JPH07309665A - 異粒子添加による高破壊靱性を持った窒化珪素焼結体とその製造方法 - Google Patents

異粒子添加による高破壊靱性を持った窒化珪素焼結体とその製造方法

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JPH07309665A
JPH07309665A JP6121821A JP12182194A JPH07309665A JP H07309665 A JPH07309665 A JP H07309665A JP 6121821 A JP6121821 A JP 6121821A JP 12182194 A JP12182194 A JP 12182194A JP H07309665 A JPH07309665 A JP H07309665A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】主相がβ−窒化珪素結晶からなり、窒化珪素よ
り大きな熱膨張係数を持つ異粒子物質1〜20体積%を
含み、さらに30μmまでの直径を有する気孔を最大1
1.0体積%まで含有し、残部がイットリウム及びアル
ミニウム、ネオジウム、ランタン、セリウムから選ばれ
る1種もしくは4種までの元素を主として含む粒界相か
らなることを特徴とする高破壊靱性を有する窒化珪素焼
結体及びその製造方法。 【効果】異粒子を添加しかつ気孔を導入することによ
り、結晶相成長及び粒界相を制御し、窒化珪素焼結体を
優れた高破壊靱性とすることができ、これにより構造材
料、特に高温構造材料への応用範囲を広げ、信頼性を向
上させることができる。またその窒化珪素焼結体をさら
に熱処理することにより、その高破壊靱性を一層向上さ
せることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化珪素を主成分とす
るセラミック焼結体及びその製造法に関し、特に高破壊
靱性を持つ窒化珪素焼結体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化珪素は、その分子構造が共有結合性
による強い結合を有するため、元来、室温強度及び高温
強度に代表される耐熱性に優れた特性を持つ上に、他の
セラミックス、例えばアルミナ、炭化珪素、ムライト、
マグネシア等に比較して大きな破壊靱性を持つセラミッ
クスとして知られている。これは他のセラミックスでは
その結晶が球状もしくは粒状であるに対して、窒化珪素
焼結体の主相であるβ−窒化珪素の結晶が柱状であるこ
とに起因している。このように窒化珪素焼結体は力学的
にバランスのとれた特性を兼ね備えており、このため構
造材料、特に高温構造材料として多く利用される。
【0003】しかし、この窒化珪素セラミックスは、他
のセラミックスに比べて、そのように高い破壊靱性を持
つものではあるが、これを実際に構造材料として利用す
るためには、その破壊靱性は充分であるとは必ずしも言
えない。この窒化珪素を特にエンジン部品等に適用し利
用するには、その部品としての信頼性を向上させるため
に、その破壊靱性値をさらに向上させることが強く望ま
れている。
【0004】この窒化珪素について、その破壊靱性を向
上させるための一つの方向として、材料の複合化が有効
な手段であるとされ、これまで多くの研究がなされてき
ている。例えば、「J.Amer.Ceram.So
c.」62(1979)P.428や「セラミックス」
21(1986)P.590では、窒化珪素に炭化珪素
を分散した複合材について報告されているが、ここで添
加する炭化珪素の粒径の大小等の如何により、曲げ強度
と破壊靱性値とは二律背反の関係にあり、このため両特
性を充分満足する焼結体を得ることは困難である。
【0005】また、特開平2−279565号公報や
「Ceram.Bull.」88(1987)P.34
7では、その複合化に際して、炭化珪素ウィスカ−を添
加することについて報告されている。しかし、ここでは
そのウィスカ−の均一な分散が困難であり、また原料ス
ラリ−のpH調整を必要とするなど、そのための煩雑な
工数を要し、破壊靱性を向上させる点では十分ないしは
相当に期待できるとしても、これを各種部品材料へ応用
するには、なお問題点を残している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、窒化珪素焼
結体及びその製造方法についての上記諸問題点ないし諸
事情に鑑みてなされたものであり、高破壊靱性を有する
窒化珪素焼結体を提供するとともに、焼結体の形状に制
限が少なく、また工数を少なくできる等の優れた諸利点
を有する高破壊靱性を持つ窒化珪素焼結体の製造方法を
提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、まず本発明
は、主相がβ−窒化珪素結晶からなり、窒化珪素より大
きな熱膨張係数を持つ異粒子物質1〜20体積%を含
み、さらに30μmまでの直径を有する気孔を最大1
1.0体積%まで含有し、残部がイットリウム及びアル
ミニウム、ネオジウム、ランタン、セリウムから選ばれ
る1種もしくは4種までの元素を主として含む粒界相か
らなることを特徴とする高破壊靱性を有する窒化珪素焼
結体を提供するものである。
【0008】ここで、上記「窒化珪素より大きな熱膨張
係数を有する異粒子」としては、炭化珪素(SiC)、
ホウ化チタン(TiB2 )、炭化チタン(TiC)、窒
化チタン(TiN)及びホウ化ジルコニウム(ZrB
2 )より選択される。
【0009】また、本発明は、α−窒化珪素粉末を主成
分とし、窒化珪素より大きな熱膨張係数を有する粒径
0.1〜10μmの炭化珪素、ホウ化チタン、炭化チタ
ン、窒化チタン及びホウ化ジルコニウムより選択される
異粒子粉末1〜20体積%、酸化イットリウム粉末1〜
10mol%及び酸化アルミニウム、酸化ネオジウム、
酸化ランタン、酸化セリウムから選ばれる1種もしくは
4種までの粉末合計1〜10mol%を含む混合粉末原
料を、窒素雰囲気下、焼結することを特徴とする高破壊
靱性を有する窒化珪素焼結体の製造方法を提供するもの
である。
【0010】また、本発明は、α−窒化珪素粉末を主成
分とし、窒化珪素より大きな熱膨張係数を有する粒径
0.1〜10μmの炭化珪素、ホウ化チタン、炭化チタ
ン、窒化チタン及びホウ化ジルコニウムより選択される
異粒子粉末1〜20体積%、酸化イットリウム粉末1〜
10mol%及び酸化アルミニウム、酸化ネオジウム、
酸化ランタン、酸化セリウムから選ばれる1種もしくは
4種までの粉末合計1〜10mol%を含む混合粉末原
料を窒素雰囲気下で焼結した後、更にその焼結体を窒素
雰囲気下で熱処理することを特徴とする高破壊靱性を有
する窒化珪素焼結体の製造方法を提供するものである。
【0011】以下、本発明に係る異粒子添加による高破
壊靱性を持った窒化珪素焼結体及びその製造方法につい
てさらに詳述する。まず、出発原料としては、その主成
分として窒化珪素(Si34)の粉末を使用するが、こ
の窒化珪素粉末としてはイミド分解法や直接窒化法に代
表される各種製造方法より得られるα−窒化珪素粉末を
用いることができる。例えばこれらイミド分解法や直接
窒化法によるものとして、比表面積6〜19m2 /g程
度のものが市販されているが、本発明においてはこれら
の何れも使用可能である。また特に曲げ強度等の力学的
特性の向上のためには、不純物含有量の少ない原料を使
用することが望ましい。
【0012】また、本発明においては窒化珪素の焼結助
剤を使用するが、この焼結助剤としては、窒化珪素原料
と同様に高純度であり、窒化珪素粉末に近い粒度特性を
有する原料粉末を選択するのが望ましく、その種類とし
ては、具体的には酸化イットリウム、酸化アルミニウ
ム、酸化ネオジウム、酸化ランタン及び酸化セリウムの
中から選択することができる。
【0013】これらの添加量は、酸化イットリウムを1
〜10mol%、また酸化アルミニウム、酸化ネオジウ
ム、酸化ランタン及び酸化セリウムについては、これら
の中から1種もしくは4種までの同時選択が可能であ
り、これら1種ないし4種の成分の添加量は合計1〜1
0mol%である。これらの添加量が上記限定範囲(下
限値)より少ないと緻密化が不十分であったり、焼結温
度の過度の上昇を招くために好ましくない。一方、上記
限定範囲(上限値)より多い添加量では、粒界相として
のガラス相が多量となり、高温強度の低下を招くばかり
でなく、室温強度の低下をも招くことになるため、好ま
しくない。
【0014】また、窒化珪素よりも大きな熱膨張係数を
持つ異粒子としては、炭化珪素、ホウ化チタン、炭化チ
タン、窒化チタン及びホウ化ジルコニウムより選択され
る。本発明の窒化珪素焼結体では、窒化珪素結晶がマト
リックス相であるが、この窒化珪素結晶よりも大きな熱
膨張係数を持つ異粒子は、マトリックス相である窒化珪
素結晶との間で、焼成温度から室温までの冷却によりそ
の熱膨張差のため残留応力を発生させる。この残留応力
により破壊靱性値の尺度となる亀裂(クラック)の進展
が、亀裂の偏向効果のため抑制される。
【0015】また、本発明ではこの異粒子の添加と後述
する焼成条件との相互作用により焼結体中に導入される
気孔が、破壊靱性値向上のための重要なポイントとな
る。炭化珪素、ホウ化チタン、炭化チタン、窒化チタ
ン、ホウ化ジルコニウム等の高融点化合物は、通常、非
常に難焼結性の物質であり、これらの異粒子物質を分散
相として窒化珪素マトリックスに導入した場合にも同様
に焼結性が劣化し、緻密化が困難となる。
【0016】しかし、本発明では、この際に導入される
上記「気孔」が、焼成条件の制御等にもより、均一な大
きさで且つ焼結体中に均一に分散され、この気孔が亀裂
の進展を抑制し、これが破壊靱性値の向上に寄与する。
本発明においては、これらの異粒子添加による残留応力
による亀裂の偏向効果(異粒子物質の添加によって発生
する残留応力により亀裂を偏向させる効果)及び異粒子
の添加により導入された気孔による亀裂進展の抑制効果
(異粒子物質の添加により導入された気孔により亀裂の
進展を抑制する効果)の複合効果により、窒化珪素焼結
体につき、その破壊靱性値を著しく向上させることを可
能としたものである。
【0017】これらの異粒子物質の粒径は、前述限定範
囲より小さいと、その靱性向上効果が不十分である。こ
れは、窒化珪素結晶粒子の大きさよりも微細となるため
に亀裂の偏向効果が期待できないためである。またそれ
が微細なために、混合時の均一分散が困難となる弊害を
も合わせ持つことになる。これとは逆に、前述限定範囲
よりも異粒子の粒径が大きい場合には、焼結体の緻密化
効果が低下し、また添加した異粒子が破壊源となるため
に強度の低下を招く。また混合時において、他の粉末と
の粒径の違いにより、分離が生じ易くなる。
【0018】また、これらの異粒子物質の添加量につい
ては、これが前述限定範囲より少ないとその破壊靱性の
向上効果が不十分となり、他方その添加量が前記限定範
囲を超えると、強度の劣化を生じて好ましくない。さら
に、異粒子添加により導入された気孔径は、前述限定範
囲より大きくなると気孔が破壊源となり、著しい強度の
低下を招くために好ましくなく、このためその上限は厳
密に制御する必要がある。また気孔の導入量が前記限定
範囲より少ないと破壊靱性向上の効果が期待できない。
これらの原料粉末を調整するためには、後述の各成形法
に適した混合法が選ばれる。また異粒子物質を均一に分
散、混合することが、焼結体の特性の安定性のために不
可欠な要素である。
【0019】次に、原料粉末の成形工程については、原
料粉末の成形は、応用される部品の形状に適した成形法
が適用され得る。例えば、プレス法、各種射出成形法、
各種鋳込み法等を適用することができる。得られた成形
体は必要に応じて、グリ−ン時の加工後、脱バインダ−
工程を経て、焼成を行う。
【0020】焼成は、窒素雰囲気下で実施するが、この
焼成窒素雰囲気は、焼成体の強度、破壊靱性値を向上さ
せる上で、その圧力0.9MPa以上で実施するのが望
ましい。このため好適には窒素加圧炉もしくはH.I.
P.炉を使用する。またホットプレス炉による焼成によ
っても充分な特性が得られるが、この際にはホットプレ
ス焼成用の原料の調製が必要となる。
【0021】本発明に係る焼結体の製造方法において
は、焼成温度、焼成時間は、焼結体の緻密化及び気孔の
導入量のバランスを取るために非常に重要なポイントと
なる。焼成温度及び時間は、窒化珪素原料、異粒子物質
の粒径及び添加量、焼結助剤の組成、使用する焼成炉、
焼成体の大きさにより、適宜変更することが不可欠であ
り、気孔径及び気孔の導入量を前述限定範囲内に調整す
ることが重要である。
【0022】本発明においては、焼結体を焼成後にさら
に熱処理することもできる。この熱処理をすることによ
り、β−窒化珪素結晶の成長を制御し、また粒界相を制
御することにより、その焼結体をさらに高靱性化させる
ことができる。この熱処理は窒素雰囲気下で実施する
が、熱処理温度は焼成温度の±100℃以内であるのが
好ましく、また熱処理時間は好ましくは10時間以内で
ある。熱処理温度及び熱処理時間が上記範囲外である
と、結晶成長の制御及び粒界相の制御に対して好ましく
なく、目的とする破壊靱性向上の効果が期待できない。
【0023】なお、前述の焼成後の焼結体若しくは上記
さらに行う熱処理後の焼結体における異粒子物質の分散
状態及び気孔径、気孔の導入量は、鏡面加工後の光学顕
微鏡による観察、破面又は鏡面加工後の走査型電子顕微
鏡による観察により確認することが可能である。
【0024】以上のとおり、本発明においては、窒化珪
素焼結体に異粒子物質を添加、存在させることにより、
この異粒子による亀裂の偏向(変更)の効果及び気孔の
導入による亀裂進展の抑制効果の複合効果が得られ、ま
た一度焼結をした後、さらに熱処理をすることにより、
結晶成長の制御及び粒界相の制御をし、これによりさら
に高破壊靱性を持った窒化珪素焼結体を得ることを可能
としたものである。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
がこの実施例に限定されるものではないことは勿論であ
る。
【0026】《実施例1》本実施例では、窒化珪素原料
粉末として宇部興産(株)社製の「ESP(商品名、比
表面積:6.5m2 /g)」を用い、焼結助剤には市販
の酸化イットリウム及び酸化アルミニウムの各粉末を使
用して、焼結テスト及び評価テストを行った。焼結助剤
の添加量は、酸化イットリウムを4mol%、酸化アル
ミニウム5mol%とした。添加した異粒子は平均粒径
4〜6μmのホウ化チタン粉末であり、この添加量は
0.0、2.5、5.0、10.0vol%とした。ま
た原料の調製には、アルミナ製玉石を入れたポリエチレ
ン製の容器を使用して24時間湿式混合した後、乾燥処
理をし、造粒を行った。
【0027】次に、焼成はホットプレス炉を使用して実
施したが、焼成条件としては、焼成最高温度:1750
℃、最高温度保持時間:2時間、焼成雰囲気:窒素0.
01MPaとした。また焼結体の寸法は90×50×1
0mmとし、この焼結体よりJ.I.S.R−1601
に準拠して試験片として加工した後、4点曲げ強度
(J.I.S.R−1601)、破壊靱性値(IF法)
及び相対密度(アルキメデス法)を測定した。これらに
よる結果を表1に示す。
【0028】表1のとおり、ホウ化チタン(TiB2
を添加して得た焼結体は、ホウ化チタン未添加の焼結体
に比較して破壊靱性値が確実に向上していることが明ら
かである。例えば、ホウ化チタン未添加(無添加)の焼
結体の破壊靱性値が7.7であるのに対して、ホウ化チ
タンを5.0vol%添加した焼結体の破壊靱性値は
9.0もの値を示し、またこのときのワイブル係数値は
40.0であり、強度のバラツキもきわめて少ないこと
が分かる。
【0029】
【表 1】
【0030】また、図1は、焼結体(ホウ化チタン:1
0.0vol%添加)に鏡面加工を施した面について、
ヴィッカ−ス圧子により亀裂を導入した部分を光学顕微
鏡により観察した様子を示す写真である。図1中、aは
窒化珪素マトリックス、bはホウ化チタン粒子、cは気
孔、またdは亀裂を示している。図1から明らかなとお
り、ホウ化チタン粒子bの近傍で亀裂dは明確に偏向し
ており、かつ、気孔cにより亀裂dの進展が抑制されて
いることが分かる。
【0031】《実施例2》実施例1において得た、ホウ
化チタンを10vol%添加した焼結体について熱処理
を行った。この熱処理にはH.I.P.炉を使用し、そ
の熱処理条件は、熱処理最高温度:1750℃、最高温
度保持時間:2時間、雰囲気:窒素29.4MPaとし
た。熱処理終了後、試験片として加工を施し、実施例1
の場合と同様にして曲げ強度及び破壊靱性値の測定を行
った。この結果、4点曲げ強度は474MPa、破壊靱
性値は9.9MPam1/2 であった。このように、この
熱処理により破壊靱性値がさらに向上していることが確
認された。
【0032】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係る異粒子添加
による高破壊靱性を持った窒化珪素焼結体は、異粒子添
加により発生した残留応力及び導入気孔により、亀裂を
偏向させ、その進展を抑制することにより、優れた高破
壊靱性を付与することができ、構造材料、特に高温構造
材料への応用範囲を広げ、また各種部品用材料としての
信頼性を向上させることができる。また一度焼結した
後、さらに熱処理を行った焼結体は、結晶相成長の制御
及び粒界相の制御により、さらに高破壊靱性とすること
ができ、その応用範囲及び信頼性を一層向上させること
ができる。
【0033】また、本発明に係る異粒子添加による高破
壊靱性を持った窒化珪素焼結体の製造方法によれば、異
粒子を添加しかつ気孔を導入することにより、破壊靱性
値を著しく向上させた窒化珪素焼結体を容易に得ること
ができる。また、本発明の製造方法においては、焼結体
製品の形状に制限が少なく、またその工数も少なくでき
るため、各種の部品化も容易であることから、現実の工
業的意義も大きい。
【0034】また、本発明おいて、一度焼結により得た
異粒子添加による高破壊靱性を持つ窒化珪素焼結体を、
さらに熱処理することにより、その破壊靱性をさらに向
上させることができる。このため各種部品材料としての
可能性をさらに広げることができ、この素材産業への大
きな貢献を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1により製造した、ホウ化チタンを10
vol%添加してなる窒化珪素焼結体の試験片表面を鏡
面加工した後、ヴィッカ−ス硬度試験機を用いて鏡面に
亀裂を発生させ、その亀裂の進展状態を光学顕微鏡によ
り観察した写真。
【符号の説明】
a 窒化珪素マトリックス b ホウ化チタン粒子 c 気孔 d 亀裂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀見 和広 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニ−リミテド 内 (72)発明者 加藤 芳基 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニ−リミテド 内 (72)発明者 島ノ上 誠司 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニ−リミテド 内 (72)発明者 岩田 美佐男 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニ−リミテド 内 (72)発明者 久田 栄一 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニ−リミテド 内 (72)発明者 宮田 洋 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニ−リミテド 内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主相がβ−窒化珪素結晶からなり、窒化珪
    素より大きな熱膨張係数を持つ異粒子物質1〜20体積
    %を含み、さらに30μmまでの直径を有する気孔を最
    大11.0体積%まで含有し、残部がイットリウム及び
    アルミニウム、ネオジウム、ランタン、セリウムから選
    ばれる1種もしくは4種までの元素を主として含む粒界
    相からなることを特徴とする高破壊靱性を有する窒化珪
    素焼結体。
  2. 【請求項2】異粒子物質が炭化珪素、ホウ化チタン、炭
    化チタン、窒化チタン及びホウ化ジルコニウムより選択
    される異粒子である請求項1記載の高破壊靱性を有する
    窒化珪素焼結体。
  3. 【請求項3】α−窒化珪素粉末を主成分とし、窒化珪素
    より大きな熱膨張係数を有する粒径0.1〜10μmの
    炭化珪素、ホウ化チタン、炭化チタン、窒化チタン及び
    ホウ化ジルコニウムより選択される異粒子粉末1〜20
    体積%、酸化イットリウム粉末1〜10mol%及び酸
    化アルミニウム、酸化ネオジウム、酸化ランタン、酸化
    セリウムから選ばれる1種もしくは4種までの粉末合計
    1〜10mol%を含む混合粉末原料を、窒素雰囲気
    下、焼結することを特徴とする高破壊靱性を有する窒化
    珪素焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】α−窒化珪素粉末を主成分とし、窒化珪素
    より大きな熱膨張係数を有する粒径0.1〜10μmの
    炭化珪素、ホウ化チタン、炭化チタン、窒化チタン及び
    ホウ化ジルコニウムより選択される異粒子粉末1〜20
    体積%、酸化イットリウム粉末1〜10mol%及び酸
    化アルミニウム、酸化ネオジウム、酸化ランタン、酸化
    セリウムから選ばれる1種もしくは4種までの粉末合計
    1〜10mol%を含む混合粉末原料を窒素雰囲気下で
    焼結した後、更にその焼結体を窒素雰囲気下で熱処理す
    ることを特徴とする高破壊靱性を有する窒化珪素焼結体
    の製造方法。
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