JPH07304320A - 空調装置 - Google Patents

空調装置

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JPH07304320A
JPH07304320A JP6098374A JP9837494A JPH07304320A JP H07304320 A JPH07304320 A JP H07304320A JP 6098374 A JP6098374 A JP 6098374A JP 9837494 A JP9837494 A JP 9837494A JP H07304320 A JPH07304320 A JP H07304320A
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Takeshi Yoshinori
毅 義則
Masanori Uehara
昌徳 上原
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NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 空調運転者の体の所定部位における皮膚温を
検出し、この皮膚温に基づいてその所定部位を空調制御
することによって、その所定部位が快適な温感を得られ
るようにする 【構成】 乗員が着衣量入力器24にて下肢の着衣量を
入力すると、この着衣量と、下肢近傍の空気温度と、下
肢近傍の風速と、日射量とに基づいて、下肢の皮膚温を
求める。そしてこの皮膚温から下肢の温感を求め、この
温感が目標温感となるように空調制御する。このように
他の部分とは皮膚温が異なる下肢の皮膚温を求め、この
皮膚温に基づいて下肢を空調制御するので、下肢が快適
な温感を得られるようにすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空調運転者の皮膚温に
基づいて空調制御する空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような空調装置の従来技術とし
て、例えば特開平4−321421号公報に開示される
ものがある。この従来技術によると、フロントガラスの
上部に設けられた放射温度検出手段を、最初は基準温度
部材に向け、それから乗員の頭部ないしひざ部に向けて
揺動させることによって、放射温度検出手段にて乗員の
頭部、顔部、胸部からの赤外線を受光し、その後放射温
度検出手段を反転させ、乗員の胸部、顔部、頭部からの
赤外線を受光して再び基準温度部材に戻るように構成し
ている。
【0003】そして温度演算手段が、基準温度部材の基
準温度と放射温度検出手段が検出する乗員各部からの放
射エネルギーとに基づいて、乗員の皮膚温、特に顔面温
度を推定演算し、この推定顔面温度に基づいて空調制御
が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、衣
服が身につけられていない部位(例えば頭部、顔部)で
あろうが衣服が身につけられている部位(例えば胸部)
であろうが、同じように各部位の表面からの放射エネル
ギーを検出している。従って衣服が身にけつられている
部位については、放射温度検出手段は、実際にはその部
位の衣服の表面からの放射エネルギーを検出しているの
であって、その部位の皮膚からの放射エネルギーを検出
しているわけではない。
【0005】このように上記従来技術では、例えば胸部
のような衣服が身につけられている部位における皮膚温
を推定することはできず、その結果、乗員の体の個々の
部位の皮膚温をみることはできていない。一般的に人間
の体の皮膚温は、各部位によって異なることが知られて
いる。従って、空調運転者の体に対して空調風を送風す
るときは、体の各部位の皮膚温にあった空調風をそれぞ
れ独立して吹き出すようにしなければ、空調運転者が体
の各部位のそれぞれについて快適な温感が得られるよう
に空調制御しているとはいえない。
【0006】そういう意味から、上記従来技術では空調
運転者の体の個々の部位の皮膚温をみることができない
ため、空調運転者が体の各部位のそれぞれについて快適
な温感が得られるように空調制御することはできない。
そこで本発明は上記の点に鑑み、空調運転者の体の所定
部位における皮膚温を検出し、この皮膚温に基づいてそ
の所定部位を空調制御することによって、その所定部位
が快適な温感を得られるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、空調運転者の体の所定部
位に対して空調風を送風する空調ユニットと、前記所定
部位の皮膚温を検出する皮膚温検出手段と、この皮膚温
検出手段によって検出された皮膚温に基づいて、前記所
定部位の温感を検出する温感検出手段と、この温感検出
手段によって検出された温感が所定の目標温感となるよ
うに、前記空調ユニットから前記所定部位に対して吹き
出される空気の熱量を調節する熱量調節手段とを備える
ことを特徴とする。
【0008】また請求項2記載の発明では、空調運転者
の体の所定部位に対して空調風を送風する空調ユニット
と、前記所定部位の着衣量を入力する着衣量入力手段
と、前記所定部位の近傍の空気温度を検出する空気温度
検出手段と、前記所定部位の近傍の風速を検出する風速
検出手段と、前記所定部位への放射量を検出する放射量
検出手段と、前記着衣量入力手段によって入力された着
衣量、前記空気温度検出手段によって検出された空気温
度、前記風速検出手段によって検出された風速、および
前記放射量検出手段によって検出された放射量に基づい
て、前記所定部位の皮膚温を検出する皮膚温検出手段
と、この皮膚温検出手段によって検出された皮膚温に基
づいて、前記所定部位の温感を検出する温感検出手段
と、この温感検出手段によって検出された温感が所定の
目標温感となるように、前記空調ユニットから前記所定
部位に対して吹き出される空気の熱量を調節する熱量調
節手段とを備えることを特徴とする。
【0009】また請求項1あるいは2いずれか記載の空
調装置において、前記皮膚温検出手段が、前記着衣量入
力手段によって入力された着衣量、前記空気温度検出手
段によって検出された空気温度、前記風速検出手段によ
って検出された風速、および前記放射量検出手段によっ
て検出された放射量から前記所定部位の体内温度を算出
する体内温度算出手段と、この体内温度算出手段によっ
て算出された体内温度、前記着衣量入力手段によって入
力された着衣量、前記空気温度検出手段によって検出さ
れた空気温度、前記風速検出手段によって検出された風
速、および前記放射量検出手段によって検出された放射
量から前記所定部位の皮膚温を算出する皮膚温算出手段
とを備えるようにしても良い。
【0010】
【発明の作用効果】請求項1記載の発明では、空調運転
者の体の所定部位の皮膚温を皮膚温検出手段によって検
出することができる。従って、温感検出手段が前記検出
皮膚温に基づいて前記所定部位の温感を検出し、熱量調
節手段が前記検出温感が所定の目標温感となるように、
空調ユニットから前記所定部位に対して吹き出される空
気の熱量を調節することによって、それぞれ皮膚温の異
なる各部位がそれぞれ快適な温感が得られるように空調
制御することができる。
【0011】また請求項2記載の発明では、前記所定部
位に衣服が身につけられていても、皮膚温検出手段が、
前記所定部位の着衣量、前記所定部位の近傍の空気温
度、前記所定部位近傍の風速、および前記所定部位への
放射量に基づいて、前記所定部位の皮膚温を検出するの
で、衣服が身につけられている部位の皮膚温を検出する
ことができる。
【0012】従って、この検出皮膚温に基づいて温感を
検出し、この検出温感が所定の目標温感となるように、
空調ユニットから前記所定部位に対して吹き出される空
気の熱量を調節することによって、それぞれ皮膚温の異
なる各部位がそれぞれ快適な温感が得られるように空調
制御することができる。また、一般的にいって腕とか下
肢といった部位の皮膚温は、その部位を流れる血液の
量、つまりその部位の体内温度によって変わることが知
られている。そこで請求項3記載の発明のように、所定
部位の皮膚温を検出するにあたって、まず所定部位の体
内温度を算出し、この体内温度に基づいて皮膚温を算出
することによって、上記の腕とか下肢といった部位の皮
膚温を精度良く検出することができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図に示す実施例について説明
する。まず、図1を用いて車両用空調装置の全体構成を
説明する。図1において、1は車両用空調装置の通風系
全体を示し、この通風系1の主体は自動車の車室内計器
盤の下方部に配設されている。この通風系1は大別して
送風ユニットと空調ユニットとにより構成されており、
送風ユニットは助手席側前方に配設されている。この送
風ユニットの上方部には図示しない内外気切換箱が設け
られている。なお、通風系1は上記内外気切換箱からの
車室内空気または車室外空気を車室内2に導入する空気
通路を構成している。
【0014】上記送風ユニットは、遠心ファン3とその
駆動用モータ4と遠心ファン3を収容しているスクロー
ルケーシングとから構成されている。5は上記空調ユニ
ットのケースで、車室内左右方向の略中央部に配置され
ており、前記スクロールケーシングの空気出口側部分に
接続されている。このケース5の上流側には、空気冷却
手段をなす蒸発器6とその空気下流側に空気加熱手段と
してのヒータコア7が配設されている。またケース5内
には、蒸発器6で冷却された冷風がヒータコア7をバイ
パスするバイパス通路8が形成されている。
【0015】上記蒸発器14は圧縮機,凝縮器,受液
器,減圧器とともに配管結合された周知の冷凍サイクル
(図示しない)を構成する熱交換器であり、ケース5内
の空気を除湿冷却する。上記圧縮機は自動車のエンジン
に図示しない電磁クラッチを介して連結されるもので、
この電磁クラッチを断続制御することによって駆動停止
制御される。また、ヒータコア7は自動車エンジンの冷
却水を熱源とする熱交換器であり、蒸発器6にて冷却さ
れた冷風を再加熱する。
【0016】ヒータコア7の空気上流側部位には、ケー
ス5に対して回転可能に支持されたシャフト9aと、シ
ャフト9aに固定されたエアミックスドア9とが設けら
れている。このエアミックスドア9は、蒸発器6で冷却
された冷風をヒータコア7へ流す量とバイパス通路8へ
流す量とを、自身の回転位置に応じて調節するものであ
って、本実施例ではこのエアミックスドア9とシャフト
9aとバイパス通路8とで、車室内2へ吹き出す空気の
温度を調節する温度調節手段を構成している。またシャ
フト9aには、シャフト9aを駆動する駆動手段として
のサ−ボモ−タ10が連結されており、このサ−ボモ−
タ10の駆動によってエアミックスドア9が作動する。
【0017】また、ケース5内において、通風路の下流
端には車室内2への各種吹出口へ空気を導くための空気
取出口11、12が形成されている。ここで空気取出口
11はフェイスダクト13を介して、車室内乗員の上半
身に対向した位置に開口したフェイス吹出口14に接続
されている。また空気取出口12はフットダクト15を
介して、車室内乗員の下肢に対向した位置に開口したフ
ット吹出口16に接続されている。そして空調風は、フ
ェイス吹出口14から乗員の上半身に向けて空調風が吹
き出され、フット吹出口16から乗員の下肢に向けて吹
き出される。
【0018】空気取出口11、12の入口部分には、各
取出口の空気通路を選択的に開閉する吹出口開閉手段、
具体的にはケース5に対して回転可能に支持されたシャ
フト17aに固定されたドア17が設けられている。ま
たこのシャフト17aには、シャフト17aを駆動する
駆動手段としてのサ−ボモ−タ18が連結されており、
このサ−ボモ−タ18の駆動によって上記ドア17が作
動する。
【0019】19は車室内空気の温度を検出する内気温
センサ、20は車室外空気の温度を検出する外気温セン
サ、21は車室内に照射される日射量を検出する日射セ
ンサ、22はフット吹出口16から乗員の下肢に吹き出
される空気の温度を検出する吹出温度センサ、23はフ
ット吹出口16から乗員の下肢に吹き出される空気の風
速を検出する吹出風速センサである。
【0020】24は車室内のインストルメントパネルに
設けられた着衣量入力器であり、図2に示すように、ズ
ボンをはいているときに入力するスイッチ24aと、ス
カートをはいているときに入力するスイッチ24bと、
はいているズボンまたはスカートの長さが短いときに入
力するスイッチ24cと、はいているズボンまたはスカ
ートの長さが長いときに入力するスイッチ24dと、上
記スイッチ24a〜24dにて着衣量を設定したら確認
のためにもう一度入力するためのスイッチ24eとから
なる。
【0021】例えば、長いスカートをはいているときな
ら、スイッチ24bと24dを選択し、最後にスイッチ
24eをオンすれば良い。また短めのキュロットをはい
ているときなら、スイッチ24aと24cを選択し、最
後にスイッチ24eをオンすれば良い。ここで最後にス
イッチ24eをオンしないと、スイッチ24a〜24d
にて設定された着衣量はマイクロコンピュータ28に入
力されない。
【0022】25は、上記インストルメントパネルに設
けられ、車室内温度を乗員が設定するための温度設定ス
イッチである。また26は、上記インストルメントパネ
ルに設けられ、各空調モードを自動で制御する指令を出
すためのオートスイッチである。上記各センサ、入力
器、スイッチ等の各機器からの信号は、A/D変換器2
7を経て、デジタル信号に変換されてマイクロコンピュ
ータ28へ入力される。なお、オートスイッチ26から
の信号はA/D変換器27を介さず直接マイクロコンピ
ュータ28に入力される。
【0023】マイクロコンピュータ28は、図示しない
中央演算処理装置(CPU)、読出専用メモリ(RO
M)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および入出
力ポート(I/O)等を持つ周知のもので、イグニッシ
ョンスイッチ29がオンされるとバッテリー30から電
力が供給されて作動状態となる。そして上記各信号に基
づいて、上記駆動用モータ4、サ−ボモ−タ10、18
に、それぞれの駆動回路31、32、33を介して制御
信号を出力し、遠心ファン3、エアミックスドア9、ド
ア17の制御を行う。
【0024】次に、本実施例の作動を図3および図4に
示すフローチャートに基づいて説明する。車両用空調装
置が作動すると、ステップS1にて、乗員の乗車前にお
ける体内温度Tc を計算するためのフラグFLを1に設
定する。ここでFLを1に設定するのは、後述するよう
に、ステップS11にてFL=0か否か、すなわち車両
用空調装置を起動してからこのループの処理を2回以上
実行したか否かを判定できるようにするためである。
【0025】次にステップS2にて、オートスイッチ2
6がオンかオフかを判定する。オンしていれば次のステ
ップS3に進み、オフならば再びステップS2の処理に
戻る。ステップS3では、着衣量入力器24にて着衣量
が設定されているか否かを判定する。ここで設定されて
いれば次のステップS5に進む。また空調装置が作動し
てから着衣量入力器24が全く操作されていなかった
り、スイッチ24a〜24dで着衣量を設定した後にス
イッチ24eを押し忘れているようなときには、ステッ
プS4に進み、スイッチ24eを点滅させる等の方法に
て乗員に対してその旨を知らせる。
【0026】ステップS5では、着衣量入力器24で設
定された着衣量から、ROMに記憶された下記表1に示
す着衣量換算値に基づいて、下肢部の着衣量CLOを算
出する。
【0027】
【表1】 次にステップS6では、一般の人の歩行速度、つまり歩
行しているときに人にあたる空気の風速V0 を設定する
とともに、一般の人の歩行時における代謝熱量(人の体
内から出る熱量)Qm を設定する。ここでV0 は1m/
s、Qm は120W/m2 に設定する。
【0028】次にステップS7では、外気温センサ20
からの値を温度に換算して外気温度Tout を読み込む。
そしてステップS8では日射センサ21からの値を日射
量に換算して日射量Qr を読み込む。そしてステップS
9では、内気温センサ19からの値を温度に換算して内
気温度Tinを読み込む。次にステップS10では乗員の
体内温度Tc を算出する。ここで算出方法は、上記フラ
グFLが1のときと0のときとで異なる。
【0029】まずFL=1、つまり車両用空調装置を起
動してからこのループの処理を初めて行うときは、下記
数式1に基づいて乗員の皮膚温度Ts を求め、このTs
を数式2に代入して乗員の体内温度Tc を求め、このT
c を用いて再び数式1を計算することによってTs を求
め、このTs を数式2に代入してTc を求めるという計
算を繰り返し行い、その結果収束したTc を乗員の体内
温度とする。
【0030】
【数1】Ts =Tout −{Qd +kf ×(Qr +Qe )
+Qm0}/α
【0031】
【数2】 Qm =kd ×(Tc −Ts )+kb ×(Tc −Ts ) 具体的に説明すると、まず数式1を用いて乗員の皮膚温
Ts を求める。ここでQd は乗員の体内温度Tc と関係
のある伝導熱量であり、Tc が大きくなればQd も大き
くなる。ここでは最初にこの数式1を計算するときに
は、例えば36.7℃と仮定したTc からQd を決定す
る。
【0032】またkf は、乗員の皮膚表面から衣服を通
して外へ出ていく熱量の度合いを示す透過効率で、ステ
ップS5で算出した着衣量CLOによって決まり、CL
Oが大きくなると小さくなる。またQe は蒸発熱量、Q
m0は産熱量である。またαは乗員の皮膚表面と空気との
間の熱伝達率であり、ステップS6で設定したV0 とス
テップS7で読み込んだTout とによって決まる。
【0033】次に、数式1で決定したTs を数式2に代
入してTc を求める。ここで、kdは乗員の体内から皮
膚表面へ伝わる熱の度合いを示す熱伝導係数、kb は乗
員の体内から皮膚表面へ血液として流れる熱の度合いを
示す血流伝熱係数である。またQm としては、上記ステ
ップS6で設定した値を用いる。このようにして計算さ
れたTc は、最初に仮定したTc (例えば36.7℃)
と異なるので、再び前記計算されたTc に基づいてQd
を決定し、このQd から数式1を用いてTs を求め、そ
の後数式2よりTc を求める。この計算を何回か繰り返
せば、Tc がある値で収束するので、この収束したTc
を乗員の乗車直後における体内温度とする。
【0034】逆に、FL=0、つまり車両用空調装置を
起動してからこのループの処理を1回以上行った場合で
あれば、前回のループ実行で求めた体内温度Tc および
皮膚温Ts (後述するステップS13にて算出)を下記
数式3に代入して体内温度の変化量Tc ′を求める。
【0035】
【数3】Cc ×Tc ′=Qm −kd ×(Tc −Ts )+
kb ×(Tc −Ts ) (Cc は体内熱容量)FL=0のときは、乗員は既に着
座している状態でありQm も小さいので、ここではQm
=60W/m2 とする。そして上記変化量Tc ′に前回
のループ実行で求めた体内温度Tc を加えて、現在の体
内温度Tc を算出する。
【0036】以上のようにしてステップS10で体内温
度Tc を算出したら、ステップS11でFL=0か否か
を判定し、FL=0であればステップS13に進み、F
L=1であれば、ステップS12にてFLを0に設定す
るとともに、後述する皮膚温の変化率Ts ′を0に設定
する。つまり乗員が車両に乗車した直後の時点では、空
調風が乗員に吹き出されていないので、乗員の皮膚温は
変化しない。従ってFL=1のときは皮膚温の変化率T
s ′を0に設定する。
【0037】ステップS13では、実際にフット吹出口
16から空調風を受けているもとでの乗員の下肢皮膚温
Ts を、下記数式4に基づいて算出する。
【0038】
【数4】Ts =Ta −{Qd +kf ×(Qr +Qe )+
Qm0}/α ここで、Ta は乗員の下肢近傍の空気温度であり、吹出
温度センサ22からの値を温度に換算した値T′および
下記数式5に基づいて算出される。
【0039】
【数5】Ta =Tin−kt ×(Tin−T′) (kt
は定数) また数式4において、Qd はステップS10で算出した
体内温度Tc から決まる値であり、αは乗員の下肢近傍
における風速Va と上記空気温度Ta とによって決まる
値である。この風速Va は、吹出風速センサ23からの
値を風速値に換算した値V′および下記数式6に基づい
て算出される。なお、数式6のkv はフット吹出口16
の形状によって決まる定数である。
【0040】
【数6】Va =kv ×V′ そしてステップS14では、下記数式7を用いて温感S
を推定する。
【0041】
【数7】S=k1 ×Ts +k2 ×Ts ′+k3 このステップS14における温感Sの推定方法は、上記
フラグFLが1か0かで異なる。例えばFLが1の場合
は、ステップS12にて皮膚温の変化率Ts ′=0に設
定されているので、Ts ′=0と、ステップS13にて
算出したTs とを上記数式7に代入することによって温
感Sが求まる。
【0042】またFLが0の場合は、現実行ループのス
テップS13で算出したTs から前の実行ループのステ
ップS13で算出したTs を引いた値からTs ′を求め
る。そしてこのTs ′と現実行ループのステップS13
で算出したTs とを上記数式7に代入することによって
温感Sが求まる。次にステップS15では、上記ステッ
プS14で推定した温感Sと、予めROMに記憶された
目標温感Sc との差が許容値ΔSに収まっているか否か
を判定し、収まっていればステップS16にて現在の空
調状態を維持する。逆に収まっていない場合は、ステッ
プS17にて、上記数式7のSとして上記Sc を代入
し、さらにTs として現実行ループのステップS13で
算出したTs を代入することによって、乗員の温感Sが
目標温感Sc となるために必要な皮膚温の目標変化量T
s ′を算出する。
【0043】そしてステップS18にて、上記ステップ
S17で算出したTs ′を下記数式8に代入することに
よって、上記目標変化量Ts ′を実現するのに必要なT
a (乗員の下肢近傍の空気温度)の変化量ΔTa を算出
する。なお、数式8におけるCs は皮膚の熱容量であ
る。
【0044】
【数8】Cs ×Ts ′=α×(Ta +ΔTa −Ts )−
{Qd +kf ×(Qr +Qe )+Qm0} またステップS18では、ΔTa を算出した後に、乗員
の下肢近傍の目標空気温度Ta ′(=Ta +ΔTa )を
算出する。
【0045】そしてステップS19では、ステップS9
で読み込んだ内気温度Tin、ステップS18で算出した
目標空気温度Ta ′、および下記数式9から、フット吹
出口16から吹き出す空気の目標吹出温度Tを算出す
る。
【0046】
【数9】Ta ′=Tin−kt ×(Tin−T) (k
t は定数) 上記数式9から求まる目標吹出温度Tが、空調装置の最
大冷房時の吹出温度Tcoolと最大暖房時の吹出温度Tho
t の範囲に収まっていれば、乗員下肢近傍の風速Va を
現状のまま維持しても上記数式8の関係を満足させるこ
とができ、ステップS17で算出した目標変化量Ts ′
を実現することができる。
【0047】なお、この実施例では、駆動用モータ4へ
引加するブロワ電圧は図5に示す特性に基づいて決定さ
れる。つまり、同一目標温感Sc のもとでの内気温度T
inとブロワ電圧との関係は図5に示すような関係である
ので、目標温感Sc と内気温度Tinとからブロワ電圧が
決まる。一方、上記目標吹出温度Tが上記Tcool以下で
あったり上記Thot 以上であると、吹出温度を変化させ
るだけでは上記数式8を満足するTs ′を実現すること
ができない。従ってこの場合には、上記風速Va を増加
させることによって上記数式8を満足するTs ′を実現
するようにする。そのために、上記風速Va を増加させ
るような目標吹出風速Va ′を求め、このVa ′と下記
数式10とから、フット吹出口16からの吹出風速の目
標値Vを求める。
【0048】
【数10】Va ′=kv ×V
(kv は定数) このようにVa を増加させることによって、このVa と
関連のあるαが増加するので、上記数式8で求まるTs
′が増加するというわけである。
【0049】そしてステップS20では、フット吹出口
16からの吹出風速がステップS19で算出した風速V
となるように、吹出風速センサ23で検出しながら駆動
用モータ4へ引加するブロワ電圧を設定する。そしてス
テップS21では、フット吹出口16からの吹出温度が
ステップS10で算出した温度Tとなるように、吹出温
度センサ22で検出しながらエアミックスドア19を駆
動する。
【0050】そしてステップS22では、オートスイッ
チ26がオフされているか否かを判定し、オフされてい
ればこの実行ループを抜けて制御を終了する。またオー
トスイッチ26がオフになっていなければステップS8
に戻る。以上説明したように本実施例では、ステップS
10にて下肢の着衣量CLOに基づいて体内温度Tc を
求め、ステップS13にてこの体内温度Tc に基づいて
を皮膚温Ts を求めているので、下肢の皮膚表面の温度
を求めることができる。また本実施例では、皮膚温Ts
から温感Sを求め、この温感Sが目標温感Sc となるよ
うに空調制御しているので、下肢が快適な温感を得られ
るようにすることができる。
【0051】なお、上記実施例では、請求項1ないし3
記載の発明でいう空調ユニットを通風系1で構成し、温
感検出手段をステップS14で構成し、熱量調節手段を
ステップS17からステップS21までの一連の制御、
および通風系1に設けられた各空調機器で構成した。ま
た請求項1記載の発明でいう皮膚温検出手段を、内気温
センサ19、外気温センサ20、日射センサ21、吹出
温度センサ22、吹出風速センサ23、着衣量入力器2
4、ステップS10、およびステップS13で構成し
た。
【0052】また請求項3記載の発明でいう着衣量入力
手段を着衣量入力器24で構成し、空気温度検出手段を
外気温センサ20または内気温センサ19と吹出温度セ
ンサ22とで構成し、風速検出手段を吹出風速センサ2
3で構成し、放射量検出手段を日射センサ21で構成
し、皮膚温検出手段をステップS10およびステップS
13で構成した。
【0053】また請求項3記載の発明でいう体内温度算
出手段をステップS10で構成し、皮膚温算出手段をス
テップS13で構成した。上記実施例では、衣服が身に
つけられている下肢を空調制御する場合について説明し
たが、例えば腕のように、日によって衣服が身につけら
れていたり身につけられていなかったりする部位を空調
制御する場合は、例えば着衣量入力器24に「着衣無
し」と表示された設定スイッチを設け、衣服が身につけ
られていない場合はこの設定スイッチを押すようにすれ
ば良い。この場合、マイクロコンピュータ29は、乗員
の腕がに衣服が身につけられていないと判断し、CLO
を0または0よりも若干大きな値を設定し、このCLO
に基づいて体内温度、皮膚温、温感を求めて空調制御す
る。
【0054】また、上記実施例では目標温感Sc をRO
Mに記憶させたが、例えば温度設定スイッチ25の代わ
りに温感スイッチを設け、この温感スイッチにて設定さ
れた目標温感をSc とするようにしても良い。また、上
記実施例では下肢の皮膚温を間接的に検出するようにし
たが、下肢の皮膚温を直接検出するようにしても良い。
つまり、下肢とか腕のような、体の所定の部位の皮膚温
を直接または間接的に検出し、この皮膚温に基づいて前
記所定部位を空調制御することによって、その所定部位
が快適な温感が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の全体構成を示す図である。
【図2】上記実施例における着衣量入力器の正面図であ
る。
【図3】上記実施例の制御フローチャートである。
【図4】上記実施例の制御フローチャートである。
【図5】同一目標温感のもとでの内気温度とブロワ電圧
との関係図である。
【符号の説明】
1 通風系 19 内気温センサ 20 外気温センサ 21 日射センサ 22 吹出温度センサ 23 吹出風速センサ 24 着衣量入力器 28 マイクロコンピュータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空調運転者の体の所定部位に対して空調
    風を送風する空調ユニットと、 前記所定部位の皮膚温を検出する皮膚温検出手段と、 この皮膚温検出手段によって検出された皮膚温に基づい
    て、前記所定部位の温感を検出する温感検出手段と、 この温感検出手段によって検出された温感が所定の目標
    温感となるように、前記空調ユニットから前記所定部位
    に対して吹き出される空気の熱量を調節する熱量調節手
    段とを備えることを特徴とする空調装置。
  2. 【請求項2】 空調運転者の体の所定部位に対して空調
    風を送風する空調ユニットと、 前記所定部位の着衣量を入力する着衣量入力手段と、 前記所定部位の近傍の空気温度を検出する空気温度検出
    手段と、 前記所定部位の近傍の風速を検出する風速検出手段と、 前記所定部位への放射量を検出する放射量検出手段と、 前記着衣量入力手段によって入力された着衣量、前記空
    気温度検出手段によって検出された空気温度、前記風速
    検出手段によって検出された風速、および前記放射量検
    出手段によって検出された放射量に基づいて、前記所定
    部位の皮膚温を検出する皮膚温検出手段と、 この皮膚温検出手段によって検出された皮膚温に基づい
    て、前記所定部位の温感を検出する温感検出手段と、 この温感検出手段によって検出された温感が所定の目標
    温感となるように、前記空調ユニットから前記所定部位
    に対して吹き出される空気の熱量を調節する熱量調節手
    段とを備えることを特徴とする空調装置。
  3. 【請求項3】 前記皮膚温検出手段は、 前記着衣量入力手段によって入力された着衣量、前記空
    気温度検出手段によって検出された空気温度、前記風速
    検出手段によって検出された風速、および前記放射量検
    出手段によって検出された放射量から前記所定部位の体
    内温度を算出する体内温度算出手段と、 この体内温度算出手段によって算出された体内温度、前
    記着衣量入力手段によって入力された着衣量、前記空気
    温度検出手段によって検出された空気温度、前記風速検
    出手段によって検出された風速、および前記放射量検出
    手段によって検出された放射量から前記所定部位の皮膚
    温を算出する皮膚温算出手段とを備えることを特徴とす
    る請求項1あるいは2いずれか記載の空調装置。
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