JPH0730632Y2

JPH0730632Y2 - 車輌整備用リフト

Info

Publication number: JPH0730632Y2
Application number: JP1991048730U
Authority: JP
Inventors: 直光鈴木
Original assignee: 杉安工業株式会社
Priority date: 1991-05-30
Filing date: 1991-05-30
Publication date: 1995-07-12
Anticipated expiration: 2005-07-12
Also published as: JPH04133693U; KR950007336Y1

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、不使用時にはフロアに
堀設したピット内へ格納される埋設型の車輌整備用リフ
トに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】フロアに堀設されたピット内に装置全体
を格納できる車輌整備用リフトとしては、平行リンク機
構で支持されたドライブオンプレートをシリンダ機構で
押し上げるタイプの昇降装置を二基平行に設け、リフト
ダウン時には前記ドライブオンプレートをフロアと同一
面まで下降させ、前記ピットは、一対の昇降装置を折り
畳み格納可能なスペースと、例えばドライブオンプレー
ト間に架設されるジャッキングビームを格納可能なスペ
ースの如く、前記スペースに連続した拡張スペースを有
したものが知られている。尚ここでいう平行リンク機構
には、Ｘ状、平行四辺形、入字状等がある。特開昭４９
−２６９４９号公報には、フロアに堀設されたピット内
に格納される昇降可能な荷台を有しており、ピットの内
周に荷台の昇降に連動する安全枠が設けられた荷台昇降
機が開示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記車輌整備用リフ
ト、殊にドライブオンプレート間にジャッキングビーム
を装着できるタイプのものでは、リフトアップするとフ
ロア面に段差があり而も広い拡張スペースを有したピッ
トが開口するので、車体下部の整備を行う場合はピット
内へ入らねばならない。しかし作業に必要な工具台車や
パーツキャリー等をピット内へ搬入することが困難であ
るから、ピット内で工具、車輌パーツ等の移動ができ
ず、作業者がいちいちピットの内外で工具等の授受を行
なうため手間がかかり、作業性の低下を招いていた。一
方、特開昭４９−２６９４９号公報に開示された荷台昇
降機は、ピットに周設された安全枠によって作業者のピ
ット内への落下が防止されているものの、工具を積んだ
工具台車等をフロアからピット内へスムーズに昇降させ
るための工夫が一切されていないため、やはり、自動車
整備に用いた場合のピット内作業性は不良であった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案は、ピット内へ工
具台車等の搬入を容易にし、作業能率を向上させた車輌
整備用リフトであって、その構成は、フロアに、平行リ
ンク機構で支持されたドライブオンプレートが昇降機構
により押し上げ作動される一対の昇降装置を折り畳み格
納可能な必須スペースと、その必須スペースに連続し、
必須スペースより深く掘り下げられ前記ドライブオンプ
レート間に架設されるジャッキングビームを格納可能な
スペースを含む拡張スペースを有するピットを設け、そ
のピット内の拡張スペースに、テーブルが昇降機構で押
し上げ作動され、前記テーブルの一部が前記ジャッキン
グビームと干渉するテーブルリフターを、ピット内の必
須スペースの掘り下げ面と面一になるように折り畳み格
納可能に設置し、前記ドライブオンプレートの上昇に連
動してテーブルリフターのテーブルをピットの開口面ま
で押し上げると共に、ドライブオンプレートの下降作動
に連動してテーブルリフターのテーブルをドライブオン
プレート下方の退避位置へ下降制御する連動機構を設け
たことにある。

【０００５】

【作用】ピット内にテーブルリフターが設置されている
ので、リフトアップ時にはそのテーブルリフターを利用
して工具台車やジャッキ等をピット内へ搬入可能とな
る。又テーブルをフロアと面一にしてその上を通行した
り、フロア面より高くして作業台としても利用できる。
また、拡張スペースが、必須スペースより深く掘り下げ
られているとともに、テーブルリフターが、その拡張ス
ペース内に、必須スペースの掘り下げ面と面一に折り畳
んで格納できるようになっているので、間にジャッキン
グビームが架設されていても、そのジャッキングビーム
とテーブルリフターとをぶつからせないように（損傷さ
せないように）、ドライブオンプレートをピット内にき
っちり格納できるし、テーブルリフターを利用してフロ
ア・ピット間で工具台車等を運搬する際に、工具台車等
をがたつかせないでスムーズにテーブル上へ移動させる
ことができる。

【０００６】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基き説明す
る。図１において、１はフロアに堀設されたピットであ
り、このピット１は、Ｘ型平行リンク機構２ａで支持さ
れたドライブオンプレート２がシリンダ機構２ｂにより
押し上げ作動される一対の昇降装置３、３を、間隔を保
って平行に配置してそれらを折り畳み格納可能な二列の
必須スペース１ａと、前記ドライブオンプレート２、２
間に架設され、ドライブオンプレート２に沿って移動可
能なジャッキングビーム４、４を格納する拡張スペース
１ｂとを含む矩形に形成されている。そしてピット１内
には、必須スペース１ａに昇降装置３のベース３ａが、
又拡張スペース１ｂには、図２で示す如く、テーブル５
がＸ型平行リンク機構５ａで支持され、シリンダ機構５
ｂにより前記テーブル５を押し上げ作動するテーブルリ
フター６のベース６ａが固定設置されている。尚ピット
１のテーブルリフター６を設置する部分は、他のピット
底面より一段低く形成され、テーブル５を下降させたと
き、テーブル面がピット底面と同レベルになるよう設計
されている。

【０００７】前記昇降装置３のドライブオンプレート
２、２には、夫々ジャッキ装置７、７が装備され、ドラ
イブオンプレート２上において車輛のジャッキアップを
可能としている。又昇降装置３のベース３ａ及びテーブ
ルリフター６のベース６ａには、夫々図２、図３に示す
如く、ドライブオンプレート２の上昇、下降作動を検知
するリミットスイッチＬＳ１、ＬＳ２と、テーブルの上
限、下限を検知するリミットスイッチＬＳ３、ＬＳ４が
夫々取り付けられていて、それらリミットスイッチＬＳ
１、ＬＳ２、ＬＳ３、ＬＳ４は、ベース３ａ、６ａに沿
って夫々摺動するＸ型平行リンク機構２ａ、５ａの各端
部に取り付けられたガイドローラ８、８’で作動され、
昇降装置３とテーブルリフター６とは、図４に示す制御
回路により連動される。又前記テーブルリフター６は、
前記制御回路により作動制御される図示しないモータ、
油圧ポンプを介して油圧駆動する。尚前記連動機構は、
例えば昇降装置とテーブルリフター６のＸ型平行リンク
機構２ａ、５ａ同士を互いにリンク結合して機械的に構
成することもできる。

【０００８】以上の如く構成された車輌整備用リフト
は、昇降装置を格納した状態からドライブオンプレート
２、２を上昇させると、その上昇をリミットスイッチＬ
Ｓ１が検知し、続いてドライブオンプレート２、２があ
るレベルまで上昇したことをリミットスイッチＬＳ２が
確認してテーブルリフター６のテーブル５を上昇させ、
更にＬＳ３によってテーブル５がフロアと同一レベルに
なったことの検知によりテーブル５の昇降は停止され、
ドライブオンプレート２、２はそのまま単独で所定高さ
まで上昇する。昇降装置のリフトアップ作動が完了すれ
ば、セレクトスイッチＲＳＷを切り換えることによりテ
ーブルリフター６は連動機構から解除され、押しボタン
スイッチで単独で昇降作動できるようになる。そこで例
えば工具台車Ｍ等を上昇したテーブル５上に移乗させ、
テーブルリフター６のみ下降させてピット底面位置まで
台車ごと搬入させることができる。整備作業において
は、ジャッキ装置７、７やジャッキングビーム４、４を
利用できる。工具等の搬出は、搬入とは逆の操作で容易
に行える。作業終了後にドライブオンプレート２、２を
下降させると、ＬＳ２によりドライブオンプレート２、
２がフロア面に近づいたことを検知し、テーブル５も下
降させ、リミットスイッチＬＳ４によりテーブル５がジ
ャッキングビーム４、４と干渉する位置より下方の退避
位置であるピット内底面まで下降したことが検知された
らテーブル５は停止するのである。尚ドライブオンプレ
ート及びテーブルの昇降作動及び高さは、ローラ８、
８’の位置以外にも、平行リンク機構の角度やシリンダ
機構のロッド突出状態などからも検知できる。

【０００９】上記実施例では、ドライブオンプレート間
にジャッキングビームが架設され、テーブルリフターの
テーブルがドライブオンプレート間のスペース１ｂのみ
に設けられる場合を説明したが、テーブルは一部ドライ
ブオンプレートと干渉する位置にあっても差し支えな
く、又ジャッキングビーム４の有無に拘わらず、テーブ
ルをドライブオンプレートの間いっぱいに配置すること
もでき、ジャッキングビームを備えないものにあっては
連動機構の省略もできる。尚テーブルがドライブオンプ
レートやジャッキングビームと干渉する場合でも、テー
ブルがピットの内底面まで完全に下がり切っていなかっ
たり、ジャッキングビームが干渉しない位置に移動され
ていなければ下降操作できない安全機構を設ければ、操
作は若干煩雑にはなるものの連動機構の省略は可能であ
る。又テーブルリフターは、テーブルをフロア面より高
くまで上昇可能にしてピット内への台車等の搬入以外
に、作業台として使用することもできるし、複数設けて
使い分けもできる。更にテーブルリフターは、拡張スペ
ースであればその位置を限定するものでなく、図５の如
く必須スペース間以外で、必須スペースに連通して設け
た拡張スペースとして設置すれば、車輌下部の作業スペ
ースを広く確保することができる。

【００１０】

【考案の効果】以上本考案によれば、ピット内にテーブ
ルリフターを設置したので、台車等をピット内へ搬入す
ることが容易となり、車輌の重量部品、工具等の移動、
取扱いが至便で、一度に多種類の車輌整備を行うことも
できる。又テーブルリフターを前記記載の如く複数台配
置して個別に作動できるようにすれば、ジャッキや作業
台として夫々任意に利用でき、作業能率はよりアップす
る。更にピット内への作業者の出入りも容易で段差によ
る危険や出入りの苦労も解消でき、その他テーブルをフ
ロアと面一のままにし、通路として利用するなど、無限
の用途が期待できる。また、本考案の車輌整備用リフト
によれば、テーブルリフターを利用してフロア・ピット
間で工具台車等を運搬する際、工具台車等をがたつかせ
ないでスムーズにテーブル上へ移動させることができる
ので、車輛整備作業はきわめて容易なものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る車輌整備用リフトの実施例を示す
斜視図である。

【図２】テーブルリフターの説明図である。

【図３】昇降装置におけるリミットスイッチの取り付け
説明図である。

【図４】制御回路の説明図である。

【図５】テーブルリフター設置場所の変更実施例を示す
説明図である。

【符号の説明】

１・・ピット、１ａ・・必須スペース、１ｂ・・拡張ス
ペース、２、２・・ドライブオンプレート、２ａ・・Ｘ
型平行リンク機構、２ｂ・・シリンダ機構、３、３・・
昇降装置、３ａ・・ベース、４、４・・ジャッキングビ
ーム、５・・テーブル、５ａ・・Ｘ型平行リンク機構、
６・・テーブルリフター、７、７・・ジャッキ装置、Ｌ
Ｓ１、ＬＳ２、ＬＳ３、ＬＳ４・・リミットスイッチ、
８、８’・・ガイドローラ、Ｍ・・工具台車。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】フロアに、平行リンク機構で支持された
ドライブオンプレートがシリンダ機構により押し上げ作
動される一対の昇降装置を折り畳み格納可能な必須スペ
ースと、その必須スペースに連続し、必須スペースより
深く掘り下げられ前記ドライブオンプレート間に架設さ
れるジャッキングビームを格納可能なスペースを含む拡
張スペースを有するピットを設け、そのピット内の拡張
スペースに、テーブルがシリンダ機構で押し上げ作動さ
れ、前記テーブルの一部が前記ジャッキングビームと干
渉するテーブルリフターを、ピット内の必須スペースの
掘り下げ面と面一になるように折り畳み格納可能に設置
し、前記ドライブオンプレートの上昇に連動してテーブ
ルリフターのテーブルをピットの開口面まで押し上げる
と共に、ドライブオンプレートの下降作動に連動してテ
ーブルリフターのテーブルをドライブオンプレート下方
の退避位置へ下降制御する連動機構を設けて成る車輌整
備用リフト。