JP3082651B2 - パレット移載装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、エンジン等の大
重量のワークを組立台から移送用のパレットに移し変え
るのに適したパレット移載装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば大型車両用エンジン等の組立を行
う工場において、エンジン本体とトランスミッションの
組付作業はエンジンのオイルパン等を支持する組立台の
上で行われている。この組立台は、エンジンを組立てる
のに必要な最小限の大きさしかなく、従って完成したエ
ンジンの外形に比べると組立台はかなり小さなものであ
る。このためエンジンを複数段に積み重ねたりトラック
等によって遠隔地まで運搬するためには、エンジンを組
立台から比較的大きなパレットに乗せ変える必要があ
る。この場合、従来は図２６に示すように、２人の作業
者がエンジンＥをクレーンのワイヤ１に掛けて吊上げ、
クレーン操作によってエンジンＥを組立台２からパレッ
ト３に移載していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のようなクレーン
を用いた移載作業は、エンジンＥを吊上げているワイヤ
１が左右に揺れるなど不安定な状態になることがあり、
エンジンＥをパレット３上に降ろす際にパレット３にぶ
つけたり、エンジンＥが周囲の物に触れることがある。
また、作業の安全上の観点からも、重量物であるエンジ
ンＥをワイヤ１によって吊上げる作業は好ましいもので
はない。従ってこの発明の目的は、組立台に乗っている
エンジン等の大型ワークを、クレーンで吊ることなくパ
レットに移し変えることができる移載装置を提供するこ
とにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を果たすため
に開発された本発明のパレット移載装置は、エンジン等
のワークが乗る組立台と、上記組立台よりも大形でかつ
上記組立台が上下方向に通り抜けることのできる大きさ
の開口部を有しかつワークを支える支持部を有する空の
パレットと、供給された空の上記パレットを水平な姿勢
で所定高さに支持可能でかつ上記組立台が上下方向に通
り抜けることのできる広さの開口部を有するパレット載
置コンベアと、ワークを乗せた上記組立台を水平方向に
搬送可能なコンベアを有しかつこのコンベアを上記パレ
ット載置コンベアよりも高い位置まで上昇させることの
可能なリフトアップ機構を有するコンベア付きリフタ
と、上記パレット載置コンベアに対し上下方向に移動可
能に構成されかつ上記パレットの開口部と上記パレット
載置コンベアの開口部を上下方向に通り抜けることので
きる大きさに形成されかつ上面側に上記組立台を乗せる
ことのできるコンベア部が設置される昇降体と、上記昇
降体を上下方向に移動させるための昇降駆動機構であっ
て上記昇降体を上昇させたときに昇降体の上記コンベア
部を上記コンベア付きリフタのコンベアの上昇端と同じ
高さに位置させかつ上記昇降体を降下させたときに昇降
体の上記コンベア部を上記パレット載置コンベアの下方
に位置させる昇降駆動機構と、上記パレット載置コンベ
アの搬送下流側に連続して設けられた搬出用コンベアと
を具備し、上記昇降体が下降する際に、該昇降体とその
上に乗っている上記組立台を、上記空パレットの上記開
口部と上記パレット載置コンベアの上記開口部を通過さ
せると共に、上記組立台上の上記ワークを上記空パレッ
トの上記支持部に載置させるようにしたことを特徴とす
る。

【０００５】上記構成のパレット移載装置の作用は以下
のとおりである。組立台に乗ったエンジンをコンベア付
きリフタの上に乗せる。また、空のパレットをパレット
載置コンベアの上に供給する。そしてコンベア付きリフ
タを上昇させることにより、組立台と一緒にエンジンを
上昇させ、また昇降体を上昇させることによって昇降体
のコンベア部の高さとリフタのコンベアの高さを揃え
る。そしてリフタのコンベアによって、組立台とエンジ
ンを前進させ、昇降体のコンベア部に乗り移らせる。そ
ののち昇降体を下降させることにより、昇降体と組立台
がパレットの開口部を通って下方に通り抜けるととも
に、エンジンのみがパレットの支持部に乗り移る。こう
してパレットに乗り移ったエンジンは、搬出用コンベア
によって所望位置まで搬出される。なお、この発明はエ
ンジン以外のワークをパレットに移載する作業にも使用
できる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下にこの発明の一実施形態につ
いて図面を参照して説明する。図１はパレット移載装置
１０の全体の概略を示す平面図である。図１のほぼ中央
にワーク受渡し部１１が位置しており、ワーク受渡し部
１１の図示左側にコンベア付きリフタ１２が設けられて
いる。コンベア付きリフタ１２の図示左側にワーク搬入
用コンベア１３が設けられており、この搬入用コンベア
１３によって、ワークの一例としての組立後の完成エン
ジンＥ（図５以降に示す）がコンベア付きリフタ１２に
搬入されるようになっている。搬入用コンベア１３によ
って運ばれてくる完成エンジンＥは、図２５等に示す組
立台１５の支持部１６によって正立した姿勢で支持され
ている。

【０００７】図２５に示すようにパレット２０には組立
台１５が上下方向に通り抜けることのできる大きさの開
口部２１と、エンジンＥを下側から支えるための支持部
２２が設けられている。パレット２０の四隅に支柱２３
が設けられている。この支柱２３は、エンジンＥを乗せ
たパレット２０を複数段重ねる際に使われる。パレット
２０はフォークリフト等の荷役機械によって扱うことが
できるようにフォーク挿入部２６が設けられている。

【０００８】コンベア付きリフタ１２は図２および図３
に示すように構成されている。このコンベア付きリフタ
１２は、工場等のフロアに構築された基体３０と、基体
３０に対し上下方向に移動可能な可動フレーム３１と、
可動フレーム３１に設けたローラコンベア等のコンベア
３２と、コンベア３２のローラをワーク（組立台１５に
乗ったエンジンＥ）の移送方向に回転させる駆動機構３
３と、コンベア３２のベース３２ａを所定のストローク
で前後方向（図２中の矢印Ａ方向）に往復駆動させる油
圧シリンダ等のアクチュエータ３４（図１に一部を示
す）と、可動フレーム３１を上下方向に駆動するリフト
アップ機構３５などを備えている。

【０００９】コンベア３２の前部にワークを所定位置で
停止させるための可動ストッパ４０が設けられている。
このストッパ４０はアクチュエータ４１によって上下方
向に移動させることができ、ストッパ４０の先端をコン
ベア３２上に突出させたときにワークが停止し、ストッ
パ４０の先端をコンベア３２の下に退避させたときにワ
ークが前進できるようになっている。

【００１０】リフトアップ機構３５の一例は垂直方向に
延びる前後一対の油圧シリンダ４５と、油圧シリンダ４
５のプランジャ４６の上端に設けたスプロケット４７
と、スプロケット４７に巻き掛けたチェン４８と、スプ
ロケット４７が上下方向に円滑に移動できるように案内
するガイド部材４９を備えている。チェン４８の一端側
は基体３０に接続され、チェン４８の他端側は可動フレ
ーム３１に接続されている。

【００１１】従ってシリンダ４５のプランジャ４６を伸
び側に作動させると、スプロケット４７の上昇に伴っ
て、可動フレーム３１がコンベア３２と一体に、図３に
２点鎖線で示す上昇位置まで移動することができる。プ
ランジャ４６を縮み側に作動させれば可動フレーム３１
とコンベア３２が上記上昇位置から下降位置まで移動す
る。コンベア３２が下降位置にあるとき、コンベア３２
の高さが搬入用コンベア１３の高さと同じになる。

【００１２】ワーク受渡し部１１は、図４および図５に
示すように、工場内のピット等に構築される基枠５５
と、基枠５５の上面側に配置された左右一対のローラコ
ンベア５６ａ，５６ｂを備えたパレット載置コンベア５
６と、このコンベア５６の各ローラをワークの移送方向
に回転させるローラ駆動機構（図示せず）と、後述する
パレット搬入用コンベア１２０から供給されてくる空の
パレット２０をコンベア５６ａ，５６ｂ上の所定位置ま
で移動させるためのチェンコンベア等のパレット移動機
構５７を備えている。パレット載置コンベア５６の幅方
向中央部、すなわち一対のコンベア５６ａ，５６ｂの間
に、下記昇降体６１が上下方向に通り抜けることのでき
る大きさの開口部５８が形成されている。

【００１３】さらにこのワーク受渡し部１１は、基枠５
５に対して上下方向に移動自在な昇降体６１と、昇降体
６１を上下方向に移動させるための昇降駆動機構６２を
備えている。図示例の昇降駆動機構６２は、昇降体６１
を吊るチェン６３と、チェン６３を巻掛けたスプロケッ
ト６４と、スプロケット６４を回転させるモータ６５
と、バランスウエイト６６などを備えており、図５に２
点鎖線で示す上昇位置から、図６に実線で示す下降位置
にわたって上下方向に往復移動させることができるよう
に構成されている。この場合、バランスウエイト６６の
重量が昇降体６１を上昇させる方向に作用するため、モ
ータ６５の動力を比較的小さくすることが可能である。

【００１４】図７および図８に示すように、基枠５５の
上部の左右両側に、大型パレット用台車７０を待機させ
るための第１の台車待機部７１と、中型パレット用台車
７２を待機させるための第２の台車待機部７３が設けら
れている。第１の台車待機部７１は、水平方向に延びる
レール７５と、水平方向に移動可能な出力端７６を有す
るエアシリンダ等のアクチュエータ７７を備えている。
第２の台車待機部７３も水平方向に延びるレール８０
と、水平方向に移動可能な出力端８１を有するエアシリ
ンダ等の台車駆動用アクチュエータ８２を備えている。

【００１５】図９に示すように大型パレット用台車７０
は、車輪８５を有する車体８６と、車体８６の上面側に
設置したローラコンベア等のコンベア部８７と、コンベ
ア部８７のローラをワークの移送方向に回転させるロー
ラ駆動機構８８と、コンベア部８７の端部に設けた可動
ストッパ８９と、可動ストッパ８９を上下方向に移動さ
せるアクチュエータ９０と、昇降可能な係合部材９１
（図７に示す）と、係合部材９１を駆動するアクチュエ
ータ９２などを備えている。コンベア部８７は、大型エ
ンジン用パレットを乗せることができる大きさと形状に
作られている。

【００１６】上記台車７０の車輪８５は台車待機部７１
のレール７５の上に乗っており、台車７０が昇降体６１
に向って水平方向に往復移動できるようにしている。そ
して上記係合部材９１がアクチュエータ９２によって降
下させられたときに、係合部材９１が台車駆動用アクチ
ュエータ７７の出力端７６に嵌合するようになってい
る。出力端７６に係合部材９１が嵌合した状態で台車駆
動用アクチュエータ７７が伸び側に作動し、出力端７６
が図７において左方向に移動すると、台車７０が昇降体
６１の方向に走行することにより、昇降体６１のレール
９５に乗る移ることができる。

【００１７】図１１に示すように、昇降体６１に台車７
０が乗った状態で昇降体６１を前記昇降駆動機構６２に
よって上昇させると、昇降体６１と一体に台車７０が上
昇する。そして台車７０が上昇端まで上昇したとき、台
車７０のコンベア部８７の高さが、前記コンベア付きリ
フタ１２のコンベア３２の上昇時の高さと一致するよう
にしている。

【００１８】図１０等に示した中型パレット用台車７２
は、車輪１００を有する車体１０１と、車体１０１の上
面側に設置したローラコンベア等のコンベア部１０２
と、コンベア部１０２のローラをワークの移送方向に回
転させる駆動機構１０３と、コンベア部１０２の端部に
設けられた可動ストッパ１０４と、可動ストッパ１０４
を上下方向に動かすアクチュエータ１０５と、昇降可能
な係合部材１０６（図７に示す）と、係合部材１０６を
駆動するアクチュエータ１０７を備えている。コンベア
部１０２は、中型エンジン用パレットを乗せることがで
きる大きさと形状に作られている。

【００１９】上記台車７２の車輪１００は台車待機部７
３のレール８０の上に乗っており、台車７２が昇降体６
１に向って水平方向に往復移動できるようにしている。
そして上記係合部材１０６がアクチュエータ１０７によ
って降下させられたとき、係合部材１０６が台車駆動用
アクチュエータ８２の出力端８１に嵌合するようになっ
ている。出力端８１に係合部材１０６が嵌合した状態
で、台車駆動用アクチュエータ８２が伸び側に作動して
出力端８１が図７において右方向に移動すると、台車７
２が昇降体６１の方向に走行することにより、昇降体６
１のレール９５に乗り移ることができる。この台車７２
が昇降体６１に乗った状態で昇降体６１を前記昇降駆動
機構６２によって上昇させると、昇降体６１と一体に台
車７２が上昇する。台車７２が上昇端まで上昇したと
き、台車７２のコンベア部１０２の高さと、前記コンベ
ア付きリフタ１２のコンベア３２の上昇時の高さが互い
に一致するようにしている。

【００２０】図１２に示すように昇降体６１に台車固定
機構１１０が設けられている。台車固定機構１１０は、
前後一対の軸１１１を中心に上下方向に回動する一対の
ロックアーム１１２を有している。各ロックアーム１１
２は、リンク機構１１３を介して図示しないアクチュエ
ータによって回動させられ、図１２において矢印方向に
回動上昇したときに、ロックアーム１１２の先端部が昇
降体６１上の台車７０（または７２）の嵌合部１１５
（または１１６）に嵌合することによって、台車７０
（または７２）の動き止めをなすようにしている。

【００２１】図１および図４において、ワーク受渡し部
１１の図示下側に空のパレット２０を水平な姿勢でパレ
ット載置コンベア５６上に供給するためのチェンコンベ
ア等を用いたパレット搬入用コンベア１２０が設けられ
ている。また、図１においてワーク受渡し部１１の図示
右側に、エンジン搬出用コンベア１２２が設けられてい
る。エンジン搬出用コンベア１２２の高さはパレット載
置コンベア５６の高さと一致している。

【００２２】図６等に示すようにパレット載置コンベア
５６の下方に、組立台搬出用コンベア１２４が設けられ
ている。組立台搬出用コンベア１２４は、昇降体６１が
下降端まで降下したときに昇降体６１上のコンベア部８
７（または１０２）と一致する高さに設けられており、
空の組立台１５をコンベア部８７（または１０２）から
コンベア１２４上に搬出できるようになっている。この
組立台搬出用コンベア１２４は、図１に示すように、ワ
ーク受渡し部１１の側方に延びる組立台回収用コンベア
１２５，１２６に接続されている。

【００２３】図２５に示すようにパレット２０の四隅に
支柱２３が設けられている。この支柱２３はパレット２
０を複数段重ねる際に使われるものであるが、ワーク受
渡し部１１においてエンジンＥをパレット２０上に移す
際にエンジンＥが支柱２３と干渉する可能性がある。こ
のためパレット移載装置１０は、図１３から図１６に示
す支柱倒し機構１３０によって、少なくとも一対の支柱
２３をパレット２０の側方に倒すことができるようにし
ている。

【００２４】支柱２３は、パレット本体２０ａに固定さ
れた下部側の固定柱部２３ａと、この固定柱部２３ａの
上端部２３ｃに対し上方から嵌合可能な可動柱部２３ｂ
を具備し、可動柱部２３ｂを長孔２３ｄに沿って所定ス
トローク分だけ引き上げたときに、固定柱部２３ａの上
端部２３ｃと可動柱部２３ｂの下端開口部との嵌合が外
れることにより、可動柱部２３ｂが軸２４を中心に倒れ
ることができる構造である。可動柱部２３ｂには径方向
に突出するフランジ状の凸部２５が設けられている。

【００２５】支柱倒し機構１３０は、ワーク受渡し部１
１の近傍、またはパレット２０をパレット載置コンベア
５６に搬送する際の搬送経路の途中に設けられている。
この支柱倒し機構１３０は、水平方向に延びる第１のガ
イド１３１を有するベース部材１３２と、ガイド１３１
に沿って移動自在なスライドフレーム１３３と、スライ
ドフレーム１３３の前端部から上方に立上がる可動アー
ム１３４等を備えている。スライドフレーム１３３はア
クチュエータ１３５（図１４に一部のみ示す）によって
第１のガイド１３１に沿う前後方向に所定のストローク
で往復移動させることができる。可動アーム１３４は軸
１４０を中心に回動自在であり、可動アーム１３４とス
ライドフレーム１３３との間に設けられたエアシリンダ
等の支柱倒し用アクチュエータ１４１によって、図１３
に示す起立位置と図１６に示す倒伏位置とにわたって移
動させることができる構成としている。

【００２６】さらにこの支柱倒し機構１３０は、可動ア
ーム１３４に設けた上下方向に沿う第２のガイド１４５
と、第２のガイド１４５に沿う方向に移動可能な昇降ス
ライダ１４６と、昇降スライダ１４６を上記方向に移動
させるエアシリンダ等のアクチュエータ１４７を備えて
いる。昇降スライダ１４６には支柱２３の凸部２５に対
し下側から係合可能な形状の押上げ部１４８と、フラン
ジ２５を上方から押えることができる形状のストッパ１
４９が形成されている。このストッパ１４９を設けた理
由は、エンジン移載後に支柱２３を倒れた状態から元の
状態つまり垂直状態に戻す際に、可動柱部２３ｂが自重
だけでは固定柱部２３ａに対して下方に移動できない場
合（こじれなどが原因）が発生することがあるため、そ
のようなときにアクチュエ−タ１４７によって可動柱部
２３ｂを強制的に下方に押圧できる機能をもたせてい
る。

【００２７】上記支柱倒し機構１３０は、図１３に示す
初期位置からアクチュエータ１３５によってスライドフ
レーム１３３を所定ストローク分だけ前進させると、押
上げ部１４８が支柱２３の凸部２５の下側に入り込む。
この状態で昇降用アクチュエ−タ１４７によって昇降ス
ライダ１４６を上昇させると、図１５に示すように凸部
２５が上昇することに伴い、可動柱部２３ｂが上昇する
ことにより、可動柱部２３ｂの下端部と固定柱部２３ａ
の凸部２３ｃとの嵌合が外れる。この状態で図１６に示
すように支柱倒し用アクチュエータ１４１によって可動
アーム１３４を倒すと、可動柱部２３ｂが軸２４を中心
に倒れる。

【００２８】次に、上記構成のパレット移載装置１０の
作用について、図１７ないし図２４等を参照して説明す
る。図１７に示すように、組立台１５に乗ったエンジン
Ｅが搬入用コンベア１３の上を矢印の方向から搬入され
てくる。このときコンベア付きリフタ１２と昇降体６１
は下降端まで下がっている。移載すべきエンジンＥが大
型エンジンの場合、昇降体６１の上に大型パレット用台
車７０を移動させておく。中型エンジンの場合には、昇
降体６１の上に中型パレット用台車７２を移動させてお
く。以下に大型エンジン用パレットの場合を代表して説
明する。

【００２９】図１８に示すように組立台１５に乗ったエ
ンジンＥが搬入用コンベア１３からコンベア付きリフタ
１２の上まで移動してくる。一方、ワーク受渡し部１１
のパレット載置コンベア５６の上には、空のパレット２
０がパレット搬入用コンベア１２０によって供給され
る。図１９に示すようにリフタ１２のコンベア３２と、
昇降体６１が上昇端まで上昇することにより、組立台１
５と一緒にエンジンＥが上昇するとともに、昇降体６１
のコンベア部８７の高さとリフタ１２のコンベア３２の
高さが揃う。

【００３０】図２０に示すようにリフタ１２のコンベア
３２が前方にスライドする。そののち、リフタ１２のコ
ンベア３２の各ローラが回転することによって組立台１
５と一緒にエンジンＥが前進し、図２１に示すように昇
降体６１のコンベア部８７に乗り移る。そののち図２２
に示すようにリフタ１２のコンベア３２が後方にスライ
ドして元の位置に戻る。

【００３１】図２３に示すようにリフタ１２のコンベア
３２と昇降体６１のコンベア部８７が降下することによ
り、昇降体６１と組立台１５がパレット２０の開口部２
１とパレット載置コンベア５６の開口部５８を通り抜け
て下方に移動する。エンジンＥは上記開口部２１，５８
よりも大きいため、パレット２０の支持部２２にエンジ
ンＥが乗り移る。そののち図２４に示すように、パレッ
ト２０上のエンジンＥが搬出用コンベア１２２によって
所望位置まで搬出される。昇降体６１上の空の組立台１
５は、組立台搬出用コンベア１２４と回収用コンベア１
２５，１２６によって所望の回収位置まで搬送される。

【００３２】

【発明の効果】本発明によれば、組立台に乗っているエ
ンジン等の大重量のワークを組立台よりも大きいパレッ
トに移載する際に、クレーンによってワークを吊ること
なく組立台からパレットに移し変えることができ、エン
ジン等の移載作業と組立台の回収作業を安全かつ能率的
に行うことができる。

【００３３】請求項２に記載した支柱倒し機構を採用し
た場合には、パレットの支柱を移載作業の邪魔にならな
い位置まで自動的に倒すことができ、移載作業を更に能
率良く行うことができる。また請求項３に記載した構成
によれば、第１の台車と第２の台車のいずれか一方を昇
降体に乗せることによって２種類のパレットを選択的に
昇降体上の台車のコンベア部に受け取らせることができ
るため、大きさが異なる２種類のワークを組立台からワ
ークに応じた大きさのパレットに移載することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施形態を示すパレット移載装置
の平面図。

【図２】 図１に示された装置のコンベア付きリフタの
側面図。

【図３】 図１に示された装置のコンベア付きリフタの
正面図。

【図４】 図１に示された装置のワーク受渡し部とパレ
ット搬入用コンベアの平面図。

【図５】 図１に示された装置のワーク受渡し部の側面
図。

【図６】 図５に示されたワーク受渡し部の作動態様を
示す側面図。

【図７】 図５に示されたワーク受渡し部の昇降体の一
部とパレット用台車を示す正面図。

【図８】 図５に示されたワーク受渡し部の昇降体とパ
レット用台車を示す平面図。

【図９】 図５に示されたワーク受渡し部の大型パレッ
ト用台車の一部を断面で示す側面図。

【図１０】 図５に示されたワーク受渡し部の中型パレ
ット用台車の一部を断面で示す側面図。

【図１１】 図５に示されたワーク受渡し部の昇降体が
上昇した状態を示す正面図。

【図１２】 図５に示されたワーク受渡し部の台車固定
機構の側面図。

【図１３】 支柱倒し機構の側面図。

【図１４】 図１３に示された支柱倒し機構の正面図。

【図１５】 図１３に示された支柱倒し機構の昇降スラ
イダが上昇した状態の側面図。

【図１６】 図１３に示された支柱倒し機構の可動アー
ムが倒れた状態の側面図。

【図１７】 図１に示す装置においてエンジンが搬入さ
れた状態を模式的に示す側面図。

【図１８】 図１に示す装置においてエンジンがリフタ
に乗り移った状態を模式的に示す側面図。

【図１９】 図１に示す装置においてリフタと昇降体が
上昇した状態を模式的に示す側面図。

【図２０】 図１に示す装置においてリフタのコンベア
がスライドした状態を模式的に示す側面図。

【図２１】 図１に示す装置においてエンジンが昇降体
のコンベア部に乗り移った状態を模式的に示す側面図。

【図２２】 図１に示す装置においてリフタのコンベア
が後退した状態を模式的に示す側面図。

【図２３】 図１に示す装置において昇降体が降下した
状態を模式的に示す側面図。

【図２４】 図１に示す装置においてパレットとエンジ
ンが搬出用コンベアに乗り移った状態を模式的に示す側
面図。

【図２５】 組立台とパレットを示す斜視図。

【図２６】 従来のパレット移載作業の様子を示す斜視
図。

【符号の説明】

１０…パレット移載装置 １１…ワーク受渡し部 １２…コンベア付きリフタ １３…搬入用コンベア １５…組立台 １６…支持部 ２０…パレット ２１…開口部 ２２…支持部 ２３…支柱 ３０…基体 ３１…可動フレーム ３２…コンベア ３４…アクチュエータ ３５…リフトアップ機構 ５５…基枠 ５６…パレット載置コンベア ５８…開口部 ６１…昇降体 ６２…昇降駆動機構 ７０…大型パレット用台車 ７２…中型パレット用台車 ８７…コンベア部 １０２…コンベア部 １１０…台車固定機構 １２０…パレット搬入用コンベア １２２…搬出用コンベア １３０…支柱倒し機構

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 足達 博幸 東京都港区芝五丁目33番８号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平５−213442（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−23116（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−100713（ＪＰ，Ａ) 実開 平１−118920（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−107435（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B23P 19/00 302 B23Q 7/00 B65G 47/53

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ワークが乗る組立台と、 上記組立台よりも大形でかつ上記組立台が上下方向に通
   り抜けることのできる大きさの開口部を有しかつワーク
   を支える支持部を有する空のパレットと、 供給された空の上記パレットを水平な姿勢で所定高さに
   支持可能でかつ上記組立台が上下方向に通り抜けること
   のできる広さの開口部を有するパレット載置コンベア
   と、 ワークを乗せた上記組立台を水平方向に搬送可能なコン
   ベアを有しかつこのコンベアを上記パレット載置コンベ
   アよりも高い位置まで上昇させることの可能なリフトア
   ップ機構を有するコンベア付きリフタと、 上記パレット載置コンベアに対し上下方向に移動可能に
   構成されかつ上記パレットの開口部と上記パレット載置
   コンベアの開口部を上下方向に通り抜けることのできる
   大きさに形成されかつ上面側に上記組立台を乗せること
   のできるコンベア部が設置される昇降体と、 上記昇降体を上下方向に移動させるための昇降駆動機構
   であって上記昇降体を上昇させたときに昇降体の上記コ
   ンベア部を上記コンベア付きリフタのコンベアの上昇端
   と同じ高さに位置させかつ上記昇降体を降下させたとき
   に昇降体の上記コンベア部を上記パレット載置コンベア
   の下方に位置させる昇降駆動機構と、 上記パレット載置コンベアの搬送下流側に連続して設け
   られた搬出用コンベアとを具備し、 上記昇降体が下降する際に、該昇降体とその上に乗って
   いる上記組立台を、上記空パレットの上記開口部と上記
   パレット載置コンベアの上記開口部を通過させると共
   に、上記組立台上の上記ワークを上記空パレットの上記
   支持部に載置させるようにし たことを特徴とするパレッ
   ト移載装置。
2. 【請求項２】上記パレットの四隅に垂直に延びる支柱が
   設けられており、 少なくとも一対の上記支柱はパレット本体に固定された
   固定柱部とこの固定柱部に対し上方から嵌合しかつ上方
   に所定量引き上げたときに上記固定柱部との嵌合が外れ
   て倒れることができる状態となる可動柱部を有し、 上記パレットの支柱を倒すための支柱倒し機構を具備
   し、 上記支柱倒し機構は、 上記支柱に対し前後方向に移動可能に設けられたスライ
   ドフレームと、 上記スライドフレームを前後方向に移動させるためのア
   クチュエータと、 上記スライドフレームに設けられかつ軸を中心に垂直の
   姿勢から倒れる方向に変位可能な可動アームと、 上記可動アームに昇降可能に設けられかつ上記スライド
   フレームが前進した状態において上記可動柱部の径方向
   の凸部の下側に進入する押上げ部を有する昇降スライダ
   と、 上記昇降スライダを上下方向に駆動する昇降用アクチュ
   エータと、 上記可動アームを倒す方向に回動させる回動用アクチュ
   エータと、 を具備していることを特徴とする請求項１記載のパレッ
   ト移載装置。
3. 【請求項３】上記昇降体が下降端まで降下した状態にお
   いて上記昇降体の左右両側に第１の台車待機部と第２の
   台車待機部が設けられており、上記第１の台車待機部に
   第１のパレットを支持可能なコンベア部を有する第１の
   パレット用台車が装備され、上記第２の台車待機部に第
   ２のパレットを支持可能なコンベア部を有する第２のパ
   レット用台車が装備され、上記第１の台車待機部と上記
   昇降体に第１のパレット用台車を昇降体に乗り移らせる
   ための手段が設けられているとともに、上記第２の台車
   待機部と上記昇降体に第２のパレット用台車を昇降体に
   乗り移らせるための手段が設けられており、上記２種類
   の台車のうちいずれか一方を上記昇降体に乗せるように
   したことを特徴とする請求項１記載のパレット移載装
   置。