JPH07305064A - 液晶組成物、液晶セル及び液晶表示装置 - Google Patents

液晶組成物、液晶セル及び液晶表示装置

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JPH07305064A
JPH07305064A JP9971094A JP9971094A JPH07305064A JP H07305064 A JPH07305064 A JP H07305064A JP 9971094 A JP9971094 A JP 9971094A JP 9971094 A JP9971094 A JP 9971094A JP H07305064 A JPH07305064 A JP H07305064A
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liquid crystal
polyamic acid
acid powder
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polyamide
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JP9971094A
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English (en)
Inventor
Akitsugu Tashiro
了嗣 田代
Yoshihiro Miya
好宏 宮
Hiroshi Nishizawa
広 西沢
Osamu Hirai
修 平井
Osamu Watanabe
治 渡辺
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶セルの電圧保持率、長期表示安定性等を
向上できる液晶組成物を提供する。 【構成】 液晶及びポリアミド酸粉末を含む液晶組成
物、これを用いた液晶セル及び液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶組成物、液晶セル
及び液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示素子ではポリイミド配向
膜に液晶由来のイオン性不純物が吸着し、表示特性を劣
化させてしまうという問題が生じている。そのため液晶
精製材等を使い液晶からイオン性不純物を除去する方法
が検討されている。アルミナ、シリカ等の無機系化合物
の粉末、イオン交換樹脂などを液晶精製材として用いて
液晶中のイオン性不純物の除去を行うことが提案されて
いるが(特開平1−87685号公報)、吸着能が非常
に強いため、イオン性不純物ばかりでなく、極性基を持
つ液晶、カイラル剤等も吸着してしまい、かえって表示
特性を劣化させてしまう。液晶表示装置(液晶ディスプ
レイ)の表示特性向上のためには、液晶の比抵抗の向
上、液晶セルの電圧保持率の向上等が重要であり、これ
らを達成するために、液晶の精製を、アルミナ、シリカ
等の無機系化合物の粉末で処理することにより行って
も、比抵抗で5倍の向上、電圧保持率で3%の向上が限
界であった。
【0003】また、ポリイミド配向膜の材料と同じ材料
を、液晶を注入するための液晶溜等の治具や配管に形成
し、ポリイミド配向膜に吸着する不純物を選択的に除去
することが提案されているが(特開平4−258925
号公報)、液晶と接触する面積が狭いため不純物の除去
が十分行われず、初期表示特性は満足するが長期に渡っ
ての表示安定性及び高温環境下(40℃〜80℃)での
長期表示安定性は得られていない。また、ポリイミド膜
を破砕あるいは粉末化し、精製材としての利用も行える
が、依然として比表面積が小さいため充分な不純物除去
効果を出すためには多量に添加しなければならず、高価
な液晶のロス分が大きくなってしまうという問題が生じ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来の技術の問題点を解決し、液晶の比抵抗の向上率及び
液晶セルの電圧保持率の向上率を飛躍的に増大させるこ
とのできる、液晶組成物、液晶セル及び液晶表示装置を
提供することを目的とするものである。また、本発明
は、不純物が選択的に除去され、液晶のロス分が少な
く、長期表示安定性及び高温下(40℃〜80℃)での
長期表示安定性が得られる液晶組成物、液晶セル及び液
晶表示装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、液晶及びポリ
アミド酸粉末を含む液晶組成物、その液晶組成物を用い
た液晶セル及び液晶表示装置に関する。
【0006】本発明に用いられる液晶には、特に制限は
なく、例えば、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、安
息香酸エステル系、ビフェニル系、ターフェニル系、シ
クロヘキシルカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘ
キサン系、ビフェニルシクロヘキサン系、ピリミジン
系、ジオキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサンエス
テル系、シクロヘキシルエタン系、シクロヘキサン系、
トラン系、アルケニル系、2,3−ジフルオロフェニレ
ン系等のネマチック液晶、コレステリック液晶、スメチ
ック液晶等が挙げられる。これらの液晶は、単独で又は
2種類以上を組み合わせて使用される。
【0007】本発明におけるポリアミド酸粉末を製造す
るために用いられるポリアミド酸としては、用いる液晶
に溶解しないものであれば特に制限はないが、例えば、
テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得
られる下記一般式(1)〜(3)で表されるポリアミド
酸が挙げられる。好ましくは下記一般式(2)で表され
るポリアミド酸又は一般式(3)で表されるポリアミド
酸が用いられ、より好ましくは下記一般式(3)で表さ
れるポリアミド酸が用いられる。これらのポリアミド酸
は、一部がイミド閉環していてもよい。
【0008】
【化1】 (式中、R1は4価の有機基を示し、R2は1価の有機基
を示し、nは1より大きい整数である)
【化2】 (式中、A1は4価の芳香族残基を示し、A2は2価の芳
香族残基を示し、mは1より大きい整数である)
【化3】 (式中、A3は、
【化4】 から成る群より選ばれる基を示し、Zは、
【化5】 から成る群より選ばれる基を示し、A4は、
【化6】 から成る群より選ばれる基を示し、Zは上記と同じ基を
示し、Pは1より大きい整数である)
【0009】上記テトラカルボン酸二無水物としては、
例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二
無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン
酸二無水物、4,4′−スルホニルジフタル酸二無水
物、m−ターフェニル−3,3″,4,4″−テトラカ
ルボン酸二無水物、p−ターフェニル−3,3″,4,
4″−テトラカルボン酸二無水物、4,4′−オキシジ
フタル酸無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロ−2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキ
シフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3
−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水
物、2,2−ビス〔4,(2,3−又は3,4−ジカル
ボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス
〔4−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキ
シ)フェニル〕プロパン二無水物、1,10−デカンジ
オールビス(トリメリット酸無水物)、1,3−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−
テトラメチルジシロキサン二無水物等の芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物、これらの芳香族テトラカルボン酸二
無水物の水素還元体、下記に示した化合物である脂環式
テトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキ
シ−シクロペンチル酢酸二無水物、ブタン−1,2,
3,4−テトラカルボン酸二無水物などが用いられる。
【化7】 これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独で又は2種
類以上を組み合わせて使用される。好ましくは芳香族テ
トラカルボン酸二無水物が用いられる。
【0010】上記ジアミンとしては、例えば脂肪族系、
脂環族系、複素環族系、芳香族系、シリコン系等のジア
ミンが使用できる。なかでも、4,4′−ジアミノジフ
ェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−
メチレン−ビス−(2,6−ジメチルアニリン)、4,
4′−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリ
ン)、4,4′−メチレン−ビス−(2−メチル−6−
エチルアニリン)、4,4′−ジアミノジフェニルスル
ホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、4,
4′−ベンゾフェノンジアミン、3,3′−ベンゾフェ
ノンジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレ
ンジアミン、4,4′−ジ(4−アミノフェノキシ)フ
ェニルスルホン、4,4′−ジ(3−アミノフェノキ
シ)フェニルスルホン、4,4′−ジ(4−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、3,3′−ジ(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、4,4′−ジ(3−アミノフェノキシ)
ベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミ
ノトルエン、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、
4,4′−ジアミノフェニル、2,2−ビス〔4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビ
ス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2
−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロ
パン等の芳香族ジアミン、これら芳香族ジアミンの水素
還元体である脂環式ジアミンなどが用いられる。
【0011】4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、
4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ベン
ゾフェノンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルス
ルホン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕プロパン、4,4′−メチレン−ビス−
(2,6−ジメチルアニリン)、4,4′−メチレン−
ビス−(2,6−ジエチルアニリン)、4,4′−メチ
レン−ビス−(2−メチル−6−エチルアニリン)等の
芳香族ジアミンが好ましい。
【0012】また、上記したジアミンの一部に3官能性
以上のポリアミンを使用することにより、架橋性のポリ
アミド酸を得ることができる。このようなポリアミンと
しては例えば、1,2,4−トリアミノベンゼン等の芳
香族トリアミン、1,2,4,5−テトラアミノベンゼ
ン、3,3−ジアミノベンジジン等の芳香族テトラアミ
ン、下記の一般式(4)で表される芳香族ポリアミン
【化8】 (式中、iは0〜10の整数である)等が用いられる。
本発明における上記一般式(1)〜(3)で表されるポ
リアミド酸は、分子鎖中にイミド基を有していてもよ
い。ポリアミド酸中のイミド基の割合いは、好ましくは
ポリアミド基に対して95モル%以下、より好ましくは
80モル%以下、特に好ましくは60モル%以下に調整
される。本発明における一般式(1)、(2)及び
(3)で表されるポリアミド酸の出発原料として、上記
ポリアミンを用いる場合にはそれぞれのポリアミド酸
は、一般式(1)、(2)及び(3)で表される繰り返
し単位と異なる繰り返し単位(分岐した繰り返し単位あ
るいは三次元橋かけした繰り返し単位)を含むことがで
きる。
【0013】本発明におけるポリアミド酸粉末を得る方
法としては、例えば、上記したポリアミド酸の溶液から
回収した粉粒体を機械粉砕する方法、上記したポリアミ
ド酸の溶液を貧溶媒に加えながら高せん断下に微粒子化
する方法、上記したポリアミド酸の溶液の噴霧油滴を乾
燥して微粒子を得る方法、細孔を通して形成した微粒子
から回収する方法(膜乳化法)あるいは、上記した一般
式(1)、(2)及び(3)の出発原料を用いて非水分
散重合法(特公昭60−48531号公報、特開昭59
−230018号公報)、分散重合法(特開昭59−1
08030号公報、特開昭60−221425号公報、
特開昭63−277241号公報)、膜乳化法(特開平
2−95433号公報)で直接合成によって得る方法等
があり、任意の方法が用いられる。
【0014】本発明におけるポリアミド酸粉末はその形
状に特に制限はないが、多孔質で粒子状であることが好
ましく、なかでもテトラカルボン酸二無水物とジアミン
とを、得られるポリアミド酸を溶解しない溶媒中で反応
させて得られるものが好ましい。
【0015】上記した得られるポリアミド酸を溶解しな
い溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、
キシレン等の芳香族系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等
のエステル類、メタノール、エタノール、ブタノール等
のアルコール系溶媒、γ−ブチロラクトン、ε−カプロ
ラクトン等のラクトン系溶媒、エチレングリコールジメ
チルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレン
グリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコー
ルジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジキサン等
のエーテル系溶媒、フェノール、メタクレゾール等のフ
ェノール系溶媒、N−メチルピロリドン、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N
−メチルカプロラクタム等の塩基性溶媒、水などが用い
られる。ポリアミド酸中のイミド基濃度の低い(完全に
イミド基を含まない)ポリアミド酸粉末を得るために
は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリ
コール、ジメチルエーテルなどのポリアミド酸に対して
溶解性の低い溶媒を用いることが好ましい。
【0016】本発明に用いられるポリアミド酸粉末の平
均粒子径は、特に制限されない。しかし、平均粒子径が
小さすぎると濾過時やデカンテーション時の作業性が悪
く、また粉末を充填しカラムとして用いた場合透過性が
悪くなる傾向があり、一方、大きすぎると比表面積が低
下し液晶の精製及び電圧保持率の向上効果が小さくなる
傾向があるため、ポリアミド酸粉末の平均粒子径は0.
1〜5,000μmの範囲とされることが好ましく、1
〜5,000μmの範囲とされることがより好ましい。
【0017】本発明に用いられるポリアミド酸粉末の比
表面積は、小さ過ぎると、液晶の精製及び電圧保持率の
向上効果が小さくなる傾向があるため、1m2/g以上と
されることが好ましく、5m2/g以上とされることがよ
り好ましく、10m2/g以上とされることが特に好まし
く、20m2/g以上とされることが極めて好ましい。比
表面積の上限は特にないが、通常5,000m2/g程度
である。ポリアミド酸粉末の平均粒子径及び比表面積を
所望の範囲とすることは、例えば、粉末を製造する際の
反応条件(溶媒の種類、組合せ、使用量、撹拌の仕方、
反応温度、反応時間、沈殿のさせ方等)を調整すること
により行うことができる。
【0018】本発明の液晶及びポリアミド酸粉末を含む
液晶組成物の調整は、例えば、液晶とポリアミド酸粉末
とをビーカ等の容器中で混合することにより行うことが
でき、その後、調整された液晶組成物をセル容器に注入
して液晶セルを作成できる。
【0019】液晶とポリアミド酸粉末の使用比率は、ポ
リアミド酸粉末が少なすぎると、液晶の比抵抗の低下防
止効果や液晶セルの電圧保持率の低下防止効果が小さく
なる傾向があり、一方、ポリアミド酸粉末が多すぎる
と、液晶相が少なくなるため画質が悪くなるので、ポリ
アミド酸粉末は、液晶に対して10-10〜10-3重量%
の範囲となる使用比率で使用することが好ましい。
【0020】液晶の比抵抗は液晶ディスプレイの表示特
性に大きく影響を与え、一般的には高い値の方が表示特
性は良くなるが、液晶の種類及び液晶ディスプレイの駆
動方式の要求特性、要求価格等によって使用される液晶
の比抵抗は異なり、その値は特に制限されるものではな
い。特に要求特性の厳しいTFT駆動のアクティブマト
リックス型カラー液晶ディスプレイ用では、1012Ωc
m以上の比抵抗が好ましい。
【0021】液晶の電圧保持率も液晶ディスプレイの表
示特性に大きく影響を与え、一般的には高い値の方が表
示特性は良くなるが、液晶の種類及び液晶ディスプレイ
の駆動方式の要求特性、要求価格等によって使用される
液晶の電圧保持率は異なり、その値は特に制限されるも
のではない。特に要求特性の厳しいTFT駆動のアクテ
ィブマトリックス型カラー液晶ディスプレイ用では、測
定温度23℃(室温)でパルス幅100μm5V矩形波
印加時16.5ms(フレーム周波数60Hz)で84%以
上の電圧保持率が好ましい。
【0022】本発明の液晶セルは、液晶及びポリアミド
酸粉末を含む液晶組成物を用いる他は、公知の方法(例
えば、「液晶の基礎と応用」(松本、角田共著工業調査
会発行1991年5月)参照)によって製造することが
できる。例えば、2枚のガラス基板上に、各々スパッタ
リング法等により所定のITO透明電極を形成し、さら
に、その上にポリイミド又はその前駆体のワニスを成
膜、乾燥し、必要に応じてラビングして液晶配向膜を形
成して液晶挾持基板とし、この液晶挾持基板2枚を各々
液晶配向膜が対向するようにして配置し、周辺の縁をシ
ールパタンでとめて、液晶配向膜同士の間に液晶を封入
することにより得ることができる。なお、液晶の性能を
調べる等の目的で、上記において液晶配向膜を設ける工
程を省き、他は同様にして得られたものも液晶セルに含
まれる。
【0023】本発明の液晶表示装置は、液晶及びポリア
ミド酸粉末を含む液晶組成物を用いる他は、公知の方法
(例えば、「液晶の基礎と応用」(松本、角田共著工業
調査会発行1991年5月)参照)によって作すること
ができる。液晶表示装置は、その表示形態によってセグ
メント形表示、マトリクス形表示等に大別でき、また、
マトリクス形表示も、さらに単純マトリクス形表示、ア
クティブマトリクス形表示等に分けられる。
【0024】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれによって制限されるものではな
い。
【0025】実施例1 (1)ポリアミド酸粉末の調整 温度計、かきまぜ機及び水分定量器をつけた3リットル
の四つ口フラスコ内に窒素ガスを通しながら、ピロメリ
ット酸二無水物218g(1モル)とN−メチルピロリ
ドン1,673gを入れ、撹拌しながら50℃に昇温
し、同温度で0.5時間保ち完全に溶解して均一な溶液
とした。これに4,4′−ジアミノジフェニルエーテル
200g(1モル)と水3.6g(2モル)を加え、た
だちに110℃値に昇温し、同温度で20分間保ち完全
に溶解して均一な溶液とした。ついで、2℃/分で昇温
し、150℃に到達した時点で昇温を止め、冷却した。
N−メチルピロリドン中に分散した黄褐色の粒子状ポリ
アミド酸を得たので、これをろ過によって回収し、N−
メチルピロリドンで数回洗浄した。更にアセトン煮沸を
2回繰り返した後、減圧下、60℃で4時間乾燥させ
た。平均粒径は5μm、比表面積は90m2/g(BET
法、カルロエルバー社製ソープトマチック1800型使
用、以下も同じ)であり、赤外吸収スペクトルには、1
590cm-1にアミド酸基の特性吸収が顕著に認められ
た。
【0026】(2)液晶組成物の調整(ポリアミド酸粉
末と液晶の混合) 実施例1、(1)で得たポリアミド酸粉末1.3×10
-8gを10ミリリットルのガラスビーカに入れた液晶
(メルク社製、商品名ZLI−4792)5g中に投入
し良く撹拌し、液晶組成物を得た。
【0027】(3)液晶セルの電圧保持率の測定 二枚のガラス基板(30mm×30mm×1.0mm)上に、
各々スパッタリング法によって所定のITO透明電極を
形成した。このパターンを図1及び図2に示した。この
両基板をシールパタンとしてのエポキシ系熱硬化性接着
剤(樹脂:HAVEN Chemical Co.製、商品名SE−450
0Clear、硬化剤:HAVEN Chemical Co.製、商品名SE
−4500CATALYST)で貼り合わせた。この際、両基板
のギャプを一定に保つため、直径5.0μmのプラスチ
ック粒子をスペーサとして介在させた。この基板間に前
記(2)で得た液晶組成物を真空含浸法によって注入
し、注入口を封止剤としてのUV硬化性樹脂(スリーボ
ンド社製、商品名Three bond3052)で封止すること
により、図3及び図4に示す液晶セルを得た。この液晶
セルを用いて、電圧保持率の測定を行い効果を表1に示
した。電圧保持率の測定は、上記両基板のITO電極間
の電圧をデジタルメモリースコープによりモニターする
状態で、図5のモデル回路によりパルス電圧を印加し、
ITO電極間の電圧の変化を測定して行った。測定条件
は、モデル回路におけるゲートC−ソースS間に、パル
ス幅30μ秒、電圧10Vのゲート信号を入力し、ドレ
イン電圧VDの変化を測定してデジタルメモリースコー
プ上の波形の実効値を求め、下記計算式により計算し
た。なお、図1〜図5において、1はガラス基板、2は
ITO透明電極、3はシールパタン、4は液晶及び5は
封止剤を表す。
【0028】
【数1】
【0029】(4)液晶表示装置の表示性能 前記(2)で得た液晶組成物を用いて、液晶配向膜とし
てポリイミド(日立化成工業社製、商品名アクティブマ
トリクス用配向膜LQ−T210)を使用したアクティ
ブ駆動型液晶表示装置を作成したところ、その表示特性
(特に表示ムラ)は極めて優れていた。
【0030】比較例1 液晶組成物を用いず、液晶のみを液晶セルに注入した以
外は実施例1と同様の操作を行い、結果を表1に示し
た。
【0031】
【表1】
【0032】実施例2、比較例2 実施例1及び比較例1で得られた液晶セルを80℃の高
温下に放置し、一定時間後に取出し、電圧保持率の測定
を行い表2に示した。
【0033】
【表2】 表2に示したように80℃、1000時間後で比較例2
では62.1%と低下したが、実施例2では86.5%
と高く高温下での表示安定性が得られた。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、ポリアミド酸粉末を少
量使用するだけで十分な効果が得られるので、高価な液
晶の液晶精製材(本願ではポリアミド酸粉末)などにト
ラップされるロス分を減少でき、長期の表示安定性及び
長期の高温環境下での表示安定性のある液晶組成物及び
それを用いた液晶表示装置を得ることができる。液晶組
成物中の液晶はポリアミド酸粉末によって精製され、比
抵抗が向上する。本発明の液晶組成物を用いて作成され
た液晶セルは、高い電圧保持率を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び2、比較例1及び2で用いた、一
方のITO透明電極のパターンを示す平面図。
【図2】実施例1及び2、比較例1及び2で用いた、他
方のITO透明電極のパターンを示す平面図。
【図3】実施例1及び2、比較例1及び2で作成した、
液晶セルの側面からの構成図。
【図4】実施例1及び2、比較例1及び2で作成した、
液晶セルの平面からの構成図。
【図5】実施例1及び2、比較例1及び2で行った、電
圧保持率測定時の等価回路図。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 ITO透明電極 3 シールパタン 4 液晶 5 封止剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平井 修 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 渡辺 治 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶及びポリアミド酸粉末を含む液晶組
    成物。
  2. 【請求項2】 ポリアミド酸粉末が、多孔質で粒子状で
    ある請求項1記載の液晶組成物。
  3. 【請求項3】 ポリアミド酸粉末が、テトラカルボン酸
    二無水物とジアミンとを、得られるポリアミド酸を溶解
    しない溶媒中で反応させて得られるものである請求項2
    記載の液晶組成物。
  4. 【請求項4】 ポリアミド酸粉末の、平均粒子径が0.
    1〜5,000μm、比表面積が1m2/g以上である請
    求項2又は3記載の液晶組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の液晶組成
    物を用いた液晶セル。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、又は4記載の液晶組
    成物を用いた液晶表示装置。
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