JPH0731569U - 中空構造物における発泡性材料の取り付け構造及び発泡性材料の取り付け用加工体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両ピラ−等の中空構造物に強度を付与する
ことのできる防音及び制振用発泡性材料の取り付け加工
体及び発泡性材料の取り付け構造を提供する。 【構成】 金属製パイプ形状の芯部材１を発泡性材料２
の略中心位置に有してなる発泡性材料の取り付け用加工
体を、内部ピラ−部分１２の周囲壁に対して三個の支持
部２Ｂを垂直に置き、取り付けた後、内部ピラ−部分１
２を外部ピラ−部分１４にスポット溶接１７により固定
し、ピラ−を組み立てることにより発泡性材料の取り付
け構造を得る。加熱により発泡性材料２は発泡し、中空
部１６内に発泡体が満たされる。この発泡体はその中心
内部に金属製パイプ形状の芯部材１を有するのでピラ−
に強度が付与される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、中空構造物における発泡性材料の取り付け構造及び発泡性材料の取 り付け用加工体に関し、詳しくは車両用ピラ−等の中空構造物内の所定部位に配 置し、その部位で発泡させて、中空部を遮断して防音及び制振等の効果を発揮さ せるための発泡性材料の取り付け構造及び発泡性材料の取り付け用加工体であっ て、さらに前記中空構造物に強度を付与することができるものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の発泡性材料の従来の取り付け構造は、図６に示すように内部ピラ−部 分１２と外部ピラ−部分１４にて形成される中空部１６に内部ピラ−部分１２の 外側から挿通したねじ１１にワッシャ−１５を介して発泡性材料１０を差し込ん だ状態とされ、発泡性材料１０は内部ピラ−部分１２の外側から挿通したねじ１ １により固定されていた。固定した発泡性材料１０は外部からの加熱により、発 泡させ、ピラ−内部の中空部１６を満たしたものとなし、中空部１６を満たす発 泡体により、ピラ−に防音及び制振効果を付与するようにしている。 なお、図６において１３は内部ピラ−部分１２と外部ピラ−部分１４を組み付 け固定するボルト締め部である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし従来の発泡性材料１０は単にねじ１１がその中央部分において差し込ま れているのみであり、加熱により、発泡した場合にピラ−内部の中空部１６に満 たされる発泡体は強度が小さく、ピラ−等の中空構造物に強度を付与することは できなかった。 そこで本考案の課題は、車両ピラ−等の中空構造物に防音及び制振等の効果と ともに強度を付与することのできる発泡性材料の取り付け構造、及びその構造と なすための発泡性材料の取り付け用加工体を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題解決のために本考案の発泡性材料の構造は、中空構造物の中空部に配 置し、発泡させ、補強用の芯部材を含んで、中空部を遮断する発泡体を形成する 発泡性材料の取り付け構造であって、前記発泡性材料は前記中空構造物の長手方 向に対応する剛性及び耐熱性の芯部材の外側に取り付けられ、かつ芯部材が、中 空部の所定位置に位置するように中空部内に挿入支持されてなることを特徴とし 、本考案の発泡性材料の取り付け用加工体は、中空構造物の中空部に配置し、発 泡させ、補強用の芯部材を含んで、中空部を遮断する発泡体を形成する発泡性材 料を前記中空部に取り付けるための取り付け用加工体であって、前記発泡性材料 は前記中空構造物の長手方向に対応する剛性及び耐熱性の芯部材の外側に取り付 けられ、かつ芯部材を中空部に挿入した際は中空部の所定位置に芯部材が位置す るように発泡性材料が設けられていることを特徴とする。

【０００５】

【作用】

上記構成の発泡性材料の取り付け加工体及び発泡性材料の取り付け構造によれ ば、加熱により発泡性材料を発泡させた場合、中空構造物の中空部内に満たされ る発泡体はその内側に中空構造物の長手方向に対応する剛性の芯部材を有するの で中空構造物に強度が付与される。

【０００６】

【実施例】

実施例１ 本考案の第一実施例を図１〜図３に基づいて説明する。 図１は、車両ピラ−内部の中空部１６内に本例１の発泡性材料の取り付け用加 工体を取り付けた本例１の発泡性材料の取り付け構造の図であり、加熱前で発泡 性材料が未発泡の状態を示す。 本例１の発泡性材料の取り付け加工体は図２に示されるように、パイプ形状の 金属製の芯部材１の外側に発泡性材料２を層状に被着してなるものである。この 芯部材１と発泡性材料２とは発泡性材料２の成型時において一体化されている。 発泡性材料２の形状は、芯部材１の外周全体に渡って一定の肉厚を有した円形層 部分２Ａと、車両ピラ−の中空部１６に対して垂直に接する位置に四箇所の直方 体形状の支持部２Ｂを突設した形状に形成されている。円柱形状の芯部材１の長 さは本例１の発泡性材料の取り付け加工体が取り付けられるピラ−の長さと一致 させてもよく、又はピラ−の長さよりも短い長さを有する芯部材１を複数個、ピ ラ−の長手方向に連続して取り付けて使用しても良い。ピラ−が直線形状ではな い場合には後者の使用方法を用いると良い。

【０００７】 本例１の発泡性材料の取り付け用加工体を車両ピラ−の中空部１６内に取り付 けた本例１の発泡性材料の取り付け構造は外部から加熱し、発泡性材料１０を発 泡させる。生じた発泡体がピラ−の中空部１６を満たし硬化した状態は図３に示 すごとくである。図３は車両ピラ−の中空部１６において芯部材１と中空部１６ 内壁間が硬化した発泡体にて満たされた状態を示している。 発泡体によりピラ−の中空部１６内は全てを満たしても良く、または部分的に 満たしても良く、この両場合において発泡体がピラ−の中空部１６を遮断するこ ととなる。

【０００８】 実施例２ 次に、本考案の第二実施例を図４及び図５に基づいて説明する。 図４は、車両ピラ−内部の中空部１６に本例２の発泡性材料の取り付け加工体 を取り付けた本例２の発泡性材料の取り付け構造の図であって、加熱前の発泡性 材料が未発泡の状態を示す。 本例２の発泡性材料の取り付け用加工体は図５に示されるように、その断面が Ｈ形状である長手方向に延在された金属製の芯部材３の外面に発泡性材料４が層 状に取り付けられている。この芯部材３と発泡性材料４とは発泡性材料４の成型 時において一体化されている。発泡性材料４の形状は断面がＨ形状である金属製 の芯部材３の外面全体に一定の肉厚に形成され、その全体の断面形状は金属製の 芯部材３を中心とする略Ｈ字型である。すなわち発泡性材料４は二個の直方体で 板形状の平面部分４Ａ、４Ａを略平行位置に有し、これらの平面部分４Ａ、４Ａ の間に平面部分４Ａ、４Ａに対して略垂直に、かつ連続して直方体の柱部分４Ｂ を有している。平面部分４Ａには芯部材３より外方に突出した支持部Ｓを連続し て設け、この取り付け用加工体が中空部１６に取り付けられた際に芯部材３が所 定の中央位置に配置されるようにされている。なお、支持部Ｓは長手方向に沿っ て設けても良く、部分的に設けても良い。芯部材３の長手方向の長さは本例２の 発泡性材料の取り付け加工体が取り付けられるピラ−の長さと一致させてもよく 、又はピラ−の長さよりも短い長さを有する芯部材３を複数個、ピラ−の長手方 向に連続して取り付けて使用しても良い。ピラ−が直線形状ではない場合には後 者の使用方法を用いると良い。 本例１及び本例２の発泡性材料２及び４としては特開平２−２７６８３６に記 載の配合の材料を使用した。この材料は１１０℃〜１９０℃の温度で同時に発泡 及び硬化でき、独立気泡発泡体を与えることを特徴とする。なお、発泡性材料は 外部加熱によって発泡する発泡体を広く採用することができる。

【０００９】 本例１又は本例２の発泡性材料の取り付け加工体を車両ピラ−の中空部１６に 取り付ける際には、支持部２Ｂ又は支持部Ｓを、内部ピラ−部分１２上の所定位 置に置いた後、内部ピラ−部分１２を外部ピラ−部分１４にスポット溶着１７に より固定し、ピラ−を組み立てる。これにより、本例１又は本例２の発泡性材料 の取り付け構造が得られる。 この取り付けの場合、本例１の発泡性材料の取り付け加工体においては、内部 ピラ−部分１２の周囲内面に対して垂直に三個の支持部２Ｂを置き、又は本例２ の発泡性材料の取り付け加工体においては、同じ平面部分４Ａの両端の２個の支 持部Ｓを内部ピラ−部分１２の底面上に置けば、芯部材１又は芯部材３が中空部 １６の中央位置に位置決めされる。 なお芯部材１又は芯部材３の位置決めは発泡性材料２又は発泡性材料４に予め 磁石片を取りつけて、内部ピラ−部分１２に磁着させて取り付けても良く、また は従来の様にボルトを用いて円形層部分２Ａ又は平面部分４Ａを内部ピラ−部分 １２上に取り付けても良い。この場合は支持部２Ｂ又は支持部Ｓを設ける必要は なく、芯部材１及び芯部材３をピラ−の中空部１６の略中心位置において長手方 向に延在された状態に設置させ得る。この後、同様に内部ピラ−部分１２を外部 ピラ−部分１４にスポット溶着１７により固定することにより、ピラ−を組み立 てる。

【００１０】 本例１及び本例２の発泡性材料２及び４の形状はピラ−を組み立てた場合にお いて、発泡性材料２及び発泡性材料４の支持部２Ｂ及び支持部Ｓが中空部１６に おける周囲金属壁に対して直接、接する形状とされている。従って、外部からの 加熱による熱が発泡性材料２及び発泡性材料４に伝達されやすいという利点があ る。

【００１１】 本例１及び本例２の発泡性材料２及び発泡性材料４は加熱により発泡し、ピラ −内部の中空部１６を満たすことにより、ピラ−に防音及び制振効果等を付与す る。この発泡は車両の加熱塗装時の加熱（約１６０℃）により生じるので、特別 に加熱工程を設ける必要はなく便利である。 そして発泡後の本例１及び本例２の発泡性材料の取り付け加工体及び発泡性材 料の取り付け構造は、発泡性材料２及び４の内部にピラ−の長手方向に延在され た剛性の各々芯部材１及び芯部材３を有するので、ピラ−に強度が付与され、さ らに、この状態において、芯部材１及び芯部材３はピラ−内部の中空部の略中心 位置に存在するので、芯部材１及び芯部材３によるピラ−への強度が付与がより 効率良くなされる。 なお本実施例においては車両ピラ−に本考案の発泡性材料の取り付け加工体を 使用する場合について説明したが、車両ピラ−以外にも他の中空構造物の中空部 に本考案の発泡性材料の取り付け加工体を使用することができ、本考案の発泡性 材料の取り付け構造を得ることができ、加熱により発泡性材料を発泡させて、防 音、制振、防水等の効果を得ることができる。

【００１２】

【考案の効果】

本考案の発泡性材料の取り付け加工体及び発泡性材料の取り付け構造によると 前記中空構造物の長手方向に延在された剛性及び耐熱性の芯部材の外側に発泡性 材料を取り付けてあるので、加熱して発泡性材料を発泡させた場合、中空構造物 内部の中空部に満される発泡体により防音、制振、防水等の効果を得るとともに 中空構造物の長手方向に延在された剛性の芯部材により中空構造物に強度が付与 される。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１の発泡性材料の取り付け構造を示す断
面図である。

【図２】実施例１における発泡性材料の取り付け加工体
の構造図である。

【図３】実施例１においてピラ−の中空部を満たした発
泡体の状態図である。

【図４】実施例２の発泡性材料の取り付け構造を示す断
面図である。

【図５】実施例２における発泡性材料の取り付け加工体
の構造図である。

【図６】従来の発泡性材料の取り付け状態を示す断面図
である。

【符号の説明】

１ 芯部材 ２ 発泡性材料 ２Ｂ 支持部 ３ 芯部材 ４ 発泡性材料 Ｓ 支持部 １６ 中空部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 // Ｂ２９Ｋ 105:04

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中空構造物の中空部に配置し、発泡さ
   せ、補強用の芯部材を含んで、中空部を遮断する発泡体
   を形成する発泡性材料の取り付け構造であって、前記発
   泡性材料は前記中空構造物の長手方向に延在された剛性
   及び耐熱性の芯部材の外側に取り付けられ、かつ芯部材
   が、中空部の所定位置に位置するように中空部内に挿入
   支持されてなることをことを特徴とする発泡性材料の取
   り付け構造。
2. 【請求項２】 中空構造物の中空部に配置し、発泡さ
   せ、補強用の芯部材を含んで、中空部を遮断する発泡体
   を形成する発泡性材料を前記中空部に取り付けるための
   取り付け用加工体であって、前記発泡性材料は前記中空
   構造物の長手方向に対応する剛性及び耐熱性の芯部材の
   外側に取り付けられ、かつ芯部材を中空部に挿入した際
   は中空部の所定位置に芯部材が位置するように発泡性材
   料が設けられていることを特徴とした発泡性材料の取り
   付け用加工体。