JPH0730752Y2

JPH0730752Y2 - 法面保護構造物用の型枠

Info

Publication number: JPH0730752Y2
Application number: JP3000292U
Authority: JP
Inventors: 晃代山田; 邦光山田
Original assignee: 建設基礎エンジニアリング株式会社
Priority date: 1992-04-08
Filing date: 1992-04-08
Publication date: 1995-07-19
Anticipated expiration: 2005-07-19
Also published as: JPH0581339U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は法面の保護を目的とす
る構造物の構築に使用する型枠に関するものであり、特
に組立てが容易に行なえる型枠に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】本件出願人は特願昭６１ー１４３２２号
（特開昭６３ー５３３号公報）にかかる発明を開示して
いる。当該発明は、法面上に格子状に型枠を設置し、さ
らに格子状の交点にはこれを囲むように型枠を設置する
ものである。硬化材を型枠に打設して、格子状の法枠部
分とその交点を補強する交差補強部分を形成するもので
あって、交差補強部分が応力の集中する交点部分を保護
して、強度の大きな法面保護構造物となるものである。
このような施工法で法枠部分の型枠と交差補強部分の型
枠を連結して固定するには、両型枠の堰板を結束線など
によって結束していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】このように堰板同士を
結束線によって連結する方法であると、結束線による結
束が弱く、交差補強部分の型枠と法枠部分の型枠内に打
設した生コンクリートの重みによってダレが生じてい
た。これによって構造物全体の外観を損ねることがあっ
た。また結束線による結束作業は極めて面倒であり、施
工期間を長くしていた。

【０００４】この考案は以上のような課題を解決するた
めになされたもので、組立てが容易であって、コンクリ
ートの重みによってダレが生じることがない法面保護構
造物に使用する型枠を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この考案にかかる法面保
護構造物用の型枠は、網状の材料を型枠板と交差補強板
に使用するものである。交差補強板にはエキスパンドメ
タルを使用する。交差補強に使用する交差補強板は、左
右両端部に引っ掛け部を突出させてあり、一方の端部か
ら突出した接続部は鋭角に屈曲してある。この交差補強
板を縦横の型枠に型枠板に対して交差するように掛け渡
し、屈曲した方の接続部を型枠板の網目に引っ掛け、他
端に突出した接続部を他方の型枠板の網目に挿入する。
このような交差補強板四枚によって、交差補強部分を囲
む。

【０００６】また交差補強板の一端に突出した接続部を
鋭角に屈曲し、他端に突出した接続部は鈍角に屈曲す
る。縦横の型枠板に対して交差するように、この交差補
強板を掛け渡し、鋭角に屈曲した接続部を一方の型枠板
に引っ掛け、鈍角に屈曲した接続部を他方の型枠板の網
目に挿入して、型枠板に沿わすこともできる。

【０００７】交差補強板に補強材を固定して、この補強
材の両端を交差補強板の左右両端から接続部として突設
して、この引っ掛け部を縦横の型枠板の網目に挿入して
引っ掛けることが可能である。

【０００８】

【実施例】以下、図に示す一実施例に基づきこの考案を
詳細に説明する。図１において交差補強板１と型枠板２
はともにエキスパンドメタルが使用されている。エキス
パンドメタルとは、鋼板に多数のスリットを入れ、引き
伸ばして網状材としたものである。交差補強板１の左右
両端には接続部３が溶接などにより固定してあり、一端
の接続部３は鋭角に屈曲してある。この交差補強板１を
縦横に組んだ型枠４の型枠板２・２に交差するように掛
け渡す。鋭角に屈曲した方の接続部３を、一方の型枠板
２に引っ掛ける。他端に突出した接続部３を型枠板２の
網目に挿入する。このような交差補強板１四枚によって
縦横の型枠４・４の交差部分を囲むようにする。５は型
枠４・４の中に配した鉄筋である。このような状態で型
枠４内と、型枠板２と交差補強板１によって囲まれた空
間にセメント系硬化材であるモルタル６を打設する。交
差補強板１の両端は型枠板２・２に引っ掛けてあるた
め、モルタル６の重みがかかってもダレが生じない。

【０００９】図２に示すのは、エキスパンドメタルから
なる交差補強板１の左右両端から、同じく接続部３を若
干突出させてある。交差補強板１の一端から突出した接
続部３は鋭角に屈曲してあり、他端から突出した接続部
３は鈍角に屈曲してある。この交差補強板１の鋭角に屈
曲した接続部３を一方の型枠板２の網目に引っ掛け、他
端の鈍角に屈曲した接続部３を他方の型枠板２の網目に
挿入して、型枠板２に沿わせる。これによって両端の接
続部３・３双方とも型枠４の内側に突出せず、鉄筋５の
配筋の支障とならない。

【００１０】図３に示すのは、交差補強板１に平板状の
補強材７・７を溶接などで固定し、その左右両端を接続
部３・３として採用した場合である。これを縦横の型枠
５・５の型枠板２・２の網目に引っ掛ける。補強材７・
７は交差補強板１の補強となるとともに、接続部３をひ
とつづつ固定する手間を省くことができるもので、丸棒
状の補強材７・７も採用できる。図１及び図２に示す実
施例では、接続部３を別個にしてそれぞれ固定している
が、図３のような連続した補強材７を固定して、その両
端を接続部３・３として屈曲することも採用できる

【００１１】

【考案の効果】この考案は以上のような構成を有し、交
差補強板によって縦横の型枠の交差部分を囲み、これに
硬化材を打設して補強するため、強度の大きな法面保護
構造物を構築することができる。エキスパンドメタルを
交差補強板として、その左右端に突出させた接続部を引
っ掛けることによって、硬化材の重みによっても補強板
がズレるようなことがない。したがって構造物全体の形
状を美観よく仕上げることができる。また交差補強板の
取付けは極めて容易で、施工期間を短縮化できる。また
補強材を固定して、その両端を接続部として交差補強板
の左右端突出させることにより、交差補強板の補強と接
続部の取付けの省力が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の法面保護構造物用の型枠の一実施例
の斜視図である。

【図２】他の型枠の斜視図である。

【図３】他の型枠の斜視図である

【図４】法面保護構造物の施工状態の斜視図である。

【符号の説明】

１交差補強板２型枠板３接続部４型枠５鉄筋６モルタル７補強材

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】網状材からなる型枠板を法面の地山に平
行に並べて型枠とし、この型枠を地山に縦横に並べて格
子状に組み、セメント系硬化材を打設してなる法面保護
構造物用の型枠であって、エキスパンドメタルからなる
交差補強板の左右両端から突出した接続部の一端側の接
続部は鋭角に屈曲しておき、この交差補強板を縦横の型
枠の型枠板に対して交差するように掛け渡し、屈曲され
た接続部を型枠板の網目に引っ掛け、他端に突出した接
続部を他方の型枠板の網目に挿入し、この交差補強板四
枚によって縦横の型枠の型枠の交差部を四方から囲んで
なる法面保護構造物用の型枠。
【請求項２】網状材からなる型枠板を法面の地山に平
行に並べて型枠とし、この型枠を地山に縦横に並べて格
子状に組み、セメント系硬化材を打設してなる法面保護
構造物用の型枠であって、エキスパンドメタルからなる
交差補強板の左右両端から突出した接続部の一端側の接
続部を鋭角に屈曲しておき、他端から突出した接続部は
鈍角に屈曲しておき、この交差補強板の縦横の型枠の型
枠板に対し交差するように掛け渡し、一端の鋭角に屈曲
された接続部を型枠板の網目に引っ掛け、他端に突出し
た接続部を他方に型枠板の網目から挿入してその型枠板
に沿わし、この交差補強板四枚によって縦横の型枠の交
差部を四方から囲んでなる法面保護構造物用の型枠。
【請求項３】網状材からなる型枠板を法面の地山に平
行に並べて型枠とし、この型枠を地山に縦横に並べて格
子状に組み、セメント系硬化材を打設してなる法面保護
構造物用の型枠であって、エキスパンドメタルからなる
交差補強板に補強材を固定して、この補強材の両端は交
差補強板の左右両端から接続部として突設してあり、こ
の交差補強板を縦横の型枠の型枠板に掛け渡して接続部
を型枠板の網目に挿入して引っ掛け、この四枚の交差補
強板によって縦横の型枠の交差部を四方から囲んでなる
法面保護構造物用の型枠。