JPH07310317A - コンクリートパイル端部金物の端板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 打設時にコンクリートの破壊が生じ難く、し
かも作業効率が良いコンクリートパイル端部金物の端板
を提供する。 【構成】 内部にＰＣ鋼棒の膨径頭部を掛止する座ぐり
部１５を備えた掛止孔１３と、該掛止孔１３に前記ＰＣ
鋼棒の直径よりやや大きい幅の連通溝で連結され、該Ｐ
Ｃ鋼棒の膨径頭部が遊嵌するねじ孔１４とが同心円上に
所定間隔で複数設けられているコンクリートパイル端部
金物１１の端板１０において、前記掛止孔１３を下方に
押し出して突出部１６を形成すると共に、該突出部１６
の形状を前記座ぐり部１５に嵌入する直円柱状とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、基礎打ちに使用するコ
ンクリートパイルの接続部分あるいは端部に使用するコ
ンクリートパイル端部金物の端板に関する。

【０００２】

【従来の技術】基礎打ちに使用されるコンクリートパイ
ルは、図４に示すように所定長さの複数個のコンクリー
トパイル５０を接続しながら打ち込み、下層の支持層に
その先端部が着くまで打入される。ここで、個々のコン
クリートパイル５０の端部には内部のＰＣ鋼棒５１を緊
張状態で取付けるために有底筒状の端部金物５２が取付
けられているが、この端部金物５２は打設時に、下部の
コンクリートパイルとその上のコンクリートパイルを溶
接接続する為の金具としても使用されている。前記端部
金具５２の端板５３は、図５、図６に示すように中央に
開口５４が形成された円板からなって、同心円上にＰＣ
鋼棒５１の膨径頭部を掛止する窪み部５５を備えた掛止
孔５６と、該掛止孔５６に連通するねじ孔５７とが設け
られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記掛
止孔５６はＰＣ鋼棒５１の膨径頭部を埋め込むために窪
み部５５が形成されているが、端板５３の反対側には円
弧状の隆起部５８が形成されており、これによってコン
クリートパイルを打設中に縦方向の力だけでなく、横方
向にも荷重が伝わり、その部分のコンクリートが割れる
場合があるという問題点があった。また、窪み部５５よ
り隆起部５８の方が大きいので、複数の端板５３を密着
状態で重ねることができず、座りが悪い他、複数の端板
５３を重ねてタッピングすることが困難であるという問
題点もあった。本発明はかかる事情に鑑みてなされたも
ので、打設時にコンクリートの破壊が生じ難く、しかも
作業効率が良いコンクリートパイル端部金物の端板を提
供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項１
記載のコンクリートパイル端部金物の端板は、内部にＰ
Ｃ鋼棒の膨径頭部を掛止する座ぐり部を備えた掛止孔
と、該掛止孔に前記ＰＣ鋼棒の直径よりやや大きい幅の
連通溝で連結され、該ＰＣ鋼棒の膨径頭部が遊嵌するね
じ孔とが同心円上に所定間隔で複数設けられているコン
クリートパイル端部金物の端板において、前記掛止孔を
下方に押し出して突出部を形成すると共に、該突出部の
形状を前記座ぐり部に嵌入する直円柱状として構成され
ている。

【０００５】

【作用】請求項１記載のコンクリートパイル端部金物の
端板においては、掛止孔を下方に押し出して突出部を形
成すると共に、突出部の形状を前記座ぐり部に嵌入する
直円柱状としているので、打設時の圧力がコンクリート
パイルの長さ方向、即ち垂直荷重のみとなって、横荷重
がなくなり、コンクリートの破壊が減少する。そして、
上部に配置された端板の突出部が、下部に配置された端
板の座ぐり部に嵌入するので、これらを重ねた場合上下
の端板が接する状態で重ねることができ、例えば、プレ
ス等によって中間加工を行った後、複数の端板を重ねて
タッピング加工等を行うことができる。

【０００６】

【実施例】続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明
を具体化した実施例につき説明し、本発明の理解に供す
る。ここに、図１は本発明の一実施例に係るコンクリー
トパイル端部金物の端板の説明図、図２は同平面図、図
３は図２における矢視Ａ−Ａ断面図である。図１〜図３
に示すように、本発明の一実施例に係る端板１０を用い
たコンクリートパイル端部金物１１は全体が鋼板からな
って、端板１０の中央に開口１２が形成され、同心上に
６個の掛止孔１３と、６個のねじ孔１４が設けられてい
る。以下、これらについて詳しく説明する。

【０００７】前記掛止孔１３は、装着するＰＣ鋼棒の直
径よりやや大きくなって、図１に示すようにＰＣ鋼棒の
端部の膨径頭部が嵌入する座ぐり部１５が設けられ、下
部には突出部１６が設けられている。この突出部１６は
円柱状となってその直径及び高さは、前記座ぐり部１５
の内径及び高さよりそれぞれ小さくなっている。前記掛
止孔１３に接続される連通溝１７を介して前記ねじ孔１
４が設けられている。そして、前記連通溝１７の幅は装
着するＰＣ鋼棒の直径より大きく、前記ねじ孔１４の内
径は前記ＰＣ鋼棒の膨径頭部の直径よりやや大きくなっ
ている。これによって、ＰＣ鋼棒の膨径頭部をねじ孔１
４から装入し、連通溝１７の部分を移動させて掛止孔１
３にＰＣ鋼棒を装着できるようになっている。

【０００８】前記掛止孔１３、連通溝１７及びねじ孔１
４の形成加工にあっては、まずプレス加工によって掛止
孔１３、連通溝１７及びねじ孔１４の下孔を形成する。
この場合前記掛止孔１３の座ぐり部１５及び突出部１６
も合わせてプレス加工によって形成する。次に、プレス
加工が終わった端板１０の前記突出部１６が、下部に配
置された端板１０の座ぐり部１５に嵌入するように、複
数の端板１０を重ねて、前記ねじ孔１４の下孔にタッピ
ング加工を施して雌ねじを形成する。

【０００９】以上の加工が終わった後は、複数の端板１
０を積み重ねるが、この場合も上部の端板の突出部１６
を、下部の端板の座ぐり部１５に嵌入させるようにする
ことによって滑り等を生じることなく多数の端板１０を
積み重ねることができる。次に、前記端板１０に円筒状
の側板１８を溶接してコンクリートパイル端部金物１１
が完成する。なお、前記側板１８の周囲には２本の補強
用リブ１９、２０が形成されている。

【００１０】前記コンクリートパイル端部金物１１を使
用し、内部にＰＣ鋼棒を装着してコンクリートパイルを
製造するが、該コンクリートパイルを地中に打設する場
合には、コンクリートに対しては垂直荷重のみがかかる
ので割れにくいという利点がある。また、端板１０の製
造にあっては、従来機械加工によって掛止孔等の加工を
行っていたのを、プレス加工によって行え、更にはタッ
ピング加工をする場合には、複数の端板を積み重ねて加
工が行える。

【００１１】

【発明の効果】請求項１記載のコンクリートパイル端部
金物の端板は以上の説明からも明らかなように、掛止孔
を下方に押し出して円柱状の突出部を形成したので、コ
ンクリートパイルの打設時にも、コンクリートに対して
垂直方向にのみ荷重がかかるので、コンクリートの割れ
等が生じなくなる。また、端板の加工にあっては、ねじ
孔のタッピングを除く部分はプレス加工によって行える
ので、加工時間及び加工コストを下げることができる。
更にタッピング加工にあっては、上部の端板の突出部を
下部の端板の座ぐり部に嵌入させるようにしているの
で、複数の端板を位置決めして加工を行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るコンクリートパイル端
部金物の端板の説明図である。

【図２】同平面図である。

【図３】図２における矢視Ａ−Ａ断面図である。

【図４】コンクリートパイルの側面図である。

【図５】従来例に係るコンクリートパイル端部金物の部
分断面図である。

【図６】従来例に係るコンクリートパイル端部金物の平
面図である。

【符号の説明】

１０ 端板 １１ コンクリートパイル端部金物 １２ 開口 １３ 掛止孔 １４ ねじ孔 １５ 座ぐり部 １６ 突出部 １７ 連通溝 １８ 側板 １９ 補強用リブ ２０ 補強用リブ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部にＰＣ鋼棒の膨径頭部を掛止する座
   ぐり部を備えた掛止孔と、該掛止孔に前記ＰＣ鋼棒の直
   径よりやや大きい幅の連通溝で連結され、該ＰＣ鋼棒の
   膨径頭部が遊嵌するねじ孔とが同心円上に所定間隔で複
   数設けられているコンクリートパイル端部金物の端板に
   おいて、 前記掛止孔を下方に押し出して突出部を形成すると共
   に、該突出部の形状を前記座ぐり部に嵌入する直円柱状
   としたことを特徴とするコンクリートパイル端部金物の
   端板。