JPH0730616U - い草の掘り取り泥落とし機械 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来はい草の苗の掘り取り、泥落とし作業
は、各々別々の機械を用いて行っていた為、時間と労力
が掛かっていたが、掘り取りと、泥落とし作業が同時に
行える機械を考案する事により、作業時間の短縮と、労
力の軽減が可能になった。 【構成】 動力車に、植わっているい草の根のすぐ下を
切る、掘り取り装置（１）を取り付け、掘り取り装置に
継続して、い草の根のすぐ上を、挾持して搬送する搬送
装置（２）を設け、搬送装置の搬送ベルトの下に、根に
付いた泥を落とす、泥落とし機構（３）を設け、搬送装
置の終端部近傍に、泥落とし機械（４）を設置した事を
特徴とする、い草の掘り取り泥落とし機械。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、い草の苗を掘り取って、根に付いている泥を落とし、株分けして田 圃に移植するい草の作業過程において、い草の苗を掘り取って、泥落としする作 業を、同時に行う機械に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

田圃に植え付けられたい草の苗を掘り取る作業は、図６に示す如く、ワイヤー （５）を付けた犂（スキ）をウインチで引き、犂の刃（６）をい草（９）の根の 下を通して掘って行く。次に掘り取ったい草を、図７に示す如く数本の爪（７） を付けた軸（８）が、矢印の如く往復運動する泥落とし機械を用い、この爪にい 草（９）の根を当てて泥を落としている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この作業は１１月から１２月にかけて行われ、寒い時期に、人手不足も重なっ て、い草農家にとっては大変な仕事である。 従ってい草の掘り取りと泥落としを、同時に機械で行う事により、農家の労力 を大巾に軽減しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

その為、本発明の実施例を示す、図１、図２の如く、エンジンを搭載して動く 車体の上に、植わっているい草の根のすぐ下を切る、掘り取り装置（１）を取り 付け、掘り取り装置に継続して、い草の根のすぐ上を挾持して搬送する搬送装置 （２）を設け、搬送ベルトの下に、根に付いた泥を落とす、泥落とし機構（３） を設け、更に搬送装置の終端部近傍に、泥落とし機械（４）を設置した機械を用 い、い草の掘り取りと、泥落としを同時に行うようにした。

【０００５】

【作用】 い草の根の下を切断するには、図３に示す如く、掘り取り刃（１０）をクラン クＡ（１１）を用いて前後に往復運動させ、い草の根のすぐ下の土を切って行く 事により、い草を剥ぎ取るようにして掘って行く。 次に掘り取ったい草を挾んで搬送するのは、図４に示す如く、２本の搬送ベル ト（１２）を圧着して設け、搬送ベルトをお互い反対方向に駆動する。 この搬送ベルトの先端を、掘り取り刃（１０）のすぐ上に持ってくると、掘り 取ったい草（９）の根の上のあたりを、搬送ベルトが挾んでい草を搬送する。

【０００６】 そして搬送ベルトの下に、多くの爪（７）を上に向けて植設した軸（８）を設 け、この軸を往復回動する事により、爪が左右に振動する。従ってい草の搬送過 程において、い草の根が爪に触れ、根に付いた泥を落として行く。そして搬送ベ ルトの終端部までくると、い草に付いた泥がかなり落ちた状態で、搬送ベルトよ り外れる。

【０００７】 最後は人手により、外れたい草を掴んで、図７に示す如き泥落し機械にかけ、 泥落としが完了する。最後の仕上げは、い草や土質により、泥の落ち方が異なる 為、どうしても人手により、い草を掴んで状態を見ながら泥を落とさないと、根 の芯迄完全に泥が落ちない為である。 本出願人は、先にい草の掘り取り泥落とし機械を発明し、既に特願平２−１６ ７１により出願済みであるが、今回泥落とし機械を加えて出願したのは、上記理 由によるものである。

【０００８】

【実施例】

本考案の、い草の掘り取り泥落とし機械の実施例を、図１、図２により説明す ると、先ず図３に示す如く、掘り取り刃（１０）をクランクＡ（１１）にて前後 に往復運動させ、刃がい草の根の下を切って行くような掘り取り装置（１）を形 成する。次に図２に示す如く、駆動プーリー（１３）と従動プーリー（１４）を 離して設け、これに搬送ベルト（１２）を掛け、間に遊動プーリー（１５）を適 当数設けたものを、対称に各１組作り、遊動プーリーの部分を圧着させて、搬送 装置（２）を形成する。

【０００９】 そして図５に示す如く、駆動プーリー（１３）の軸の先にウォームホイル（１ ６）を取り付け、このウォームホイルと噛み合わせた、右ネジと左ネジのウォー ム（１７）を回転させる事により、駆動プーリーを各々反対方向に回転させて搬 送ベルト（１２）を動かし、い草を間に挾んで搬送するようにしている。 そして図４に示す如く、搬送ベルトの下に、複数個の爪（７）を植設した軸（ ８）を設け、この軸をクランクＢ（１８）にて矢印で示す如く、往復運動させて 、泥落とし機構（３）を形成する。

【００１０】 そして図２に示す如く、搬送装置（２）の先端の従動プーリー（１４）が、丁 度掘り取り刃（１０）の上に来るようにして、これより斜めに搬送装置を架設し 、これに掘り取り装置を組合わせて、一体に構成する。そして一体に構成したほ ぼ中央に支持軸（１９）を設け、支持軸を中心に全体が回動するようになってい る。そして掘り取り部の上下は、油圧により行うようにしている。 更に搬送装置の終端部近傍に図７に示す如き、泥落とし機械を設置している。 以上の装置類を、エンジン（２０）を搭載し、操行装置により自走する車体の 上に設置し、装置類の駆動をエンジンから取るようにしている。

【００１１】 次にこの機械の使用方法を説明すると、田圃で車体を操作して、い草の条に合 わせて掘り取り部を下ろし、装置類を駆動させながら前進して行くと、先ずい草 の根の下の土が切られ、い草が剥がされたところを、すぐに搬送ベルトによりい 草が挾まれてい草が後ろに搬送される。そして図４に示す如く、搬送の過程で、 い草（９）の根が次第に振動する爪（６）に触れ、根に付いた泥が落とされて行 く。搬送装置の終端迄来たい草は、人手により泥落とし機械（４）にかけられ、 綺麗に泥が落とされて、適当な箱に溜められる。 この実施例では、機械を乗用型とした為、機械を操縦する人と、い草を掴んで 泥落とし機械にかける人の２人で作業するようにしているが、歩行型とする事も 可能である。

【００１２】

【考案の効果】

従来はい草の掘り取りと、泥落とし作業を各々別々の機械を用いて行っていた 為、人手と時間が掛かっていたが、本考案の機械によると、掘り取りと、泥落と し作業が同時にやれるので、作業時間が短縮し、労力を軽減する事が出来る効果 がある。

【００１３】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す、い草掘り取り泥落とし
機械の正面図。

【図２】同じく平面図。

【図３】同じく掘り取り部の斜視図。

【図４】同じく搬送部の斜視図。

【図５】同じく泥落とし部の斜視図。

【図６】従来の掘り取り機の斜視図。

【図７】従来の泥落とし機の斜視図。

【符号の説明】

１ 掘り取り装置 ２ 搬送装置 ３ 泥
落とし機構 ４ 泥落とし機械 ５ ワイヤー ６ 刃 ７ 爪 ８ 軸 ９ い
草 １０ 掘り取り刃 １１ クランクＡ １２
搬送ベルト １３ 駆動プーリー １４ 従動プーリー １５
遊動プーリー １６ ウォームホイル １７ ウォーム １８
クランクＢ １９ 支持軸 ２０ エンジン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 動力車に、植わっているい草の根のすぐ
   下を切る、掘り取り装置（１）を取り付け、掘り取り装
   置に継続して、い草の根のすぐ上を挾持して搬送する搬
   送装置（２）を設け、搬送装置の搬送ベルトの下に、根
   に付いた泥を落とす、泥落とし機構（３）を設け、搬送
   装置の終端部近傍に、泥落とし機械（４）を設置した事
   を特徴とする、い草の掘り取り泥落とし機械。