JPH073058A - コーティング積層体 - Google Patents

コーティング積層体

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JPH073058A
JPH073058A JP5144690A JP14469093A JPH073058A JP H073058 A JPH073058 A JP H073058A JP 5144690 A JP5144690 A JP 5144690A JP 14469093 A JP14469093 A JP 14469093A JP H073058 A JPH073058 A JP H073058A
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JP
Japan
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coating
structural unit
formula
group
film
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Application number
JP5144690A
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English (en)
Inventor
Katsuji Nakahara
勝次 中原
Tetsuo Uchida
哲夫 内田
Kazuo Matsuura
和夫 松浦
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Publication of JPH073058A publication Critical patent/JPH073058A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】支持体の上に、無機および/または有機粒子と
特殊な高分子材料からなる被覆層を設けたことを特徴と
するコーティング積層体。 【効果】本発明のコーティング積層体は耐水性、基材と
の密着性、印字品質、インク吸収性が非常に優れている
ため、インクジェット印刷、オフセット印刷、フレキソ
印刷などの用途において好ましく用いることができ、さ
らに、優れたインク吸収性、基材との密着性を利用し
て、昇華型を含む感熱インク受容体、電子写真トナー受
容体、ファブリックインク受容体など他のインクやトナ
ー受容体としても適用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコーティング積層体に関
するものであり、インクジェット、オフセット印刷、フ
レキソ印刷などの各種印刷シートに適用されるコーティ
ング積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来印刷シートに適用されるコーティン
グ積層体としては、上質紙、合成紙、プラスチックフィ
ルムの表面に無機粒子と水性バインダーエマルジョンと
からなる水系塗工剤を塗工するものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記製造
方法のコーティング積層体は基材との密着性、耐水性が
不十分であり、また上記塗工剤は水系バインダーエマル
ジョンを使用しているため塗布工程時における発泡性な
どの諸問題が発生するものであった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のような問
題点を解決するために、支持体の上に、無機および/ま
たは有機粒子と高分子結着剤とを含む被覆層を設けてな
るコーティング積層体において、該高分子結着剤の幹枝
が疎水性モノマーからなり、枝鎖が親水性モノマーから
なるグラフト共重合アクリル樹脂と式(1) −[−CH2 −CH2 −]− (1) で表わされるエチレン構造単位65〜99モル%、式
(2)
【化3】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表
わされるアクリレート構造単位0〜15モル%および式
(3)
【化4】 (式中、R2 は炭素数2〜8のアルキレン基、R3 およ
びR4 はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R5 は炭
素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアリール
アルキル基または炭素数1〜12の脂環アルキル基、X
はハロゲン原子、CH3 OSO3 またはC2 5 OSO
3 を示す)で表わされるアクリルアミド構造単位1〜3
5モル%からなる線状に不規則に配列した重量平均分子
量1000〜50000のポリオレフィン系樹脂を主成
分とすることを特徴とするコーティング積層体を要旨と
するものである。
【0005】本発明における支持体としては、紙(上質
紙)、塗工紙、和紙、不織布やプラスチックフィルムを
使用することができる。
【0006】紙としては、「印刷用紙のJIS規格P3
101〜P3105」や「印刷雑誌1988(vol.
71)」記載のものが使用できるが、中でも印刷用紙A
(上質紙)が好ましい。
【0007】不織布としては、「不織布要論」(高分子
刊行会、三浦義人著、昭和48年発行)記載のものなど
が好ましい。
【0008】プラスチックフィルムとしては、ポリエス
テル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルアミ
ド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポ
リスチレン、ポリカーボネート、ポリ−P−フェニレン
スルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、
ポリ(メタ)アクリル酸エステルなどが好ましい。さら
にこれらの共重合体やブレンド物やさらに架橋したもの
を用いることもできる。
【0009】上記支持体の中でもプラスチックフィルム
が特に好ましく、中でもポリエステルフイルムが好まし
い。
【0010】本発明でいうポリエステルフィルムとは、
ジオールとジカルボン酸とから縮重合によって得られる
ポリマーであり、ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、アジピン酸、セバシン酸、などで代表されるもので
あり、またジオールとしてはエチレングリコール、トリ
メチレングリコール、テトラメチレングリコール、シク
ロヘキサンジメタノールで代表されるものである。具体
的には例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−P−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロ
ヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどを挙げるこ
とができる。本発明の場合、特にポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレートが好ましい。ポリエ
チレンテレフタレートフィルムは耐水性、耐久性、耐薬
品性に優れているものである。
【0011】もちろん、これらのポリエステルはホモポ
リエステルであっても、コポリエステルであっても構わ
ない。共重合成分としては、ジエチレングリコール、ポ
リアルキレングリコールなどのジオール成分およびアジ
ピン酸、セバシン酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの
ジカルボン酸成分を挙げることができる。
【0012】また、このポリエステル中には必要に応じ
て、特性を損なわない範囲で公知の各種添加剤、例えば
酸化防止剤、帯電防止剤が添加されてもよい。
【0013】また、本発明に用いるポリエステルフィル
ムは、フィルム内部に微細な気泡を含有させ、該気泡で
光を散乱させることにより白色化させているものを用い
ることもできる。この微細な気泡の形成は、フィルム母
材、例えばポリエステル中に、非相溶ポリマーを細かく
分散させ、それを1軸または2軸に延伸することにより
形成される。延伸に際して、非相溶ポリマー粒子の周り
にボイド(気泡)が形成され、これが光の散乱作用を発
揮するため白色化される。
【0014】前記非相溶ポリマーとは、ポリエステルと
溶け合わないポリマーをいい、ポリ−3−メチルブテン
−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリプロピレ
ン、ポリビニル−t−ブタン、1,4−トランス−ポリ
−2、3−ジメチルブタジエン、セルローストリアセテ
ート、セルローストリプロピオネート、ポリクロロトリ
フルオロエチレンなどが挙げられる。中でもポリオレフ
ィン、特にポリメチルペンテンが好ましい。理由として
は、延伸した際にボイドを生成しやすいこと、ポリマー
が高透明性を有するため光の吸収が少なく、ボイドによ
り散乱された光を吸収することがないからである。
【0015】該非相溶ポリマーの添加量としては、2重
量部以上、25重量部以下が好ましい。これより少なす
ぎると十分な白色化が達成されず、またこれより多すぎ
るとフィルム強度が低くなりすぎるためである。
【0016】上記のようにして得られたフィルムは微細
気泡を含有するため比重が低くなる。この比重の範囲と
しては、0.5以上1.2以下であることが好ましい。
さらに好ましいのは0.7以上1.0以下である。比重
が0.5未満であると、フィルム強度が低くなりすぎる
ためであり、1.2を越えると十分な白色化が達成され
ない。
【0017】また、上記のようにして得られたフィルム
の白色度は、70%以上であることが好ましい。さらに
好ましくは80%以上である。
【0018】また、非相溶ポリマーを均一に分散させ、
かつ微細気泡を十分に生成させるために低比重化剤を添
加することが好ましい。低比重化剤とは、上記非相溶ポ
リマーとともに助剤として添加され、ポリエステルと非
相溶ポリマーとの界面のボイドの生成を促し、比重を小
さくする効果を持つ化合物のことであり、特定の化合物
のみ、その効果が認められる。例えば、ポリエステルに
対しては、ポリエチレングリコール、メトキシポリエチ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ
プロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール
およびその誘導体、エチレンオキサイド/プロピレンオ
キサイド共重合体、さらにはドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、アルキルスルホネートナトリウム塩、グ
リセリンモノステアレート、テトラブチルホスホニウム
パラアミノベンゼンスルホネートなどで代表されるもの
である。本発明の場合、特にポリエチレングリコールが
好ましい。低比重化剤の添加によってポリエステルフィ
ルムの比重を0.1以上小さくすることができるもので
ある。さらに、この低比重化剤の添加によってポリエス
テルフィルムの白色度が向上し、表面が平滑化するのみ
ならず、耐劈開性が向上し、さらにポリエステルの延伸
性も大幅に向上するという効果もある。低比重化剤の添
加量としては、好ましくは0.1〜5重量部である。添
加量が0.1重量部未満であると添加の効果が薄れ、5
重量部を越えるとフィルム母材の特性を損なうおそれが
ある。
【0019】次に、非相溶ポリマーがポリエステルフィ
ルム中で球形に近い形状であること、すなわち形状係数
が1〜4の範囲にあることが好ましい。ポリエステルフ
ィルム中の非相溶ポリマーの形状によって得られるフィ
ルム特性、特にフィルムの比重とクッション率との相関
性、熱寸法安定性、表面粗さ、白色性などに大きな相違
点が生じてくる。すなわち、非相溶ポリマーを球状に近
い形状で分散させることは、ポリマーの形状がポリエス
テルに添加する非相溶ポリマーの粘度、非相溶性パラメ
ーター、融点、さらには低比重化剤の種類、添加量など
に強く依存する。球状に近い形状とは、フィルム中に分
散する非相溶ポリマーの形状係数すなわち、長径と短径
の比が1〜4好ましくは1〜2である場合をいう。
【0020】また、上記のようにして得られたポリエス
テルフィルムのクッション率は、好ましくは10%以
上、さらに好ましくは15%以上である。クッション率
が10%未満であると手に触れたときの感触が劣る。
【0021】さらに本発明においては、ポリエステルフ
ィルム中に炭酸カルシウム、非晶質ゼオライト粒子、ア
ナターゼ型の二酸化チタン、リン酸カルシウム、シリ
カ、カオリン、タルク、クレーなどの微粒子を併用した
ものを用いてもよい。これらの添加量はポリエステル組
成物100重量部に対して0.0005〜25重量部と
するのが好ましい。またこのような微粒子以外にもポリ
エステル重合反応系で触媒残渣とリン化合物との反応に
より析出した微粒子を併用することもできる。析出微粒
子としては、例えばカルシウム、リチウムおよびリン化
合物から成るものなどを挙げることができる。これらの
粒子のポリエステル中の含有量はポリエステル100重
量部に対して0.05〜1.0重量部であることが好ま
しい。
【0022】また本発明においては、必要に応じて積層
フィルム構成したものを用いてもよい。例えば、A/B
の2層構成、または、A/B/Aの3層構成である。こ
の場合B層が微細気泡を含有させた層であり、A層には
二酸化チタン、二酸化珪素、炭酸カルシウムなどの無機
添加剤が含まれてもよい。
【0023】なお、プラスチックフィルムの厚さは、1
0μm〜250μmであることが好ましい。さらに好ま
しいのは15μm〜150μmであることが基材ベース
としての実用面での取扱い性に優れている。
【0024】プラスチックフィルムは、必要に応じて接
着性を向上させるために公知の表面処理、例えば、コロ
ナ放電処理、プラズマ放電処理、アンカーコートなどを
行なったりしてもよい。
【0025】本発明でいう無機粒子とは、非晶質シリ
カ、無水シリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシ
ウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサ
イト、ゼオライト、サチンホワイト、酸化チタン、酸化
アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ藻土、カオリン、タ
ルク、酸性白土、活性白土、ベントナイトなどが挙げら
れる。
【0026】中でも粒子表面に細孔を有する多孔質状の
ものが好ましく、中空多孔質あるいは非中空多孔質形態
として内部に液体、固体や気体を自由に封入、放出でき
るものがインク吸収性の点から好ましい。多孔質粒子の
製造方法としては特に限定されるものではないが、代表
的な製造方法を例示すれば特開昭62−292476あ
るいは特公昭54−6251号公報、特公昭57−55
454号公報および特公昭55−43404号などに記
載されている「界面反応性」すなわち水溶液沈澱反応に
よって無機粉体を調整する方法であるが、その調整過程
において、油中水滴型(W/Oタイプ)エマルジョンを
用いることによって中空、球形、多孔質の無機粉体粒子
を調整することにより製造することができる。
【0027】多孔粒子を構成する無機材料の壁材として
は、具体的には、例えば炭酸カルシウム、炭酸バリウ
ム、炭酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩、
ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウ
ムなどのアルカリ土類金属ケイ酸塩、リン酸カルシウ
ム、リン酸バリウム、リン酸マグネシウムなどのアルカ
リ土類金属リン酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
硫酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属硫酸塩、無水
ケイ酸、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チ
タン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸
化アンチモン、酸化スズなどの金属酸化物、水酸化鉄、
水酸化ニッケル、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化クロムなどの金属水酸化物、ケイ酸亜鉛、ケ
イ酸アルミニウム、ケイ酸銅などの金属ケイ酸塩、炭酸
亜鉛、炭酸アルミニウム、炭酸コバルト、炭酸ニッケ
ル、塩基性炭酸銅などの金属炭酸塩などが代表的なもの
であるが、中でも、本発明においては無水ケイ酸からな
るものがコーティング積層体の特性上特に好適である。
【0028】本発明でいう有機粒子とは、イオン交換樹
脂粉末、尿素樹脂粉末、ポリエチレン樹脂粉末、ポリス
チレン樹脂粉末、尿素ホルマリン樹脂粉末、アクリル樹
脂粉末、スチレン−アクリル樹脂粉末などが挙げられ
る。中でもアクリル樹脂粉末、スチレン−アクリル樹脂
粉末の特異形状粒子が好ましい。中でもドーナツ状偏平
粒子、微粒子集合体状粒子、コアシェル構造粒子、中空
多孔粒子などが好ましい。これらの特異形状粒子を用い
ることでインク吸収性を上げることができる。
【0029】無機および/または有機粒子の平均粒径
は、0.1μm〜25μm、好ましくは0.5μm〜1
5μm、さらに好ましくは0.5μm〜10μmのもの
が取扱い性、塗工性、印刷適性などの点から好ましい。
【0030】また、無機および/または有機粒子の被覆
層内での含有量は1〜100重量%、好ましくは5〜7
0重量%であることが好ましい。含有量が1重量%未満
ではインクセット性が不十分となり、100重量%を越
えると、被覆層とフィルム支持体との密着性が低下しや
すい。
【0031】本発明において高分子結着剤とは、グラフ
ト共重合アクリル樹脂と前記オレフィン系樹脂を主成分
とするものであり、該グラフト共重合アクリル樹脂は幹
鎖と枝鎖とに別種のモノマーを選択し、幹鎖による機能
と枝鎖による機能を合わせもつ機能分離型ポリマーであ
る。その中でも、幹鎖を疎水性ポリマー、枝鎖を親水性
ポリマーとすることでコーティング後の塗膜が親水性で
ありかつ耐水性のものが得られる。本発明における主成
分とするグラフト共重合アクリル樹脂とは、そのものが
高分子結着剤中50重量%以上、好ましくは60重量%
以上であるものを指し、必要に応じ特性を損なわない範
囲でその他の物質を添加してもよい。本発明に使用され
る高分子結着剤において、疎水性ポリマーを導入するモ
ノマー単位としては、スチレン、スチレン誘導体、ビニ
ルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、および(メ
タ)アクリル酸エステル類などが挙げられる。また、親
水性ポリマーを導入するモノマー単位としては、カルボ
ン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸基、水
酸基、アミノ基、アミド基などの親水性構造部分を有す
るものである。また上記モノマー単位に加えて、アクリ
ロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ヒド
ロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、グリシジルメタクリレート、N−メチロー
ルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド
などを使用することができる。中でも幹鎖にメチルメタ
クリレート、枝鎖にヒドロキシエチルメタクリレート、
および/またはN−メチロールアクリルアミドを共重合
したものが好ましい。
【0032】前記ポリオレフィン系樹脂中の式(1) −[−CH2 −CH2 −]− (1) で表わされるエチレン構造単位の割合は65〜99モル
%である。該エチレン構造単位の割合が65モル%未満
である場合には、前記ポリオレフィン系樹脂の軟化点が
低くなって、タックやベトツキが生じ、また99モル%
を超える場合には、染料定着性が低下したり、帯電防止
性も低下する。尚、本発明においては、前記エチレン構
造単位の割合は85〜97モル%であることが特に好ま
しい。
【0033】前記ポリオレフィン系樹脂中の式(2)
【化5】 (式中、R1 は前記と同じ)で表わされるアクリレート
構造単位の割合は0〜15モル%である。該アクリレー
ト構造単位の割合が15モル%を超える場合は、前記ポ
リオレフィン系樹脂の軟化点が低くなってタックやベト
ツキが生じるようになる。本発明において、前記アクリ
レート構造単位が含まれている場合には、強靭性および
耐衝撃性が付与されるので好ましい。尚、本発明におい
ては、前記アクリレート構造単位の割合は1〜15モル
%、さらには3〜7モル%であることが特に好ましい。
【0034】前記アクリレート構造単位において、R1
は炭素数1〜4のアルキル基である。かかるR1 の具体
例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n
−ブチル基、i−ブチル基が挙げられ、これらの基は1
分子中に混在してもよい。尚、これらの基の中では、メ
チル基およびエチル基は前記ポリオレフィン系樹脂の軟
化点を維持するうえで好ましいものである。
【0035】前記ポリオレフィン系樹脂の式(3)
【化6】 (式中、R2 、R3 、R4 およびR5 は前記と同じ)で
表わされるアクリルアミド構造単位の割合は1〜35モ
ル%である。該アクリルアミド構造単位の割合が1モル
%未満である場合には、染料定着性が低下したり、帯電
防止性も低下する。また35モル%を超える場合には、
前記ポリオレフィン系樹脂に吸湿性が生じるようにな
る。尚、本発明においては、前記アクリルアミド構造単
位の割合は3〜15モル%であることが特に好ましい。
【0036】前記アクリルアミド構造単位において、R
2 は炭素数2〜8のアルキレン基である。かかるR2
具体例としては、例えばエチレン基、プロピレン基、ヘ
キサメチレン基、ネオペンチレン基などが挙げられ、こ
れらの基は1分子中に混在していてもよい。尚、これら
の基の中では、製造の容易性および経済性の面からエチ
レン基およびプロピレン基が好ましく、特にプロピレン
基が好ましい。
【0037】前記R3 およびR4 はそれぞれ炭素数1〜
4のアルキル基である。かかるR3およびR4 の具体例
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
が挙げられ、これらの基は1分子中に混在していてもよ
い。尚、これらの基の中では、染料定着性、帯電防止性
の点からメチル基およびエチル基が好ましい。
【0038】前記R5 は炭素数1〜12のアルキル基、
炭素数1〜12のアリールアルキル基または炭素数1〜
12の脂環アルキル基である。かかるR5 の具体例とし
ては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i
−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−
オクチル基、n−ラウリル基などのアルキル基;ベンジ
ル基、4−メチルベンジル基などのアリールアルキル
基;シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基などの
脂環アルキル基が挙げられ、これらの基は1分子中に混
在していてもよい。尚、前記R5 としては、耐熱性の点
から、直鎖状アルキル基およびアリールアルキル基が好
ましく、また染料定着性、帯電防止性の点から低級アル
キル基が好ましい。特に好ましいR5 としては、メチル
基およびエチル基が挙げられる。
【0039】前記Xは、例えばCl、Br、Iなどのハ
ロゲン原子、CH3 OSO3 またはC2 5 OSO3
あり、これらは1分子中に混在していてもよい。尚、こ
れらの中では、染料定着性、帯電防止性の点からCl、
CH3 OSO3 およびC2 5 OSO3 が好ましい。
【0040】前記ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子
量は、1000〜50000である。該重量平均分子量
が1000未満である場合には、分子量が小さくなりす
ぎて加熱した時に揮散し、また50000を超える場合
には、粘度が大きくなりすぎ作業性が悪くなる。好まし
い重量平均分子量は3000〜30000である。
【0041】尚、本発明における重量平均分子量とは、
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定
した単分散のポリスチレン換算の重量平均分子量をい
う。
【0042】本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂
は、テトラヒドロフラン(THF)やキシレンなどの通
常ゲルパーミエーション溶離液に難溶であるので、その
重量平均分子量を容易に測定することができないが、超
高温GPC(絹川、高分子論文集、44巻、2号、13
9〜141頁(1987年))にしたがって測定するこ
とができる。
【0043】前記ポリオレフィン系樹脂の中間体である
式(1) −[−CH2 −CH2 −]− (1) で表わされるエチレン構造単位、式(2)
【化7】 (式中、R1 は前記と同じ)で表わされるアクリレート
構造単位および式(4)
【化8】 (式中、R2 、R3 、およびR4 は前記と同じ)で表わ
されるアクリルアミド構造単位からなる線状に不規則に
配列した重量平均分子量1000〜50000のオレフ
ィン系共重合体は、例えば以下の方法によって得られ
る。
【0044】まず、前記オレフィン系共重合体の原料と
しては、特に限定はないが、より有利にはエチレン(C
2 4 )とCH2 CHCOOR1 (式中、R1 は前記と
同じ)で表わされるアクリレートとからなる共重合体の
(部分)加水分解物が用いられる。かかる共重合体は、
エチレンと前記アクリレートを高圧重合法で共重合させ
ることによって容易に得られる。
【0045】前記エチレンに由来するエチレン構造単位
と前記アクリレートに由来するアクリレート構造単位と
の比率は、得られるオレフィン系共重合体のエチレン構
造単位、アクリレート構造単位およびアクリルアミド構
造単位の比率を決定することになる。
【0046】前記共重合体は、通常メルトインデックス
5〜300程度の高分子量を有するものであるので、例
えば水の存在下で高温高圧下で加水分解と同時に熱分解
を行なう減成方法により低分子量化されることが好まし
い。このとき、アクリレートに起因する式(2)
【化9】 (式中、R1 は前記と同じ)で表わされるアクリレート
構造単位の全部または一部が加水分解により式(5)
【化10】 で表わされるアクリル酸構造単位となる。
【0047】前記共重合体を熱分解することにより低分
子量化し、重量平均分子量が1000〜50000の共
重合体を調整するためには、水の存在下で前記共重合体
を反応温度150〜500℃、圧力3〜500kg/c
2 で加熱により分子を切断すればよい。
【0048】また、本発明において、前記アクリル酸構
造単位の割合は、水の仕込み量、反応温度、圧力および
反応時間を調整することによって適宜調節しうる。
【0049】前記減成方法の具体例としては、例えば特
開昭53−57295号公報、特開昭53−65389
号公報、特開昭60−79008号公報、特開昭60−
79015号公報などに記載された方法が挙げられる。
【0050】尚、本発明に用いられるポリオレフィン系
樹脂は、着色された場合には商品的価値を損なうことが
あるので、本発明に用いる原料としては、例えば特開昭
60−79008号公報に例示された方法の生成物を用
いることが好ましい。
【0051】かくして得られるポリオレフィン系樹脂の
中間体を用いて本発明に用いられるポリオレフィン系樹
脂が得られる。
【0052】前記中間体から本発明に用いられるポリオ
レフィン系樹脂を製造する方法については特に限定はな
い。以下にその一例について説明する。
【0053】前記中間体を例えばベンゼン、トルエン、
キシレン、シクロヘキサノン、デカン、クメン、シメン
などの芳香族または脂肪族炭化水素などの不活性溶媒に
溶解し、これに前記中間体のカルボキシル基に対して1
00〜150モル%のジアルキルアミノアルキルアミン
などのジアルキルアミン系モノマーを添加し、130〜
220℃にて反応させてアクリル酸構造単位に含まれる
カルボキシル基をジアルキルアミノアルキルアミド基に
変換して中間体としたのち、例えばアルキルハライド、
ジアルキル硫酸塩などの公知の4級化剤でカチオン変性
することにより、本発明に用いられる線状のランダム共
重合体であるポリオレフィン系樹脂が得られる。
【0054】また、本発明においては、アクリルアミド
構造単位が高温下であっても揮発性を示さず、かつ本発
明に用いられるポリオレフィン系樹脂中に化学的に組み
込まれているので、加工時における揮散がなく、加工後
においてもブロッキングの発生などを招くことがないも
のと考えられる。
【0055】本発明の被覆層には、本発明の目的とする
特性を損なわない範囲で必要に応じて、その他の高分子
樹脂を添加してもよい。その他の高分子樹脂としては、
例えばポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、エ
チレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレ
ン−(メタ)アクリル酸−無水マレイン酸三元共重合
体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレ
イン酸三元共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリ
エステルアミド、ポリビニルアセタール、ポリ(メタ)
アクリル酸エステルなどが挙げられる。
【0056】被覆層には、その表面の電気抵抗を調整す
るために、前記ポリオレフィン系樹脂と併用してその他
の高分子電解質や導電性粉末を添加してもよい。高分子
電解質としては、第4級アンモニウム塩等のカチオン系
ポリマ、ポバールやポリエチレングリコール、アルキル
アミン等の非イオン系ポリマ、カルボン酸やスルホン酸
のようなアニオン系極性基を持つアニオン系ポリマやこ
れらを組み合わせたもの等が挙げられる。導電性粉末と
しては、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化チ
タンやこれらを組み合わせたもの等が挙げられる。
【0057】本発明のコーティング積層体を構成する被
覆層は、平滑度が2〜5000秒、好ましくは10〜3
000秒、さらに20〜2500秒の範囲であることが
望ましい。平滑度が本発明より小さい場合には、インク
浸透速度が高すぎるため記録が淡くなるので好ましくな
い。また本発明より大きい場合は、インク浸透速度が低
すぎるため被覆層表面にインクが残り易く、記録面がこ
すれたとき記録面が残留インクでよごれ易くなるため好
ましくない。
【0058】さらに、本発明のコーティング積層体を構
成する被覆層の厚みは、特に限定されるものではないが
0.5μm〜50μmが好ましく、1.0μm〜20μ
mの範囲にあるものが被覆層の均一形成性、密着性など
の点で望ましい。また、被覆層には必要に応じて、本発
明を損なわない量で公知の添加剤、例えば塗布性改良
剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料を含有せ
しめてもよい。
【0059】本発明のコーティング積層体は、支持体の
少なくとも片面に、前述した組成物からなる被覆層を設
けたものである。被覆層を設ける方法としては、支持体
がプラスチックフィルムの場合、製膜工程内で基体と
なるフィルム支持体をあらかじめ延伸しておき、次いで
所定量に調整した液体を塗布し、しかる後、乾燥する方
法、基材フィルム単膜として巻き取った後、塗布−乾
燥の工程を設ける方法などが好ましく適用できる。
【0060】塗布方法は特に限定されないが、高速で薄
膜コートすることが可能であるという理由からグラビア
コート法、リバースコート法、リバースグラビアコート
法、キスコート法、ダイコート法、メタリングバーコー
ト法など公知の方法を適用できる。なお、塗布速度、塗
膜乾燥条件は特に限定されるものではないが、塗膜乾燥
条件は被覆層や支持体の諸特性に悪影響を及ぼさない範
囲で行なうのが望ましい。
【0061】
【特性の測定法】まず、本発明における各種特性の測定
法について説明する。
【0062】(1)平滑度 旭精工(株)製王研式平滑度試験機(型式KB−15)
で測定した。n=5の平均で示した。
【0063】(2)表面粗さ JIS−B0601−1967に従い、カットオフ0.
25mm,測定長4mmで中心線平均粗さRa(μm)
および最大粗さRt(μm)を求める。
【0064】(3)ボイドの平均球相当径 フィルム製膜工程の機械方向あるいはその垂直方向に切
った断面を走査型電子顕微鏡で1000倍〜5000倍
に拡大した写真を撮り、指定した厚みの範囲の少なくと
も100個以上のボイドをイメージアナライザーにか
け、ボイドの面積に相当する円の直径の分布を求める。
この分布の体積平均径をボイドの平均球相当径とする。
【0065】(4)比重 四塩化炭素−n−ヘプタン系の密度勾配管によって25
℃での値を用いる。
【0066】(5)熱収縮率 フィルムは長手方向又は幅方向に幅10mm長さ300
mmに切り、200mm間隔にマーキングし支持板に一
定張力(5g)下で固定した後、マーキング間隔の原長
a(mm)を測定する。次に、3gのクリップを用いて
荷重をかけ150℃の熱風オーブン中で回転させながら
30分間処理し、原長測定と同様にしてマーキング間隔
b(mm)を測定する。下記の式により熱収縮率を求
め、5本の平均値を用いる。
【0067】熱収縮率(%)=(a−b)/a (6)光学濃度 フィルムを約150μmの厚みになるように重ね、光学
濃度計(TR927、マクベス社製)を用いて透過濃度
を測定する。フィルムの厚みと光学濃度とをプロット
し、150μmの厚みに相当する光学濃度を求める。
【0068】(7)白色度 JIS−L−1015に準じて、島津製作所(株)製U
V−260を用いて波長450nmおよび550nmに
おける反射率をそれぞれB%、G%としたとき、 白色度(%)=4B−3G で表わされる。
【0069】(8)延伸性 24時間連続して製膜したとき、フィルムの破れが皆無
のものを「良好」、2回以上のものを「破れあり」とす
る。
【0070】(9)クッション率 三豊製作所(株)ダイヤルゲージNo.2109−10
に標準測定子900030を用い、さらにダイヤルゲー
ジスタンドNo.7001DGS−Mを用いてダイヤル
ゲージ押え部分に荷重50gと500gとをかけたとき
のそれぞれのフィルム厚さ、d50、d500 から次式によ
り求める。
【0071】クッション率=(d50−d500 )/d50
【0072】(10)被覆層の密着性 被覆層/支持体の密着性は、被覆層上にクロスカット
(100ケ/cm2 )をいれ、該クロスカット面に対し
45°にセロテープ:CT−24(ニチバン(株)製)
を貼り、ハンドローラーを用いて約5kgの荷重で10
回往復して圧着させ、セロテープを180°方向に強制
剥離し、被覆層の剥離度合を観察し評価した。判定基準
は ◎:非常に良好(剥離なし) ○:良好(剥離面積5%未満) △:やや劣る(剥離面積5%以上10%未満) ×:不良(剥離面積10%以上) とした。
【0073】(12)被覆層の耐水性 綿棒に水をつけ、被覆層をかるくこすって評価した。判
定基準は ◎:非常に良好(全く溶解しない) ○:良好(10以上15回未満こすると溶解する) △:やや劣る(5以上〜10回未満こすると溶解する) ×:不良(5回未満で溶解する) とした。
【0074】(13)被覆層厚み マイクロメーターあるいはダイヤルゲージなどで測定し
求めた。
【0075】(14)記録性 インクジェット 日本電気(株)製パーソナルコンピューター“98no
te”にキャノン(株)製バブルジェットプリンター
“BJ−10V”を連結させ、文字パターンを印刷し、
印字品質、インク吸収性を評価し、記録性を以下のよう
に判定した。なお、印字品質は拡大鏡で肉眼観察にて評
価し、インク吸収性は印刷直後、文字パターンを指で1
回こすってインクによる受容層の汚れ度合より評価し
た。
【0076】◎:印字品質、インク吸収性が非常に良好 ○:印字品質、インク吸収性が良好 △:印字品質、インク吸収性がやや劣る ×:印字品質、インク吸収性が不良
【0077】オフセット印刷 印刷適性試験機RI−2型((株)明製作所製)を用い
てオフセット印刷用インクであるTKマークファイブ紅
(東洋インク(株)製)の印刷を行い、以下の評価基準
で判定した。なお、インク盛り量は0.3ccとし、吸
収性の評価は印刷面にOKコート紙(王子製紙(株)
製)のコート面を重ね合わせた上から線厚353g/c
mの金属ロールを走行させOKコート紙にインクが転写
しなくなるまでの時間を目視判定した。判断基準は ◎:良好(15分以下で転写しなくなる) ○:良好(15以上30分未満で転写しなくなる) △:やや劣る(30以上60分未満で転写しなくなる) ×:不良(60分以上たっても転写する) とした。
【0078】
【実施例】次に、本発明を実施例により、より具体的に
説明する。尚、実施例中の配合部数はすべて重量部数で
ある。
【0079】実施例1 ポリエチレンテレフタレートのチップ、および、分子量
4000のポリエチレングリコールをポリエチレンテレ
フタレートの重合時に添加したマスターチップを180
℃で真空乾燥したのちに、ポリエチレンテレフタレート
89重量%、ポリエチレングリコール1重量%、ポリメ
チルペンテン10重量%となるように混合し、270〜
300℃に加熱された押出機Bに供給する。また、平均
粒子径1.0μmの炭酸カルシウムを10重量%含有し
たポリエチレンテレフタレートを上記のように乾燥した
後に、押出機Aに供給する。押出機A、Bより押出され
たポリマーをA/B/Aの3層構成となるように積層
し、Tダイよりシート状に成形した。さらにこのフィル
ムを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸
フィルムを85〜95℃に加熱したロール群に導き、長
手方向に3.4倍延伸し、25℃のロール群で冷却し
た。続いで、縦延伸したフィルムの両端をクリップで把
持しながらテンターに導き130℃に加熱された雰囲気
中で長手に垂直な方向に3.6倍横延伸した。その後テ
ンター内で230℃の熱固化を行い、均一徐冷後、室温
まで冷やして巻き取り、厚み100μmのフィルムを得
た。積層構成は、5/90/5μmであった。上記方法
によって得られたポリエステルフィルムの上に下記組成
の塗剤をグラビアコーターで塗工した。なおフィルムの
特性を表1に示す。
【0080】[塗剤組成]グラフト共重合アクリル樹脂
(綜研化学製(株)L−40)70部(固形分比)と 式:−[−CH2 −CH2 −]− で表わされるエチレン構造単位85モル%、式:
【化11】 で表わされるアクリレート構造単位5モル%および式:
【化12】 で表わされるアクリルアミド構造単位10モル%からな
る線状に不規則に配列した重量平均分子量31300の
ポリオレフィン系樹脂:30部(固形分比)と無機粒子
として平均粒子径3.5μm、比表面積350m2 /g
の非晶質シリカ(水澤化学(株)製“ミズカシル”P−
78A)50部(固形分比)を、トルエン/メチルアル
コール混合溶媒(重量比=1/1)で希釈して20重量
%の塗剤とした。
【0081】このコーティング積層体は、表2から明ら
かなように塗膜強度、記録性、耐水性ともに優れた特性
を示した。
【0082】実施例2、実施例3 実施例1の塗剤において、無機粒子の添加量を変更した
他は同一手法によってコーティング積層体を得た。この
コーティング積層体は、表2から明らかなように塗膜強
度、記録性、耐水性の優れたものになっている。
【0083】実施例4 実施例1の塗剤において、無機粒子の種類を変更(平均
粒子径1.5μm、比表面積240m2 /g、徳山曹達
(株)製“ファインシール”k−40)した他は同様に
してコーティング積層体を得た。このコーティング積層
体は、表2から明らかなように塗膜強度、記録性、耐水
性の優れたものになっている。
【0084】実施例5、実施例6 実施例1の塗剤において、無機粒子を有機粒子に変更し
た。粒子としてスチレン−アクリル樹脂粉末(三井東圧
化学(株)製“ミューティクル”110C)、スチレン
樹脂粉末(三井東圧化学(株)製“ミューティクル”2
40D)を使用した他は同様にしてコーティング積層体
を得た。このコーティング積層体は、表2から明らかな
ように塗膜強度、記録性、耐水性の優れたものになって
いる。
【0085】実施例7 実施例1において、ポリオレフィン系樹脂としてアクリ
ルアミド構造単位が式:
【化13】 で表わされるものを用いた以外は同様にしてコーティン
グ積層体を得た。このコーティング積層体は、表2から
明らかなように塗膜強度、記録性、耐水性の優れたもの
になっている。
【0086】実施例8 常法によって製造されたポリエチレンテレフタレートの
ホモポリマチップ(固有粘度:0.62、融点:259
℃)を用いて、常法によって75μmの二軸延伸ポリエ
ステルフィルムを得た。このようにして得られたポリエ
ステルフィルムの上に、実施例1と同様にしてコーティ
ング積層体を得た。このコーティング積層体は、表2か
ら明らかなように塗膜強度、記録性、耐水性の優れたも
のになっている。
【0087】
【表1】
【表2】
【0088】
【発明の効果】本発明のコーティング積層体は耐水性、
基材との密着性、印字品質、インク吸収性が非常に優れ
ているものである。以上のようにして製造されたコーテ
ィング積層体は、インクジェット印刷、オフセット印
刷、フレキソ印刷などの用途において好ましく用いるこ
とができる。さらに、本発明のコーティング積層体は優
れたインク吸収性、基材との密着性を利用して、昇華型
を含む感熱インク受容体、電子写真トナー受容体、ファ
ブリックインク受容体など他のインクやトナー受容体と
しても適用することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の上に、無機および/または有機
    粒子と高分子結着剤とを含む被覆層を設けてなるコーテ
    ィング積層体において、該高分子結着剤の幹鎖が疎水性
    モノマーからなり、枝鎖が親水性モノマーからなるグラ
    フト共重合アクリル樹脂と式(1) −[−CH2 −CH2 −]− (1) で表わされるエチレン構造単位65〜99モル%、式
    (2) 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表
    わされるアクリレート構造単位0〜15モル%および式
    (3) 【化2】 (式中、R2 は炭素数2〜8のアルキレン基、R3 およ
    びR4 はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R5 は炭
    素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアリール
    アルキル基または炭素数1〜12の脂環アルキル基、X
    はハロゲン原子、CH3 OSO3 またはC2 5 OSO
    3 を示す)で表わされるアクリルアミド構造単位1〜3
    5モル%からなる線状に不規則に配列した重量平均分子
    量1000〜50000のポリオレフィン系樹脂を主成
    分とすることを特徴とするコーティング積層体。
JP5144690A 1993-06-16 1993-06-16 コーティング積層体 Pending JPH073058A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020235157A1 (ja) * 2019-05-20 2020-11-26 株式会社Tbm 印刷用シート及び印刷用シートの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020235157A1 (ja) * 2019-05-20 2020-11-26 株式会社Tbm 印刷用シート及び印刷用シートの製造方法

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