実施態様では、被覆式差し
込み式ヒューズ装置は上述したように、薄型のハウジン
グと、打ち抜き加工により形成された単一面をなす差し
込み式ヒューズ金属部材とから成っている。ヒューズリ
ンクは遅延時間を最大にするようにできるだけ長く形成
し、できればヒューズリンクの中心部で断面積を急に減
少させるとよい。差し込み式金属部材のヒューズリンク
部分はなるべく当該部材の面と同一面をなし、その幅を
厚みよりもはるかに大きくするとよい。というのは、こ
のような形状により、上述したように垂直に設置された
ヒューズブロック内に端子ブレードを水平にして差し込
んだとき、ヒューズリンクがその厚み方向にかかる重力
により垂下する傾向を軽減できるからである。錫などの
溶断電流低減部材は、最初に溶融が開始すると思われる
ヒューズリンクのホットスポット部分、すなわちこの場
合には断面積が急減する部分、の両側に間隔を置いて設
けると良い。錫部材はなるべくプラグ状にしてヒューズ
リンクの中央から等距離の位置に設けた両透孔内に装填
するとよく、この場合、プラグ状錫部材を透孔内に圧入
することにより保持し、その両端に、ヒューズリンク面
と接するリップを形成するとよい。さもなければ、錫を
ヒューズリンクのところどころに設けるようにしてもよ
い。錫のプラグをホットスポットに隣接してその両側あ
るいは片側に設けていた従来例ではヒューズリンクの垂
下問題は解消できなかった。このことから、錫プラグま
たは錫層はホットスポットから充分に離して両側にしか
もホットスポットからの暗探法により定められたホット
スポットからの距離位置に設けるべきだという結論に達
した。これまで垂下現象が生じていたヒューズリンクの
部分に対し錫、その他の溶断電流低減プラグを正しく配
設すれば、垂下の程度はかなり減少するはずである。

［発明の実施例］以下、実施例を表す図面を参照して本発明を説明する
が、本発明の理解をより容易にするために、これに先立
って、従来のヒューズアッセンブリに生じていた問題を
簡単に述べる。上述したように、本発明は最大30アンペ
ア用に設計された前述した米国特許によるブレード型車
載用ヒューズ装置を改良しようとした結果成されたもの
である。ところで、これらのヒューズは、ヒューズリン
クもハウジングもずっと大型である30アンペア以上の車
載回路用としても設計されていた。しかし、このような
回路に適した溶断特性や遅延時間を得るためにはヒュー
ズリンクを長くする必要が生じ、そのために、ヒューズ
エレメントの垂下やハウジング壁の焼溶の問題を惹起す
るにいたったのである。

第1,2,3図はヒューズリンクの垂下問題が生じる従来の
ヒューズアッセンブリ20を示している。このアッセンブ
リは小型のブレード型ヒューズの場合と同様に、ハウジ
ング22、ヒューズエレメント24の２つの部材のみから成
っている。ハウジング22はこれまで用いられていたもの
を少し変形したものであるが、樹脂成型により、挿入さ
れるヒューズエレメント24の各部に応じた寸法の凹部を
有する単一部材として形成するとよい。ヒューズエレメ
ント24は亜鉛などのヒューズ用金属シートを打ち抜い
て、ハウジング凹部内に挿入すべき部分を含めて、単一
面をなす単一部材として形成するとよい。ヒューズエレ
メント24は適宜の手段、できれば常温かしめや超音波溶
接により、ハウジング22内に固着する。

ハウジング22は全体として矩形状であり、垂直に立てた
状態で、水平に延びる天板34と、少間隔を置いて相対す
る側壁26,28と、これらを連結する細幅の端壁30,32とを
有し、これらの天板および各壁により、ハウジングの両
側端において端子ブレードの延長部50,52を挟持するた
めの隙間36,38と、ハウジングの中央部においてヒュー
ズリンク54を収納するためのヒューズリンク収納室40と
を画成している。なお、ヒューズリンク54とハウジング
側壁との間には、ヒューズリンクが重力のためにやや垂
れ下がっても接触しないだけの間隔がある。隙間36,38
とヒューズリンク収納部40は共に、端子ブレード56,58
が突出する方のハウジング端面42に開口している。ハウ
ジングはなるべく透明材料で形成し、ヒューズリンク収
納部40内のヒューズエレメントが溶断したか否かを外側
から確認できるようにするとよい。

ヒューズリンク54は両端子ブレード50,52間を横断する
ように延び延長部50,52に続く端子ブレード56,58は互い
に平行にハウジングの開口端42から外側に延出してい
る。端子ブレード56,58は取付パネルなどに設けられた
ソケット60内に差し込まれ、所望の回路をヒューズエレ
メント24で閉成するようになっている。取付パネルなど
は通常垂直に設けられており、従ってヒューズを差し込
んだとき、端子ブレッドが水平になる。

端子ブレードの延長部50,52はそれぞれ隙間36,38内に摺
接しながら挿入されるが、挿入後、常温かしめか超音波
溶接により、ハウジングの側壁26,28を延長部50,52に設
けられた透孔内に符号53,55で示すように突出させ、延
長部50,52をハウジングに対して固定する。ヒューズリ
ンク54の長さ、幅、厚みはヒューズ用金属に応じて所定
の電流遮断特性が得られるように定められる。図示した
ような高電流用ヒューズの場合、ヒューズリンク54は長
く且つ幅広に形成され、比較的長時間に亘る比較的高い
電流に耐えられるようになっている。ヒューズリンク54
は延長部50,52間の幅よりもはるかに長いものである
が、Ｓ字状に屈曲し、コンパクトにおさまっている。

ヒューズリンク54には、溶断すべきホットスポット部分
を形成するための切欠66が設けられている。切欠66の両
側縁部分68,70の電気抵抗が増大し、比較的低度の過電
流が継続すると、この部分が溶断し、ヒューズリンクを
一端だけが延長部50,52にそれぞれ支持された２つの部
分に分断する。

このようなヒューズで生じる問題であって本発明が解決
しようとしているのは、第2,3図に示すように、高電流
や過電流の程度によっては、切欠66の両側のホットスポ
ット側縁部68,70部分で溶断する前に、所定の溶断温度
よりもはるかに低い温度で、ヒューズリンク54の宙吊り
部分が軟化することがある、ということである。ヒュー
ズリンク54は軟化すると重力のために垂れ下がり、透孔
66を含む中央部が下方に位置する側壁28の一部72に接触
する。すると側壁28はヒューズリンク54の熱を吸収して
その温度を低下させるように働き、その結果、ヒューズ
リンクは所定の過電流によっても溶断しないことになっ
てしまう。同時に、垂下したヒューズリンクから熱を吸
収したハウジング壁は、熱変形してしまう。

このような事態が実に危険であることは言うまでもな
い。ヒューズリンクが側壁上に分断されずに保持されれ
ば、高い危険な過電流が遮断されることなく流れ、電気
回路の高価な部品を破損したり、オーバーヒートにより
発火したりする可能性があるからである。いずれにして
も、このようなヒューズ装置の欠点は許容し難いもので
ある。

このような問題の解決策の一つは、従来とは全く別の形
でヒューズ溶断電流低減部材を付加することである。第
4,5,6図の本発明実施例の差し込み式ヒューズアッセン
ブリ80は上述のヒューズアッセンブリ20と類似している
が、従来とは異なるハウジング82とヒューズエレメント
84とから成っている。

ハウジング82は比較的近接して対面する主側壁86,88
と、これらを連結する端壁90,92及び上壁94とに画成さ
れた、全体として矩形をなす部材である。前記各壁は内
部に端子ブレード延長部収納用の比較的薄い１対の隙間
96,98と、中央の凹部100を画成している。各隙間と凹部
はハウジングのほぼ全長に亘り、その一端102に開口し
ている。隙間96,98はまた前記上壁94においても符号99,
101部分で開口し、ヒューズエレメント84と一体の探針
係合用タブ103,105を貫通させるようになっている。ハ
ウジング82の材料はなるべく従来のハウジング22（第１
〜３図）と同じように、凹部100内部が外側から見える
ような透明なものが良い。ハウジング82の更に詳細な構
成は同出願人による特願昭第60−228574号に開示されて
いる。

ヒューズエレメント84は１対の長方形板状端子ブレード
延長部110,112を有し、その先端が上述のタブ103,105と
なっており、各延長部間にはヒューズリンク114が形成
されている。延長部110,112は互いに平行に離間してハ
ウジングの開口端102から突出する１対の端子ブレード1
16,118に連なるものである。端子ブレード116,118のパ
ネル側ソケットへの差し込み、及びヒューズエレメント
84のハウジング82に対する挿入、固着は、第１〜３図の
ヒューズアッセンブリについて説明したのと同様であ
る。

ヒューズリンク114には溶断すべきホットスポットを定
めるための切欠126が設けられ、この切欠126の両側の側
縁部128,130の断面積はヒューズリンク114のその他の部
分の断面積よりはるかに小さくなる結果ホットスポット
となり、所定電流で溶断し、ヒューズリンクをそれぞれ
延長部110,112から突出する２つの部分に分断するよう
になっている。実施例は55アンペア用のものであるがヒ
ューズリンク114の長さが約0.147インチ（0.37cm）、厚
さが約0.147インチ（0.08cm）であり、切欠126の直径が
約0.08インチ（0.20cm）である。このヒューズリンクは
ヒューズエレメントの残りの部分よりも薄く形成しても
よい。

ヒューズリンク114にはさらに、切欠126から各延長部11
0,112に至る長さの中心側約1/3の位置に、透孔136,138
が設けられている。これらの透孔136,138は直径約0.06
インチ、切欠126との中心間距離が約0.15インチとなっ
ている。透孔136,138内には、ヒューズリンクの材料よ
りも溶融温度が低い溶断電流低減物質製プラグ132,134
が充填されている。本発明実施例ではロジンフラックス
のコアを有する100％錫を用いている。なお、透孔136,1
38はヒューズリンクの長軸にほぼ沿って設けられてい
る。プラグ132,134は透孔136,138内に充填した後、その
両端から圧力をかけて、周縁のヒューズリンク面にかぶ
さるように頭部133,135を形成することにより、ヒュー
ズリンクに対してリベット固定してあるが、その他の固
定方法も可能である。

従来は、錫製プラグをヒューズリンクのホットスポット
の片側にだけ設け、ヒューズの溶断電流を軽減するよう
にしていた。しかし、この方法ではヒューズリンクの垂
下問題が本質的に解決できなかったことは上述した通り
である。

この発明に到るまでの研究中、単一のプラグをヒューズ
リンクの切欠126の一側に設けたものを使用してみたと
ころ、回路に低度の過電流が流れたとき、ヒューズリン
クは垂下した。そこで、錫プラグを切欠126の両側に設
けたところ、いずれの側も垂下しなかった。本発明の効
果は、錫がヒューズリンクの部位による温度変化の様相
を変え、その結果、錫プラグに近接した位置におけるヒ
ューズリンクの温度が低下し、ヒューズ材料である亜鉛
があまり軟化しなかったことによるものだと考えられ
る。しかしながら、錫がヒューズリンクのホットスポッ
トにおけるヒューズ溶断に要する電流を低減させること
も事実である。

以上、プラグを差し込み式ブレード型ヒューズアッセン
ブリに用いる場合について述べてきたが、本発明は、ヒ
ューズリンクが垂下しやすい長さを有しているにもかか
わらず、その両端だけで支持され、中央部が宙吊り状態
になっているあらゆるタイプのヒューズに適用できる。
更に、本発明は、錫をプラグ状に形成されてヒューズリ
ンクの透孔内に充填するのではなく、ヒューズリンクの
表面に層状にコーティングすることによっても、かなり
の効果をあげることができる。また、錫以外の物質で
も、同様の溶断電流低減効果を有するものであれば、プ
ラグ状、コーティング状、層状にして用いることができ
る。

以上、本発明を実施例に基ずいて説明したが、本発明の
範囲はこれに限定されるものではなく、この他にも種々
の変更が可能であり、自明の変更が本発明の範囲内に含
まれることは言うまでもない。また、本発明の個々の構
成要素の等価な変更は、単なる自明の置換として、本発
明の範囲に含まれると解釈すべきである。

【図面の簡単な説明】

第１図は垂直な取付面を有するヒューズ取付ブロックの
ソケット内に水平に挿入された従来の差し込み式ヒュー
ズアッセンブリの底面図、第２図は第１図のヒューズア
ッセンブリの底面図で、ブリッジ状に形成されたヒュー
ズリンクが垂下してハウジングを焦がし、ヒューズとし
ての正常な機能を果たせない状態を示し、第３図は第２
図の矢印方向から見た３−３線断面図である。第４図は本発明を適用した差し込み式ヒューズアッセン
ブリの分解斜視図であり、第５図は本発明を適用した差
し込み式ヒューズアッセンブリの平面図であり、第６図
は第５図の矢印方向から見た６−６線断面図である。 20,80……ヒューズアッセンブリ、22,82……ヒューズハ
ウジング、24,84……ヒューズエレメント、26,28,86,88
……側壁、36,38,96,98……端子ブレード板収納隙間、4
0,100……ヒューズリンク収納凹部、50,52,110,112……
端子フレード板、54,114……ヒューズリンク、56,58,11
6,118……端子ブレード、60……取付パネル側ソケッ
ト、66,126……切欠、132,134……錫プラグ、136,138…
…プラグ充填用透孔。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】絶縁物質で形成され、内部に空間を画成す
るハウジングと、このハウジング内に固着され、電気回
路を閉成するための１対の端子を有する導通性ヒューズ
エレメントと、前記１対の端子間にブリッジ状に延び、
その中間部分では宙吊り状態になっていて、ヒューズの
溶断温度で軟化してハウジング壁に垂下するおそれがあ
るヒューズリンクとから成り、このヒューズリンクがホ
ットスポットを有し、このホットスポットが所定の電流
により軟化温度になったとき溶断し、前記電気回路に供
給される電流を遮断するようになっているヒューズアッ
センブリにおいて、前記ヒューズリンクの前記ホットス
ポットから離間した両側に、且つ垂下のおそれがある部
分内に、ヒューズ溶断電流低減部材を付加し、ヒューズ
リンクの前記宙吊り部分が所期の溶断前に軟化，垂下す
ることを防止するように構成したことを特徴とするヒュ
ーズアッセンブリ。
【請求項２】絶縁物質製ハウジングと、導電性差し込み
式ヒューズエレメントから成り、このハウジングは比較
的近接して対面する１対の側壁により、一端に開口する
ヒューズリンク収納室とその両側の薄い隙間とから成る
内部空間を画成し、前記ヒューズエレメントは前記ハウ
ジングの開口端から平行に延出する１対の端子ブレード
と、前記ハウジングの隙間に収納された端子ブレード延
長部と、各端子ブレード延長部間にブリッジ状に設けら
れ前記ハウジングのヒューズリンク収納室に側壁から離
れて宙吊り状に収納されたヒューズリンクとから構成さ
れ、このヒューズリンクにより前記各端子ブレード延長
部及び各端子ブレードを電気的に接続し、このヒューズ
リンクがホットスポットを有し、このホットスポットが
所定の電流により軟化温度になったとき溶断し、前記電
気回路に供給される電流を遮断するようになっているヒ
ューズアッセンブリにおいて、前記ヒューズリンクの前
記ホットスポットから離間した両側に、且つ垂下のおそ
れがある部分内に、ヒューズ溶断電流低減部材を付加
し、ヒューズリンクの前記宙吊り部分が所期の溶断前に
軟化，垂下することを防止するように構成したことを特
徴とするヒューズアッセンブリ。
【請求項３】離間して平行に延びる１対の端子延長部間
にブリッジ状に形成され、電気回路に取り付けられたと
きに両端子及び両端子延長部を電気的に接続するように
なっており、絶縁物質製ハウジング内にその内壁から離
隔した宙吊り状態で収納されるようになっているヒュー
ズリンクにおいて、高電流により所定の温度になったと
き、溶断すべきホットスポットを有するヒューズ用金属
製リンクと、前記リンクの前記ホットスポットから離間
した両側に付加され、前記ヒューズリンクの宙吊り部分
が所期の溶断前に軟化，垂下することを防止するヒュー
ズ溶断電流低減部材とから成るヒューズリンク。
【請求項４】前記ヒューズ溶断電流低減部材が前記ホッ
トスポットの両側から同距離位置に設けられている、特
許請求の範囲第1,2または３項に記載したヒューズアッ
センブリまたはヒューズリンク。
【請求項５】前記リンクが前記ホットスポットの両側に
１対の透孔を有し、前記ヒューズ溶断電流低減部材がこ
れらの透孔内にプラグ状に充填されている、特許請求の
範囲第1,2または３項に記載したヒューズアッセンブリ
またはヒューズリンク。
【請求項６】前記プラグが前記リンク表面に接する頭部
を有し、該プラグを前記透孔内に固定するようになって
いる、特許請求の範囲第５項に記載したヒューズアッセ
ンブリまたはヒューズリンク。
【請求項７】前記リンクがその両端間の直線距離よりも
はるかに長い、特許請求の範囲第３項に記載したヒュー
ズリンク。
【請求項８】前記リンクが比較的幅広に形成され、前記
ホットスポット部分に、該リンクの断面積を減少させる
切欠を有している、特許請求の範囲第４項に記載したヒ
ューズアッセンブリまたはヒューズリンク。
【請求項９】前記リンクがＳ字状をなし、前記ハウジン
グの側壁に平行な面上にある、特許請求の範囲第３項に
記載したヒューズリンク。
【請求項１０】前記溶断電流低減部材の材質が錫であ
り、前記ヒューズリンクの材質が亜鉛合金である、特許
請求の範囲第1,2項または３項に記載したヒューズアッ
センブリまたはヒューズリンク。
【請求項１１】前記ホットスポットがヒューズリンクの
中心にあり、前記溶断電流低減部材がヒューズリンクの
両端以外の部分にのみ設けられている、特許請求の範囲
第３項に記載したヒューズリンク。
【請求項１２】少なくとも前記ヒューズリンクは単一面
をなし、且つ、その幅がその厚みよりはるかに広い、特
許請求の範囲第1,2項または３項に記載したヒューズア
ッセンブリまたはヒューズリンク。
【請求項１３】前記リンクの断面が非円形であり、その
最大寸法が最小寸法よりもはるかに大きく、最小寸法方
向に重力がかかる状態で取り付けられるようになってい
る、特許請求の範囲第1,2項または３項に記載したヒュ
ーズアッセンブリまたはヒューズリンク。
【請求項１４】前記差し込み式ヒューズエレメントが薄
板状平板から成り、前記ヒューズリンクはその断面が非
円形であり、その最大または幅寸法が最小または厚み寸
法よりはるかに大きく、その幅寸法が該エレメントの面
と平行な面上にある、特許請求の範囲第２項に記載した
ヒューズアッセンブリ。
【請求項１５】前記溶断電流低減部材がヒューズリンク
の全長の中央1/3の部分内にある、特許請求の範囲第1,2
項または３項に記載したヒューズアッセンブリまたはヒ
ューズリンク。