JPH08157742A - コーティングされた無機粉体及びその製造方法、並びに無機粉体用コーティング剤及びその製造方法 - Google Patents

コーティングされた無機粉体及びその製造方法、並びに無機粉体用コーティング剤及びその製造方法

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JPH08157742A
JPH08157742A JP6298596A JP29859694A JPH08157742A JP H08157742 A JPH08157742 A JP H08157742A JP 6298596 A JP6298596 A JP 6298596A JP 29859694 A JP29859694 A JP 29859694A JP H08157742 A JPH08157742 A JP H08157742A
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alkoxysilane
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powder
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JP6298596A
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Hanako Katou
波奈子 加藤
Kenji Oba
憲治 大庭
Takeshi Sawai
毅 沢井
Nobuyuki Matsuzoe
信行 松添
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面特性に優れた無機粉体を得る。 【構成】 アルコキシシランにこれを理論上100%加
水分解可能な量以上の水を添加し熟成して得られた熟成
物、及び/又はこれを更に水又は水以外の溶媒で希釈し
て得られた希釈液を、原料無機粉体に付着した後、乾燥
して得られるコーティングされた無機粉体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種マトリックスとの親
和性に優れた無機粉体に関する。
【0002】
【従来の技術】炭酸カルシウム、グラファイト、カーボ
ンブラック、ボロン、酸化チタン、酸化鉄等の無機粉体
は、プラスチック、塗料、インキ、ゴム等に配合使用さ
れており、その材料の増量、耐熱性、電気絶縁性、ブロ
ッキング防止、印刷性等の特性向上の目的で広く用いら
れている。これら無機粉体の表面は一般に親水性である
ため、高分子材料中での分散性を向上させるために表面
改質は不可欠である。通常、表面改質剤としてステアリ
ン酸、牛脂エステル、界面活性剤、樹脂酸、チタネート
系カップリング剤等が用いられており、各種高分子材料
との親和性が良いシラン系カップリング剤は殆ど用いら
れていないのが現状である。これは、これらの無機粉体
の表面が不活性であるためシラン系カップリング剤処理
が困難なことが主な原因である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者はこれ
ら無機粉体の表面活性向上を得るべく鋭意検討を行い、
本発明に達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、アルコキシシランにこれを理論上100%加水分解
可能な量以上の水を添加し熟成して得られた熟成物、及
び/又はこれを更に水又は水以外の溶媒で希釈して得ら
れた希釈液を、原料無機粉体に付着した後、乾燥して得
られるコーティングされた無機粉体、アルコキシシラン
に、これを理論上100%加水分解可能な量以上の水を
添加し、熟成して得られる無機粉体用コーテング剤、ア
ルコキシシランに、これを理論上100%加水分解可能
な量以上の水を添加し、熟成して得られた熟成物を更に
水又は水以外の溶媒で希釈して得られる無機粉体用コー
テング剤、アルコキシシランにこれを理論上100%加
水分解可能な量以上の水添加し熟成して得られた熟成
物、及び/又はこれを更に水又は水以外の溶媒で希釈し
て得られた希釈液に、この熟成物と縮合反応し得る官能
基を2以上有する反応性有機化合物を配合して得られる
無機粉体用コーティング剤、反応性有機化合物がシラン
カップラーであることを特徴とする請求項4記載の無機
粉体用コーティング剤、及びこれら無機粉体用コーティ
ング剤でコーティングされた無機粉体、等に存する。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明における原料無機粉体としては、各種マトリクスに
配合される炭酸カルシウム、グラファイト、カーボンブ
ラック、ボロン、酸化チタン、酸化鉄、水酸化カルシウ
ム、天然シリカ等の無機粉体が挙げられる。次に、本発
明におけるアルコキシシランとは、通常、テトラメトキ
シシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシ
ランなどのテトラアルコキシシラン類のモノマー、及び
/又は、これらの部分加水分解物であるオリゴマーが用
いられる。これらのアルコキシシラン類のうち、加水分
解性が高く水溶媒中で可溶化が容易であることと、原料
無機粉体をコーティングした場合の皮膜特性として、ア
ルコキシ基の反応性が高く残アルコキシ基量が少ないた
め、膜硬度が高い及び粉体との密着性が良いなどの理由
から、テトラメトキシシランのモノマー及び/又は、そ
の部分加水分解物であるオリゴマーを用いるのが好まし
い。アルコキシシランの部分加水分解反応は、公知の方
法によることができ、たとえば、テトラメトキシシラン
の場合、モノマーに所定量の水を加えて必要に応じ酸触
等媒の存在下に、副生するメタノールを留去しながら通
常、室温程度〜100℃で反応させる。この反応により
テトラメトキシシランのモノマーは加水分解し、さらに
縮合反応によりヒドロキシル基を2以上有する液状のテ
トラメトキシシラン・オリゴマー(通常重合度2〜8程
度、大部分は3〜6)が部分加水分解物であるオリゴマ
ーとして得られる。加水分解の程度は、使用する水の量
により適宜調節することができるが、本発明においては
通常20〜80%程度、好適には30〜60%程度から
選ぶのが好ましい。20%以下ではモノマー残存率が高
く生産性が低い。また80%以上では得られるコーティ
ング剤がゲル化しやすい。尚、加水分解率100%と
は、アルコキシシランの全ての加水分解可能基を加水分
解縮合するのに必要な理論水量、すなわちアルコキシ基
のモル数の1/2のモル数の水を添加した場合をいう。
【0006】この際用いる水は水道水でよいが、用途、
目的に応じ脱塩素水を用いることにより、得られる塗膜
の耐食性をより優れたものとすることができる。こうし
て得られたアルコキシシランのオリゴマーにはモノマー
が通常2〜10%程度含有されている。このモノマーが
含有されているとコーティング剤の貯蔵安定性が欠ける
ことがあるため、モノマー含有量が1重量%以下、好ま
しくは0.3重量%以下になるように、モノマーを除去
するとよい。このモノマー除去は、フラッシュ蒸留、真
空蒸留、又はイナートガス吹込み等により行うことがで
きる。
【0007】本発明においては、上述のアルコキシシラ
ンに、これを理論上100%加水分解可能な量以上の水
を添加する。加水分解率の定義は、上述したものと同様
であり、オリゴマーを用いる場合も残存するアルコキシ
基のモル数の1/2のモル数の水を指す。添加する水の
量は、適宜選択することができるが、予め理論上100
%加水分解可能な量の1〜2倍、好ましくは1〜1.5
倍、更に好ましくは1〜1.2倍程度の水を添加して加
水分解を充分に進行させると密着性のよいコーティング
を得ることができる。この際に有機酸、無機酸を加えp
Hを好ましくは3以下とし反応液のゲル化、白濁化を抑
えるのが好ましい。またこの際水以外の溶媒を存在させ
ることができ、用いられる溶媒としては、アルコール
類、あるいはグリコール誘導体、炭化水素類、エステル
類、ケトン類、エーテル類を1種、または2種以上混合
し使用するとよい。
【0008】アルコール類としては具体的にはメタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、nブタノー
ル、イソブタノール、オクタノール等が挙げられ、グリ
コール誘導体としてはエチレングリコール、エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロピル
エーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル
等が挙げられる。
【0009】炭化水素類としてはベンゼン、ケロシン、
トルエン、キシレン等が使用でき、エステル類として、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチ
ル、アセト酢酸エチル等が使用できる。アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルア
セトン等のケトン類、エチルエーテル、ブチルエーテ
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジオキサ
ン、フラン、テトラヒドロフラン等のエーテル類が使用
できる。これらの溶媒はいずれも用いることができる
が、取扱い容易、液の保存安定性等の点からアルコール
が好ましい。なかでもメタノール又はエタノールを用い
ることにより、極めて高硬度かつ密着性に優れたコーテ
ィング皮膜を無機粉体表面に形成することができる。
【0010】アルコキシシランに対する溶媒の配合量
は、アルコキシシラン100重量部に対して好ましくは
50〜2000重量部、より好ましくは100〜100
0重量部である。50重量部未満では得られるコーティ
ング液の保存安定が悪くゲル化しやすいことと、無機粉
体との均一混合が困難となる等の問題を生ずることがあ
る。また、2000重量部を越えると無機粉体表面のコ
ーティング皮膜が極端薄くなるか、あるいはコーティン
グ皮膜がほとんど形成できないことがある。
【0011】本発明では更に必要に応じて硬化触媒を添
加することができる。触媒としては、例えば、塩酸、酢
酸、硝酸、ギ酸、硫酸、リン酸などの無機酸、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、パラトルエンスルホン酸、安息香
酸、フタル酸、マレイン酸などの有機酸、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア
等のアルカリ触媒、有機金属、金属アルコキシド、例え
ばジブチルスズジラウリレート、ジブチルスズジオクチ
エート、ジブチルスズジアセテート等の有機スズ化合
物、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、チ
タニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニ
ウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、
チタニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセ
トネート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセト
ネート)、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチ
ルアセトネート)及びジルコニウムビス(イソプロポキ
シ)ビス(アセチルアセトネート)等の金属キレート化
合物、ホウ素ブトキシド、ホウ酸等のホウ素化合物等が
あるが、得られるコーティング剤の貯蔵安定性、及び得
られるコーティング膜の硬度等の膜特性が優れている点
からは、マレイン酸等の有機酸およびアルミニウムトリ
ス(アセチルアセトネート)等の金属キレート化合物、
金属アルコキシド、ホウ素化合物のうち1種又は2種以
上を用いるのがよい。
【0012】これら触媒成分の添加量は、触媒としての
機能を発揮し得る量であれば特に制限されるものではな
いが、通常、アルコキシシラン100重量部に対し、
0.1〜10重量部程度の範囲から選択され、好ましく
は0.5〜5重量部である。これらの成分の配合方法
は、特に制限されず、例えば触媒成分を予め水に溶解さ
せたものを用いたり、アルコキシシランと水以外の溶媒
を混合、撹拌しながら配合する等の手段により一層均一
な配合物とすることもできる。尚、水その他溶媒により
分解されやすい触媒を用いる場合は、これをアルコキシ
シランと配合しておき、水又は水以外の溶媒と、使用に
際して配合することが好ましい。
【0013】本発明においては、これらの成分を配合し
て得られる配合液を熟成させる。かかる熟成工程を経る
ことにより、アルコキシシランの加水分解、縮合による
部分架橋反応が充分に進み、後述する微小粒子が形成さ
れるため、得られるコーティング膜の特性が優れたもの
となることが考えられる。配合液の熟成は、その液を放
置すればよいが、撹拌してもよい。放置する時間は、上
述の部分架橋反応が所望の膜特性を得るのに充分な程度
進行するのに充分な時間であり、用いる溶媒の種類及び
触媒の種類にもよる。例えば溶媒として有機溶媒を用い
た場合は、塩酸では室温で約1時間以上、マレイン酸で
は数時間以上、好ましくは8時間〜2日間程度で充分で
ある。
【0014】熟成を充分に行なうことにより、原料無機
粉体との密着性に優れたコーテイング皮膜を得ることが
できる。このように熟成を経た本発明の配合液(以下、
「熟成物」という)中には、アルコキシシランの加水分
解物による慣性半径10Å以下の微小粒子が形成してお
り、例えば小角X線散乱等の手段により容易に確認する
ことができる。すなわち、微小粒子の存在により、入射
X線の回折強度分布が、入射線方向に中心散乱と呼ばれ
る散漫な散乱、すなわち小角X線散乱を示す。散乱強度
Iは、次のGuinierの式により与えられる。 I=C exp(−H2Rg2/3)(I:散乱強度、
H:散乱ベクトル(=2πsin2θ/λ)、Rg:微
小粒子の慣性半径、C:Const、 λ:入射X線波
長、2θ:ひろがり角) 上記のGuinierの式の両辺の常用対数を採ると、
logI=logC-(H2Rg2/3)となり、従って、微小粒子が
存在する場合、散乱強度を測定し、散乱ベクトルに対す
る両対数グラフをプロットし、傾きを求めることによ
り、微小粒子の慣性半径を求めることができる。
【0015】本発明のコーティング剤においては、アル
コキシシランの加水分解物がこのような微小粒子を形成
しているため、成膜に際しては成分間の架橋反応性が優
れており、得られるコーティング皮膜の硬度が高く、か
つ原料無機粉体同士、配合するマトリクスとの密着性が
良いものとなる。
【0016】上述した熟成物はそのまま或いは適宜水及
び/又は水以外の溶媒で希釈して、コーティング剤とす
ることもできるが、更にこの熟成物と縮合反応し得る官
能基を2以上有する反応性有機化合物を配合したものを
コーティング剤とすることもできる。すなわち、本発明
の熟成物中の微小粒子は、ヒドロキシル基、アルコキシ
基等の加水分解重縮合可能な反応基を多数有する。これ
らの反応基と互いに加水分解重縮合可能な基を2以上有
する反応性有機化合物を、熟成物に配合することができ
る。用いる反応性有機化合物としては、得られるコーテ
ィング皮膜の要望特性から適合し得るものを選択すれば
良い。例えば、炭酸カルシウム等の無機粉体を樹脂等の
マトリクスに混合分散するような用途の場合は、マトリ
クスとの親和性の良い官能基を有する反応性有機化合物
を用いることが好ましい。このような反応性有機化合物
としては、たとえば、カルボキシル基、ヒドロキシル
基、アミノ基、アルコキシ基等を2以上有するものが挙
げられ(ただし、上記加水分解物を除く)、具体的に
は、たとえば
【0017】(i)シランカップリング剤(一般にはR
SiX3 :Xは加水分解性基、Rは官能基) (ii)アルキルアルコキシシリコーン類 (iii)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、ウレタン樹脂等のポリマー類 (iv)1,4−ブタンジオール、グリセリン、カテコー
ル、レゾルシン等の多価アルコール が挙げられるが、好適には(i),(iii)及び(iv)の
グループから選定される。
【0018】より具体的には、たとえば(i)のシラン
カップリング剤としては、
【0019】
【化1】 等のメチルアクリレート系、
【0020】
【化2】 等のエポキシ系、
【0021】
【化3】 等のアミノ系、
【0022】
【化4】 等のビニル系、
【0023】
【化5】HS−C3 6Si(OCH3 3 HS−C
3 6Si(OC2 5 3 、HS−C3 6Si(OC
2 4 OCH3 3 、等のメルカプト系、等が挙げられ
る。
【0024】これらはいずれも好適に用いることができ
るが、コーティングを施す原料無機粉体や、配合するマ
トリクスの種類により適宜選択することも可能である。
例えば、マトリクスがアクリル樹脂であればメチルアク
リレート系、その他一般の樹脂であればビニル系、金属
粉等であればエポキシ系シランカップラーを選択すれ
ば、特に密着性の優れたコーティングを得ることができ
る。マトリクスがガラス質粉体であれば、いずれのシラ
ンカップラーを用いても、優れた密着性を得ることがで
きる。
【0025】また、(ii)のアルキルアルコキシシリコ
ーン類としては、
【0026】
【化6】 等が挙げられる。
【0027】さらに、(iii)のポリマー類としては、た
とえば、次のようなものが挙げられる。 アクリル樹脂 (a)VP
【0028】
【化7】
【0029】(b)VP−γMTS;上記VP構造にγ
MTS(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン)を付加したもの
【0030】
【化8】 エポキシ樹脂
【0031】
【化9】 ポリエステル樹脂
【0032】
【化10】 ポリウレタン樹脂
【0033】
【化11】
【0034】これらは本発明で用いることのできる反応
性有機化合物の例示であり、本発明で用いることのでき
る反応性有機化合物はこれらに限られるものではなく、
本発明の趣旨で述べたように、上述した熟成物と縮合反
応し得る官能基を2以上有するものであれば、何れも用
いることができる。また、上記の反応性有機化合物は、
目的に応じて2種以上を併用することもできる。例え
ば、エポキシ樹脂とエポキシ系シランカップラー、アク
リル樹脂とアクリル系シランカップラー、ポリエステル
樹脂とエポキシ系シランカップラー等、樹脂成分とシラ
ンカップラーとを併用することにより、基材との密着性
が向上し、また樹脂成分とテトラメトキシシランとの相
溶性が更に向上し得られるコーティング膜の特性が更に
優れたものとなる等、目的に応じ適宜選択することがで
きる。尚、併用に際しては、2種以上を予め配合して
も、各々を熟成物に添加してもよい。また、必要な場合
は適宜これらを水その他の溶媒で希釈してもよい。
【0035】反応性有機化合物の添加量は、固形分とし
て、通常、熟成物100重量部に対し、1〜300重量
部、好ましくは4〜150重量部の範囲である。膜中Si
O2濃度が94〜5%、好ましくは80〜10%となる範
囲で、特に優れた膜特性及び液での貯蔵安定性が発現で
きる。反応性有機化合物の量が多すぎると、得られるコ
ーティング膜の硬度が低くなったり原料無機粉体との密
着性が低下する傾向にあり、またコーティング液の貯蔵
安定性が低下する傾向にある。また、反応性有機化合物
が少なすぎると、コーティング膜の可撓性が低下し、ク
ラック発生、マトリクスとの親和性低下等が生じる場合
がある。
【0036】尚、反応性有機化合物としてシランカップ
ラーを使用する場合、これを加水分解するために水を添
加する。この際シランカップラーと共に添加しても、或
は予めテトラメトキシシランを加水分解するために加水
分解100%当量以上の水を添加する際に、共に添加し
ておいても差支えない。これら熟成物と反応性有機化合
物との配合に際しては、必要に応じて、溶媒、硬化触媒
等を添加することができる。溶媒としては熟成物と反応
性有機化合物の双方に相溶性を持つものが好適であり、
例えばアルコール類、あるいはグリコール誘導体、炭化
水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類を1種、ま
たは2種以上混合して使用できる。
【0037】アルコール類としては具体的にはメタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノ
ール、イソブタノール、オクタノール等が挙げられ、グ
リコール誘導体としてはエチレングリコール、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロピ
ルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテ
ル等が挙げられる。
【0038】炭化水素類としてはベンゼン、ケロシン、
トルエン、キシレン等が使用でき、エステル類として、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチ
ル、アセト酢酸エチル等が使用できる。アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルア
セトン等のケトン類、エチルエーテル、ブチルエーテ
ル、2メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジオキサ
ン、フラン、テトラヒドロフラン等のエーテル類が使用
できる。
【0039】これらの溶媒は、用いる反応性有機化合物
の種類や、所望の膜特性に応じて適宜選択すればよい。
尚、反応性有機化合物の種類によっては、官能基が多
く、成膜後の硬化速度向上のために触媒を更に添加する
のが望ましい場合もあるが、一般には、熟成物生成の際
に添加した触媒で充分である。又、これら溶媒及び触媒
を使用する際の添加順序は特に限定されず、反応性有機
化合物と同時にテトラメトキシシランに添加してもよ
く、あるいは以下に述べる相溶状態を達成してから添加
してもよい。
【0040】熟成物と反応性有機化合物との配合に際し
ては、これらの成分を、望ましい相溶状態とするため、
反応性有機化合物を熟成物に添加した後、一定時間放置
すると、一層優れた特性を有するコーティング剤とな
る。放置することにより、熟成物中に生成しているヒド
ロキシル基、アルコキシル基等の反応基を持った微小粒
子と、これと反応し得る官能基を持った反応性有機化合
物とが、両者に相溶性を有する溶媒の存在下で、水素結
合による結合、及び部分的に反応していることで相溶状
態となることが考えられる。これにより、得られたコー
ティング液を成膜すると、溶媒の蒸発とともに微小粒子
と反応性有機化合物の官能基相互の反応が加速されるこ
とにより、透明で高硬度のコーティング膜を形成する。
放置に要する時間は、用いる有機化合物の種類にもよ
り、これらの分子の大きさ、官能基の量、種類等により
一概にはいえないが、例えばシランカップラー等比較的
分子量の小さいものであれば、1時間程度で充分である
ことが多く、また分子量の大きい樹脂成分等であれば、
数日放置する必要があるものもある。放置時間が充分で
あれば、成膜後、透明なコーティング膜となるため、コ
ーティング液中の各成分が相溶状態となっていることが
確認できる。なお、ゲル化しない程度に加熱したり、撹
拌を行ったりすることにより、相溶状態とするのに要す
る放置時間を短縮することができる。無機粉体のコーテ
ィング処理は、一般的な乾式法又は湿式法で行えばよ
い。例えば、乾式法の場合はヘンシェルミキサー等の混
合撹拌機付きで且つ乾燥可能な機器を用いることが好ま
しい。具体的には、原料無機粉体と所定量のコーティン
グ剤を仕込み、室温で充分無機粉体表面がコーティング
剤でぬれるまで撹拌する。次に、撹拌を続けながら10
0〜150℃に加熱しコーティング剤の佳境反応を促進
させ、且つ水分等の揮発成分を蒸発させることでヒーテ
ィングされた無機粉体を得ることができる。尚、所定量
のコーティング剤で原料無機粉体が均一にぬれにくい場
合は、所定量のコーティング剤を水希釈して用いてもよ
い。尚、特にマトリクスとの親和性を高める場合、原料
無機粉体を、上述の熟成物及び/又はこれを水希釈して
得られたコーティング剤で予め被覆し、必要に応じて乾
燥等を行った後、更に、上述の反応性有機化合物で被覆
することにより、極めて優れたコーティングされた無機
粉体を得ることができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例により、更に本発明を詳細に説
明する。なお部及び%は特にことわりのない限り重量部
及び重量%を示す。 実施例1 〔テトラメトキシシラン・オリゴマーの合成〕撹拌機と
還流用コンデンサー及び温度計を付けた500mlの四
つ口丸底フラスコに、テトラメトキシシラン234gと
メタノール74gを加えて混合した後、0.05%塩酸
22.2gを加え、内温度65℃、2時間加水分解反応
を行った。
【0042】次いでコンデンサーを留出管に取り換え、
内温度が130℃になるまで昇温し、メタノールで留出
させた。このようにして部分加水分解縮合物を得た(部
分加水分解率40%)。重合度2〜8のオリゴマーが確
認され、重量平均分子量は550であった。テトラメト
キシシラン・オリゴマー中のモノマー量は5%であっ
た。引き続き130℃に加熱したフラスコにテトラメト
キシシラン・オリゴマーを入れ、気化したモノマーを不
活性ガスと共に系外に排出しながら、150℃まで昇温
し、3時間保持した。こうして得られたテトラメトキシ
シラン・オリゴマー中のモノマー量は0.2%であっ
た。 (コーティング液の調製)
【0043】こうして得られたテトラメトキシシラン・
オリゴマー30.77gにエタノール62.42gを添
加し、次いでマレイン酸0.31g及び脱塩水6.50
gを添加した。この水の添加量はテトラメトキシシラン
・オリゴマーを理論上完全に加水分解する量に対し11
3%である。室温で3日放置し熟成し、熟成物を得た。 (炭酸カルシウム粉のコーティング処理)次に、ヘンシ
ェルミキサーに炭酸カルシウム粉(石津製薬〓製 試薬
特級:沈降品平均粒径:9.9μm 比表面積:0.2
8m2/g)500重量部を仕込んだ後、上述の熟成物
10重量部とアセトン40重量部を混合したものを室温
で添加し、1500rpmで15分間室温で撹拌した。
その後、ヘンシェルミキサーのジャケットに110℃の
水蒸気を通し、100℃以上にヘンシェルミキサーの内
部を加熱し、撹拌しながら15分加熱を続けコーティン
グされた炭酸カルシウム粉を得た。得られたコーティン
グされた炭酸カルシウム粉は、凝集もなく「ABD式粉
体特性測定装置」を用いて安息角を測定したところ44
度であった。又、疎充填密度は0.62g/ccであ
り、水に投入し手振り混合して、水に対するぬれ性を確
認したところ、約半量の炭酸カルシウム粉は水にぬれず
に浮いた状態であった。尚、コーティング前の原料炭酸
カルシウム粉の安息角は59度、疎充填密度は0.39
g/cc、水に対するぬれ性は、全量がすぐにぬれて沈
降してしまうものであった。 〔微小粒子の確認〕上記の〔コーティング液の調製〕で
得られた熟成物(組成物A、SiO2換算濃度16重量%、
8.1vol%)、及びこれをエタノールで約4倍に希
釈した液(組成物B、SiO2換算濃度4.3重量%、2v
ol%)について、以下の条件で、小角X線散乱による
解析を行った。 測定装置:アントンパール社製 クラツキコンパクトカ
メラ X線源:50kV、200mA、Cu-Kα線をNi-filterで単
色化。 光学系条件:サンプル−受光スリット間距離=20cm
内真空path=19cm エントランス・スリット=80μm、受光スリット=20
0μm、beam length=16mm
【0044】試料セル : 石英キャピラリー(直径約
1mm、肉厚10μm) その他条件: 室温。 step scan法 操作範囲 2θ
=0.086〜8.1deg90sec/point データ補正:バックグラウンド補正は石英キャピラリー
に水を充填した時の散乱を用いて補正した。X線吸収補
正も行った。 解析ソフト:スリット補正及び逆フーリエ変換は解析ソ
フトITP−81(O.Glatter; J.Appl.Cryst., 10. 41
5-421(1977)による。)を使用した。
【0045】図‐1及び図‐2に、組成物A及び組成物
Bの、受光スリットにおける散乱X線の移動距離に対す
る、散乱強度の測定データ(バックグラウンド補正、吸
収補正済)を示す。図‐3及び図‐4に、組成物A及び
組成物Bのスリット補正後のポイントビームデータを示
す。これら図‐3及び図‐4からGuinierの式I
=C exp(−H2Rg2/3)(I:散乱強度、H:
散乱ベクトル(=2πsin2θ/λ)、Rg:慣性半
径、C:Const、 λ:Cu-Kα線波長、2θ:ひろ
がり角) に従って慣性半径の最大値を求めると、図‐5及び図‐
6に示した様に、組成物Aについては7.0Å(球形と
仮定すると実半径R=(5/3)1/2Rgより、半径
9.0Å)、組成物Bについては6.0Å(球形と仮定
すると半径7.7Å)であった。また、図‐3及び図‐
4を逆フーリエ変換し、半径(球形と仮定)の分布を求
めた結果を図‐7及び図‐8に示す。半径の最大値は、
各々約6Å及び7Åであった。なお、上記〔テトラメト
キシシラン・オリゴマーの合成〕で得られたテトラメト
キシシラン・オリゴマーについて、上記〔微小粒子の確
認〕同様の条件下に小角X線散乱による解析を行った。
図−9に散乱強度の測定データを示すが、これにより明
らかなように、微小粒子等の構造は認められなかった。
【0046】比較例1 ビニル系シランカップラー(信越化学製:KBM−10
03)25重量部とアセトン470重量部の混合物に1
%マレイン酸水5重量部を添加し良く混合した後、室温
で2時間放置してシランカップラーの加水分解物を得
た。次に、ヘンシェルミキサーに炭酸カルシウム粉(石
津製薬〓製 試薬特級:沈降品平均粒径:9.9μm
比表面積:0.28m2/g)500重量部を仕込んだ
後、上述のシランカップラーの加水分解物50重量部を
室温で添加し、1500rpmで15分間室温で撹拌し
た。その後、ヘンシェルミキサーのジャケットに110
℃の水蒸気を通し、100℃以上にヘンシェルミキサー
の内部を加熱し、撹拌しながら15分加熱を続けコーテ
ィングされた炭酸カルシウム粉を得たた。得られた炭酸
カルシウム粉を、「ABD式粉体特性測定装置」を用い
て安息角を測定したところ56度であった。又、疎充填
密度は0.53g/ccであり、水に投入し手振り混合
して、水に対するぬれ性を確認したところ、全量がすぐ
にぬれて沈降してしまうものであった。
【0047】実施例2 (コーティング剤の調製)テトラメトキシシラン40.
50gにA−11(日本化成〓製:工業用エタノール)
48.40gを添加し、次いでマレイン酸0.31g及
び脱塩水10.80gわ添加した。この水の添加量はテ
トラメトキシシランを理論上完全に加水分解する量に対
して113%である。室温で3日放置し熟成し、熟成物
を得た。 (炭酸カルシウム粉のコーティング処理)次に、ヘンシ
ェルミキサーに炭酸カルシウム粉(石津製薬〓製 試薬
特級:沈降品平均粒径:9.9μm 比表面積:0.2
8m2/g)500重量部を仕込んだ後、上述の熟成物
10重量部とアセトン40重量部を混合したものを室温
で添加し、1500rpmで15分間室温で撹拌した。
その後、ヘンシェルミキサーのジャケットに110℃の
水蒸気を通し、100℃以上にヘンシェルミキサーの内
部を加熱し、撹拌しながら15分加熱を続けコーティン
グされた炭酸カルシウム粉を得た。得られたコーティン
グされた炭酸カルシウム粉は、凝集もなく「ABD式粉
体特性測定装置」を用いて安息角を測定したところ45
度であった。又、疎充填密度は0.63g/ccであ
り、水に投入し手振り混合して、水に対するぬれ性を確
認したところ、約半量の炭酸カルシウム粉は水にぬれず
に浮いた状態であった。
【0048】実施例3 実施例1で得られた熟成物100重量部にビニル系シラ
ンカップラー(信越化学製:KBM−1003)を25
重量部添加し、次いで水5重量部を加え良く混合した
後、室温で2時間放置してコーティング剤を調整した。
次に、ヘンシェルミキサーに炭酸カルシウム粉(石津製
薬〓製 試薬特級:沈降品平均粒径:9.9μm 比表
面積:0.28m2/g)500重量部を仕込んだ後、
上述のコーティング剤13重量部とアセトン37重量部
を混合したものを室温で添加し、1500rpmで15
分間室温で撹拌した。その後、ヘンシェルミキサーのジ
ャケットに110℃の水蒸気を通し、100℃以上にヘ
ンシェルミキサーの内部を加熱し、撹拌しながら15分
加熱を続けコーティングされた炭酸カルシウム粉を得
た。得られた炭酸カルシウム粉は、凝集もなく「ABD
式粉体特性測定装置」を用いて安息角を測定したところ
44度であった。又、疎充填密度は0.61g/ccで
あり、水に投入し手振り混合して、水に対するぬれ性を
確認したところ、約半量の炭酸カルシウム粉は水にぬれ
ずに浮いた状態であった。
【0049】実施例4 ヘンシェルミキサーに実施例1で得られた熟成物でコー
ティングされた炭酸カルシウム粉500重量部を仕込ん
だ後、比較例1で得られたシランカップラーの加水分解
物50重量部を室温もで添加し、1500rpmで15
分間室温で撹拌した。その後、ヘンシェルミキサーのジ
ャケットに110℃の水蒸気を通し、100℃以上にヘ
ンシェルミキサーの内部を加熱し、撹拌しながら15分
加熱を続けコーティングされた炭酸カルシウム粉を得
た。得られた炭酸カルシウム粉は、凝集もなく「ABD
式粉体特性測定装置」を用いて安息角を測定したところ
36度であった。又、疎充填密度は0.95g/ccで
あり、水に投入し手振り混合して、水に対するぬれ性を
確認したところ、約半量の炭酸カルシウム粉が水にぬれ
ず浮いた状態であった。
【0050】実施例5 実施例1で得られたテトラメトキシシラン・オリゴマー
100重量部に対し、溶媒としてエチルアルコール20
0重量部を添加した。次いでマレイン酸1.3重量部、
脱塩素水22重量部添加し室温で30分攪拌し、3日間
熟成した。次いでエポキシ系シランカップラー(信越化
学(株)製”KBM 403”)を30重量部添加し、
室温で1時間、攪拌しコーティング剤を調整した。
【0051】このコーティング剤35重量部に対し水酸
化アルミニウム粉(アルコア化成(株)製 品番OC−
2000、平均粒径47μm)1000重量部添加しヘ
ンシェルミキサーで500rpm、室温で15分攪拌し
た。次いでヘンシェルミキサーのジャケットに110℃
の水蒸気で加熱し、攪拌しながら20分加熱しコーティ
ングされた水酸化アルミニウム粉を得た。
【0052】実施例6 実施例1で得られたテトラメトキシシラン・オリゴマー
100重量部に対し、溶媒としてアセトン200重量部
を添加した。次いでマレイン酸1.3重量部、脱塩素水
22重量部添加し、室温で30分攪拌し、3日間熟成し
た。次いでメチルアクリレート系シランカップラー(信
越化学(株)製”KBM 503”)を40重量部添加
し、室温で1時間、攪拌しコーティング剤を調整した。
【0053】このコーティング剤40重量部に対し水酸
化アルミニウム粉(アルコア化成(株)製 品番C−3
85、平均粒径8μm)1000重量部添加しヘンシェ
ルミキサーで500rpm、室温で15分攪拌した。次
いでヘンシェルミキサーのジャケットに110℃の水蒸
気で加熱し、攪拌しながら20分加熱しコーティングさ
れた水酸化アルミニウム粉を得た。
【0054】
【発明の効果】本発明により、、炭酸カルシウム粉等の
無機粉体表面をガラス質皮膜でコーティングすることで
凝集もなく流動性に優れ、かつ疎充填密度の高い無機粉
体を得ることができる。また、従来炭酸カルシウム粉等
の無機粉体の表面処理剤として使用が困難であった各種
シランカップラー処理が可能になることから、これらの
併用により、FRP、人造大理石等の種々のマトリクス
との分散性、配合性及び密着性に優れた無機粉体を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 組成物Aの散乱強度の測定データ
【図2】 組成物Bの散乱強度の測定データ
【図3】 組成物Aのスリット補正後のポイントビーム
データ
【図4】 組成物Bのスリット補正後のポイントビーム
データ
【図5】 組成物A中の微小粒子の慣性半径の分布
【図6】 組成物B中の微小粒子の慣性半径の分布
【図7】 組成物A中の微小粒子の球仮定半径の分布
【図8】 組成物Bの微小粒子の球仮定半径の分布
【図9】 実施例1(テトラメトキシシラン・オリゴマ
ーの合成)で得られたテトラメトキシシラン・オリゴマ
ーの散乱強度の測定データ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松添 信行 東京都千代田区丸の内2丁目5番2号 三 菱化学株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコキシシランにこれを理論上100
    %加水分解可能な量以上の水を添加し熟成して得られた
    熟成物、及び/又はこれを更に水又は水以外の溶媒で希
    釈して得られた希釈液を、原料無機粉体に付着した後、
    乾燥して得られるコーティングされた無機粉体。
  2. 【請求項2】 アルコキシシランに、これを理論上10
    0%加水分解可能な量以上の水を添加し、熟成して得ら
    れる無機粉体用コーテング剤。
  3. 【請求項3】 アルコキシシランに、これを理論上10
    0%加水分解可能な量以上の水を添加し、熟成して得ら
    れた熟成物を更に水又は水以外の溶媒で希釈して得られ
    る無機粉体用コーテング剤。
  4. 【請求項4】 アルコキシシランにこれを理論上100
    %加水分解可能な量以上の水添加し熟成して得られた熟
    成物、及び/又はこれを更に水又は水以外の溶媒で希釈
    して得られた希釈液に、この熟成物と縮合反応し得る官
    能基を2以上有する反応性有機化合物を配合して得られ
    る無機粉体用コーティング剤。
  5. 【請求項5】 反応性有機化合物がシランカップラーで
    あることを特徴とする請求項4記載の無機粉体用コーテ
    ィング剤。
  6. 【請求項6】 アルコキシシランにこれを理論上100
    %加水分解可能な量以上の水添加し熟成して得られた熟
    成物が慣性半径10オングストローム以下の微粒子を含
    有することを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載の
    無機粉体用コーティング剤。
  7. 【請求項7】 アルコキシシランにこれを理論上100
    %加水分解可能な量以上の水添加し熟成する際に水以外
    の溶媒を存在させることを特徴とする請求項2〜6の何
    れかに記載の無機粉体用コーティング剤。
  8. 【請求項8】 アルコキシシランにこれを理論上100
    %加水分解可能な量以上の水を添加し熟成して得られた
    熟成物及び/又はこれを更に水又は水以外の溶媒で希釈
    して得られた希釈液に、この熟成物と縮合反応し得る官
    能基を2以上有する反応性有機化合物を配合することを
    特徴とする無機粉体用コーティング剤の製造方法。
  9. 【請求項9】 アルコキシシランとしてモノマー含有量
    が1重量%以下のオリゴマーを用いることを特徴とする
    請求項2〜7の何れかに記載の無機粉体用コーティング
    剤。
  10. 【請求項10】 アルコキシシランがテトラメトキシシ
    ランであることを特徴とする請求項2〜7の何れかに記
    載の無機粉体用コーティング剤。
  11. 【請求項11】 請求項2〜7、9〜10の何れかに記
    載の無機粉体用コーティング剤で原料無機粉体をコーテ
    ィングすることを特徴とするコーティングされた無機粉
    体の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項2又は3記載の無機粉体用コー
    ティング剤を原料無機粉体にコーティングして得られる
    コーティングされた無機粉体を、更にアルコキシシラン
    加水分解物に縮合反応し得る官能基を2以上有する反応
    性有機化合物でコーティングして得られるコーティング
    された無機粉体。
  13. 【請求項13】 原料無機粉体が炭酸カルシウムである
    ことを特徴とする請求項11記載のコーティングされた
    無機粉体の製造方法。
JP6298596A 1994-12-01 1994-12-01 コーティングされた無機粉体及びその製造方法、並びに無機粉体用コーティング剤及びその製造方法 Pending JPH08157742A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1225983A1 (en) * 1999-09-13 2002-07-31 Chemat Technology, Inc. Composition and method for a coating providing anti-reflective and anti-static properties
US6620861B1 (en) 1999-11-17 2003-09-16 Kabushiki Kaisha Shofu Dental fillers
JP2011105832A (ja) * 2009-11-17 2011-06-02 Daito Kasei Kogyo Kk 水分散性顔料およびその顔料水分散液
CN104292986A (zh) * 2014-10-25 2015-01-21 合肥旭阳铝颜料有限公司 一种绝缘水性铝银浆及其制备方法

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