JPH11310465A - セラミック焼結体およびそれを用いたシール部材 - Google Patents
セラミック焼結体およびそれを用いたシール部材Info
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- JPH11310465A JPH11310465A JP10215845A JP21584598A JPH11310465A JP H11310465 A JPH11310465 A JP H11310465A JP 10215845 A JP10215845 A JP 10215845A JP 21584598 A JP21584598 A JP 21584598A JP H11310465 A JPH11310465 A JP H11310465A
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Abstract
素質焼結体は、高強度、高硬度であり、摩滅性、被研削
加工性が悪く、しかも、所定の間隔をもって相対的に駆
動する2つの部材間に配設され、該2つの部材間の間隙
を調整するためのシール部材として用いると、相手材を
欠損させてしまう恐れがあった。 【解決手段】窒化珪素および/または炭化珪素を主成分
とし、室温における4点曲げ抗折強度が1〜30kg/
mm2 、硬度が10GPa以下、気孔率が10%以上、
嵩密度が3.0g/cm3 以下であり、かつ空気中14
00℃で100時間保持後の嵩密度の変化率が10%以
下であるセラミック焼結体をシール部材として用いるこ
とにより、摩滅性と被研削加工性と高温での安定性を有
し、シール部材としての性能を高めることができる。
Description
性を有しつつ、被研削性能を向上し、ガスタービン、ジ
ェットエンジンなどにおけるタービン翼先端とこれに対
向するタービンシュラウドの内周面に使用されるアブレ
イダブルシール部材等に使用され、相手材を損傷させる
ことなく、摩滅性に優れたセラミック焼結体と、それを
用いたシール部材に関する。
する焼結体は、耐熱性、耐熱衝撃性および耐酸化性に優
れることからエンジニアリングセラミツクス、特にター
ボロータやガスタービンエンジン用部品等の熱機関用と
して応用が積極的に進められている。
製するには、Y2 O3 等の希土類元素酸化物や、酸化ア
ルミニウム(Al2 O3 )、窒化アルミニウム(Al
N)などのアルミニウム化合物、SiO2 などを焼結助
剤として添加して、常圧や窒素加圧雰囲気中で焼成する
ことにより、緻密な焼結体が得られている。
金属アルミニウム(Al)や酸化アルミニウム(Al2
O3 )等のアルミニウム化合物、希土類酸化物、ホウ素
および/または炭素などを焼結助剤として添加して、真
空中または非酸化性雰囲気中、常圧や加圧下で焼成する
ことにより、緻密な焼結体が得られている。
についても、上記と同様の焼結助剤を添加し、焼成する
ことにより、緻密な焼結体が得られている。
用途に応じて、添加する助剤の選択がなされている。例
えば、SiO2 と希土類元素酸化物を必須として、これ
にAl2 O3 やMgO等を添加すると低温で液相が生成
されるために、1800℃以下の比較的低温の常圧で焼
成して緻密化することができ、この方法によれば、室温
強度の高い焼結体を得ることができるため、室温で使用
される用途に多用されている。
Al2 O3 やMgO量を低減して、希土類元素酸化物と
SiO2 成分との複合化によって、粒界を融点の高い結
晶相により構成した焼結体も提案されている。かかる焼
結体は、1900℃以上の高温焼成によって窒素加圧雰
囲気中で焼成することが必要である。
ータとシュライドなどのように、所定の間隔をもって相
対的に駆動する2つの部材間の間隙を調整する方法とし
て、ロータとシュラウドとの間にシール部材を設け、ロ
ータとシール部材とを接触させて、ロータによってシー
ル部材を摩滅させることにより、ロータとシール部材と
の間隙を最小限に調整する方法が提案されている。
度、高靱性の窒化珪素質焼結体を使用すると、タービン
ロータの回転中に、ロータ先端とシール部材が接触し、
摺動した際にタービンロータが欠損したり、シール部材
が欠損するという問題があった。
るタービンシュラウドの内周面のシール部材に対して、
高強度、高硬度、高靱性の特性はさほど必要ではなく、
むしろ低強度、軽量、快削性の特性が要求されるが、こ
れまでこのような用途に適した材料がないのが現状であ
った。
である場合には、従来の焼結体では、研削加工に非常に
時間を要するために、加工コストが高く、歩留りが悪
く、製品のコストを上昇させる大きな要因となってい
た。
度の焼結体を用いても、ガスタービン等のように高温に
長時間保持されると、次第に焼結が進行してシール部材
が収縮するのに伴って、部材間の間隙が徐々に狭くなる
とともに高密度、高強度化してしまい、ロータと接触し
た時に、タービンロータが欠損したり、シール部材が欠
損するという問題があった。
特性を有し、摩滅性に優れ、かつ高温保持によっても寸
法変化率の小さいセラミック焼結体を提供することにあ
る。また、他の目的は、所定間隔をもって相対的に駆動
する2つの部材間に配設されるシール部材として、部材
との接触摺動時に摺動相手材を傷めることのないシール
部材を提供することにある。
摩滅性や高温での安定性を高めるためには、焼結体の組
織、強度、靭性値を制御することが重要であるという見
地に基づき検討を重ねた結果、焼結体中の焼結助剤成分
や焼結助剤量を制御することによって、上記の特性が達
成されることを知見した。
窒化珪素および/または炭化珪素を主成分とし、室温に
おける4点曲げ抗折強度が1〜30kg/mm2 、硬度
が10GPa以下、気孔率が10%以上、嵩密度が3.
0g/cm3 以下であり、かつ空気中1400℃で10
0時間保持後の嵩密度の変化率が10%以下であること
を特徴とするものである。
も過剰酸素を含有し、その他にもB、C、Al、希土類
元素(RE)から選ばれる少なくとも1種を含有するこ
とができ、また、上記の特性を達成する上では、前記セ
ラミック焼結体中における過剰酸素のSiO2 モル換算
量と希土類元素の酸化物換算量(RE2 O3 )とのSi
O2 /RE2 O3 で表されるモル比が、2.5より小さ
いかまたは3.5より大きいこと、あるいは過剰酸素の
SiO2 モル換算量と希土類元素の酸化物換算量(RE
2 O3 )との合計量が8モル%以下であり、かつSiO
2 /RE2 O3で表されるモル比が、2.5以上、3.
5以下であることが望ましく、またいずれの場合におい
てもアルミニウムの含有量が酸化物換算で2重量%以下
であることが望ましい。
をもって相対的に駆動する2つの部材間に配設され、該
2つの部材間の間隙を調整するためのシール部材であっ
て、該シール部材が、室温における4点曲げ抗折強度が
1〜30kg/mm2 、硬度が10GPa以下、気孔率
が10%以上、嵩密度が3.0g/cm3 以下であり、
かつ空気中1400℃で100時間保持後の嵩密度の変
化率が10%以下のセラミック焼結体からなることを特
徴とするものである。
/または炭化珪素を主成分とし、少なくとも過剰酸素を
含有し、その他にもB、C、Al、希土類元素(RE)
から選ばれる少なくとも1種を含有することができるも
のであり、また、上記の特性を達成する上では、過剰酸
素のSiO2 モル換算量と希土類元素の酸化物換算量
(RE2 O3 )とのSiO2 /RE2 O3 で表されるモ
ル比が、2.5より小さいかまたは3.5より大きいこ
と、あるいは前記セラミック焼結体中における過剰酸素
のSiO2 モル換算量と希土類元素の酸化物換算量(R
E2 O3 )との合計量が8モル%以下であり、かつSi
O2 /RE2 O3 で表されるモル比が、2.5以上、
3.5以下であることが望ましく、またいずれの場合に
おいてもアルミニウムの含有量が酸化物換算で2重量%
以下であるセラミック焼結体により構成されることが望
ましい。
因は、セラミックス自体が有する高強度と高靭性にあ
る。しかし、強度と靭性は、製品として最低限要求され
る特性を十分に満足する必要があるが、使用される目的
によっては、過度の強度および靭性は必要ない。
および硬度を適度に低めることにより、摩滅性を向上さ
せることができる。即ち、気孔率を10%以上の割合で
含有せしめ、嵩密度を3.0g/cm3 以下に軽量化
し、かつ室温における4点曲げ抗折強度を1〜30kg
/mm2 、硬度を10GPa以下に調整することによ
り、摺動摩耗時における抵抗を低減し、摺動相手材を傷
めることがない。また、シール部材への適用時に長期安
定性を高める上では、空気中1400℃で100時間保
持後の嵩密度の変化率が10%以下であることが必要で
ある。
隔をもって相対的に駆動する2つの部材間に配設され、
該2つの部材間の間隙を調整するためのシール部材、例
えば、タービンロータ先端とこれに対向するタービンシ
ュラウドの内周面に設けられたシール部材として用いる
ことにより、タービンロータを損傷することなく、回転
中にタービンロータ先端とシールの間隔を最適に維持で
きるとともに長期にわたり、シール部材としての安定性
を付与できるのである。
よび酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物を多量に
含むと、高温に長時間曝された時に、焼結が徐々に進行
してシール材の寸法が変化するとともに、高密度、高強
度化してしまう。
体中における過剰酸素のSiO2 モル換算量と希土類元
素の酸化物換算量(RE2 O3 )とのSiO2 /RE2
O3で表されるモル比が、2.5より小さいかまたは
3.5より大きいこと、あるいは過剰酸素のSiO2 モ
ル換算量と希土類元素の酸化物換算量(RE2 O3 )と
の合計量が8モル%以下であり、かつSiO2 /RE2
O3 で表されるモル比が、2.5以上、3.5以下であ
ることが望ましく、またいずれの場合においてもアルミ
ニウムの含有量を酸化物換算で2重量%以下とすること
により、前記の特性を有し、高温下での焼結の進行を抑
制し、高温雰囲気に長時間曝される場合においても寸法
の安定したシール部材を提供できる。
化珪素および/または炭化珪素を主成分とするものであ
り、室温における4点曲げ抗折強度が1〜30kg/m
m2 、特に5〜20kg/mm2 、硬度が10GPa以
下、気孔率が10%以上、嵩密度が3.0g/cm3 以
下であり、かつ空気中1400℃で100時間保持後の
嵩密度の変化率が10%以下の特性を満足することが重
要である。
4点曲げ抗折強度については、30kg/mm2 より大
きいと、摺動時の抵抗が大きく摩滅性や被研削加工性が
悪くなり、タービンロータ先端とシール部材が接触した
時に、ロータが欠損するためである。また、この強度が
1kg/mm2 よりも小さいと、構造部材としての信頼
性が低く、取り扱いが不便となる。抗折強度は、特に5
〜20kg/mm2 であることが望ましい。
ついては、硬度が10GPaを超えると、摩滅性や被研
削加工性が劣化する。硬度は、特に1GPa〜8GPa
であることが望ましい。
密度については、気孔率が10%より小さい、あるいは
嵩密度が3.0g/cm3 より大きいと摺動時の抵抗が
大きく摩滅性および被研削性が悪くなり、タービンロー
タ先端とシール部材が接触した時に、ロータが欠損す
る。なお、気孔率は、特に15〜45%、嵩密度は、特
に1.5〜2.5g/cm3 であることが望ましい。
として使用する場合、高温雰囲気に長時間曝されるが、
この場合においても寸法変化が小さいことが重要であ
り、空気中1400℃で100時間保持後の嵩密度の変
化率が10%以下であることが重要である。すなわち、
上記の寸法変化率が10%よりも大きいと、シール部材
として用いた場合に、部材間の間隔が変化するとともに
シール部材が高強度、高硬度化し、ロータと接触した際
に、欠損等が生じるためである。この変化率は、特に5
%以下が望ましい。
珪素および/または炭化珪素を主成分とし、少なくとも
過剰酸素を含有するものであり、これに焼結助剤として
希土類元素酸化物、Al2 O3 等のAl化合物、B、C
の群から選ばれる少なくとも1種を含有するものが好適
に使用されるが、これらの焼結助剤成分は、焼結性を高
め、緻密化を促進する成分であり、これらの成分の含有
量が多すぎると、焼結が促進されるとともに緻密化が速
くなるため、焼結体の強度や硬度を前記範囲に制御する
ことが困難となり、さらに高温で長時間保持した時に焼
結が徐々に進行して、高密度、高硬度化してしまい、シ
ール材としての特性から逸脱してしまう恐れがある。
成分のうち、特に低温で液相を生成し、焼結の進行を早
める希土類元素、酸化アルミニウム(Al2 O3 )等の
アルミニウム化合物および不純物的酸素について、過剰
酸素のSiO2 モル換算量と希土類元素の酸化物換算量
(RE2 O3 )とのSiO2 /RE2 O3 で表されるモ
ル比が、2.5より小さいかまたは3.5より大きいこ
と、あるいは過剰酸素のSiO2 モル換算量と希土類元
素の酸化物換算量(RE2 O3 )との合計量が8モル%
以下、特に6モル%以下、SiO2 /RE2 O3 で表さ
れるモル比が、2.5以上、3.5以下であることが望
ましい。
の含有量が酸化物換算で2重量%以下、特に1重量%以
下、さらには0.5重量%以下に制御することが望まし
い。かかる成分量を上記範囲に制御することにより急激
な緻密化を抑制するとともに、窒化珪素結晶の針状化等
を防ぎ焼結体の強度や硬度が高くなるのを防止すること
ができる。
酸素量から焼結体中に含まれるSi以外の希土類元素量
およびアルミニウム等の金属元素に対して化学量論組成
比で結合する酸素量を差し引いた残りの酸素であって、
そのほとんどは窒化珪素原料から不可避的に混入する酸
素および意図的に添加されたSiO2 粉末等の合計量で
ある。
含有する場合、通常、高強度、高硬度するために窒化珪
素結晶が針状化した組織から構成されるが、本発明のセ
ラミック焼結体においては、窒化珪素の針状化を阻害さ
せて、平均アスペクト比が2以下の粒状の結晶粒子によ
って形成することにより強度、硬度等を所定値まで低め
ることができる。
を含有する場合、焼結体中の炭化珪素の結晶粒径は0.
5〜10μmであることが望ましい。
法について具体的に説明する。まず、窒化珪素を主成分
とする焼結体を作製するには、窒化珪素粉末あるいは珪
素粉末を用い、これに焼結助剤成分として、希土類元素
酸化物やAl2 O3 、SiO2 等の酸化物を添加混合す
る。
つ焼結させるために、成形体において過剰酸素のSiO
2 モル換算量と希土類元素の酸化物換算量(RE
2 O3 )とのSiO2 /RE2 O3 で表されるモル比
が、2.5より小さいかまたは3.5より大きいこと、
あるいは過剰酸素のSiO2 モル換算量と希土類元素の
酸化物換算量(RE2 O3 )との合計量が8モル%以
下、SiO2 /RE2 O3 で表されるモル比が、2.5
以上、3.5以下であることが望ましい。
の含有量が酸化物換算で2重量%以下となる割合で添加
することが望ましい。なお、添加するSiO2 は、原料
中に含まれる不純物的酸素量で代用することもでき、ま
た前記SiO2 量としては窒化珪素粉末中に含まれる酸
素量をSiO2 換算した量も含める。
後、公知の方法、具体的にはプレス成形、押し出し成
形、射出成形、鋳込み成形、冷間静水圧成形,排泥成形
等により所定の形状に成形し成形体を得る。成形体の段
階で前記機械的特性を満足する場合には、その後の焼成
は必ずしも必要ない。
焼成は、常圧焼成、窒素ガス圧力焼成、ホットプレス焼
成等の周知の焼成手段により、窒素含有雰囲気中、14
00〜1900℃で焼成することが望ましい。そして、
焼成温度および焼成時間などを、焼結体の強度、硬度、
気孔率、嵩密度などを上述した範囲になるように適宜調
整すればよい。具体的には、最適焼成温度よりも100
〜500℃低温で焼成したり、最適焼成時間よりも30
〜70%短い時間保持して焼成する。
場合には、成形体を1000〜1500℃の窒素含有雰
囲気中で一旦窒化処理する必要があり、かかる窒化処理
によって成形体がある程度緻密化し前記条件を満足する
焼結体が得られれば、その後の焼結を必ずしも必要とし
ない。なお、上述の窒化処理によって成形体の密度を向
上させることができるため、焼結による密度変化が小さ
くて済み、寸法精度の高いシール部材が得られる。
製するには、主成分として炭化珪素粉末あるいは炭素粉
末を用い、これに焼結助剤成分として、希土類元素酸化
物、SiO2 等の酸化物あるいはホウ素、炭素、金属ア
ルミニウム(Al)、酸化アルミニウム(Al2 O3 )
の中から選ばれる少なくとも1種を添加混合する。
つ焼結させるために、過剰酸素のSiO2 モル換算量と
希土類元素の酸化物換算量(RE2 O3 )とのSiO2
/RE2 O3 で表されるモル比が、2.5より小さいか
または3.5より大きいこと、あるいは過剰酸素のSi
O2 モル換算量と希土類元素の酸化物換算量(RE2O
3 )との合計量が8モル%以下、SiO2 /RE2 O3
で表されるモル比が、2.5以上、3.5以下であるこ
とが望ましい。
の含有量が酸化物換算で2重量%以下の割合で添加す
る。なお、添加するSiO2 は、原料中に含まれる不純
物的酸素量で代用することもでき、SiO2 量としては
炭化珪素粉末中に含まれる酸素量をSiO2 換算した量
も含める。
90重量%が望ましく、また添加量が30重量%以上で
は溶融Siに含浸させるか、Si蒸気中にて焼成するこ
とが望ましい。
り成形し、焼成する。焼成は、常圧焼成、ガス圧力焼
成、ホットプレス焼成等の周知の焼成手段により、Ar
ガス雰囲気中で1500〜2300℃で焼成することが
望ましい。そして、焼成温度および焼成時間などを、焼
結体の強度、硬度、気孔率、嵩密度などを上述した範囲
になるように適宜調整すればよい。具体的には、最適焼
成温度よりも100〜500℃低温で焼成したり、最適
焼成時間よりも30〜70%短い時間保持して焼成す
る。
場合には、溶融Siを含浸させるかあるいはSi蒸気中
で焼成する必要があり、かかる処理によって前記条件を
満足する焼結体が得られれば、その後の焼結を必ずしも
必要としない。
する焼結体を作製するには、出発原料は、主成分として
窒化珪素粉末と炭化珪素粉末との混合粉末あるいは窒化
珪素の一部または全部を置き換えた珪素粉末と炭化珪素
粉末との混合粉末とを用いればよいが、窒化珪素と炭化
珪素の比率は1重量%:99重量%〜99重量%:1重
量%であることが望ましい。
化物、SiO2 等の酸化物あるいはホウ素、炭素、金属
アルミニウム(Al)、酸化アルミニウム(Al
2 O3 )等を添加混合する。なお、SiO2 は、原料中
に含まれる不純物的酸素で代用することができ、またS
iO2 量としては窒化珪素粉末中に含まれる酸素量をS
iO2 換算した量も含める。
り成形し、焼成する。焼成は、常圧焼成、ガス圧力焼
成、ホットプレス焼成等の周知の焼成手段により、窒素
含有雰囲気中、1400〜2000℃で焼成することが
望ましい。そして、焼成温度および焼成時間などを、焼
結体の強度、硬度、気孔率、嵩密度などを上述した範囲
になるように適宜調整すればよい。具体的には、最適焼
成温度よりも100〜500℃低温で焼成したり、最適
焼成時間よりも30〜70%短い時間保持して焼成す
る。
は、1000〜1500℃の窒素含有雰囲気中で窒化処
理する必要があり、かかる窒化処理によって前記条件を
満足する焼結体が得られれば、その後の焼結を必ずしも
必要としない。なお、上述の窒化処理によって成形体の
密度を向上させることができるため、焼結による密度変
化が小さくて済み、寸法精度の高いシール部材が得られ
る。
するセラミック焼結体としては、前述した窒化珪素、炭
化珪素、窒化珪素と炭化珪素の複合材料、サイアロン
や、例えば、RE2 Si2 O7 やRE2 Si2 O5 の希
土類元素酸化物−酸化珪素系複合材料も使用可能である
が、高温で長時間保持した場合に嵩密度の変化率や寸法
変化率の小さい前述したような窒化珪素、炭化珪素、窒
化珪素と炭化珪素とを主成分とするセラミックス材料が
最も望ましい。
が95%の窒化珪素原料粉末および珪素粉末に対して、
希土類元素酸化物、Al2 O3 、SiO2 を用いて、成
形体組成が表l、2に示す組成となるように調合後、1
t/cm2 で金型プレス成形した。そして、成形体を窒
素中、表1、表2に示す条件で常圧焼成した。なお、試
料No.18については、1400℃にて窒化処理を行
った。
より嵩密度を測定した。また、焼結体をJIS−R16
01にて指定されている形状まで研磨した試料を作製し
た。この試料についてJIS−R1601に基づく室温
での4点曲げ抗折強度試験を実施した。また、ビッカー
ス硬度による室温での硬度を求めた。またそれぞれの焼
結体を#140のダイヤ砥石で研削し、研削抵抗を電流
値で評価した。
で100時間保持し、嵩密度の変化を測定し、嵩密度の
変化率〔(熱処理後の嵩密度−初期嵩密度)/初期嵩密
度〕×100(%)を算出した。
1000MPaの窒化珪素質焼結体からなるタービンロ
ータに対向するタービンシュラウドの内周面のシール部
材を作製した。そして、タービンロータを2000rp
mで回転させて、シール部材とを接触させてタービンロ
ータ先端とシール部材との間隔の調整を図った結果を表
1、2に示した。
iO2 量とRE2 O3 量とが本発明の範囲から逸脱する
試料No.15〜17では、焼結体の嵩密度が3g/c
m3を越え、また、アルミニウム量が酸化物換算で2重
量%より多い試料No.14では、焼結体の嵩密度が3
g/cm3 を越えるとともに、1400℃、100時間
の保持による嵩密度の変化率が10%を越えてしまっ
た。また、いずれも研削抵抗が高く快削性が低いもので
あった。そのため、これらの焼結体をシール部材として
適用すると、タービンロータの先端にいずれも欠けが発
生した。また、焼結体の室温強度が1kg/mm2 より
小さい試料No.19においても、取り扱い時に、翼が
破損した。
に基づく試料は、いずれも研削抵抗が5A以下と低く、
しかもシール部材として用いた場合においてもタービン
ロータを損傷することがなかった。
炭化珪素原料粉末に対して、B、C、希土類元素酸化
物、Al2 O3 、SiO2 を用いて、成形体組成が表3
〜5に示す組成となるように調合後、1t/cm2 で金
型プレス成形した。そして、成形体をArガス雰囲気
中、表3〜5に示す条件で常圧焼成した。なお、試料N
o.46〜49については溶融Siを含浸させて焼成し
た。得られた焼結体について、実施例1と同様に評価し
た。さらに、かかる焼結体をもって、実施例1と同様の
シール部材を作製し、実施例1と同様の評価結果を表3
〜5に示した。
O2 量とRE2 O3 量とが本発明の範囲から逸脱する試
料No.78〜81および試料No.59、77では、
焼結体の嵩密度が3g/cm3 を越えるため、いずれも
研削抵抗が高く快削性が低いものであった。そのため、
これらの焼結体をシール部材として適用すると、タービ
ンロータの先端にいずれも欠けが発生した。また、焼結
体の室温強度が1kg/mm2 より小さい試料No.8
2においても、取り扱い時に、翼が破損した。
に基づく試料は、いずれも研削抵抗が5A以下と低く、
しかもシール部材として用いた場合においてもタービン
ロータを損傷することがなかった。
率が95%の窒化珪素原料粉末および平均粒径が0.5
μm、β型炭化珪素原料粉末および珪素粉末に対して、
希土類元素酸化物、Al2 O3 、SiO2 を用いて、成
形体組成が表6、7に示す組成となるように調合後、1
t/cm2 で金型プレス成形した。そして、成形体を窒
素中、表6、7に示す条件で常圧焼成した。なお、試料
No.107〜112については、1400℃にて窒化
処理を行った。
に評価した。さらに、かかる焼結体をもって、実施例1
と同様のシール部材を作製し、実施例1と同様の評価結
果を表6、7に示した。
が酸化物換算で2重量%より多い試料No.133で
は、焼結体の嵩密度が3g/cm3 を越え、1400
℃、100時間の保持による嵩密度の変化率が10%を
越えるため、研削抵抗が高く快削性が低いものであっ
た。そのため、この焼結体をシール部材として適用する
と、タービンロータの先端に欠けが発生した。
試料は、いずれも研削抵抗が5A以下と低く、しかもシ
ール部材として用いた場合においてもタービンロータを
損傷することがなかった。
は、室温における4点曲げ抗折強度が1〜30kg/m
m2 、硬度が10GPa以下、気孔率が10%以上、嵩
密度が3.0g/cm3 以下であり、かつ空気中140
0℃で100時間保持後の嵩密度の変化率が10%以下
であることから、相手材を傷つけることなく、摩滅性に
優れ、研削加工時の切削抵抗も低く、被研削加工性に優
れたものである。よって、かかる焼結体を例えば、ガス
タービン、ジェットエンジンなどにおけるタービンロー
タ先端とこれに対向するタービンシュラウドの内周面に
使用されるアブレイダブルシール部材等に使用すること
により、ロータを欠損することなく、間隙の調整を行う
ことが可能である。
Claims (11)
- 【請求項1】窒化珪素および/または炭化珪素を主成分
とするセラミック焼結体であって、室温における4点曲
げ抗折強度が1〜30kg/mm2 、硬度が10GPa
以下、気孔率が10%以上、嵩密度が3.0g/cm3
以下であり、かつ空気中1400℃で100時間保持後
の嵩密度の変化率が10%以下であることを特徴とする
セラミック焼結体。 - 【請求項2】前記セラミック焼結体中に少なくとも過剰
酸素を含有することを特徴とする請求項1記載のセラミ
ック焼結体。 - 【請求項3】前記セラミック焼結体中に少なくともB、
C、Al、希土類元素(RE)のうちから選ばれる少な
くとも1種を含有することを特徴とする請求項2記載の
セラミック焼結体。 - 【請求項4】前記セラミック焼結体中における過剰酸素
のSiO2 モル換算量と希土類元素の酸化物換算量(R
E2 O3 )とのSiO2 /RE2 O3 で表されるモル比
が、2.5より小さいかまたは3.5より大きく、かつ
アルミニウムの含有量が酸化物換算で2重量%以下であ
ることを特徴とする請求項3記載のセラミック焼結体。 - 【請求項5】前記セラミック焼結体中における過剰酸素
のSiO2 モル換算量と希土類元素の酸化物換算量(R
E2 O3 )との合計量が8モル%以下、SiO2 /RE
2 O3 で表されるモル比が、2.5以上、3.5以下で
あり、かつアルミニウムの含有量が酸化物換算で2重量
%以下であることを特徴とする請求項3記載のセラミッ
ク焼結体。 - 【請求項6】所定の間隔をもって相対的に駆動する2つ
の部材間に配設され、該2つの部材間の間隙を調整する
ためのシール部材であって、該シール部材が、室温にお
ける4点曲げ抗折強度が1〜30kg/mm2 、硬度が
10GPa以下、気孔率が10%以上、嵩密度が3.0
g/cm3 以下であり、かつ空気中1400℃で100
時間保持後の嵩密度の変化率が10%以下のセラミック
焼結体からなることを特徴とするシール部材。 - 【請求項7】前記セラミック焼結体が、窒化珪素および
/または炭化珪素を主成分とすることを特徴とする請求
項6記載のシール部材。 - 【請求項8】前記セラミック焼結体中に少なくとも過剰
酸素を含有することを特徴とする請求項7記載のシール
部材。 - 【請求項9】前記セラミック焼結体中に少なくともB、
C、Al、希土類元素(RE)のうちから選ばれる少な
くとも1種を含有することを特徴とする請求項7記載の
シール部材。 - 【請求項10】前記セラミック焼結体中における過剰酸
素のSiO2 モル換算量と希土類元素の酸化物換算量
(RE2 O3 )とのSiO2 /RE2 O3 で表されるモ
ル比が、2.5より小さいかまたは3.5より大きく、
かつアルミニウムの含有量が酸化物換算で2重量%以下
であることを特徴とする請求項9記載のシール部材。 - 【請求項11】前記セラミック焼結体中における過剰酸
素のSiO2 モル換算量と希土類元素の酸化物換算量
(RE2 O3 )との合計量が8モル%以下、SiO2 /
RE2 O3 で表されるモル比が、2.5以上、3.5以
下であり、かつアルミニウムの含有量が酸化物換算で2
重量%以下であることを特徴とする請求項9記載のシー
ル部材。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10215845A JPH11310465A (ja) | 1998-02-27 | 1998-07-30 | セラミック焼結体およびそれを用いたシール部材 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4709898 | 1998-02-27 | ||
JP10-47098 | 1998-02-27 | ||
JP10215845A JPH11310465A (ja) | 1998-02-27 | 1998-07-30 | セラミック焼結体およびそれを用いたシール部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11310465A true JPH11310465A (ja) | 1999-11-09 |
Family
ID=26387246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10215845A Pending JPH11310465A (ja) | 1998-02-27 | 1998-07-30 | セラミック焼結体およびそれを用いたシール部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11310465A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001335369A (ja) * | 2000-05-23 | 2001-12-04 | Toshiba Corp | 窒化ケイ素セラミックス焼結体およびそれを用いた耐摩耗性部材 |
JP2002285801A (ja) * | 2001-03-27 | 2002-10-03 | Kyocera Corp | 組合せ部材及びガスタービン用部品 |
CN101857440A (zh) * | 2010-05-28 | 2010-10-13 | 中国南方航空工业(集团)有限公司 | 密封条及其制作方法与应用 |
-
1998
- 1998-07-30 JP JP10215845A patent/JPH11310465A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2001335369A (ja) * | 2000-05-23 | 2001-12-04 | Toshiba Corp | 窒化ケイ素セラミックス焼結体およびそれを用いた耐摩耗性部材 |
JP4642971B2 (ja) * | 2000-05-23 | 2011-03-02 | 株式会社東芝 | 窒化ケイ素セラミックス焼結体およびそれを用いた耐摩耗性部材 |
JP2002285801A (ja) * | 2001-03-27 | 2002-10-03 | Kyocera Corp | 組合せ部材及びガスタービン用部品 |
JP4712997B2 (ja) * | 2001-03-27 | 2011-06-29 | 京セラ株式会社 | 組み合わせ部材とその製造方法及びガスタービン用部品 |
CN101857440A (zh) * | 2010-05-28 | 2010-10-13 | 中国南方航空工业(集团)有限公司 | 密封条及其制作方法与应用 |
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