JPH07305045A - 無機粉体、無機粉体用コーティング液及びその製造方法 - Google Patents

無機粉体、無機粉体用コーティング液及びその製造方法

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JPH07305045A
JPH07305045A JP9631794A JP9631794A JPH07305045A JP H07305045 A JPH07305045 A JP H07305045A JP 9631794 A JP9631794 A JP 9631794A JP 9631794 A JP9631794 A JP 9631794A JP H07305045 A JPH07305045 A JP H07305045A
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JP
Japan
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inorganic powder
alkoxysilane
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coating liquid
weight
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JP9631794A
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English (en)
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Yukio Kajiwara
由紀夫 梶原
Kenji Oba
憲治 大庭
Hiroshi Kobayashi
博 小林
Hozumi Endo
穂積 遠藤
Nobuyuki Matsuzoe
信行 松添
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 凝集がなく、樹脂との配合性に優れた無機粉
体を得る。 【構成】 アルコキシシランの部分加水分解物、溶媒、
硬化触媒、アルコキシシランの部分加水分解物を論理上
100%加水分解可能な量以上の水を含有する液を熟成
することを特徴とする無機粉体用コーティング液の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無機粉体に関する。
【0002】
【従来の技術】炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム
粉、天然シリカ粉等の無機粉体を樹脂と混練して得られ
る樹脂複合体は、床用建材、窓わく等の建材として、強
度、不燃性に優れ安価に提供できる材料として注目され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂に
無機粉体を練り込む際、無機粉体が凝集したり、樹脂と
練り込んだものの粘度が増加する等の現象が発生し、樹
脂に配合できる無機粉体の量が限られる。また均一に混
合し難いといった問題が生じ、樹脂複合体の強度向上等
特性の改善、及び価格の低減に限界があった。また高価
なシランカップリング剤等による無機粉体のコーティン
グも提供されていたが、凝集を防止できない等未だ充分
な解決には至っていなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等はこれ
ら課題に鑑み鋭意検討を行なったところ、特定のコーテ
ィング液で皮膜を形成することにより無機粉体の安息角
が大幅に低下し、凝集の少ない無機粉体を得られること
を見出し本発明に到達した。すなわち、本発明の要旨
は、アルコキシシランの部分加水分解物、溶媒、硬化、
触媒理論上アルコキシシランの部分加水分解物を100
%加水分解可能な量以上の水を含有する液を熟成するこ
とを特徴とする無機粉体用コーティング液の製造方法、
かかる方法により得られるコーティング液、及びこれを
原料無機粉体にコーティングしてなる無機粉体に存す
る。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明におけるアルコキシシランの加水分解物としては、
通常、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、
テトラプロポキシシランなどのテトラアルコキシシラン
の部分加水分解物が用いられる。これらのうち、無機粉
体との密着性を特に向上するにはテトラメトキシシラン
を用いるのが好ましい。
【0006】加水分解反応自体は、公知の方法によるこ
とができ、たとえば、上記テトラアルコキシシランに所
定量の水を加えて酸触媒の存在下に、副生するアルコー
ルを留去しながら通常、室温程度〜100℃で反応させ
る。この反応によりアルコキシシランは加水分解し、さ
らに縮合反応によりヒドロキシル基を2以上有する液状
のシリケートオリゴマー(通常平均重合度2〜8程度、
好ましくは3〜6)が加水分解として得られる。加水分
解の程度は、使用する水の量により適宜調節することが
できるが、本発明においては通常40〜90%程度、好
適には60〜80%程度から選ばれる。加水分解率10
0%とは、アルコキシシランの全ての加水分解可能基を
加水分解縮合するのに必要な量の水すなわちこれらの基
のモル数の1/2のモル数の水を添加した場合をいう。
【0007】こうして得られたテトラメトキシシラン・
オリゴマーにはモノマーが通常2〜10%程度含有され
ている。このモノマーが含有されているとコーティング
液の貯蔵安定性が欠ける場合があるので、モノマー含有
量が1重量%以下、好ましくは0.3重量%以下になる
ように、このモノマー除去をフラシュ蒸留、真空蒸留等
で行うことが望ましい。
【0008】本発明で用いられる溶媒としては、アルコ
ール類、あるいはグリコール誘導体、炭化水素類、エス
テル類、ケトン類、エーテル類等のうちの1種、または
2種以上が使用できる。アルコール類としては具体的に
はメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、
nブタノール、イソブタノール、オクタノール等が挙げ
られ、グリコール誘導体としてはエチレングリコール、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn
−プロピルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチ
ルエーテル等が挙げられる。
【0009】炭化水素類としてはベンゼン、ケロシン、
トルエン、キシレン等が使用でき、エステル類として、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチ
ル、アセト酢酸エチル等が使用できる。アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルア
セトン等のケトン類、エチルエーテル、ブチルエーテ
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジオキサ
ン、フラン、テトラヒドロフラン等のエーテル類が使用
できる。これらのうちエタノール、メタノールが取扱い
安易、コーティング液のポットライフ等の観点から優れ
ている。
【0010】溶媒量はアルコキシシランの部分加水分解
物100重量部に対し、50〜2000重量部、好まし
くは100〜1000重量部がよい。50重量部以下で
は無機粉体にコーティングがされにくく又液の貯蔵上好
ましくなく、また2000重量部を越えるとコーティン
グ膜が極端に薄くなり無機粉体の凝集防止、無機粉体の
流動性改善効果が少ない。
【0011】触媒としては酸、アルカリ、有機金属、金
属アルコキシド等があるが、コーティング液の貯蔵安定
性からは、酢酸、マレイン酸、シュウ酸、フマル酸のう
ち1種又は2種以上を用いるのが望ましい。塩酸や硝酸
は、次に説明する熟成に要する時間が短縮できるという
利点があるが、得られる無機粉体を配合した樹脂複合体
の安定性等の点ではやや問題がある。
【0012】マレイン酸は、かかる問題点を有さず、ま
た熟成時間が比較的短時間で得られるコーティング膜の
硬度等の特性が特に優れており望ましい。添加量はテト
ラメトキシシラン100重量部に対し、0.1〜10重
量部、好ましくは1〜5重量部である。
【0013】本発明では、これらの成分とともに、アル
コキシシランの部分加水分解物を100%、加水分解す
るのに必要な量以上の水を添加する。添加量は、これ以
上の量であればよく、100〜300%相当量、好まし
くは100〜200%相当量を添加する。
【0014】本発明においては、これらの成分を含有す
る液を熟成させる。かかる熟成工程を経ることにより、
アルコキシシランの加水分解、縮合による架橋が充分に
進み、無機粉体への密着性などの特性が優れたものとな
ることが考えられる。
【0015】液の熟成は、液を放置すればよい。放置す
る時間は、上述の架橋が所望の膜特性を得るのに充分な
程度進行するのに充分な時間であり、具体的には、用い
る触媒の種類にもよるが、塩酸では室温で約1時間以
上、マレイン酸では数時間以上、特に好ましくは8時間
〜1週間程度で充分である。
【0016】熟成に要する時間はまた周囲の温度にも影
響を受け、極寒地では20℃付近まで加熱する等の手段
を採った方がよいこともある。一般に高温では熟成が速
く進むが100℃以上にも加熱するとゲル化が起こるの
で、せいぜい50〜60℃までの加熱が適切である。
【0017】熟成を充分に行なうことにより、得られる
膜の白化や、剥離を防止することができる。一般に、架
橋反応による発熱が終わり、放冷し室温に戻れば熟成は
充分である。本発明では上記の方法により得られたコー
ティング液を、原料無機粉体にコーティングする。用い
られる原料無機粉体としては、炭酸カルシウム、水酸化
アルミニウム、カオリンクレー、二酸化モリブデン、マ
イクロバルーン、水酸化マグネシウム、グラファイト、
石膏、マイカ、タルク、天然及び合成シリカ、酸化鉄、
希土類化合物等の建材用充填剤、磁性材料用磁性粉等が
掲げられ、本発明のコーティング液でコーティングを施
すことにより安息角が低下し充填量を上げることができ
るので、引いてはこれらを用いた建材、磁性材の特性が
向上する。尚コーティング方法は特に限定されないが例
えば液中に原料無機粉体を添加し攪拌すれば容易にコー
ティングを施すことができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により、更に本発明を詳細に説
明する。なお部及び%は特にことわりのない限り重量部
及び重量%を示す。 実施例1 攪拌機と還流用コンデンサー及び温度計を付けた500
mlの3つ口丸底フラスコに、テトラメトキシシラン2
34gとメタノール74gを加えて混合した後、0.0
5%塩酸22.2gを加え、内温度65℃、2時間加水
分解反応を行った。
【0019】次いでコンデンサーを抽出管に取り換え、
内温度が150℃になるまで昇温し、メタノールで抽出
させ更に150℃、3時間加熱し縮合を行った。このよ
うにして加水分解物を得た。重合度は3〜6でヒドロキ
シル基10以上であった。テトラメトキシシラン・オリ
ゴマー中のモノマー量は5%であった。引き続き100
〜150℃に加熱したジャケットにテトラメトキシシラ
ン・オリゴマーで煮沸させて、気化したモノマーを不活
性ガスと共に系外に排出する。こうして得られたテトラ
メトキシシラン・オリゴマー中のモノマー量は0.2%
であった。
【0020】こうして得られたテトラメトキシシラン・
オリゴマー100重量部に対し、溶媒としてエタノール
200重量部及びアセトン700重量部、マレイン酸1
重量部、及び水21重量部を添加し、室温で30分攪拌
した。室温で2日放置し、熟成した。このコーティング
液10重量部を炭酸カルシウム(石津製薬(株)製特級
沈降品 純度99%以上)500重量部に添加しヘンシ
エルミキサーで1500RPMで15分攪拌した。その
後ヘンシエルミキサーのジャケットに110℃の水蒸気
を通し、100℃以上にヘンシエルミキサー内部を加熱
し、攪拌もしながら10分加熱を続けコーティングされ
た炭酸カルシウム粉を得た。得られた炭酸カルシウム粉
は凝集もなく、「三輪式安息角測定装置」で測定したと
ころ安息角は30度であった。尚、コーティングする前
の炭酸カルシウム粉の安息角は50度であった。
【0021】実施例2 水酸化アルミニウム粉(アルコア化成(株)製、商品名
C−385 平均粒径8μm)を使用した以外は実施例
1と同様にコーティング処理した。コーティングされた
水酸化アルミニウム粉は凝集もなく、安息角は25度で
あった。尚、コーティングする前の水酸化アルミニウム
粉の安息角は45度であった。
【0022】実施例3 天然シリカ(平均粒径50μm)を使用した以外は実施
例1と同様にコーティング処理した。コーティングされ
た天然シリカは凝集もなく、安息角は20度であった。
尚、コーティングされる前の天然シリカの安息角は45
度であった。
【0023】
【発明の効果】本発明により、凝集がなく、樹脂との配
合性に優れた無機粉体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 穂積 北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱 化成株式会社黒崎工場内 (72)発明者 松添 信行 東京都千代田区丸の内2丁目5番2号 三 菱化成株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコキシシランの部分加水分解物、溶
    媒、硬化触媒、並びにアルコキシシランの部分加水分解
    物を理論上100%加水分解可能な量以上の水を含有す
    る液を熟成することを特徴とする無機粉体用コーティン
    グ液の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルコキシシランの部分加水分解物、溶
    媒、硬化触媒、及びアルコキシシランの部分加水分解物
    を理論上100%加水分解可能な量以上の水を含有する
    液を熟成して得られる無機粉体用コーティング液。
  3. 【請求項3】 アルコキシシランがテトラメトキシシラ
    ンであることを特徴とする請求項1記載の無機粉体用コ
    ーティング液の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルコキシシランがテトラメトキシシラ
    ンであることを特徴とする請求項2記載の無機粉体用コ
    ーティング液。
  5. 【請求項5】 アルコキシシランの部分加水分解物中の
    モノマーが1重量%以下であることを特徴とする請求項
    1又は3記載の無機粉体用コーティング液の製造方法。
  6. 【請求項6】 アルコキシシランの部分加水分解物中の
    モノマーが1重量%以下であることを特徴とする請求項
    2又は4記載の無機粉体用コーティング液。
  7. 【請求項7】 請求項2、4又は6記載の無機粉体用コ
    ーティング液を原料無機粉体にコーティングして得られ
    る無機粉体。
  8. 【請求項8】 原料無機粉体が炭酸カルシウム、水酸化
    アルミニウム、天然シリカ、合成シリカ又は磁性粉であ
    ることを特徴とする請求項7記載の無機粉体。
JP9631794A 1994-05-10 1994-05-10 無機粉体、無機粉体用コーティング液及びその製造方法 Pending JPH07305045A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5997630A (en) * 1995-06-28 1999-12-07 Mbt Holding Ag Concrete accelerators

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5997630A (en) * 1995-06-28 1999-12-07 Mbt Holding Ag Concrete accelerators

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