JPH0731726U - 製本用反転搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 搬送本を任意の方向へ回転させ横搬出するこ
とができるとともに、回転方向の変化による排出位置の
ズレを生じない製本用反転搬送装置の提供。 【構成】 正転、逆転可能な駆動用歯車に噛合する中空
形状の回転フレームを製本搬送過程に設置し、回転フレ
ームの正面及び裏面の夫々に上下平行な案内棒を固定す
ると共に、この案内棒にならい適宜左右の平行移動が可
能で、スプリング弾性力により相互に引っ張り合う左右
一対の移動フレームを設け、更にこの移動フレームには
本を挟持しながら搬送するための一対の巻装ベルトを取
り付けることにより、装置全体が駆動用歯車の回転に連
動して正転、逆転するようにし、結果において巻装ベル
トにより挟持されている搬送本を適宜方向へ横倒しする
ことが可能となり、又、スプリングの挟持力により表紙
カバー又は帯の折返し部分へのプレス効果が得られ、跳
上りを防止できるようにした製本用反転搬送装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、製本搬送機における搬送ラインにおいて、搬送本の搬送角度を正逆 回転可能とした装置で、特に自動表紙カバー及び帯掛け装置通過後、搬送本を所 望の状態で搬出させる為の装置である。

【０００２】

【従来の技術及びその問題点】

自動表紙カバー及び帯掛け装置の取り付けられている製本搬送機においては、 搬送本の背部を下方にして縦移送しながら表紙カバー及び帯を自動掛し、計数前 １冊毎搬送中に一方向横に倒す方法、又は計数後自動駒出しする場合であっても 、図１に示すように背部を下方にした搬送本を一方向横に反転して倒す方法等が とられていた。 これら従来の製本用搬送装置にあっては、背部を下方にして縦搬送されてくる 本に対し常に一定方向への横倒しかできず、書籍には表紙の開く方向によって右 開本と左開本とがあることを考えると、一定方向への横倒しにのみしか適応出来 ないこれら従来装置では必ずしもおもて表紙が上方にくるとは限らず、おもて表 紙が上方になっている状態で搬出されない場合には、検品や梱包、その他の後処 理において不便不都合が生じる。 又、図１からも明らかなように、このような従来装置にあっては、横倒しされ た搬送本を押し出す為のプッシャー機構が別に必要であり、仮に逆回転を可能に する為の機構を別に取り付けるとなると、装置全体が極めて大型にならざるを得 ず、そればかりか回転方向を変えると搬送本の排出される位置が異なってしまう こととなり、装置の大型化を助長するばかりか後作業が不便となる。 更に、表紙、表紙カバー又は帯の素材や形状によっては、カバーや帯の折り返 しが部分の跳ね上りにより正確な搬送、搬出に支障が生じる。このことは反転機 構を設けた場合、反転時の振動が加えられる為、より顕著に現れる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】 本考案の課題は、上記従来装置の不都合に鑑み、背部を下方にして縦搬送され てくる本を左右何れの方向へもその横倒が可能で、搬入、横倒、搬出の工程が単 一装置で且つ小スペースで処理出来、しかも、表紙カバー又は帯の折り返しが的 確にされるようなプレス効果が得られる製本用反転搬送装置を提供するところに ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

正転、逆転可能な駆動用歯車に噛合する中空形状の回転フレームを製本搬送過 程に設置し、この回転フレームにはその正面及び裏面の夫々に上下平行な案内棒 を固定すると共に、この案内棒にならい適宜左右の平行移動が可能で、スプリン グ弾性力により相互に引っ張り合う左右一対の移動フレームを設け、更にこの移 動フレームには本を挟持しながら搬送するための一対の巻装ベルトを取り付ける ことにより、装置全体が駆動用歯車の回転に連動して正転、逆転するようにし、 結果において巻装ベルトにより挟持されている搬送本を適宜方向へ横倒しするこ とが可能となり、又、スプリングの挟持力により表紙カバー又は帯の折返し部分 へのプレス効果が得られ、跳上りを防止できるようにしたものである。

【０００５】

【実施例】

以下、図示実施例に基づき本考案に係る製本用反転搬送装置を説明する。

【０００６】 本考案に係る製本用反転搬送装置の一実施例は、図２から図４に示す通りで、 製本搬送過程において、本体フレーム１を介し、正転又は逆転可能な回転駆動力 を有する駆動用歯車２と、これに噛合する歯車を外郭に有し、全体が中空形状の 回転フレーム３とが搬送方向に設置されている。 この回転フレーム３は、本体フレーム１の正面及び裏面に取り付けられている 複数の回転支持ローラ４によって接触支持されている。 回転フレーム３の正面及び裏面には、前後対称位置で上下平行な対の案内棒５ ａ、５ｂ及び５ａ’、５ｂ’が夫々に取り付けられ、この案内棒５ａ〜５ｂ’に はこれをガイドとして適宜左右にスライド調整が可能な移動フレーム６ａ、６ｂ が対向して直角に取り付けられている。そしてこの移動フレーム６ａ、６ｂ間に は相互に引っ張り合わせる為のスプリング７ａ、７ｂが上下平行位置に張設され 、案内棒５ａ，５ａ’に取りつけられた内ストッパー８ａと外ストッパー８ｂと によってその移動範囲が制御させている。 更に、上記移動フレーム６ａ、６ｂには、それぞれクラッチ、ブレーキ付きモ ーター９ａ、９ｂによって回転と停止をコントロールする回転駆動力を有したベ ルトプーリ１０ａ、１０ｂと従動ベルトプーリ１１ａ、１１ｂとの間に搬送ベル ト１２ａ、１２ｂを搬送方向に巻装する。 １３は搬送本の背部を受けるために回転フレームに固定された受け板であり、 １４ａ、１４ｂは搬送ベルト１２ａ、１２ｂが搬送本を挟持する際、外方向に逃 げないよう設けられたベルトガイドである。

【０００７】 本考案に係る製本用反転搬送装置は以上の構成からなり、製本搬送過程におい て表紙カバー掛け及び帯掛け後に配設されるもので、先ず計数後駒出しされて背 部を下方に縦搬送されてくる本をベルトプーリ１０ａ、１０ｂと従動ベルトプー リ１１ａ、１１ｂとの間にそれぞれ巻装され、クラッチ、ブレーキ付きモーター ９ａ、９ｂの回転駆動力により作動する２本の搬送ベルト１２ａ、１２ｂによっ て当該装置内に挟持しながら縦搬入する。そして搬送本全体が本装置内に完全に 搬入された時点でクラッチ、ブレーキ付きモーター９ａ、９ｂにより搬送ベルト １２ａ、１２ｂの作動を停止する。 この際、搬送ベルト１２ａ、１２ｂは、図２、図３に示すように左右対抗位置 にあって案内棒５ａ、５ｂ及び５ａ’、５ｂ’をガイドとして左右にスライド可 能としてあり、移動フレーム６ａ、６ｂ間に張設されているスプリング７ａ、７ ｂの弾性力により相互に引っ張りあい、搬送本を挟持しながら移送する。 従って、回転フレーム３に固定された受け板１３と、搬送ベルト１２ａ、１２ ｂの内側に設けたベルトガイド板１４ａ、１４ｂの作用と相まって、搬入及び搬 出動作が的確に行われると共に、搬送本は搬送ベルトに挟持されている間加圧さ れ続け、表紙カバー及び帯の折り返し部分にプレス効果が得られる。 又、対抗する搬送ベルト１２ａ、１２ｂのスライド範囲は２個の内ストッパー ８ａと、２個の外ストッパー８ｂの位置を任意に変化させることにより適宜選択 設定することができ、本の厚さや駒出し部数に拘らず適応することができる。 内ストッパー８ａは２本の搬送ベルト１２ａ、１２ｂの最小間隔を決定する為 のもので、搬送本に加圧効果を与える為、予め計数後駒出しされ装置内に搬入さ れる搬送本の全体幅の寸法より僅か少なめの間隔に設定しておき、外ストッパー ８ｂは計数後駒出しされた搬送本が搬送ベルト１２ａ、１２ｂによって挟持され ている状態で移動フレーム６ａ、６ｂに接触しないよう設定しておく。

【０００８】 次に、駆動用歯車２を９０度回転させることによりこれと歯合する回転フレー ム３は反対方向に９０度回転する。その結果、移動フレーム６ａ、６ｂ並びに搬 送ベルト１２ａ、１２ｂ及びこれに挟持されている搬送本も９０度連動して回転 することとなる。 図４は本装置の回転後の状態を示すもので、搬送本の背部が進行方向右側にな るよう９０度回転させたものであるが、駆動用歯車２には１８０度の範囲内で正 転、逆転可能な回転駆動力を持たせてある為、回転方向並びに回転角度は予め任 意に設定しておくことが可能である。 上記のように所望方向への回転が完了した後、クラッチ、ブレーキ付きモータ ー９ａ、９ｂを再度起動し、搬送ベルト１２ａ、１２ｂを作動させ、搬送本を挟 持しながら横搬出し、搬送本全体が完全に搬送ベルト１２ａ、１２ｂにより搬出 された後、駆動用歯車２を回転させた逆方向へ９０度回転させることにより、本 装置全体を縦搬送されてくる本を搬入する為の状態、即ち初期状態に戻し、この 動作を繰り返すことによって本装置の目的を達成するものである。

【０００９】 尚、本装置は製本用の搬送ラインにおいて上記のように単に９０度回転させ、 縦搬送されてくる本を横搬出する作用にとどまらず、その他の用途に応じて搬送 ラインの途中に設置することにより、装置搬入前の状態と正転、逆転１８０度以 内の範囲で角度変換が可能である。

【００１０】

【考案の効果】 以上のように本考案によれば、同一装置で表紙の右開き本、左開き本の何れに も対応でき、背部を下方にして縦搬送されてくる本を任意の方向へ回転させ横搬 出することが可能であり、また同じ位置にて搬入、反転、搬出動作が行われるの で、回転方向に変化があっても搬送本の排出位置に大きなずれがなく搬出後の後 処理、後作業が容易となるばかりか、装置全体の小型化が可能で、しかも狭い場 所での設置が可能となる。 更に、搬送本が搬送ベルトで挟持されている間、表紙カバー又は帯の折り返し 部分を加圧し続けるので、カバーや帯の折り返しが部分にプレス効果が得られる 為、折り返し部分の跳ね上りを有効に防止することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来装置における横倒し回転装置の一例を示す
略図。

【図２】本考案に係る製本用反転搬送装置の一実施例
で、製本搬入完了時の状態における正面図。

【図３】本考案に係る製本用反転搬送装置の一実施例
で、製本搬入完了時の状態における上記正面図のＡ−Ａ
線断面図

【図４】本考案に係る製本用反転搬送装置の一実施例
で、製本搬入完了後に９０度回転した状態における正面
図。

【符合の説明】

１・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・本
体フレーム ２・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・駆
動用歯車 ３・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・回
転フレーム ４・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・回
転支持ローラ ５ａ、５ｂ、５ａ’、５ｂ’・・案内棒 ６ａ、６ｂ・・・・・・・・・・・・・・・移動フレー
ム ７ａ、７ｂ・・・・・・・・・・・・・・・スプリング ８ａ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・内ス
トッパー ８ｂ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・外ス
トッパー ９ａ、９ｂ・・・・・・・・・・・・・・・クラッチ、
ブレーキ付きモーター １０ａ、１０ｂ・・・・・・・・ベルトプーリ １１ａ、１１ｂ・・・・・・・・従動ベルトプーリ １２ａ、１２ｂ・・・・・・・・搬送ベルト １３・・・・・・・・・・・・受け板 １４ａ、１４ｂ・・・・・・・・ベルトガイド板

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 製本搬送ラインにおいて、正逆回転可能
   な駆動用歯車に噛合する中空形状の回転フレームを設置
   し、この回転フレームの正面及び裏面の夫々に上下平行
   な案内棒を固定し、この案内棒にならい所定の範囲内で
   左右の平行移動が可能で且つスプリング弾性力により相
   互に引っ張り合う一対の移動フレームを設けると共に、
   この対抗する移動フレームの夫々にクラッチ、ベルト付
   きモーターによって作動するベルトプーリ及びこれに従
   動するベルトプーリに巻装された搬送ベルトを取り付け
   ることによりなる製本用反転搬送装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の製本用反転搬送装置に
   おいて、移動フレームの移動範囲を制御する為の内スト
   ッパー及び外ストッパーを案内棒に位置調整可能に設け
   たことを特徴とする製本用反転搬送装置。
3. 【請求項３】請求項１に記載の製本用反転搬送装置にお
   いて、搬送本背部を受ける為の受け板を回転フレームに
   固定すると共に、対抗する搬送ベルト内側夫々にベルト
   ガイド板を設けたことを特徴とする製本用反転搬送装
   置。