JPH071823A - 電飾用シート - Google Patents

電飾用シート

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JPH071823A
JPH071823A JP14381993A JP14381993A JPH071823A JP H071823 A JPH071823 A JP H071823A JP 14381993 A JP14381993 A JP 14381993A JP 14381993 A JP14381993 A JP 14381993A JP H071823 A JPH071823 A JP H071823A
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JP
Japan
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formula
structural unit
group
alkyl group
carbon atoms
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Pending
Application number
JP14381993A
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English (en)
Inventor
Katsuji Nakahara
勝次 中原
Tetsuo Uchida
哲夫 内田
Kazuo Matsuura
和夫 松浦
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Publication of JPH071823A publication Critical patent/JPH071823A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】プラスチックフイルムの少なくとも片面に、特
殊な高分子材料と吸油量が200〜400ml/100
gの多孔質粒子と、隠蔽性白色顔料とを含むオフセット
インク受容層を設け、0.20〜0.50の光学濃度を
有する電飾用シート。 【効果】耐熱性、耐水性、インクセット性、インク乾燥
性に優れ、一般の酸化重合型のインクを使用する油性オ
フセット印刷が可能な電飾用シートを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般のオフセット印刷
が可能な電飾用シートに関するものである。さらに詳し
くは耐熱性、耐水性、インクセット性、インク乾燥性の
優れた電飾用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、裏面側に光源を設け、夜間になる
と光源を発光させ透過光により表面側の表示をする電飾
看板が表示用シートとして普及しはじめている。
【0003】従来、電飾看板用の基材としては、適度の
光線透過性とヘイズが必要なことから、主としてアクリ
ル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネートのよう
な透明性の高い樹脂に顔料や無機充填剤を添加したもの
が知られている。
【0004】また、電飾用シートとしては、例えば特開
平1−186371号公報のような、透明なプラスチッ
クフィルムの片面に樹脂成分を主体とする透明な画像定
着層を設け、もう一方の片面には乳白層を設けるか、乳
白なプラスチックフィルムの少なくとも片面に、樹脂成
分を主体とする透明な画像定着層を設けたものが知られ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記アクリル
樹脂や塩化ビニル系樹脂を使用した場合は耐衝撃性や耐
熱性に問題があり、耐衝撃性の高いポリカーボネートは
高価なものである。
【0006】また、特開平1−186371号公報のよ
うな電飾用シートは、シート表面に印刷をする工程にお
いて、一般の酸化重合型の油性オフセットインクを使用
した場合、十分なインクセット性、インク乾燥性が得ら
れないものであった。
【0007】従って本発明は、耐水性、耐熱性が優れ、
かつ一般の酸化重合型のインクを使用するオフセット印
刷が可能であり、インクセット性、インク乾燥性の優れ
た電飾用シートを提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のような目
的を達成するために、プラスチックフィルムの少なくと
も片面に、式(1) −[−CH2 −CH2 −]− (1) で表わされるエチレン構造単位65〜99モル%、式
(2)
【化3】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表
わされるアクリレート構造単位0〜15モル%および式
(3)
【化4】 (式中、R2 は炭素数2〜8のアルキレン基、R3 およ
びR4 はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R5 は炭
素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアリール
アルキル基または炭素数1〜12の脂環アルキル基、X
はハロゲン原子、CH3 OSO3 またはC2 5 OSO
3 を示す)で表わされるアクリルアミド構造単位1〜3
5モル%からなる線状に不規則に配列した重量平均分子
量1000〜50000のポリオレフィン系樹脂と、吸
油量が200〜400ml/100gの多孔質粒子と、
隠蔽性白色顔料とを含むオフセットインク受容層を設
け、0.20〜0.50の光学濃度を有するものからな
る。
【0009】本発明におけるプラスチックフィルムの材
質としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミ
ド、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、
ポリアミドイミド、ポリスチレン、ポリ−P−フェニレ
ンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ(メタ)アクリル酸エステルなどが好ましい。
さらにこれらの共重合体やブレンド物やさらに架橋した
ものを用いることもできる。これらのプラスチックフィ
ルムの中でも、特にポリエステルフィルムが好ましい。
【0010】本発明でいうポリエステルフィルムとは、
ジオールとジカルボン酸とから縮重合によって得られる
ポリマーであり、ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、アジピン酸、セバシン酸などで代表されるものであ
り、またジオールとしてはエチレングリコール、トリメ
チレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロ
ヘキサンジメタノールで代表されるものである。具体的
には例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン−P−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘ
キシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどを挙げるこ
とができる。本発明の場合、特にポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレートが好ましい。ポリエ
チレンテレフタレートフィルムは耐水性、耐久性、耐薬
品性に優れているものである。
【0011】もちろん、これらのポリエステルはホモポ
リエステルであっても、コポリエステルであっても構わ
ない。共重合成分としては、ジエチレングリコール、ポ
リアルキレングリコールなどのジオール成分およびアジ
ピン酸、セバシン酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの
ジカルボン酸成分を挙げることができる。
【0012】また、このポリエステル中には必要に応じ
て、本発明の特性を損なわない範囲で公知の各種添加
剤、例えば無機充填剤、酸化防止剤、帯電防止剤が添加
されてもよい。
【0013】本発明のポリオレフィン系樹脂とは、式
(1) −[−CH2 −CH2 −]− (1)式 で表わされるエチレン構造単位65〜99モル%、式
(2)
【化5】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表
わされるアクリレート構造単位0〜15モル%および式
(3)
【化6】 (式中、R2 は炭素数2〜8のアルキレン基、R3 およ
びR4 はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R5 は炭
素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアリール
アルキル基または炭素数1〜12の脂環アルキル基、X
はハロゲン原子、CH3 OSO3 またはC2 5 OSO
3 を示す)で表わされるアクリルアミド構造単位1〜3
5モル%からなる線状に不規則に配列した重量平均分子
量1000〜50000のポリオレフィン系樹脂であ
る。
【0014】前記ポリオレフィン系樹脂中の式(1) −[−CH2 −CH2 −]− (1) で表わされるエチレン構造単位の割合は65〜99モル
%である。該エチレン構造単位の割合が65モル%未満
である場合には、前記ポリオレフィン系樹脂の軟化点が
低くなって、タックやベトツキが生じ、また99モル%
を超える場合には、帯電防止性が低下する。尚、本発明
においては、前記エチレン構造単位の割合は85〜97
モル%であることが特に好ましい。
【0015】前記ポリオレフィン系樹脂中の式(2)
【化7】 (式中、R1 は前記と同じ)で表わされるアクリレート
構造単位の割合は0〜15モル%である。該アクリレー
ト構造単位の割合が15モル%を超える場合は、前記ポ
リオレフィン系樹脂の軟化点が低くなってタックやベト
ツキが生じるようになる。本発明において、前記アクリ
レート構造単位が含まれている場合には、強靭性および
耐衝撃性が付与されるので好ましい。尚、本発明におい
ては、前記アクリレート構造単位の割合は1〜15モル
%、さらには3〜7モル%であることが特に好ましい。
【0016】前記アクリレート構造単位において、R1
は炭素数1〜4のアルキル基である。かかるR1 の具体
例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n
−ブチル基、i−ブチル基が挙げられ、これらの基は1
分子中に混在してもよい。尚、これらの基の中では、メ
チル基およびエチル基は前記ポリオレフィン系樹脂の軟
化点を維持するうえで好ましいものである。
【0017】前記ポリオレフィン系樹脂の式(3)
【化8】 (式中、R2 、R3 、R4 およびR5 は前記と同じ)で
表わされるアクリルアミド構造単位の割合は1〜35モ
ル%である。該アクリルアミド構造単位の割合が1モル
%未満である場合には、帯電防止性が低下する。また3
5モル%を超える場合には、前記ポリオレフィン系樹脂
に吸湿性が生じるようになる。尚、本発明においては、
前記アクリルアミド構造単位の割合は3〜15モル%で
あることが特に好ましい。
【0018】前記アクリルアミド構造単位において、R
2 は炭素数2〜8のアルキレン基である。かかるR2
具体例としては、例えばエチレン基、プロピレン基、ヘ
キサメチレン基、ネオペンチレン基などが挙げられ、こ
れらの基は1分子中に混在していてもよい。尚、これら
の基の中では、製造の容易性および経済性の面からエチ
レン基およびプロピレン基が好ましく、特にプロピレン
基が好ましい。
【0019】前記R3 およびR4 はそれぞれ炭素数1〜
4のアルキル基である。かかるR3およびR4 の具体例
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
が挙げられ、これらの基は1分子中に混在していてもよ
い。尚、これらの基の中では、帯電防止性の点からメチ
ル基およびエチル基が好ましい。
【0020】前記R5 は炭素数1〜12のアルキル基、
炭素数1〜12のアリールアルキル基または炭素数1〜
12の脂環アルキル基である。かかるR5 の具体例とし
ては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i
−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−
オクチル基、n−ラウリル基などのアルキル基、ベンジ
ル基、4−メチルベンジル基などのアリールアルキル
基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基などの
脂環アルキル基が挙げられ、これらの基は1分子中に混
在していてもよい。尚、前記R5 としては、耐熱性の点
から、直鎖状アルキル基およびアリールアルキル基が好
ましく、また帯電防止性の点から低級アルキル基が好ま
しい。特に好ましいR5 としては、メチル基およびエチ
ル基が挙げられる。
【0021】前記Xは、例えばCl、Br、Iなどのハ
ロゲン原子、CH3 OSO3 またはC2 5 OSO3
あり、これらは1分子中に混在していてもよい。尚、こ
れらの中では、帯電防止性の点からCl、CH3 OSO
3 およびC2 5 OSO3 が好ましい。
【0022】前記ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子
量は、1000〜50000である。該重量平均分子量
が1000未満である場合には、分子量が小さくなりす
ぎて加熱した時に揮散し、また50000を超える場合
には、粘度が大きくなりすぎ作業性が悪くなる。好まし
い重量平均分子量は3000〜30000である。
【0023】尚、本発明における重量平均分子量とは、
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定
した単分散のポリスチレン換算の重量平均分子量をい
う。
【0024】本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂
は、テトラヒドロフラン(THF)やキシレンなどの通
常ゲルパーミエーション溶離液に難溶であるので、その
重量平均分子量を容易に測定することができないが、超
高温GPC(絹川、高分子論文集、44巻、2号、13
9〜141頁(1987年))にしたがって測定するこ
とができる。
【0025】前記ポリオレフィン系樹脂の中間体である
式(1) −[−CH2 −CH2 −]− (1) で表わされるエチレン構造単位、式(2)
【化9】 (式中、R1 は前記と同じ)で表わされるアクリレート
構造単位および式(4)
【化10】 (式中、R2 、R3 、およびR4 は前記と同じ)で表わ
されるアクリルアミド構造単位からなる線状に不規則に
配列した重量平均分子量1000〜50000のオレフ
ィン系共重合体は、例えば以下の方法によって得られ
る。
【0026】まず、前記オレフィン系共重合体の原料と
しては、特に限定はないが、より有利にはエチレン(C
2 4 )とCH2 CHCOOR1 (式中、R1 は前記と
同じ)で表わされるアクリレートとからなる共重合体の
(部分)加水分解物が用いられる。かかる共重合体は、
エチレンと前記アクリレートを高圧重合法で共重合させ
ることによって容易に得られる。
【0027】前記エチレンに由来するエチレン構造単位
と前記アクリレートに由来するアクリレート構造単位と
の比率は、得られるオレフィン系共重合体のエチレン構
造単位、アクリレート構造単位およびアクリルアミド構
造単位の比率を決定することになる。
【0028】前記共重合体は、通常メルトインデックス
5〜300程度の高分子量を有するものであるので、例
えば水の存在下で高温高圧下で加水分解と同時に熱分解
を行なう減成方法により低分子量化されることが好まし
い。このとき、アクリレートに起因する式(2)
【化11】 (式中、R1 は前記と同じ)で表わされるアクリレート
構造単位の全部または一部が加水分解により式(5)
【化12】 で表わされるアクリル酸構造単位となる。
【0029】前記共重合体を熱分解することにより低分
子量化し、重量平均分子量が1000〜50000の共
重合体を調整するためには、水の存在下で前記共重合体
を反応温度150〜500℃、圧力3〜500kg/c
2 で加熱により分子を切断すればよい。
【0030】また、本発明において、前記アクリル酸構
造単位の割合は、水の仕込み量、反応温度、圧力および
反応時間を調整することによって適宜調節しうる。
【0031】前記減成方法の具体例としては、例えば特
開昭53−57295号公報、特開昭53−65389
号公報、特開昭60−79008号公報、特開昭60−
79015号公報などに記載された方法が挙げられる。
【0032】尚、本発明に用いられるポリオレフィン系
樹脂は、着色された場合には商品的価値を損なうことが
あるので、本発明に用いる原料としては、例えば特開昭
60−79008号公報に例示された方法の生成物を用
いることが好ましい。
【0033】かくして得られるポリオレフィン系樹脂の
中間体を用いて本発明に用いられるポリオレフィン系樹
脂が得られる。
【0034】前記中間体から本発明に用いられるポリオ
レフィン系樹脂を製造する方法については特に限定はな
い。以下にその一例について説明する。
【0035】前記中間体を例えばベンゼン、トルエン、
キシレン、シクロヘキサノン、デカン、クメン、シメン
などの芳香族または脂肪族炭化水素などの不活性溶媒に
溶解し、これに前記中間体のカルボキシル基に対して1
00〜150モル%のジアルキルアミノアルキルアミン
などのジアルキルアミン系モノマーを添加し、130〜
220℃にて反応させてアクリル酸構造単位に含まれる
カルボキシル基をジアルキルアミノアルキルアミド基に
変換して中間体としたのち、例えばアルキルハライド、
ジアルキル硫酸塩などの公知の4級化剤でカチオン変性
することにより、本発明に用いられる線状のランダム共
重合体であるポリオレフィン系樹脂が得られる。
【0036】また、本発明においては、アクリルアミド
構造単位が高温下であっても揮発性を示さず、かつ本発
明に用いられるポリオレフィン系樹脂中に化学的に組み
込まれているので、加工時における揮散がなく、加工後
においてもブロッキングの発生などを招くことがないも
のと考えられる。
【0037】本発明の被覆層には本発明の目的とする特
性を損なわない範囲で必要に応じて、その他の高分子結
着剤を添加してもよい。その他の高分子結着剤とは、例
えばポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、エチレ
ン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−
(メタ)アクリル酸−無水マレイン酸三元共重合体、エ
チレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸
三元共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステ
ルアミド、ポリビニルアセタール、ポリ(メタ)アクリ
ル酸エステルなどが挙げられる。
【0038】本発明における多孔質粒子とは、粒子表面
に細孔を有する多孔質状のもので、中空多孔質あるいは
非中空多孔質形態として内部に液体、固体や気体を自由
に封入、放出できるものがインク吸収性の点から好まし
い。
【0039】多孔質粒子を構成するものとしては、非晶
質シリカ、無水シリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マ
グネシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸カルシウム、ハイドロ
タルサイト、ゼオライト、サチンホワイト、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシ
ウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ藻土、カオ
リン、タルク、酸性白土、活性白土、ベントナイト、イ
オン交換樹脂粉末、尿素樹脂粉末、ポリエチレン樹脂粉
末、尿素ホルマリン樹脂粉末、アクリル樹脂粉末、スチ
レン−アクリル樹脂粉末などが挙げられる。
【0040】また、これらの多孔質粒子の吸油量は、2
00〜400ml/100gであることが必要である。
吸油量が200ml/100g未満であると、得られる
電飾用シートの油性オフセットインクの吸収性が劣り、
十分なインクセット性、インク乾燥性が得られず、40
0ml/100gを越えると得られる印刷物が淡くな
り、いわゆる沈んだ印刷物になりやすい。
【0041】本発明に用いる多孔質粒子の平均粒子径は
0.1μm〜25μm好ましくは0.5μm〜10μm
のものが取扱い性、塗工性、印刷適性などの点から好ま
しい。
【0042】また、多孔質粒子の受容層内での含有量は
前記ポリオレフィン系樹脂/高分子結着剤100重量部
に対して好ましくは20〜100重量部、さらに好まし
くは30〜70重量部である。含有量が20重量部未満
ではインクセット性、インク乾燥性が不十分となり、1
00重量部を越えると、受容層とフィルム支持体との密
着性が低下しやすい。
【0043】本発明における受容層には、適度な全光線
透過率と、所望の光学濃度を得るために隠ぺい性白色顔
料が添加される。本発明における隠ぺい性白色顔料と
は、受容層を白色に呈する無機あるいは有機顔料であっ
て、無機顔料としては、例えば炭酸亜鉛、酸化亜鉛、硫
化亜鉛、タルク、カオリン、重質・軽質あるいは合成の
炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、フッ化リチウ
ム、フッ化カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、ジル
コニア、リン酸カルシウム、天然あるいは合成の膨潤性
あるいは非膨潤性のマイカなどが挙げられる。また、有
機顔料としては、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリ(メタ)アクリレート共重合体などが挙げら
れ、これらの中から選ばれた少なくとも1種以上が適用
される。さらに前記顔料は樹脂に対する分散性を良化す
るため表面処理、例えばグリシジル基、メチロール基な
どの官能基を付加させるなどの処理が施されてもよい。
【0044】また、隠ぺい性白色顔料の添加量は前記ポ
リオレフィン系樹脂/高分子結着剤100重量部に対し
て5〜100重量部が好ましく、さらに好ましくは10
〜60重量部である。添加量が5重量%未満であると所
望の全光線透過率と光学濃度が得られないため、得られ
る電飾シートの隠ぺい性が劣り、電飾看板として用いた
場合裏側の光源が透けて見えるため好ましくない。ま
た、添加量が100重量部を越えると、フィルム支持体
との密着性が劣りやすいため好ましくない。
【0045】本発明の電飾用シートの全光線透過率は3
0〜70%であることが好ましい。全光線透過率が30
%未満であると、電飾看板として使用する場合、光源か
らの光が電飾用シートを透過しずらくなり、表示が暗く
なるばかりか、看板内部の温度が上昇するため火災など
の災害を起こす可能性があるため好ましくない。また、
全光線透過率が70%を越えると、光源部分が透けて見
えやすいため好ましくない。
【0046】また本発明の電飾用シートの光学濃度は
0.20〜0.50であることが必要である。光学濃度
が0.20未満であると、電飾看板として使用する場
合、光源部が透けて見えやすくなり、また0.50を越
えると、光源からの光が透過しずらくなりシート表面の
表示が暗くなるためである。
【0047】本発明の電飾用シートを構成する受容層の
平滑度は、好ましくは2〜5000秒、さらに好ましく
は10〜3000秒である。平滑度が本発明範囲より小
さい場合には、インク浸透速度が高すぎるため印刷物が
淡くなるので好ましくない。また、本発明範囲より大き
い場合には、インク浸透速度が低すぎるため受容層表面
にインクが残りやすく、印刷面がこすれたとき印刷面が
残留インクでよごれやすくなるため好ましくない。
【0048】さらに、本発明の電飾用シートを構成する
受容層の厚みは、限定されるものではないが0.5μm
〜50μmが好ましく、1.0μm〜20μmの範囲に
あるものが受容層の均一形成性、密着性などの点で望ま
しい。また、受容層には必要に応じて本発明の特性を損
なわない範囲で、公知の添加剤、例えば塗布性改良剤、
増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料を含有せしめ
てもよい。
【0049】本発明において受容層を設ける方法として
は、製膜工程内で基材となるフィルム支持体をあらか
じめ延伸しておき、次いで所定量に調整した液体を塗布
し、しかる後乾燥する方法、基材フィルム単膜として
巻き取った後、塗布−乾燥の工程を設ける方法、などが
好ましく適用される。
【0050】塗布方法は特に限定されないが、高速で薄
膜コートすることが可能であるという理由からグラビア
コート法、リバースコート法、リバースグラビアコート
法、キッスコート法、ダイコート法、メタリングバーコ
ート法など公知の方法を適用できる。なお、塗布速度、
塗膜乾燥条件は特に限定されるものではないが、塗膜乾
燥条件は、被覆層や支持体の諸特性に悪影響を及ぼさな
い範囲で行うことが望ましい。
【0051】
【特性の測定法】まず、本発明における各種特性の測定
法について説明する。
【0052】(1)平滑度 旭精工(株)製王研式平滑度試験機(型式KB−15)
で測定した。n=5の平均で示した。
【0053】(2)受容層の密着性 受容層/支持体の密着性は、受容層上にクロスカット
(100ケ/cm2 )をいれ、該クロスカット面に対し
45°にセロテープ:CT−24(ニチバン(株)製)
を貼り、ハンドローラーを用いて約5kgの荷重で10
回往復して圧着させ、セロテープを180°方向に強制
剥離し、受容層の剥離度合を観察し評価した。判定基準
は、 ◎:非常に良好(剥離なし) ○:良好(剥離面積5%未満) △:やや劣る(剥離面積5%以上10%未満) ×:不良(剥離面積10%以上) とした。
【0054】(3)受容層耐水性 綿棒に水をつけ、受容層をかるくこすって評価した。判
定基準は ◎:非常に良好(全く剥がれない) ○:良好(10以上15回未満こすると剥がれる) △:やや劣る(5以上10回未満こすると剥がれる) ×:不良(5回未満で剥がれる) とした。
【0055】(4)耐熱性 TABAI(株)製熱風オーブン(型式PHH−20
0)を140℃に設定し、測定サンプルを1時間熱風オ
ーブンの中に入れ、変化のないものを「良好」、溶解、
変形、受容層の変化などの変化があるものを「不良」と
した。
【0056】(5)受容層厚み マイクロメーターあるいはダイヤルゲージなどで測定し
求めた。
【0057】(6)インクセット性 印刷適性試験機RI−2型((株)明製作所製)に、直
径6.5cm、幅4.7cmの4分割ロールをセット
し、それぞれのロールに油性オフセット印刷用インク
“TKマークファイブニュー”紅(東洋インキ(株)
製)をインキピペッターにより0.3cc盛りつけ、ベ
タ塗り印刷を行った。続いで、印刷面にOKコート紙
(王子製紙(株)製)のコート面を重ね合わせた上か
ら、線圧353g/cmの金属ロールを走行させOKコ
ート紙に転写しなくなるまでの時間を測定し下記判定基
準により判定した。
【0058】◎:30分未満 ○:30以上45分未満 △:45以上60分未満 ×:60分以上
【0059】(7)インク乾燥性 インクセット時間の測定と同様にして印刷をし、印刷面
にOKコート紙のコート面を重ね合わせ、そのままの状
態で24時間静置し、印刷面をツメでかるくこすって評
価した。判定基準は、 ○:剥がれない △:何回もこすると剥がれる ×:簡単に剥がれる とした。
【0060】(8)全光線透過率 日本精密光学(株)製SPHERE METHOD M
ETER(TYPESEP−H−S)を用いて、550
nmにおける全光線透過率Tt(%)を求めた。
【0061】(9)光学濃度 マクベス社製、マクベス濃度計TR−927をもちいて
測定した。
【0062】(10)多孔質粒子の吸油量 JIS−K−5101に準じて測定し、粒子100gに
相当する吸油量(ml)を求めた。
【0063】(11)塗膜外観 目視により判定した。判定基準は ◎:はじきがなく非常に良好 ○:はじきがほとんどなく良好 △:はじきが少しありやや劣る ×:はじきが多く不良 とした。
【0064】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0065】実施例1 常法によって製造されたポリエチレンテレフタレートの
ホモポリマチップ(固有粘度:0.62、融点:259
℃)を用いて、常法によって75μmの2軸延伸ポリエ
ステルフイルムを得た。こうして得られた2軸延伸ポリ
エステルフイルムの上に下記組成の塗剤をグラビアコー
タで塗工した。
【0066】エチレン−アクリル酸共重合体(アクリル
酸濃度20重量%):70部 式:−[−CH2 −CH2 −]− で表わされるエチレン構造単位85モル%、式:
【化13】 で表わされるアクリレート構造単位5モル%および式:
【化14】 で表わされるアクリルアミド構造単位10モル%からな
る線状に不規則に配列した重量平均分子量31300の
ポリオレフィン系樹脂:30部 多孔質粒子(ファインシール:徳山曹達(株)平均粒径
3.5μm、吸油量260ml/100g):40部 酸化チタン:40部 水/メタノール=4/1で20%に調整 かくして得られた電飾用シートは、表1に示すように所
望の全光線透過率と光学濃度を有し、受容層密着性、耐
熱性、耐水性、インクセット性、インク乾燥性、塗膜外
観に優れているものであった。
【0067】実施例2 実施例1において、多孔質粒子の種類を変更(ニップシ
ールE:日本シリカ工業(株)製、平均粒径2.0μ
m、吸油量255ml/100g)したほかは同様にし
て電飾用シートを得た。かくして得られた電飾用シート
は表1に示す通り所望の全光線透過率と光学濃度を有
し、受容層密着性、耐熱性、耐水性、インクセット性、
インク乾燥性、塗膜外観に優れているものであった。
【0068】比較例1 実施例1において、酸化チタンを除いたほかは同様にし
て電飾用シートを得た。かくして得られた電飾用シート
は表1に示す通り所望の全光線透過率と光学濃度を有さ
ないものであり、シートの隠蔽性が劣るという欠点を有
するものであった。
【0069】比較例2 実施例1において、多孔質粒子を除いたほかは同様にし
て電飾用シートを得た。かくして得られた電飾用シート
は表1に示す通り、インクセット性、インク吸収性の劣
るものであった。
【0070】実施例3 実施例1において、ポリオレフィン系樹脂としてアクリ
ルアミド構造単位が式:
【化15】 で表わされるものを用いた以外は同様にして印刷用受容
シートを得た。かくして得られた電飾用シートは表1に
示す通り所望の全光線透過率と光学濃度を有し、受容層
密着性、耐熱性、耐水性、インクセット性、インク乾燥
性、塗膜外観に優れているものであった。
【0071】
【表1】
【0072】
【発明の効果】本発明の電飾用シートは、光学濃度が
0.20〜0.50の適切な範囲内にある電飾用シート
で、かつ耐熱性、耐水性、インクセット性、インク乾燥
性に優れているから、一般の酸化重合型のインクを使用
する油性オフセット印刷を施すことが可能であり、主に
電飾看板などの用途において好ましく用いることができ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムの少なくとも片面
    に、式(1) −[−CH2 −CH2 −]− (1) で表わされるエチレン構造単位65〜99モル%、式
    (2) 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表
    わされるアクリレート構造単位0〜15モル%および式
    (3) 【化2】 (式中、R2 は炭素数2〜8のアルキレン基、R3 およ
    びR4 はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R5 は炭
    素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアリール
    アルキル基または炭素数1〜12の脂環アルキル基、X
    はハロゲン原子、CH3 OSO3 またはC2 5 OSO
    3 を示す)で表わされるアクリルアミド構造単位1〜3
    5モル%からなる線状に不規則に配列した重量平均分子
    量1000〜50000のポリオレフィン系樹脂と、吸
    油量が200〜400ml/100gの多孔質粒子と、
    隠蔽性白色顔料とを含むオフセットインク受容層を設
    け、0.20〜0.50の光学濃度を有することを特徴
    とする電飾用シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7082638B2 (en) 2000-12-12 2006-08-01 Kyung-Yong Koh Electro-motion toothbrush
JP2010210127A (ja) * 2009-03-09 2010-09-24 Kobe Steel Ltd アルミニウム製フィン材

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7082638B2 (en) 2000-12-12 2006-08-01 Kyung-Yong Koh Electro-motion toothbrush
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