JPH0731078Y2 - 天井吹出しフィルター装置のダンパー操作機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、主としてクリーンルー
ムの天井に装備されるフィルター内蔵のエア吹出し装置
に関し、更に詳細には、複数の装置におけるエアの吹出
し供給量を、均等に調整するための操作機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上記の天井吹出しフィルター装置
は、送風機に連結されたメインダクトから分岐したダク
トが、複数の吹出し装置それぞれの取入れ口に接続さ
れ、高性能フィルターにより清浄化されてクリーンルー
ム内に供給されているが、分岐ダクトによるエアの取入
れ量は、ダクトの経路における長さや形状によって異な
るため一定せず、偏流による乱流状態が発生し、フィル
ターの性能にも悪影響を及ぼすことになるため、エア取
入れ口にダンパーを設けて吹出し量を均等化するための
調整を行なっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】エア取入れ口に設けた
ダンパーの操作を容易化するため、ダンパー軸に連接し
た操作軸を、吹出し口の多孔板取付け用額縁に開口した
穴を貫通し、軸端が見える構成とする例があり、有効な
方法ではあるが、軸と穴の中心がずれ、接触して取付け
られた場合は軸が回りにくくなることもあるため、操作
輔に対する穴の位置には精度が必須要件となる結果、複
数の装置における額縁の取付け作業には相当な工数を費
すという、不利な点があるのが課題となる。また、他の
実施例では、上記例の構成とほとんど同じであるが、異
なる点は操作軸を穴の近くまで伸ばし、穴を介して操作
軸を回動させ調整するというもので、この構成では操作
軸と穴との多少の位置ずれがある場合でも関係なく操作
ができるため、装置の取付け整備における作業性がよ
く、簡易で有利な反面、額縁に開口した穴が見えるとい
うことは、使用者側から見ると化粧パネルとしては美観
を損うということと、穴より流出するエアが悪影響を及
ぼすことになるのではないかという、不安感を抱かせる
ことが課題であった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本願は上記にあげた課題
解決のため、操作軸を、額縁に開けた穴の近くまで伸ば
し、穴を介し操作軸を回動させ調整する方法において、
操作軸長の中間をフレキシブルシャフトとして接続を簡
易化し、前記穴を裏側より丁番形式の一方の板片によっ
て覆い、他方の板片を固着する。また、丁番軸の中央部
にはコイルばねを嵌挿し、該ばねの両端を半径方向で相
反する側へ直線状に若干伸ばし、この両端により丁番の
両板片を押しつけ付勢することで、窓つきの穴とする。

【０００５】

【作用】操作に際しては、あらかじめ送風機を作動さ
せ、複数の各装置における吹出し量を計測し、これを均
等化するための調整で、操作する装置の額縁に設けた穴
の窓をドライバーにより押し上げ、操作軸端のすり割り
溝に差し込み回動させることにより、連接したダンパー
が作動して取入れ空気量を調整するというもので、調整
が終るとドライバーを抜き出すのみで、自動的に窓が閉
塞されるという構成にしたものである。

【０００６】

【実施例】以下に本考案の実施例に基づき、図面を参照
しながら詳細な説明をする。図１は本考案を採用した天
井吹出しフィルター装置の全体図である。天井面２に取
付けた吹出しフィルター装置１において、ケーシング３
の内部下方寄りに、取付け金具４によってＨＥＰＡフィ
ルター５が装着されている。ケーシング３は吊り金具６
により天井裏構造枠（図示せず）から吊り下げられてお
り、ケーシング３の下端には、多孔板７が額縁８によっ
て天井面２に合接するようボルト９によって取付けられ
ている。また、ケーシング３の側面にはエア取入れ口１
０があり、先端に分岐ダクト（図示せず）が接続され
る。エア取入れ口１０の筒体内にダンパー１１が設けら
れ、その軸１２を回動させるための歯車を内蔵した駆動
室１３が、筒体外壁に取付けられており、駆動室１３に
連接して、中間をフレキシブルシャフトとした操作軸１
４が、ケーシング３の下端に固着された軸受１６を介
し、額縁８に設けた開閉窓２０に触れない程度の近くま
で伸びている。図２は図１のＡ部拡大図、図３はＡ部に
おける操作状況説明図で、穴１７を覆う開閉窓２０をド
ライバー３０により押し開き、操作軸１４端のすり割り
溝１５に差し込み、回動させてダンパー１１の開度を調
整するもので、調整が終るとドライバー３０を抜き出す
のみで、開閉窓２０が丁番形式１８の軸１９中央部に嵌
装したコイルばね２１の直線状端部２２によって付勢さ
れ、自動的に穴１７が閉塞されるというものである。

【０００７】

【考案の効果】以上に述べたとおり、本考案の装置で
は、ダンパーの開度を調整するための操作軸全長の中間
部をフレキシブルシャフトとしているため、両軸端部の
位置がある程度ずれていても順応できることや、操作用
穴と軸末端との中心位置にずれがあっても操作に支障が
ないことなどで、装置の組付けにおける作業性がよく、
また、操作用穴にはばね付きの窓を設けることにより、
操作時のドライバーの差し込み抜き出しに順応して自動
的に開閉するため、工数低減はもとより、美観を損なう
こともないという、吹出し風量を調整するための操作機
構としては極めて卓越したものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】フィルター装置の取付け状態における本考案の
配置説明図である。

【図２】図１のＡ部拡大図で、本考案による操作軸端と
窓つき穴を示す図である。

【図３】本考案による操作軸回動状況を示す部分斜視図
である。

【符号の説明】

１ フィルター装置 ２ 天井面 ３ ケーシング ４ 取付け金具 ５ ＨＥＰＡフィルター ７ 多孔板 ８ 額縁 １０ エア取入れ口 １１ ダンパー １３ 駆動室 １４ 操作軸 １７ 穴 １８ 丁番 ２０ 開閉穴 ２１ コイルばね ３０ ドライバー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 クリーンルームの天井に装備されるフィ
   ルター装置において、エア取入れ口の筒体内に設けたダ
   ンパーを、回動させるため、中間をフレキシブルシャフ
   トとした操作軸を、多孔板取付け用の額縁に設けた穴の
   近くまで伸ばし、該穴を裏側より覆うよう丁番形式の一
   方の板片を置き、他方の板片を固着した丁番軸中央部に
   は、前もってコイルばねを嵌装しておき、該コイルばね
   両端を、半径方向相反する側へ直線状として若干伸ば
   し、この直線状両端が、丁番形式の両板片を額縁裏面へ
   押しつけ付勢する、窓つき穴を備えて成ることを特徴と
   した天井吹出しフィルター装置のダンパー操作機構。