JP2743666B2 - タービン用セラミックス材料およびその製造方法 - Google Patents
タービン用セラミックス材料およびその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種タービンの素材と
して好適に利用されるタービン用セラミックス材料およ
びその製造方法に関するものである。
して好適に利用されるタービン用セラミックス材料およ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、タービンの素材としては、SUH
600,SUH616などの耐熱鋼や、インコネルX−
750,インコネル751などのNi基耐熱合金等が使
用されてきたが、近年においては軽量でかつ耐食性に優
れたセラミックス材料を適用する開発も行われ、すでに
実用化もなされている。
600,SUH616などの耐熱鋼や、インコネルX−
750,インコネル751などのNi基耐熱合金等が使
用されてきたが、近年においては軽量でかつ耐食性に優
れたセラミックス材料を適用する開発も行われ、すでに
実用化もなされている。
【0003】そして、タービン用セラミックス材料に関
しては、例えば、Proceedings of Br
itish Ceramic Society 22,
129−46(1973)に記載されたM.L.Tor
tiらによる文献や、Journal of Amer
ican Ceramic Society 52
[7] 560−62,569(1973)に記載され
たD.W.Richersonによる文献において開示
があり、特に窒化珪素(Si3N4)や炭化珪素(Si
C)を用いた例が示されている。
しては、例えば、Proceedings of Br
itish Ceramic Society 22,
129−46(1973)に記載されたM.L.Tor
tiらによる文献や、Journal of Amer
ican Ceramic Society 52
[7] 560−62,569(1973)に記載され
たD.W.Richersonによる文献において開示
があり、特に窒化珪素(Si3N4)や炭化珪素(Si
C)を用いた例が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
タービン用セラミックス材料において、1970年代の
初期の頃においては緻密なセラミックスを得ることがで
きず、強度が低いため、タービンとして使用したときに
高速回転時の応力によって破損することがあるという問
題点があった。
タービン用セラミックス材料において、1970年代の
初期の頃においては緻密なセラミックスを得ることがで
きず、強度が低いため、タービンとして使用したときに
高速回転時の応力によって破損することがあるという問
題点があった。
【0005】そして、最近の技術においては焼結技術の
進歩によって緻密なセラミックスによるタービン用材料
が開発されてきた。
進歩によって緻密なセラミックスによるタービン用材料
が開発されてきた。
【0006】このような緻密なセラミックスによるター
ビン用材料は、空孔をできるだけ減らすことによって、
高強度でかつ高剛性であるセラミックス材料とはなって
いたが、同時に脆さも共存していたため、特にタービン
素材として使用したときに受ける異物の衝突による粒子
衝撃によっても微細なクラックが生じないようにし、こ
のような微細なクラックを起点として破壊に至ることが
ないようにする必要があるという課題があった。
ビン用材料は、空孔をできるだけ減らすことによって、
高強度でかつ高剛性であるセラミックス材料とはなって
いたが、同時に脆さも共存していたため、特にタービン
素材として使用したときに受ける異物の衝突による粒子
衝撃によっても微細なクラックが生じないようにし、こ
のような微細なクラックを起点として破壊に至ることが
ないようにする必要があるという課題があった。
【0007】
【発明の目的】本発明は上記した従来の課題にかんがみ
てなされたものであって、タービンとして使用している
ときに異物の衝突による粒子衝撃を受けたときでもクラ
ックが発生しがたく、したがってこのようなクラックを
起点とする破壊が生じがたい衝撃耐性に優れたタービン
用セラミックス材料を提供することを目的としている。
てなされたものであって、タービンとして使用している
ときに異物の衝突による粒子衝撃を受けたときでもクラ
ックが発生しがたく、したがってこのようなクラックを
起点とする破壊が生じがたい衝撃耐性に優れたタービン
用セラミックス材料を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるタービン
用セラミックス材料は、請求項1に記載しているよう
に、材料中の65重量%以上がβ型窒化珪素である多結
晶セラミックスよりなりかつ硬さHがビッカース硬さ
(荷重;300g)で14.3GPa以上でありヤ ング
率Yが290GPa以上であって硬さHとヤング率Yと
の比H/Yが0.047〜0.055の範囲内にあるも
のとしたことを特徴としている。
用セラミックス材料は、請求項1に記載しているよう
に、材料中の65重量%以上がβ型窒化珪素である多結
晶セラミックスよりなりかつ硬さHがビッカース硬さ
(荷重;300g)で14.3GPa以上でありヤ ング
率Yが290GPa以上であって硬さHとヤング率Yと
の比H/Yが0.047〜0.055の範囲内にあるも
のとしたことを特徴としている。
【0009】また、本発明に係わるタービン用セラミッ
クス材料の製造方法は、請求項2に記載しているよう
に、材料中の65重量%以上がβ型窒化珪素である多結
晶セラミックスよりなりかつ硬さHがビッカース硬さ
(荷重;300g)で14.3GPa以上でありヤング
率Yが290GPa以上であって硬さHとヤング率Yと
の比H/Yが0.047〜0.055の範囲内にある粒
子衝撃を受けたときの衝撃耐性に優れたタービン用セラ
ミックス材料を製造するに際し、α型窒化珪素粉末を8
5重量%と、焼結助剤(Y 2 O 3 +Al 2 O 3 ;Y 2 O
3 :Al 2 O 3 =2:1)粉末を15重量%とを配合し
た原料粉末を用い、前記原料粉末を成形して窒素雰囲気
1気圧のもとで1700〜1750℃で常圧焼結した
後、常圧焼結温度よりも100〜200℃高い温度で1
000気圧の窒素分圧下で再焼結するようにしたことを
特徴としている。
クス材料の製造方法は、請求項2に記載しているよう
に、材料中の65重量%以上がβ型窒化珪素である多結
晶セラミックスよりなりかつ硬さHがビッカース硬さ
(荷重;300g)で14.3GPa以上でありヤング
率Yが290GPa以上であって硬さHとヤング率Yと
の比H/Yが0.047〜0.055の範囲内にある粒
子衝撃を受けたときの衝撃耐性に優れたタービン用セラ
ミックス材料を製造するに際し、α型窒化珪素粉末を8
5重量%と、焼結助剤(Y 2 O 3 +Al 2 O 3 ;Y 2 O
3 :Al 2 O 3 =2:1)粉末を15重量%とを配合し
た原料粉末を用い、前記原料粉末を成形して窒素雰囲気
1気圧のもとで1700〜1750℃で常圧焼結した
後、常圧焼結温度よりも100〜200℃高い温度で1
000気圧の窒素分圧下で再焼結するようにしたことを
特徴としている。
【0010】同じく、本発明に係わるタービン用セラミ
ックス材料の製造方法は、請求項3に記載しているよう
に、材料中の65重量%以上がβ型窒化珪素である多結
晶セラミックスよりなりかつ硬さHがビッカース硬さ
(荷重;300g)で14.3GPa以上でありヤング
率Yが290GPa以上であって硬さHとヤング率Yと
の比H/Yが0.047〜0.055の範囲内にある粒
子衝撃を受けたときの衝撃耐性に優れたタービン用セラ
ミックス材料を製造するに際し、α型窒化珪素粉末を8
5重量%と、焼結助剤(Y 2 O 3 +Al 2 O 3 ;Y 2 O
3 :Al 2 O 3 =2:1)粉末を15重量%とを配合し
た原料粉末を用い、前記原料粉末にSiC粒子またはS
iCウイスカーを10体積%添加した混合粉末を成形し
て窒素雰囲気1気圧のもとで1700〜1750℃で常
圧焼結した後、常圧焼結温度よりも100〜200℃高
い温度で1000気圧の窒素分圧下で再焼結するように
したことを特徴としている。
ックス材料の製造方法は、請求項3に記載しているよう
に、材料中の65重量%以上がβ型窒化珪素である多結
晶セラミックスよりなりかつ硬さHがビッカース硬さ
(荷重;300g)で14.3GPa以上でありヤング
率Yが290GPa以上であって硬さHとヤング率Yと
の比H/Yが0.047〜0.055の範囲内にある粒
子衝撃を受けたときの衝撃耐性に優れたタービン用セラ
ミックス材料を製造するに際し、α型窒化珪素粉末を8
5重量%と、焼結助剤(Y 2 O 3 +Al 2 O 3 ;Y 2 O
3 :Al 2 O 3 =2:1)粉末を15重量%とを配合し
た原料粉末を用い、前記原料粉末にSiC粒子またはS
iCウイスカーを10体積%添加した混合粉末を成形し
て窒素雰囲気1気圧のもとで1700〜1750℃で常
圧焼結した後、常圧焼結温度よりも100〜200℃高
い温度で1000気圧の窒素分圧下で再焼結するように
したことを特徴としている。
【0011】同じく、本発明に係わるタービン用セラミ
ックス材料の製造方法は、請求項4に記載しているよう
に、材料中の65重量%以上がβ型窒化珪素である多結
晶セラミックスよりなりかつ硬さHがビッカース硬さ
(荷重;300g)で14.3GPa以上でありヤング
率Yが290GPa以上であって硬さHとヤング率Yと
の比H/Yが0.047〜0.055の範囲内にある粒
子衝撃を受けたときの衝撃耐性に優れたタービン用セラ
ミックス材料を製造するに際し、α型窒化珪素粉末を8
5重量%と、焼結助剤(Y2O3+Al2O3;Y2O
3:Al2O3=2:1)粉末を15重量%とを配合し
た原料粉末を用い、前記原料粉末にSiC粒子またはS
iCウイスカーを10体積%添加した混合粉末を成形し
て窒素雰囲気1気圧のもとで1700〜1750℃で焼
結するようにしたことを特徴としている。
ックス材料の製造方法は、請求項4に記載しているよう
に、材料中の65重量%以上がβ型窒化珪素である多結
晶セラミックスよりなりかつ硬さHがビッカース硬さ
(荷重;300g)で14.3GPa以上でありヤング
率Yが290GPa以上であって硬さHとヤング率Yと
の比H/Yが0.047〜0.055の範囲内にある粒
子衝撃を受けたときの衝撃耐性に優れたタービン用セラ
ミックス材料を製造するに際し、α型窒化珪素粉末を8
5重量%と、焼結助剤(Y2O3+Al2O3;Y2O
3:Al2O3=2:1)粉末を15重量%とを配合し
た原料粉末を用い、前記原料粉末にSiC粒子またはS
iCウイスカーを10体積%添加した混合粉末を成形し
て窒素雰囲気1気圧のもとで1700〜1750℃で焼
結するようにしたことを特徴としている。
【0012】本発明に係わるタービン用セラミックス材
料は、材料中の65重量%以上がβ型窒化珪素である多
結晶セラミックスよりなりかつ硬さHがビッカース硬さ
(荷重;300g)で14.3GPa以上でありヤング
率Yが290GPa以上であって硬さHとヤング率Yと
の比H/Yが0.047〜0.055の範囲内にあるよ
うにしたものであり、硬さHを低くしかつヤング率Yを
大きくすることでH/Yが0.047〜0.055の範
囲内にあるようにすることによって異物が衝突した際の
粒子衝撃に対して塑性変形を生じやすくし、異物の衝突
による点荷重下において応力状態が弾性応力場を保つよ
うにすることによって、衝撃耐性すなわち粒子衝撃性が
向上したものにでき、タービン素材として使用した際の
耐久性がより一層向上したものにできる。
料は、材料中の65重量%以上がβ型窒化珪素である多
結晶セラミックスよりなりかつ硬さHがビッカース硬さ
(荷重;300g)で14.3GPa以上でありヤング
率Yが290GPa以上であって硬さHとヤング率Yと
の比H/Yが0.047〜0.055の範囲内にあるよ
うにしたものであり、硬さHを低くしかつヤング率Yを
大きくすることでH/Yが0.047〜0.055の範
囲内にあるようにすることによって異物が衝突した際の
粒子衝撃に対して塑性変形を生じやすくし、異物の衝突
による点荷重下において応力状態が弾性応力場を保つよ
うにすることによって、衝撃耐性すなわち粒子衝撃性が
向上したものにでき、タービン素材として使用した際の
耐久性がより一層向上したものにできる。
【0013】本発明に係わるタービン用セラミックス材
料は、上記した構成を有するものであって、ホットプレ
ス法,熱間等方圧加圧法,常圧焼結法など各種の方法で
製造することが可能であり、具体的には請求項2〜4に
記載した方法で製造することが可能である。
料は、上記した構成を有するものであって、ホットプレ
ス法,熱間等方圧加圧法,常圧焼結法など各種の方法で
製造することが可能であり、具体的には請求項2〜4に
記載した方法で製造することが可能である。
【0014】
【発明の作用】本発明に係わるタービン用セラミックス
材料は、材料中の65重量%以上がβ 型窒化珪素である
多結晶セラミックスよりなりかつ硬さHがビッカース硬
さ(荷重;300g)で14.3GPa以上でありヤン
グ率Yが290GPa以上であって硬さHとヤング率Y
との比H/Yが0.047〜0.055の範囲内にある
ものとしたから、異物の衝突による粒子衝撃に対して適
度の塑性を示し、弾性応力場で荷重を受けるものとなっ
て、粒子衝撃によるクラックの発生が阻止されて破壊が
生じがたいものとなり、粒子衝撃を受けたときの衝撃耐
性に優れたものとなる。
材料は、材料中の65重量%以上がβ 型窒化珪素である
多結晶セラミックスよりなりかつ硬さHがビッカース硬
さ(荷重;300g)で14.3GPa以上でありヤン
グ率Yが290GPa以上であって硬さHとヤング率Y
との比H/Yが0.047〜0.055の範囲内にある
ものとしたから、異物の衝突による粒子衝撃に対して適
度の塑性を示し、弾性応力場で荷重を受けるものとなっ
て、粒子衝撃によるクラックの発生が阻止されて破壊が
生じがたいものとなり、粒子衝撃を受けたときの衝撃耐
性に優れたものとなる。
【0015】
【実施例】本発明に係わるタービン用セラミックス材料
の実施例および比較例さらには参考例を表1,表2にま
とめて示す。
の実施例および比較例さらには参考例を表1,表2にま
とめて示す。
【0016】(実施例1) 実施例1では、α型窒化珪素(α−Si3N4)粉末を
85重量%と、焼結助剤(Y2O3+Al2O3;Y2
O3:Al2O3=2:1)粉末を15重量%とを配合
し、アルコールを添加してボールミルにより充分混合し
たのち乾燥し、成形荷重4tonで成形したのち表1の
実施例1の欄に示す条件で常圧により一次焼結し、さら
に同じく実施例1の欄に示す条件で熱間等方圧加圧(H
IP)により再焼結してセラミックス材料を得た。
85重量%と、焼結助剤(Y2O3+Al2O3;Y2
O3:Al2O3=2:1)粉末を15重量%とを配合
し、アルコールを添加してボールミルにより充分混合し
たのち乾燥し、成形荷重4tonで成形したのち表1の
実施例1の欄に示す条件で常圧により一次焼結し、さら
に同じく実施例1の欄に示す条件で熱間等方圧加圧(H
IP)により再焼結してセラミックス材料を得た。
【0017】(実施例2) 実施例2では、表1の実施例2の欄に示すように、再焼
結の際の温度を実施例1の場合よりも高くして1950
℃としたほかは実施例1と同じようにしてセラミックス
材料を得た。
結の際の温度を実施例1の場合よりも高くして1950
℃としたほかは実施例1と同じようにしてセラミックス
材料を得た。
【0018】(実施例3) 実施例3では、混合粉末中に平均粒子径が0.26μm
のSiC粒子を10体積%添加した混合粉末としたほか
は実施例1と同じ条件で常圧焼結による一次焼結および
熱間等方圧加圧(HIP)による再焼結を行うことによ
ってセラミックス材料を得た。この場合、SiC粒子は
マトリックスとなるβ−Si3N4粉末の焼結を制限す
る作用をはたすものとなり、焼結条件と共に微構造制御
を行うことによって硬さを下げると共にヤング率を向上
させて衝撃耐性の増大をはかっている。
のSiC粒子を10体積%添加した混合粉末としたほか
は実施例1と同じ条件で常圧焼結による一次焼結および
熱間等方圧加圧(HIP)による再焼結を行うことによ
ってセラミックス材料を得た。この場合、SiC粒子は
マトリックスとなるβ−Si3N4粉末の焼結を制限す
る作用をはたすものとなり、焼結条件と共に微構造制御
を行うことによって硬さを下げると共にヤング率を向上
させて衝撃耐性の増大をはかっている。
【0019】(実施例4) 実施例4では、混合粉末中に平均長さ30μmのSiC
ウイスカーを10体積%添加した混合粉末とし、表1の
実施例4の欄に示した条件でホットプレスすることによ
ってセラミックス複合材料を得た。この場合、SiCウ
イスカーはマトリックスとなるβ−Si3N4粉末の焼
結を制限する作用をはたすものとなり、焼結条件と共に
微構造制御を行うことにより硬さを下げると共にヤング
率を向上させて衝撃耐性の増大をはかっている。
ウイスカーを10体積%添加した混合粉末とし、表1の
実施例4の欄に示した条件でホットプレスすることによ
ってセラミックス複合材料を得た。この場合、SiCウ
イスカーはマトリックスとなるβ−Si3N4粉末の焼
結を制限する作用をはたすものとなり、焼結条件と共に
微構造制御を行うことにより硬さを下げると共にヤング
率を向上させて衝撃耐性の増大をはかっている。
【0020】(比較例1) 比較例1では、α型窒化珪素粉末を85重量%と焼結助
剤(Y2O3+Al2O3;Y2O3:Al2O3=
2:1)粉末を15重量%とを配合し、アルコールを添
加してボールミルにより充分混合したのち乾燥し、成形
荷重4tonで成形したのち表1の比較例1の欄に示す
条件で焼結を行ってセラミックス材料を得た。
剤(Y2O3+Al2O3;Y2O3:Al2O3=
2:1)粉末を15重量%とを配合し、アルコールを添
加してボールミルにより充分混合したのち乾燥し、成形
荷重4tonで成形したのち表1の比較例1の欄に示す
条件で焼結を行ってセラミックス材料を得た。
【0021】(比較例2) 比較例2では、窒化珪素粉末と焼結助剤(5重量%Y2
O3+3重量%Al2O3)の配合割合を変えて窒化珪
素粉末をより多くすると共に焼結温度を1750℃とし
かつ焼結時間を3時間としたほかは比較例1と同じよう
にしてセラミックス材料を得た。
O3+3重量%Al2O3)の配合割合を変えて窒化珪
素粉末をより多くすると共に焼結温度を1750℃とし
かつ焼結時間を3時間としたほかは比較例1と同じよう
にしてセラミックス材料を得た。
【0022】(比較例3) 比較例3では常圧焼結に代えてホットプレスを用いたほ
かは比較例1と同じようにしてセラミックス材料を得
た。
かは比較例1と同じようにしてセラミックス材料を得
た。
【0023】(比較例4) 比較例4では、焼結温度を1750℃とし、焼結時間を
3時間としたほかは比較例1と同じようにしてセラミッ
クス材料を得た。(比較例5) 比較例5では、実施例1で得た乾燥粉末を500μmの
ふるいに通した後、表1の比較例5の欄に示した条件で
ホットプレスすることによってセラミックス材料を得
た。
3時間としたほかは比較例1と同じようにしてセラミッ
クス材料を得た。(比較例5) 比較例5では、実施例1で得た乾燥粉末を500μmの
ふるいに通した後、表1の比較例5の欄に示した条件で
ホットプレスすることによってセラミックス材料を得
た。
【0024】(参考例1) 参考例1としてはセラミックス材料としてジルコニア
(ZrO2)をあげた。
(ZrO2)をあげた。
【0025】(参考例2) 参考例2としてはセラミックス材料として炭化珪素(S
iC)をあげた。
iC)をあげた。
【0026】(評価例) 実施例1〜4,比較例1〜4および参考例1,2の各セ
ラミックス材料について、密度,結晶相,曲げ強度,硬
さ,ヤング率および粒子衝撃を受けたときの衝撃耐性を
測定した。
ラミックス材料について、密度,結晶相,曲げ強度,硬
さ,ヤング率および粒子衝撃を受けたときの衝撃耐性を
測定した。
【0027】これらのうち、硬さの測定はビッカース圧
子を用いて荷重300gで測ることにより行った。ま
た、衝撃耐性の評価は直径1mmのジルコニア球をHe
ガス銃で打ち込み、固有欠陥より大きなクラックが形成
される速度を求めることにより行った。
子を用いて荷重300gで測ることにより行った。ま
た、衝撃耐性の評価は直径1mmのジルコニア球をHe
ガス銃で打ち込み、固有欠陥より大きなクラックが形成
される速度を求めることにより行った。
【0028】これらの結果を表2に示す。
【0029】表2に示すように、実施例1〜4のセラミ
ックス材料は、一次焼結したのち再焼結することによっ
て結晶粒を成長させ、硬さを低くすると共にヤング率を
高めたものとして、硬さHとヤング率Yとの比H/Yが
0.047〜0.055の範囲内にあるようにしたか
ら、参考例1に示したジルコニア質セラミックス材料や
参考例2に示した炭化珪素質セラミックス材料に比べて
衝撃耐性がかなり大きな値となっており、異物との衝突
による粒子衝撃を受けたときには塑性変形を生じやすく
し、点荷重下で応力状態が弾性応力場を保つようにして
いるので、衝撃耐性が向上したものとなっていて、ター
ボチャージャローター等のタービン材に用いたときの粒
子衝撃性に優れたものであることが認められた。
ックス材料は、一次焼結したのち再焼結することによっ
て結晶粒を成長させ、硬さを低くすると共にヤング率を
高めたものとして、硬さHとヤング率Yとの比H/Yが
0.047〜0.055の範囲内にあるようにしたか
ら、参考例1に示したジルコニア質セラミックス材料や
参考例2に示した炭化珪素質セラミックス材料に比べて
衝撃耐性がかなり大きな値となっており、異物との衝突
による粒子衝撃を受けたときには塑性変形を生じやすく
し、点荷重下で応力状態が弾性応力場を保つようにして
いるので、衝撃耐性が向上したものとなっていて、ター
ボチャージャローター等のタービン材に用いたときの粒
子衝撃性に優れたものであることが認められた。
【0030】これに対して、比較例1〜4のセラミック
ス材料は、硬さHとヤング率Yとの比H/Yが0.04
7〜0.055の範囲から外れたものであって、衝撃耐
性に劣ったものになっていることが認められ、ターボチ
ャージャローター等のタービン材に用いたときには定格
回転数である9〜10万回転で破壊するおそれがあるも
のであった。また、比較例5のセラミックス材料は、硬
さHが高い値をもっているのに対してヤング率Yが低い
ためH/Y比が0.055を超えるものとなっているの
で、衝撃耐性に劣ったものとなっていることが認められ
た。
ス材料は、硬さHとヤング率Yとの比H/Yが0.04
7〜0.055の範囲から外れたものであって、衝撃耐
性に劣ったものになっていることが認められ、ターボチ
ャージャローター等のタービン材に用いたときには定格
回転数である9〜10万回転で破壊するおそれがあるも
のであった。また、比較例5のセラミックス材料は、硬
さHが高い値をもっているのに対してヤング率Yが低い
ためH/Y比が0.055を超えるものとなっているの
で、衝撃耐性に劣ったものとなっていることが認められ
た。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明に係わるタービン用セラミックス
材料は、材料中の65重量%以上がβ型窒化珪素である
多結晶セラミックスよりなりかつ硬さHがビッカース硬
さ(荷重;300g)で14.3GPa以上でありヤン
グ率Yが290GPa以上であって硬さHとヤング率Y
との比H/Yが0.047〜0.055の範囲内にある
ものとなっていることから、異物の衝突により粒子衝撃
を受けたときには適度の塑性変形が生じ、点荷重下で応
力状態が弾性応力場を保つようになるため、衝撃耐性が
著しく向上したものとなり、粒子衝撃を受けたときでも
クラックが発生しがたいものとなってこのようなクラッ
クを起点とする破壊を生じがたいタービン用セラミック
ス材料であるという優れた効果がもたらされ、本発明に
係わるタービン用セラミックス材料の製造方法によれ
ば、上記したような粒子衝撃を受けたときの衝撃耐性が
著しく向上したタービン用セラミックス材料を製造する
ことができるという優れた効果がもたらされる。
材料は、材料中の65重量%以上がβ型窒化珪素である
多結晶セラミックスよりなりかつ硬さHがビッカース硬
さ(荷重;300g)で14.3GPa以上でありヤン
グ率Yが290GPa以上であって硬さHとヤング率Y
との比H/Yが0.047〜0.055の範囲内にある
ものとなっていることから、異物の衝突により粒子衝撃
を受けたときには適度の塑性変形が生じ、点荷重下で応
力状態が弾性応力場を保つようになるため、衝撃耐性が
著しく向上したものとなり、粒子衝撃を受けたときでも
クラックが発生しがたいものとなってこのようなクラッ
クを起点とする破壊を生じがたいタービン用セラミック
ス材料であるという優れた効果がもたらされ、本発明に
係わるタービン用セラミックス材料の製造方法によれ
ば、上記したような粒子衝撃を受けたときの衝撃耐性が
著しく向上したタービン用セラミックス材料を製造する
ことができるという優れた効果がもたらされる。
Claims (4)
- 【請求項1】 材料中の65重量%以上がβ型窒化珪素
である多結晶セラミックスよりなりかつ硬さHがビッカ
ース硬さ(荷重;300g)で14.3GPa以上であ
りヤング率Yが290GPa以上であって硬さHとヤン
グ率Yとの比H/Yが0.047〜0.055の範囲内
にあることを特徴とするタービン用セラミックス材料。 - 【請求項2】 材料中の65重量%以上がβ型窒化珪素
である多結晶セラミックスよりなりかつ硬さHがビッカ
ース硬さ(荷重;300g)で14.3GPa以上であ
りヤング率Yが290GPa以上であって硬さHとヤン
グ率Yとの比H/Yが0.047〜0.055の範囲内
にある粒子衝撃を受けたときの衝撃耐性に優れたタービ
ン用セラミックス材料を製造するに際し、α型窒化珪素
粉末を85重量%と、焼結助剤(Y 2 O 3 +Al
2 O 3 ;Y 2 O 3 :Al 2 O 3 =2:1)粉末を15重
量%とを配合した原料粉末を用い、前記原料粉末を成形
して窒素雰囲気1気圧のもとで1700〜1750℃で
常圧焼結した後、常圧焼結温度よりも100〜200℃
高い温度で1000気圧の窒素分圧下で再焼結すること
を特徴とするタービン用セラミックス材料の製造方法。 - 【請求項3】 材料中の65重量%以上がβ型窒化珪素
である多結晶セラミックスよりなりかつ硬さHがビッカ
ース硬さ(荷重;300g)で14.3GPa以上であ
りヤング率Yが290GPa以上であって硬さHとヤン
グ率Yとの比H/Yが0.047〜0.055の範囲内
にある粒子衝撃を受けたときの衝撃耐性に優れたタービ
ン用セラミックス材料を製造するに際し、α型窒化珪素
粉末を85重量%と、焼結助剤(Y 2 O 3 +Al
2 O 3 ;Y 2 O 3 :Al 2 O 3 =2:1)粉末を15重
量%とを配合した原料粉末を用い、前記原料粉末にSi
C粒子またはSiCウイスカーを10体積%添加した混
合粉末を成形して窒素雰囲気1気圧のもとで1700〜
1750℃で常圧焼結した後、常圧焼結温度よりも10
0〜200℃高い温度で1000気圧の窒素分圧下で再
焼結することを特徴とす るタービン用セラミックス材料
の製造方法。 - 【請求項4】 材料中の65重量%以上がβ型窒化珪素
である多結晶セラミックスよりなりかつ硬さHがビッカ
ース硬さ(荷重;300g)で14.3GPa以上であ
りヤング率Yが290GPa以上であって硬さHとヤン
グ率Yとの比H/Yが0.047〜0.055の範囲内
にある粒子衝撃を受けたときの衝撃耐性に優れたタービ
ン用セラミックス材料を製造するに際し、α型窒化珪素
粉末を85重量%と、焼結助剤(Y2O3+Al
2O3;Y2O3:Al2O3=2:1)粉末を15重
量%とを配合した原料粉末を用い、前記原料粉末にSi
C粒子またはSiCウイスカーを10体積%添加した混
合粉末を成形して窒素雰囲気1気圧のもとで1700〜
1750℃で焼結することを特徴とするタービン用セラ
ミックス材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3312552A JP2743666B2 (ja) | 1991-11-27 | 1991-11-27 | タービン用セラミックス材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3312552A JP2743666B2 (ja) | 1991-11-27 | 1991-11-27 | タービン用セラミックス材料およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05148004A JPH05148004A (ja) | 1993-06-15 |
JP2743666B2 true JP2743666B2 (ja) | 1998-04-22 |
Family
ID=18030586
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3312552A Expired - Lifetime JP2743666B2 (ja) | 1991-11-27 | 1991-11-27 | タービン用セラミックス材料およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2743666B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4712997B2 (ja) * | 2001-03-27 | 2011-06-29 | 京セラ株式会社 | 組み合わせ部材とその製造方法及びガスタービン用部品 |
JP2003010736A (ja) * | 2001-07-04 | 2003-01-14 | Babcock Hitachi Kk | 燃料吹込供給ノズル |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0610115B2 (ja) * | 1985-08-12 | 1994-02-09 | 株式会社日立製作所 | 複合セラミツクスの製造法 |
JPS6445757A (en) * | 1987-04-30 | 1989-02-20 | Sandvik Ab | Sintered ceramic material |
-
1991
- 1991-11-27 JP JP3312552A patent/JP2743666B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05148004A (ja) | 1993-06-15 |
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