JPH07304601A - ドライフラワーの製造方法 - Google Patents

ドライフラワーの製造方法

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JPH07304601A
JPH07304601A JP11960394A JP11960394A JPH07304601A JP H07304601 A JPH07304601 A JP H07304601A JP 11960394 A JP11960394 A JP 11960394A JP 11960394 A JP11960394 A JP 11960394A JP H07304601 A JPH07304601 A JP H07304601A
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flowers
dried
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Manabu Ueno
学 上野
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Dai Ichi High Frequency Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生花の形状、色彩をできるだけ保持したドラ
イフラワーを高い生産性にて製造する方法を提供する。 【構成】 生花を乾燥剤中に埋没させた状態で、花色を
変化させない温度に昇温保持して花弁を乾燥させ、次い
で花弁を乾燥した後の花卉に対して、該花卉を乾燥剤中
に埋没させた状態でマイクロ波を照射し、水分残留部へ
のマイクロ波の選択吸収による発熱を利用して未乾燥部
分を集中的に補填乾燥させ、花弁への加熱劣化を最少限
に留めつつ花卉全体に亘る乾燥を終え、ドライフラワー
を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生花の形状、色彩を出来
るだけ保持したドライフラワーを高い生産性にて製造可
能なドライフラワーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ドライフラワーは枯れた味わいを愛でる
向きもあるものの、一般的には生花の姿を元のままに残
す要請の方が強い。また、贅沢商品であるとは言え、コ
ストを抑える必要があることから、時間当たりの生産量
の大きい技術が望まれている。従来より、花卉の形状或
いは色彩を保持したまま生花を乾燥するために、以下に
示すようないろいろな乾燥方法が工夫されて来たが、い
ずれも一長一短がある。
【0003】(1)生花を冷凍して花卉の形状を保持し
たまま減圧し、水分を昇華乾燥させると、殆ど自然のま
まの形状と花色を有するドライフラワーを得ることがで
きる。しかし、この方法によると、乾きやすい花弁のみ
でも乾燥に10日以上を要し、装置占有時間が長いため
に装置当たりの生産能率が極めて低い。
【0004】(2)生花を有機溶媒に浸漬し、花卉の水
分を溶媒で置換して花卉の形状を保持した後、温風で溶
媒を揮発させてドライフラワーを得る方法がある。この
方法によると、形状保持のための脱水、及び乾燥に要す
る時間は短くて済む。しかしながら、溶媒を使用するた
め色素を溶出しにくい花卉に限定しても、多少の色素溶
出は避けられず、自然の色彩よりさらけた花色のドライ
フラワーとなってしまう。また、茎葉共に加工すると、
葉緑素等の他の色素が溶出して花色を損ずるので、花の
みしか加工できず、花のみを処理するとしても溶媒中に
色素が溶出して来るため、溶媒を頻度高く交換しなけれ
ばならないという難点がある。また、溶媒を入れた容器
に、花弁の薄い花卉を重ねて入れると下積みの花は押さ
れて歪んだ形状のまま固化するので、花が重ならぬよう
少しずつしか処理出来ないので、生産能率面でも問題が
残る。
【0005】(3)蓋付の容器に粒状或いは粉状の乾燥
剤を入れ、花卉を自然の形状のまま、その乾燥剤中に埋
没させて室温で放置しておけば、1〜2週間で、自然な
形状を保持したドライフラワーが得られる。しかし、乾
燥に1週間もかかると、花色変異に関与する生体酵素に
よって、花色が変化したり、褐色化したりする場合が多
い。また、茎葉共に乾燥しようとすると更に時間がかか
るため、花柄基部、葉柄基部に脱離層が形成され、花や
葉が落ちてしまう場合も多く、事業化に適う加工方法と
は言えない。
【0006】(4)上記(3)の方法における乾燥時間
を短縮するため、乾燥剤中に花を埋没したまま、全体を
雰囲気で或いは遠赤外線で加熱する方法がある。このよ
うに生花を強制加熱し、昇温させると、乾燥時間を短縮
できるばかりでなく、花色変異に関与する生体酵素を失
活させて加工中における変色を防止することも可能であ
る。例えば、花色変異に関与する酵素を失活させるに
は、85°C以上に数分加熱すれば良い。しかしなが
ら、高温に耐える色素を有する花は極めて少なく、例え
ば50〜60°C程度の昇温によって即変色し或いは一
旦あざやかな色に仕上がってもその後の色持ちが却って
悪くなる場合もあり、限定された種類の花しか加工でき
ない。一方、加熱温度を下げ、例えば40°C程度とす
ると、乾燥しやすい花卉で4〜5日、花軸や茎に水分の
多い花卉で5〜7日、水分の蒸散しにくい表皮構造を有
する花卉では8〜10日で乾燥を終えることができる
が、乾燥に5日以上かかると、花色の退色や褐色化する
花種がかなりあり、一部の花卉にしか利用できない。
【0007】(5)また、上記(3)の方法における乾
燥時間を短縮するため、容器内の乾燥剤中に花を埋没し
たまま、マイクロ波を照射し、加熱乾燥する方法も知ら
れている。この方法は、誘電損失係数の低い、従ってマ
イクロ波吸収の少ないポリプロピレン或いはポリエチレ
ン製の蓋付容器に、マイクロ波を比較的吸収しにくいシ
リカゲル等の乾燥剤を入れ、花卉を自然の形状のままそ
の乾燥剤中に埋没させ、この容器をマイクロ波照射装置
のキャビティ内に入れてマイクロ波を照射する方法であ
る。この方法によれば、乾燥剤等に多少のエネルギーは
消費されても埋没した花卉を中心とした敏速な加熱を行
うことができ、比較的短時間でドライフラワーを作るこ
とができる。しかし、この方法の第一の難点は、マイク
ロ波照射中に、乾燥剤中に埋没されている花卉の温度を
計測することが実質的に不可能であり、従って、花弁な
ど繊細な部分に要求される微妙な温度制御ができないこ
とである。第二には、マイクロ波加熱においては、加熱
対象物の均一な加熱を行うため、スターラーで電磁波を
散乱させたり、キャビティ内で加熱対象物を回転させた
り、或いは、キャビティをトンネル構造として加熱対象
物をその中で移動させる等の手段を採っているが、これ
らの手段を採っても、生花をマイクロ波加熱した場合に
は、かなりの温度むらが発生することである。すなわ
ち、マイクロ波加熱の場合には、温度が上がった部分で
は、誘電損失係数が大となってマイクロ波が吸収されや
すくなるので、マイクロ波照射を続けると益々温度差が
大きくなる。このような温度むらは花弁にも生じ、従っ
て、花弁に異常に昇温する部分が生じ、このため花弁に
変色を生じてしまうという難点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の問題点に鑑みてなされたもので、花卉の種類にあまり
制限されることなく、短時間で生花を乾燥させてドライ
フラワーに加工でき、しかも、加工中及び加工後におい
て花弁等に変色を生じさせることの少ない、ドライフラ
ワーの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記従来の
問題点を解決すべく検討の結果、以下の事項を見出し
た。すなわち、上記(4)の方法における問題点は、高
温での乾燥により、或いは長時間を要する乾燥により花
色等が損なわれることであるが、本発明者等の実験によ
れば、花の種類にもよるが、通常、乾燥温度を35°C
以上、50°C未満として乾燥させると、花弁部分のみ
であれば、花弁の薄いもので1日、厚いものでも2日、
乾燥しにくい表皮構造のものでも4日もあれば乾燥可能
であり、この温度範囲及び時間であれば、花色を変化さ
せることがなく、また、乾燥後の色上げも良く、色持ち
の良い乾燥を行うことができる。従って、残る花軸、花
柄、茎等の乾燥を、花弁を劣化させることなく行えば良
いこととなる。一方、マイクロ波照射による加熱では、
水分の多い部分にマイクロ波の選択的な吸収が起って昇
温し、しかも昇温した部分ではますますマイクロ波の吸
収が多くなって昇温するという特性があるため、未乾燥
の花卉をマイクロ波照射した場合には花弁に過熱を生じ
ることが多く、問題となっていたが、花弁部分の乾燥を
別途済ませた上で、その花卉をマイクロ波照射に供する
ならば、マイクロ波は乾燥済の花弁部分に対してはもは
や発熱をもたらさず、その他の茎等の未乾燥部分を選択
的に加熱、乾燥させることが可能であり、花弁に変色を
生じることなく、短期間での乾燥が可能となる。また、
花弁を除いた茎等の他の部分は、多少高温に昇温しても
変色しにくく、また、多少変色してもさほど商品価値を
低下させることがないので、温度むらの生じ易いマイク
ロ波加熱でも支障なく利用可能である。
【0010】本発明は、かかる知見に基づいてなされた
もので、生花を乾燥剤中に埋没させた形で容器に収容
し、これを、花色を変化させない範囲の温度に昇温保持
し、花弁が乾燥するまで前記生花の乾燥を進める第一乾
燥工程と、該第一乾燥工程によって花弁を乾燥した花卉
を乾燥剤中に埋没させ容器に収容した状態で該花卉に対
してマイクロ波を照射し、前記花卉中の水分残留部への
マイクロ波の選択吸収による発熱を利用して未乾燥部分
を集中的に補填乾燥させることにより、花卉全体に亘る
乾燥を終える第二乾燥工程とを有するドライフラワーの
製造方法を要旨とする。
【0011】本発明は上記したように、乾燥剤中に埋没
させた生花を適当な温度に昇温保持する第一乾燥工程
と、マイクロ波照射による第二乾燥工程の2段で乾燥を
行うことを特徴としているが、両工程間で容器及び乾燥
剤を仕替えるなどは花卉の形状を損なうことが多いので
好ましくない。よって、容器の材料としては、マイクロ
波吸収が少ない、誘電損失係数の低い材料、例えばポリ
プロピレン、ポリエチレン等を、また、乾燥剤としても
同様に、マイクロ波吸収が比較的少ないシリカゲル等の
第二乾燥工程に適したものを第一乾燥工程段階から使用
することが推奨される。又、本発明において使用する容
器は、内部に収容した乾燥剤が外気中の水分を吸収して
飽和することがないよう、密閉可能な蓋付のものが好ま
しい。
【0012】本発明の第一乾燥工程において、乾燥剤中
に埋没させた生花を昇温保持する方法としては、生花及
び乾燥剤を収容した容器に熱風を当てて全体を加熱する
方法、遠赤外線を照射して加熱する方法、容器を恒温室
内に入れて加熱する方法等を挙げることができ、中で
も、容器を恒温室内に置く方法は、長期間に亘って所望
の温度に保持することができるので好ましい。
【0013】第一乾燥工程における保持温度は、35°
C以上、50°C未満とすることが好ましい。この保持
温度が35°Cよりも低いと、花弁の乾燥に要する時間
が長くなり過ぎ、生産性が低下すると共に生体酵素の働
きによる花弁の変色や劣化が進むものが多くなる。一
方、保持温度が50°C以上となると、色素の熱劣化等
を引き起こすものが多くなる。このため、上記した温度
範囲が好適である。しかし、これらの条件は花卉の種類
によるところであり、上記範囲内で最適値が選択される
べきである。一方、上記温度範囲外でも良好に乾燥を行
える場合もあることから、絶対的な限定条件ではない。
第一乾燥工程における乾燥時間としては、乾燥剤中に埋
没させた生花の、少なくとも花弁が乾燥する範囲内で極
力短く選定されるものであり、従って、第一乾燥工程の
終了時には、花弁を除いた部分に未乾燥の部分が残って
いる。具体的な乾燥時間は、各種の花卉に応じて実験的
に定めておけばよい。
【0014】次に、第二乾燥工程は、容器内の乾燥剤中
に埋没させて収容した半乾燥の花卉に対してマイクロ波
照射を行い、完全に乾燥させる工程であるが、この工程
に使用するマイクロ波照射装置としては、公知のものを
適宜使用可能である。また、その際、花卉に対して均一
なマイクロ波照射を行うよう、スターラーで電磁波を散
乱させたり、キャビティ内で加熱対象物(花卉を収容し
た容器)を回転させたり、或いは、キャビティをトンネ
ル構造として加熱対象物をその中で移動させる等の手段
を採ることが好ましい。特に、マイクロ波照射装置のキ
ャビティをトンネル構造とし、加熱対象物をコンベアに
よって前記キャビティ内を通過させる構成とすると、マ
イクロ波照射を均一化できると共に、加熱対象物の供
給、排出動作を自動化でき、一層好ましい。
【0015】照射するマイクロ波の周波数は特に限定を
要するものではないが、電波障害を避けるためにISM
周波数(915、2450、5800、22125MH
zを中心とする)を利用するのが良く、中でも電子レン
ジなどに多用されている2450MHzが部材の市販性
において有利である。マイクロ波照射の手段としては、
これも電子レンジに用いられているような非共振型アプ
リケーターによるのが照射範囲が広く有利である。マイ
クロ波の照射パワーは500W程度の小規模なものでも
良いが、吸収効率を考えて1kW程度あった方が良い。
また、花卉の処理量に応じて更にパワーを増し、或いは
設備を複数化するなどの措置を講じる。
【0016】マイクロ波照射による加熱は、水分の多い
部分に対してきわめて強力であり、加熱むらが生じやす
く、特に局部的に高温となる部分が生じやすい。そこ
で、この加熱むらを避けるために、花卉に対してマイク
ロ波を短時間(数秒〜数分)照射した後、放冷して温度
の均熱化を図り、次いで再びマイクロ波を短時間照射す
るという動作を繰り返す間欠的とするのが望ましい。こ
の場合、照射−休止スケジュールは、花卉毎に実験的に
定めるべきであるが、例えば、30、60、120秒程
度の照射からスタートし、数分乃至数十分程度の冷却、
均熱迄の休止時間をとりながら、2倍系列で照射時間を
増して行くという方針により、多種の花卉に対応しう
る。
【0017】なお、本発明方法により製造したドライフ
ラワーに対して、乾燥後の再吸湿を避け、或いは、酸素
や紫外線の作用を軽減する等の目的で保護塗装を行うこ
とは、肝心の外観を損なわない限りにおいて好ましい処
置となる。
【0018】
【作用】本発明方法によれば、まず、35°C以上、5
0°C未満を推奨条件とする第一乾燥工程により、長す
ぎない日数にて花弁などの繊細な部分が花色を損なうこ
となく、或いは花色劣化要因を生じさせることなく完了
し、次いで行うマイクロ波照射による第二乾燥工程にお
いては、上記第一乾燥工程にて乾燥された花弁等にはマ
イクロ波はもはや有意には吸収されないため、マイクロ
波照射条件を花弁を気遣うことなく設定できるため、生
産上有利なように最適化できるものである。即ち上記組
み合わせにより、ドライフラワーの花色、色持ちにおい
ても、又、生産性においても、第一乾燥工程、第二乾燥
工程の処理をそれぞれ単独に加えた場合よりも格段に優
れたこととなる。
【0019】
【実施例】
〔実施例1〕300mm×350mm×200mm高さ
のポリプロピレン製蓋付容器に、赤、サーモンピンク、
ピンク色のバラ各4本、計12本を、それぞれ上部の葉
を2枚残して茎長を250mmに切り揃えた状態で入
れ、且つ良く脱水したシリカゲル10kgを用い、これ
らのバラを生花の形状を崩さぬようシリカゲル内に埋没
させ、蓋をする。この容器を、42°Cに設定した恒温
室内に入れ、42°Cで40時間保持した後、恒温室か
ら取り出した。一部のバラを露出させて観察したとこ
ろ、花弁は乾燥した状態となっていたが、花軸、茎等は
まだまだ乾燥が終了していない状態であった。
【0020】次に、露出させたバラを再びシリカゲル内
に埋没させて蓋をした後、この容器をマイクロ波照射装
置のキャビティ内にセットし、2450MHz、実効出
力530W(入射波550W、反射波20W)で最初は
30秒、2〜3回目は1分間、4回目以降は各2分間、
6時間中6回間欠的に照射加熱し、各マイクロ波照射後
は、常温の室内に置いて放冷し、最後のマイクロ波照射
後は室内にて16時間放冷した。その結果、生花の形状
を保持したドライフラワーを得た。サーモンピンクと赤
色のバラは生花より少し濃目ではあるが、生花に近い色
調であった。また、ピンク色のバラは、花軸部が少し褐
色化したが花弁は生花に近いピンク色であった。本処理
に要した時間は全部で62時間、マイクロ波の合計照射
時間(装置占有時間)は8分30秒で、乾燥重量/生体
重量の比率は23.2%であった。
【0021】〔比較例1〕実施例1と同一条件で、容器
にバラを入れてシリカゲル中に埋没させ、蓋をした後、
恒温室での予備乾燥は行わないで、実施例1と同一条件
のマイクロ波照射装置を用い、43時間中21回、初め
は10秒照射からスタートし、以後徐々に照射時間を長
くして間欠的に照射加熱と放冷とを繰り返した。その結
果、生花の形状を保持したドライフラワーを得た。サー
モンピンクと赤色のバラの花色は実施例1と殆ど同じで
あったが、ピンク色のバラはかなり退色しており、特に
花軸部の褐色化が目立った。本処理に要した処理時間は
43時間で、実施例1よりも短縮されているが、マイク
ロ波の合計照射時間(装置占有時間)は24分38秒で
実施例1の約3倍も必要であった。乾燥重量/生体重量
の比率は23.8%であった。
【0022】この実施例1と比較例1から良く分かるよ
うに、マイクロ波照射のみによって乾燥させる場合(比
較例1)には全体の処理時間は短くなるものの、ピンク
色のバラの場合には品質の低下が大きかった。これに対
し、恒温室での予備乾燥とマイクロ波照射を組み合わせ
た場合(実施例1)ではこのような品質の低下がなく、
良好な品質のドライフラワーを得ることができた。しか
も、予備乾燥を行った結果、マイクロ波の合計照射時間
を約3分の1に短縮でき、高価なマイクロ波照射装置の
占有時間を短縮できるばかりでなく、マイクロ波照射回
数を大幅に削減でき、従って生産量を多くすると共に作
業量を少なくでき、製造コストを低減できた。
【0023】〔実施例2〕220mm×300mm×1
50mm高さのポリエチレン製蓋付のポリプロピレン容
器に、3本の小輪のヒマワリを花茎部から切り取り、葉
を2枚宛、残した茎部を250mmに切り揃えて入れ、
良く脱水したシリカゲル6kgを用い、先ず茎葉部を横
に寝かせて埋没し、その上に花を上向きに並べて自然の
形状通りに埋没させ、蓋をする。この容器を、40°C
に設定した恒温室内に入れ、40°Cで24時間保持し
た後、恒温室から取り出した。一部の花弁を露出させて
観察したところ、十分に乾燥した状態となっていた。
【0024】次に、露出させた花弁を再びシリカゲル内
に埋没させて蓋をした後、この容器をマイクロ波照射装
置のキャビティ内にセットし、2450MHz、実効出
力520W(入射波550W、反射波30W)で、2時
間中に6回、初めの3回は1分ずつ、後の3回は1分3
0秒づつ間欠的に照射加熱し、各マイクロ波照射後は、
常温の室内に置いて放冷し、最後のマイクロ波照射後は
室内にて22時間放冷した。その結果、生花と同じ形状
と花色のドライフラワーを得た。本処理に要した時間は
全部で48時間、マイクロ波の合計照射時間(装置占有
時間)は7分30秒で、乾燥重量/生体重量の比率は1
2.7%であった。得られたヒマワリのドライフラワー
は77日経過後も退色は少なく、かなり鮮やかな黄色を
保持していた。
【0025】〔比較例2〕実施例2と同一条件で、容器
中にヒマワリを収容しシリカゲル中に埋没させ、蓋をし
た後、その容器を45°Cの恒温室に入れ、45°Cで
66時間保持した後、取り出したところ、乾燥重量/生
体重量の比率が12.7%のドライフラワーを得た。得
られたドライフラワーは、花色が実施例2に比べて、や
や白っぽく、花弁が散りやすくなっていた。また、77
日経過後の花色はかなり白っぽくなっていた。
【0026】この実施例2と比較例2から良く分かるよ
うに、ヒマワリは乾燥時の温度及び乾燥時間の影響を受
けて劣化しやすく、単に恒温室で一定温度に加温して保
持した場合(比較例2)では、得られたドライフラワー
の品質が低下しているが、本発明によって、短時間の予
備乾燥とその後のマイクロ波照射を組み合わせた場合
(実施例2)には、良好な品質のドライフラワーを得る
ことができた。
【0027】〔実施例3〕300mm×350mm×2
00mm高さのポリプロピレン製蓋付容器に、紫色のデ
ンフアレ6本を、それぞれ花数6ケ、茎長250mmに
切り揃え、生花を横向きに寝かせて形状通りに、良く脱
水したシリカゲル10kgを用いて埋没させ、蓋をし
た。この容器を、42°Cに設定した恒温室内に入れ、
42°Cで72時間保持した後、恒温室から取り出し、
次いで、この容器をマイクロ波照射装置のキャビティ内
にセットし、2450MHz、実効出力530W(入射
波550W、反射波20W)で2分間照射し、続いて常
温の室内で放冷する処理を、36時間中に10回繰り返
し、生花の形状と花色を有するドライフラワーを得た。
本処理に要した時間は全部で108時間、マイクロ波の
合計照射時間(装置占有時間)は20分であり、乾燥重
量/生体重量の比率は12.7%であった。
【0028】〔比較例3〕実施例3と同一条件で花をシ
リカゲル中に埋没させ蓋をした容器を、42°Cに設定
した恒温室内に入れ、42°Cで163時間保持した
後、恒温室から取り出し、生花の形状を有する、乾燥重
量/生体重量の比率が10.8%のドライフラワーを得
た。このドライフラワーにおいては、花弁の紫色は実施
例3で得たものとほぼ同じであったが、花軸部の白色が
褐色化しているものが約半数あり、茎から花柄が脱落し
たものが2ケ発生した。
【0029】この実施例3と比較例3から良く分かるよ
うに、単に恒温室で一定温度に加温して保持した場合
(比較例3)には、乾燥にきわめて長い時間を必要と
し、そのためか、得られたドライフラワーの品質が低下
していたが、本発明によって、予備乾燥とその後のマイ
クロ波照射を組み合わせた場合(実施例3)には、良好
な品質のドライフラワーを得ることができ、且つ乾燥処
理時間も短縮できた。
【0030】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は、生花
を乾燥剤中に埋没させた状態で容器内に収容し、花色を
変化させない範囲の温度に昇温保持し、花弁が乾燥する
まで予備乾燥し、次いで、その花弁を乾燥させた花卉に
対して、乾燥剤中に埋没させ容器内に収容した状態でマ
イクロ波を照射し、前記花卉中の水分残留部へのマイク
ロ波の選択吸収による発熱を利用して未乾燥部分を集中
的に補填乾燥させることにより、花卉全体に亘る乾燥を
終えるという構成としたことにより、変色しやすい花弁
色素に対し、加熱乾燥に要する熱履歴を最小に留めるこ
とができ、市販花卉のほとんどの品種に対して、生花の
形状と花色を保持した高品質のドライフラワーに加工す
ることが可能であり、しかも、昇温保持による予備乾燥
とマイクロ波照射による補填乾燥を組み合わせたことに
より、生産性を向上させ、コストダウンを図ることがで
きるという効果を有している。
【0031】ここで、第一乾燥工程における保持温度
を、35°C以上、50°C未満とすると、多くの種類
の花卉に対して、花弁の変色や退色を最小限に留めて敏
速に花弁の乾燥を行うことができるという効果が得られ
る。
【0032】また、第二乾燥工程におけるマイクロ波照
射は、花卉に対してマイクロ波を短時間(数秒〜数分)
照射した後、放冷して温度の均熱化を図り、次いで再び
マイクロ波を短時間照射するという動作を繰り返す間欠
的動作とすると、花卉の局部的な異常昇温を防止でき、
局部的な焼け焦げ等の変色を防止しながら花卉全体を良
好に乾燥できるという効果が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生花を乾燥剤中に埋没させた形で容器に
    収容し、これを、花色を変化させない範囲の温度に昇温
    保持し、花弁が乾燥するまで前記生花の乾燥を進める第
    一乾燥工程と、該第一乾燥工程によって花弁を乾燥した
    花卉を乾燥剤中に埋没させ容器に収容した状態で該花卉
    に対してマイクロ波を照射し、前記花卉中の水分残留部
    へのマイクロ波の選択吸収による発熱を利用して未乾燥
    部分を集中的に補填乾燥させることにより、花卉全体に
    亘る乾燥を終える第二乾燥工程とを有するドライフラワ
    ーの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第一乾燥工程における昇温保持温度
    を、35°C以上、50°C未満とすることを特徴とす
    る請求項1に記載のドライフラワーの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第二乾燥工程におけるマイクロ波照
    射は、花卉に対する短時間のマイクロ波照射と、その後
    の放冷による温度の均熱化とを繰り返す間欠的動作によ
    り行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のドライ
    フラワーの製造方法。
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