JPH09263761A - 液晶精製用ペースト、それを用いた液晶セル及び液晶表示装置 - Google Patents

液晶精製用ペースト、それを用いた液晶セル及び液晶表示装置

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JPH09263761A
JPH09263761A JP7501496A JP7501496A JPH09263761A JP H09263761 A JPH09263761 A JP H09263761A JP 7501496 A JP7501496 A JP 7501496A JP 7501496 A JP7501496 A JP 7501496A JP H09263761 A JPH09263761 A JP H09263761A
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liquid crystal
paste
polyimide
adsorbent
crystal cell
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JP7501496A
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English (en)
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Yoshihiro Miya
好宏 宮
Hiroshi Nishizawa
廣 西沢
Akitsugu Tashiro
了嗣 田代
Naoki Okuda
直紀 奥田
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶自体には影響を与えることなく不純物を
吸着でき、長期に亘って表示安定性があり特に高温環境
下(40℃〜80℃)でも長期表示安定性のある液晶セ
ル及び液晶表示装置を得る。 【解決手段】 テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン
とを、生成するポリイミドを溶解しない溶媒中で反応さ
せて得られる多孔質ポリイミド粒子をペースト基剤に分
散させた液晶精製用ペーストを、液晶セルの液晶注入口
4付近又はシール材6内縁付近に塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶精製用ペース
ト、それを用いた液晶セル及び液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示素子では、液晶注入口付
近と他の部分での表示むらや焼き付き現象などの表示特
性の劣化が問題となっている。このような表示特性の劣
化は、いずれも液晶中の不純物が原因となっている。す
なわち、液晶注入口付近と他の部分での表示むらは、液
晶をセル内に注入するとき、液晶中の不純物が注入口近
傍のポリイミド配向膜に吸着することに起因する。ま
た、焼き付きは、液晶を長期間同じ状態に置いたときに
生ずる現象であるが、これもセル内の液晶に含まれる不
純物に起因すると考えられている。
【0003】液晶中に含まれる不純物を除去する手段と
しては、アルミナ、シリカ等の無機系化合物の粉末、イ
オン交換樹脂などを精製材として用いて液晶中のイオン
性不純物を除去する手段が提案されている(特開平1−
87685号公報参照)。また、液晶を注入するための
液晶溜等の治具や配管内壁にポリイミド配向膜の材料と
同じ材料を被覆し、ポリイミド配向膜に吸着する不純物
を選択的に除去する手段が提案されている(特開平4−
258925号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、アルミナ、
シリカ等の無機系化合物の粉末、イオン交換樹脂など
は、吸着能が非常に強いため、ポリイミド配向膜に吸着
し液晶表示素子特性を劣化させるイオン性不純物ばかり
でなく、極性基を持つ液晶の混合物やカイラル剤等の他
の添加剤も吸着し液晶組成を変えてしまい、かえって表
示特性を劣化させてしまう。ポリイミドを破砕して精製
材として利用することも考えられるが、充分な不純物除
去効果を出すためには多量に添加しなければならず、高
価な液晶のロス分が大きくなってしまうという問題が生
じている。液晶を注入するための液晶溜等の治具や配管
内壁にポリイミド配向膜の材料と同じ材料を被覆し、ポ
リイミド配向膜に吸着する不純物を除去する手段では、
液晶と接触する面積が狭く、かつ、液晶を注入する過程
においてしか精製材と接触しないため不純物の除去が十
分行われない。初期表示特性は満足するが長期に亘って
の表示安定性及び高温環境下(40℃〜80℃)での長
期表示安定性が得られていない。さらに、液晶表示装置
の表示特性に影響する不純物は、配向膜、基板のシール
材や注入口の封口材から溶出する。精製材で不純物を除
去する手段では、このような不純物の対策とはなりえ
ず、したがって、初期表示特性は満足するが、長期に亘
っての表示安定性及び高温環境下(40℃〜80℃)で
の長期表示安定性が得られない。本発明は、液晶自体に
は影響を与えることなく不純物を吸着できる液晶精製用
ペースト、及び、、かつ、長期に亘っての表示安定性及
び高温環境下(40℃〜80℃)での長期表示安定性の
ある液晶セル及び液晶表示装置を提供することを目的と
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、液晶中の不純
物を吸着する吸着剤をペースト基剤に分散させてなる液
晶精製用ペーストである。吸着剤としては、吸着能が適
正であることからポリイミド粒子が好ましい。特に、テ
トラカルボン酸二無水物と、ジアミン又はジイソシアナ
ートとを、生成するポリイミドを溶解しない溶媒中で反
応させて得られる多孔質ポリイミド粒子がさらに好まし
い。本発明の液晶精製用ペーストは、液晶セル内におい
て、液晶注入口付近又はシール材内縁付近に塗布し、液
晶を注入して液晶表示装置とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる液晶は、液晶
表示装置に一般的に使用される液晶であれば特に制限は
なく、また単一化合物でも、混合物でも特に制限はな
い。このような液晶としては、例えば、シッフ塩基系、
アゾ系、アゾキシ系、安息香酸エステル系、ビフェニル
系、ターフェニル系、シクロヘキシルカルボン酸エステ
ル系、フェニルシクロヘキサン系、ビフェニルシクロヘ
キサン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシ
ルシクロヘキサンエステル系、シクロヘキシルエタン
系、シクロヘキサン系、トラン系、アルケニル系、2,
3−ジフルオロフェニレン系等のネマチック液晶、コレ
ステリック液晶、スメクチック液晶等が挙げられる。
【0007】本発明に用いられる吸着剤としては、用い
る液晶に溶解しないものであればとくに制限はないが、
例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン又はジイ
ソシアナートとを反応させて得られる一般式化1で表さ
れるポリイミドのほか、一般式化2で表されるポリアミ
ドイミド及びビスマレイミド重合体も含む。
【化1】 (化1中、R1は4価の有機基を示し、R2は2価の有
機基を示し、nは1より大きい整数である)
【化2】 (化1中、R3は2価の有機基を示し、R4は3価の有
機基を示し、qは1より大きい整数である。) なかでも、化1において、R1が4価の芳香族残基、R
2が2価の芳香族残基であるポリイミドが好ましく、R
1が化3で表される4価の芳香族残基から選ばれた基で
あり、R2が化4で表される2価の芳香族残基から選ば
れた基であるものが特に好ましい。
【化3】
【化4】 (化3及び化4において、Zは化5で表される基から選
ばれた基を示す)
【化5】
【0008】テトラカルボン酸二無水物としては、特に
制限されるものではないが、例えば、ピロメリット酸二
無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレン
テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレ
ンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジ
ンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタ
レンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペ
リレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−スルホニ
ルジフタル酸二無水物、m−ターフェニル−3,3”,
4,4”−テトラカルボン酸二無水物、p−ターフェニ
ル−3,3”,4,4”−テトラカルボン酸二無水物、
4,4’−オキシジフタル酸無水物、1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(2,3−又は
3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、
2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェ
ニル)プロパン二無水物、2,2−ビス〔4,(2,3
−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プ
ロパン二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロ−2,2−ビス〔4−(2,3又は3,4−ジカル
ボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、1,
3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、1,10
−デカンジオールビス(トリメリット酸無水物)等の芳
香族テトラカルボン酸二無水物、これらの芳香族テトラ
カルボン酸二無水物の水素還元体、及び、化6で表され
る脂環式テトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリ
カルボキシ−シクロペンチル酢酸二無水物、シクロブタ
ン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,
3,4,4−シクロビフェニルテトラカルボン酸二無水
物などが用いられる。これらのテトラカルボン酸二無水
物は、単独でも2種類以上を組み合わせても使用するこ
とができる。
【化6】
【0009】これらの酸無水物のうち、ポリイミド配向
膜に用いられている、ピロメリット酸二無水物、1,1
0−デカンジオールビス(トリメリット酸無水物)、
3,3,4,4−シクロビフェニルテトラカルボン酸二
無水物、シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボ
ン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシ−シクロペ
ンチル酢酸二無水物などが好ましい。
【0010】ジアミンとしては、特に制限されるもので
はないが、例えば、脂肪族系、脂環族系、複素環族系、
芳香族系、シリコン系等のジアミンが使用できる。なか
でも、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,
4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4’−メチレン−ビス−
(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレン−
ビス−(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチ
レン−ビス−(2−メチル−6−エチルアニリン)、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジ
アミノジフェニルスルホン、4,4’−ベンゾフェノン
ジアミン、3,3’−ベンゾフェノンジアミン、メタフ
ェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、4,4’
−ジ(4−アミノフェノキシ)フェニルスルホン、4,
4’−ジ(3−アミノフェノキシ)フェニルスルホン、
4,4’−ジ(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,
3’−ジ(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’
−ジ(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,4−ジア
ミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,4’−
ジアミノジフェニルプロパン、2,2−ビス〔4−(4
−アミノフェノキシ)フエニル〕プロパン、2,2−ビ
ス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2
−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロ
パン等の芳香族ジアミン、これら芳香族ジアミンの水素
還元体である脂環式ジアミンなどが用いられる。
【0011】なかでも、4,4’−ジアミノジフェニル
エーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,
4’−ベンゾフェノンジアミン、4,4’−ジアミノジ
フェニルスルホン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4’−メチレン−
ビス−(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチ
レン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’
−メチレン−ビス−(2−メチル−6−エチルアニリ
ン)等の芳香族ジアミンが特に好ましい。
【0012】また、ジアミンのほかに、3官能性以上の
ポリアミンをあわせて使用することにより、架橋性ポリ
イミドを得ることができる。このようなポリアミンとし
ては例えば1,2,4−トリアミノベンゼン等の芳香族
トリアミン、1,2,4,5−テトラアミノベンゼン、
3,3’−ジアミノベンジジン等の芳香族テトラアミ
ン、下記の一般式化7で表される芳香族ポリアミン等が
用いられる。
【化7】 (式中、jは0〜10の整数)
【0013】ジイソシアネートとしては、例えば、前記
したジアミンをホスゲン又は塩化チオニルと反応させて
得られるジイソシアネートが用いられる。また前記した
ポリアミンを同様に処理して得られるポリイソシアネー
ト又はジイソシアネートを三量化反応させて得られるイ
ソシアヌレート環含有ポリイソシアネートも用いられ
る。
【0014】なかでも、4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソ
シアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’
−ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳
香族ジイソシアネート等が好ましく用いられる。
【0015】一般式化2で表されるポリアミドイミド
は、トリメリット酸の反応性酸誘導体とジアミン又はジ
イソシアナートとを反応させて得られる。トリメリット
酸の反応性酸誘導体としては、例えば、トリメリット酸
無水物、トリメリット酸無水物モノクロライド、1,4
−ジカルボキシ−3−N,N−ジメチルカルバモイルベ
ンゼン、1,4−ジカルボキシ−3−カルボフェノキシ
ベンゼン、1,4−ジカルボメトキシ−3−カルボキシ
ベンゼン、トリメリット酸とアンモニア、ジメチルアミ
ン、トリエチルアミンなどからなるアンモニウム塩類な
どが用いられる。トリメリット酸無水物、トリメリット
酸無水物モノクロライドが好ましい。
【0016】以上述べたポリイミドとしては、一般式化
1又は化2で表される繰り返し単位と異なる繰り返し単
位(分岐した繰り返し単位又は三次元橋かけした繰り返
し単位)を含むことができる。
【0017】ビスマレイミド重合体としては、例えば、
4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン、2,2−
ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プ
ロパン、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェ
ニル)スルホン、3,4’−ビスマレイミドジフェニル
エーテル、1,2−ビス(4−マレイミドフェノキシ)
エタン、1,2−ビス(2−(4−マレイミドフェノキ
シ)エトキシ)エタン、1,6−ビスマレイミドヘキサ
ン等の重合体などが挙げられる。
【0018】吸着剤としてのポリイミド粒子を得る方法
としては、例えば、ポリイミドの生成反応をポリイミド
配向膜材料の合成と同様にして溶液中で行い、溶液から
回収した粉粒体を機械粉砕する方法、溶液をポリイミド
の貧溶媒に加えながら高せん断下に微粒子化する方法、
溶液の噴霧油滴を乾燥して微粒子を得る方法、細孔を通
して形成した微粒子から回収する方法(膜乳化法)、非
水分散重合法(特公昭60−48531号公報、特開昭
59−230018号公報参照)、分散重合法(特開昭
59−108030号公報、特開昭60−221425
号公報、特開昭63−277241号公報参照)、膜乳
化法(特開平2−95433号公報参照)等で直接合成
によって得る方法等があり、任意の方法が用いられる。
【0019】吸着剤としてのポリイミド粒子は、好まし
くはテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを、得られ
る粒子状ポリイミドを溶解しない溶媒中で反応させて得
られる多孔質な粒子状ポリイミド及びテトラカルボン酸
二無水物とジイソシアナートとを、得られる粒子状ポリ
イミドを溶解しない溶媒中で反応させて得られる多孔質
な粒子状ポリイミドが好ましい。より好ましくは、芳香
族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを、得
られる粒子状ポリイミドを溶解しない溶媒中で分散重合
させて得られる多孔質な粒子状ポリイミドが用いられ
る。
【0020】上記した得られる粒子状ポリイミドを溶解
しない溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエ
ン、キシレン等の芳香族系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等のエステル類、メタノール、エタノール、ブタノー
ル等のアルコール系溶媒、γ−ブチロラクトン、ε−カ
プロラクトン等のラクトン系溶媒、エチレングリコール
ジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチ
レングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリ
コールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等のエーテル系溶媒、フェノール、メタクレゾール
等のフェノール系溶媒、N−メチルピロリドン、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルカプロラクタム等の塩基性溶媒、水など
が用いられる。
【0021】上記した分散重合の好ましい態様として
は、芳香族テトラカルボン酸二無水物(I)、芳香族ジ
アミン(II)及び水(III) を(I)と(II)をほぼ当
モルとし、(III) を(I)に対して10〜200モル
%の割合として150℃未満の温度で塩基性溶媒に溶解
させ、ついで、−20〜300℃の温度で反応させるこ
とが挙げられる。
【0022】吸着剤としてのポリイミドには、分子主鎖
中にカルボキシル基又はアミド酸基を有していてもよ
く、その量は、反応率によって任意に調整できる。
【0023】吸着剤の平均粒子径は、0.1〜5.0μ
mの範囲とされることが好ましく、1〜4.0μmの範
囲とされることがより好ましい。平均粒子径大きすぎる
と比表面積が小さくなって不純物の吸着能が小さくな
り、電圧電圧保持率の向上効果が小さくなる傾向があ
り、また、ペーストのチキソトロピック性を低下させ
る。当然ではあるが、スペーサービーズよりも大きいと
液晶セルのギャップに影響するのでよくない。なお、ス
ペーサービーズの大きさは、通常、液晶セルのギャップ
(通常0.7〜10μm)と同程度とされる。
【0024】吸着剤の比表面積は、小さ過ぎると、液晶
の精製及び電圧保持率の向上効果が小さくなる傾向があ
るため、1m2/g以上とされることが好ましく、5m2
/g以上とされることがより好ましく、10m2/g以
上とされることが特に好ましく、20m2/g以上とさ
れることが極めて好ましい。比表面積の上限は特にない
が、通常5,000m2/g程度である。吸着剤の平均
粒子径及び比表面積を所望の範囲とすることは、例え
ば、製造する際の反応条件(溶媒の種類、組合せ、使用
量、撹拌の仕方、反応温度、反応時間、沈でんのさせ方
等)を調整することにより行うことができる。
【0025】吸着剤を分散させるペースト基剤として
は、ペースト可能な樹脂が用いられるが、熱硬化性樹
脂、光硬化性樹脂、2液性又は1液性の硬化性樹脂が好
ましい。2液性又は1液性の硬化性樹脂としては、液晶
パネルのシール材として市販れているものでもよい。硬
化性樹脂のほか耐熱性の熱可塑性樹脂でもよく、例え
ば、溶媒可溶性のポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ
アミド樹脂が使用可能である。ペースト基剤はペースト
化可能な範囲で吸着剤と混合され、吸着剤100重量部
に対して、2〜100重量部が好ましく、さらに好まし
くは2〜50重量部、より好ましくは5〜30重量部と
される。吸着剤とペースト基剤との混練方法としては、
三本ロールミル法、ニーダー法を用いるのが好ましく、
特に、三本ロールミル法は吸着剤粒子を応力で破壊しな
いので好ましい。
【0026】ペーストを液晶セル内に塗布する方法とし
ては、スクリーン印刷法、転写法、ノズル法、インクジ
ェット法などがあり、適宜選択すればよい。ペーストを
液晶セル内に塗布する位置やパターンは、液晶配向膜の
作用に影響しない位置、パターンであればよく他に制限
はないが、シール材を塗布する内側近傍や液晶注入口の
内側近傍が好ましい。シール材を塗布する内側近傍に塗
布するとシール材から溶出する不純物を吸着し、液晶注
入口の内側近傍に塗布すると、液晶注入時に液晶中の不
純物を吸着するからである。液晶セル内へのペーストの
塗布量は、吸着剤による不純物の吸着能が保持され、か
つ、得られる液晶セルに必要とされる光透過能力と表示
部分の面積が損なわれなければよく他に制限はない。吸
着能と光透過能力とのバランスの点から、液晶セル内の
容積に対し、通常、1〜50容積%とされる。これより
多いと、液晶セルに必要とされる光透過能力及び表示部
分の面積を維持できない。また少ないと、不純物を充分
に吸着しえない。ペーストの塗布量は、塗布する幅と厚
さで制御される。ペーストを塗布する厚さは、使用する
吸着剤の粒子径と液晶セルのギャップに依存し、通常、
0.1〜10μmの範囲内で選択される。この範囲より
薄いと必要な塗布量を確保できないため、不純物の吸着
が不充分となるおそれがある。また、この範囲より厚く
塗布すると液晶セルの密封に支障がある。ペーストを塗
布する幅は、塗布厚さとも関連し、吸着剤による不純物
の吸着能が保持され、かつ、得られる液晶セルに必要と
される光透過能力と表示部分の面積を損なわない範囲で
可能な限り大きくするのが望ましい。通常は、シール材
の幅と同程度、すなわち、1〜2mmとされる。この範
囲より狭いと、塗布量不足となり、広いと液晶セルに必
要とされる光透過能力及び表示部分の面積を維持できな
い可能性がある。なお、シール材の幅は、特に制限され
るものではないが、通常、1〜2mmとされている。
【0027】本発明の液晶セルは、吸着剤を分散した液
晶精製用ペーストを塗布する以外は、公知の方法によっ
て製造できる(例えば、「液晶の基礎と応用」(松本、
角田共著工業調査会発行1991年5月)参照)。その
方法を以下に簡単に説明する。2枚のガラス基板上に、
各々スパッタリング法等により所定のITO透明電極を
形成し、さらに、その上にポリイミド又はその前駆体の
ワニスを成膜、乾燥し、必要に応じてラビングして液晶
配向膜を形成して液晶挟持基板とし、この液晶挟持基板
2枚を各々液晶配向膜が対向するようにして配置し、周
縁をシール材でシールし、シール部分に残した液晶注入
口から液晶を注入し、液晶注入口を封鎖する。液晶の注
入には、毛細管現象を利用する方法、減圧容器を用いて
液晶セルの内部と外部との気圧の差を利用する方法が用
いられる。
【0028】本発明の液晶表示装置は、吸着剤を分散し
た液晶精製用ペーストをセル内に塗布する以外は、公知
の方法(例えば、「液晶の基礎と応用」(松本、角田共
著工業調査会発行1991年5月)参照)によって作成
することができる。液晶表示装置は、その表示形態によ
ってセグメント形表示、マトリクス形表示等に大別で
き、また、マトリクス形表示も、さらに単純マトリクス
形表示、アクティブマトリクス形表示等に分けられる。
【0029】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれによって制限されるものではな
い。
【0030】実施例1 吸着剤の調製 温度計、かくはん機及び水分定量器を取り付けた3リッ
トルの四つ口フラスコ内にチッ素ガスを通しながら、ピ
ロメリット酸二無水物218g(1モル)とN−メチル
ピロリドン1,673gとを入れ、かくはんしながら5
0℃に昇温し、この温度に30分間保ってピロメリット
酸二無水物を完全に溶解して均一な溶液とした。これ
に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200g
(1モル)と水36g(2モル)を加え、ただちに11
0℃に昇温し、この温度に20分間保って4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテルを完全に溶解した。次いで、
2時間かけて200℃に昇温し、この温度で3時間反応
させた。この途中、125℃で粒子状ポリイミドの析出
が観察された。なお、反応中溜出するみずは速やかに系
外に除去するようにした。この反応により、N−メチル
ピロリドン中に分散した黄褐色の粒子状ポリイミドを得
た。粒子状ポリイミドをろ過回収し、アセトン煮沸を2
回繰り返した後、減圧下200℃で5時間乾燥させた。
得られた粒子状ポリイミドはあ、平均粒径9μm、比表
面積40m2/g(BET法、カルロエルバー社製ソー
プトマチック1800型使用、以下も同じ)であった。
また、赤外吸収スペクトルでは、1,780cm- イミ
ド基の特性吸収が顕著に認められた。
【0031】液晶精製用ペーストの調製 得られた吸着剤100部(重量部、以下同じ)と液晶表
示素子用シール材(三井東圧化学株式会社の商品名スト
ラクトボンド XN−21−Sを使用)30部とを混合
し、さらにジエチレングリコールモノメチルエーテル1
0部を加え、三本ロールミルにセットし、スクリーン印
刷に使用可能な粘度(40〜60Pa・s)になるまで
ジエチレングリコールモノメチルエーテルを蒸発させな
がら混練りして液晶精製用ペーストを得た。
【0032】液晶セルの調製 2枚のガラス基板1,1上にスパッタリング法により所
定のITO透明電極2,2を形成した。ITO透明電極
2,2を形成した面に、ピロメリット酸二無水物この上
に、と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを反応
させて得られた配向膜用ポリアミド酸ワニスをスピンコ
ーターによって塗布し、200℃で30分間熱処理して
配向膜3,3を形成し、2枚の基板を向き合わせ、直径
5.0μmのプラスチック粒子をスペーサーとして、シ
ール材6で貼りあわせた(図1の(a)参照)。シール
材としては、樹脂がSE−4500Clear、硬化剤
がSE−4500CATALYST(いずれも、ハブン
ケミカル社製であり、同社の商品名)である。このと
き、基板を貼りあわせる前に、液晶注入口4の内側近傍
5に前記液晶精製用ペーストをスクリーン印刷によって
塗布し、150℃で90分間熱処理した(図1の(b)
参照)。次に、基板間に液晶(メルク社製、商品名ZL
I−4792)を真空含浸法によって注入し、注入口を
封止した。封止剤としては、紫外線硬化性樹脂(スリー
ボンド株式会社製の商品名 Three bond30
52)を使用した。
【0033】実施例2 液晶精製用ペーストをシール材6内側近傍51全周に塗
布した(図1の(c)参照)ほか実施例1と同様にして
液晶セルを得た。
【0034】比較例 液晶精製用ペーストを塗布せず、その他は実施例1と同
様にして液晶セルを得た。
【0035】液晶セルの電圧保持率の測定 得られた液晶セルを用いて、電圧保持率を測定した。電
圧保持率の測定は、上記両基板のITO電極間の電圧を
デジタルメモリースコープによりモニターする状態で、
パルス電圧を印加し、ITO電極間の電圧の変化を測定
して行った。測定条件は、図2に示すモデル回路におけ
るゲートG−ソースS間に、パルス幅30μ秒、電圧1
0Vのゲート信号を入力し、ドレインDの電圧変化をソ
ノスコープ上に表し、その波形からドレイン波形実効値
を求め、下記計算式数1により計算した。
【0036】
【数1】電圧保持率(%)=100×(ドレイン波形実
効値(V)/5(V))
【0037】同様の測定を、得られた液晶セルを80℃
で一定時間放置した後に行って経時変化を調べた。その
結果をあわせて表1に示す。表1において、放置時間の
単位は時間であり、電圧保持率の単位は%である。10
00も比較例実施例5では60.1%と低下したが、実
施例4では85.0%と高く、高温下での表示安定性が
良好であった。
【0038】
【表1】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 放置時間 0 100 200 500 1000 ──────────────────────────────────── 実施例1 93.5 88.5 88.2 87.9 87.5 実施例2 97.5 95.3 93.5 92.8 92.1 比較例 78.2 70.1 67.5 65.1 62.3 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0039】表1によれば、実施例1及び実施例2の液
晶セルは、当初の電圧保持率が90%以上と高く、表示
特性が良好である。また、80℃、1000時間放置後
においても、実施例1の液晶セルでは87.5%、実施
例2の液晶セルでは92.1%である。これに対して、
比較例の液晶セルは当初の電圧保持率が78.2%でと
低く、80℃、1000時間放置後においては62.3
%に低下している。
【0040】液晶表示装置の表示性能 液晶精製用ペーストを液晶注入口内側近傍5に塗布した
アクティブ駆動型液晶表示装置を作成したところ、その
表示特性(特に表示ムラ)は極めて優れたものであっ
た。同様に液晶精製用ペーストをシール材の内側近傍5
1全周に塗布したアクティブ駆動型液晶表示装置を作成
したところ、その表示特性(特に表示ムラ)は極めて優
れたものであった。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、液晶中の不純物を吸着
する吸着剤をペースト基剤に分散させてなる液晶精製用
ペーストを用いることにより、液晶自体には影響を与え
ることなく不純物を吸着でき、この液晶精製用ペースト
を、液晶セル内に塗布しておくことにより、長期に亘っ
て表示安定性があり特に高温環境下(40℃〜80℃)
でも長期表示安定性のある液晶セル及び液晶表示装置を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に関し、(a)は液晶セルの断
面図、(b)及び(c)は、液晶精製用ペーストの塗布
状態を示す平面図である。
【図2】電圧保持率測定の等価回路図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 ITO透明電極 3 配向膜 4 液晶注入口 5 液晶注入口内側近傍 51 シール材内側近傍 6 シール材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥田 直紀 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶中の不純物を吸着する吸着剤をペー
    スト基剤に分散させてなる液晶精製用ペースト。
  2. 【請求項2】 吸着剤が、ポリイミド粒子である請求項
    1記載の液晶精製用ペースト。
  3. 【請求項3】 ポリイミド粒子が、テトラカルボン酸二
    無水物と、ジアミンとを、生成するポリイミドを溶解し
    ない溶媒中で反応させて得られる多孔質ポリイミド粒子
    である請求項2記載の液晶精製用ペースト。
  4. 【請求項4】 ポリイミド粒子が、テトラカルボン酸二
    無水物と、ジイソシアナートとを、生成するポリイミド
    を溶解しない溶媒中で反応させて得られる多孔質ポリイ
    ミド粒子である請求項2記載の液晶精製用ペースト。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4に記載の液晶精
    製用ペーストを液晶注入口付近又はシール材内縁付近に
    塗布してなる液晶セル。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の液晶セルを表示素子とし
    てなる液晶表示装置。
JP7501496A 1996-03-28 1996-03-28 液晶精製用ペースト、それを用いた液晶セル及び液晶表示装置 Pending JPH09263761A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001183683A (ja) * 1999-10-05 2001-07-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 液晶表示パネルならびにその製造方法および駆動方法
JP2002194355A (ja) * 2000-12-26 2002-07-10 Dainippon Ink & Chem Inc 高性能精製剤の製造方法

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JP2001183683A (ja) * 1999-10-05 2001-07-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 液晶表示パネルならびにその製造方法および駆動方法
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