JPH07304266A - 転写シート - Google Patents

転写シート

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JPH07304266A
JPH07304266A JP6099770A JP9977094A JPH07304266A JP H07304266 A JPH07304266 A JP H07304266A JP 6099770 A JP6099770 A JP 6099770A JP 9977094 A JP9977094 A JP 9977094A JP H07304266 A JPH07304266 A JP H07304266A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
lower alkyl
alkyl group
general formula
dye
Prior art date
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Pending
Application number
JP6099770A
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English (en)
Inventor
Takashi Morishima
高志 森嶋
Tsutomu Taki
勉 瀧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 薄葉状基材に色材層を設けた転写シートを加
熱して色材層中の色素を被記録体に転写して記録を得る
感熱転写記録方式に使用される転写シートにおいて、3
つの特定の骨格を黒色色材層中に含有することを特徴と
する転写シート。 【効果】 本発明の発明の転写シートを用いれば、濃い
黒が表現でき、その色は無彩色に近く、かつ、耐光性に
優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱転写記録方式による
カラーハードコピーに使用される転写シートに関する。
特に昇華転写記録方式に使用される転写シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオ画像等の電気信号によるカ
ラー画像をカラーハードコピーに変換するための技術が
進歩してきており、例えば、電子写真、インクジェッ
ト、感熱転写等の方式が検討されている。これらのう
ち、特に感熱転写方式は装置の保守や操作の容易なこ
と、装置の小型化の可能なことから有利である。
【0003】感熱転写方式には、基材上の色材層を加熱
によって溶融させ、それを被記録材に転写する溶融転写
方式と、色材層中の色素のみを被記録材に移行させるい
わゆる昇華転写方式とが知られている。昇華転写方式
は、移行する色素の量を加熱の程度で制御することがで
きることから、濃度階調性の有る表現が可能であり、フ
ルカラープリントをはじめ、精細な画像を得ることに適
している。
【0004】通常のカラープリントは、イエロー、マゼ
ンタ、シアンの3原色で表現され、昇華転写方式に用い
られる転写シートもイエロー、マゼンタ、シアンの3色
の色材層を基材上に面順次に保有するものが多い。しか
しながら、黒をより良く表現するために黒色用の色材層
を加えた4色の色材層を保有する転写シートや、あるい
は、例えばレントゲンの様な、モノクロ画像を再現し複
製するための黒色の色材層のみを有する黒色専用の転写
シートの需要もある。
【0005】これら黒色用の色材層中の色素は、通常イ
エロー、マゼンター、シアンの各色相の色素が混合され
ており、例えば、特開昭61−148096号公報、特
開平3−7387号公報を例として挙げることができ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】黒色用転写シートに
は、濃い黒が表現できること、得られる黒が無彩色に近
いこと、耐光性等の耐候性、保存性が優れていること等
の要求性能があるがその全てを満足することはきわめて
困難である。濃い黒が表現できるためには、転写濃度の
高い色素の組合せを用いる必要がある。転写感度の低い
組合せでは高濃度の黒は期待できないし、また、配合さ
れる色素のいずれかの転写感度が他より低い場合は、他
の色素の色相が現れ易いので無彩色の黒を得ることが困
難である。
【0007】また黒が表現できるためには、色素の配合
を十分に考慮し、配合された結果で得られた色材層を用
いて被転写材に色素を転写した際の色相が特定の色に偏
らない無彩色に近くなるようにする必要がある。無彩色
とされるためには、CIELAB表色系で色を測定した
ときのa*=0、b*=0からの△Ec値(a*×a*+b
*×b*の平方根)が小さいことが必要であり、かなり厳
しい選択組合せが必要であり容易に達成することができ
ない。
【0008】これら条件を満足するだけでも困難である
が、さらに画像の耐光性を満足させることが必要であ
る。耐光性を満足するには、まず、単独で耐光性の良い
色素を選択する必要がある。さらに、例えば、特開昭6
3−71392号公報にも記載されているように、単独
では耐光性の良い色素同士でも、混合し、あるいは一方
の転写した上に他方を転写することによって、被記録材
中で混合状態になったりすると、耐光性が単独の場合よ
り劣ってしまう「キャタリティックフェード」と言われ
る現象が知られており、その現象の起こらない組合せを
選択する必要がある。キャタリティックフェードは、ハ
ッキリとした色素構造との相関が明白になっていないた
め、実際の組合せの中から良好なものを選択していく必
要があり困難である。
【0009】このような種々の要求性能を満足する黒色
転写用シートの開発がのぞまれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決すべく鋭意検討の結果、種々の考えられる色素
の組合せの中から選択された一般式(1)で表されるイ
エロー系色素、一般式(2)で表されるマゼンタ系色素
および一般式(3)で表されるシアン系色素とを含有す
る黒色色材層を薄葉状基体上に有する転写シートを用い
て感熱転写記録を行うことによって、高い黒濃度が達成
され、その色は無彩色に近く、かつ高い耐光性を示す黒
色の記録が可能となることを見出し本発明に到達した。
【0011】即ち、本発明の目的は、濃い黒濃度が達成
可能で、無彩色に近い黒色が得られ、かつ、耐光性に優
れた転写シートを提供することにある。しかして、かか
る本発明の目的は、薄葉状基材に色材層を設けた転写シ
ートを加熱して色材層中の色素を被記録体に転写して記
録を得る感熱転写記録方式に使用される転写シートにお
いて、下記一般式(1)で表される色素、一般式(2)
で表される色素及び一般式(3)で表される色素を含有
する黒色色材層を有することを特徴とする転写シート
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】
【0015】(一般式(1)〜(3)中、X1 、X2
びX3 は水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低
級アルコキシ基または低級アシルアミノ基を表し、Y1
は水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表し、Y2
はハロゲン原子、低級アシルアミノ基または置換されて
いてもよい低級アルキル基を表し、−A−は−CO−、
−COO−または−SO2 −を表し、R1 、R2 、R
3 、R4 、R5 、R6 及びR7 は置換されていてもよい
低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルケニル
基、置換されていてもよいアリール基または置換されて
いてもよい複素環基を表す。)、によって容易に達成さ
れる。
【0016】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の転写シートは、薄葉状基材に色材層を設けた転写
シートを加熱して色材層中の色素を被記録体に転写して
記録を得る感熱転写記録方式に使用される転写シートで
あって、前記色材層中に、前記一般式(1)で表される
色素、前記一般式(2)で表される色素及び前記一般式
(3)で表される色素を含有する黒色色材層を有するこ
とを特徴とする。
【0017】なお、本発明において、一般式(1)、一
般式(2)及び一般式(3)の置換基における低級と
は、炭素数が1〜8であることを意味する。まず、前記
一般式(1)で表される色素について説明するに、一般
式(1)において、X1 は水素原子、ハロゲン原子、低
級アルキル基、低級アルコキシ基または低級アシルアミ
ノ基を表し、R1 およびR2 は置換されていてもよい低
級アルキル基、置換されていてもよい低級アルケニル
基、置換されていてもよいアリール基または置換されて
いてもよい複素環基を表す。
【0018】さらに、各置換基の好ましい例としては、
1 は水素原子、塩素原子、メチル基、エチル基または
メトキシ基を表し、R1 およびR2 は、各々独立に低級
アルキル基、低級アルケニル基、アラルキル基、アリー
ル基、ハロゲノ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキ
ル基、シアノ低級アルキル基、テトラヒドロフルフリル
基、低級アルコキシ低級アルキル基、低級アルケニルオ
キシ低級アルキル基、低級アラルキルオキシ低級アルキ
ル基、アリールオキシ低級アルキル基、テトラヒドロフ
ルフリルオキシ低級アルキル基、低級アルコキシカルボ
ニル低級アルキル基、アリールカルボニルオキシ低級ア
ルキル基、低級アルキルカルボニルオキシ低級アルキル
基、低級アルコキシカルボニルオキシ低級アルキル基ま
たは低級アルコキシエトキシ低級アルキル基を表す。
【0019】さらに好ましい例としては、X1 は水素原
子またはメチル基を表し、R1 およびR2 は、各々独立
に低級アルキル基、低級アルケニル基、アラルキル基、
モノクロル低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル
基、シアノエチル基、低級アルコキシエチル基、低級ア
ルケニルオキシエチル基、低級アラルキルオキシエチル
基、アリールオキシエチル基、テトラヒドロキシフルフ
リルオキシエチル基、低級アルコキシカルボニルエチル
基、アリールカルボニルオキシエチル基、低級アルキル
カルボニルオキシエチル基、低級アルコキシカルボニル
オキシエチル基または低級アルコキシエトキシエチル基
を表す。
【0020】次に、前記一般式(2)で表される色素に
ついて説明するに、一般式(2)において、X2 は水素
原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ
基または低級アシルアミノ基を表し、R3 およびR4
置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていて
もよい低級アルケニル基、置換されていてもよいアリー
ル基または置換されていてもよい複素環基を表す。
【0021】一般式(2)で示される色素の置換基の好
ましい例としては、X2 は水素原子、塩素原子、メチル
基、エチル基またはメトキシ基を表し、R3 およびR4
は、各々独立に低級アルキル基、低級アルケニル基、ア
ラルキル基、アリール基、ハロゲノ低級アルキル基、ヒ
ドロキシ低級アルキル基、シアノ低級アルキル基、テト
ラヒドロフルフリル基、低級アルコキシ低級アルキル
基、アラルキルオキシ低級アルキル基、アリールオキシ
低級アルキル基、低級アルケニルオキシ低級アルキル
基、テトラヒドロフルフリルオキシ低級アルキル基、低
級アルコキシカルボニル低級アルキル基、低級アルキル
カルボニルオキシ低級アルキル基、アリールカルボニル
オキシ低級アルキル基、低級アルコキシカルボニルオキ
シ低級アルキル基、低級アルコキシエトキシ低級アルキ
ル基または低級アルコキシエトキシカルボニル低級アル
キル基を表す。
【0022】さらに好ましい例としては、X2 は水素原
子またはメチル基を表し、R3 およびR4 は、各々独立
に、低級アルキル基、低級アルケニル基、アラルキル
基、クロルエチル基、ヒドロキシエチル基、シアノエチ
ル基、低級アルコキシエチル基、低級アラルキルオキシ
エチル基、アリールオキシエチル基、低級アルケニルオ
キシエチル基、テトラヒドロフルフリルオキシエチル
基、低級アルコキシカルボニルエチル基、アリールカル
ボニルオキシエチル基、低級アルキルカルボニルオキシ
エチル基、低級アルコキシカルボニルオキシエチル基ま
たは低級アルコキシエトキシエチル基を表す。
【0023】また、前記一般式(3)で表される色素に
ついて説明するに、一般式(3)において、X3 は水素
原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ
基または低級アシルアミノ基を表し、Y1 は水素原子、
ハロゲン原子またはメチル基を表し、Y2 はハロゲン原
子、低級アシルアミノ基または置換されていてもよい低
級アルキル基を表し、−A−は−CO−、−COO−ま
たは−SO2 −を表し、R5、R6 及びR7 は置換され
ていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低
級アルケニル基、置換されていてもよいアリール基また
は置換されていてもよい複素環基を表す。
【0024】一般式(3)で表される色素の置換基の、
好ましい例としては、X3 は水素原子、ハロゲン原子、
メチル基、エチル基、メトキシ基またはエトキシ基を表
し、Y1 は水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表
し、Y2 はハロゲン原子または置換されていてもよい低
級アルキル基を表し、−A−は−CO−または−COO
−を表し、R5 、R6 は、各々独立に低級アルキル基、
低級アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲ
ノ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シアノ
低級アルキル基、テトラヒドロフルフリル基、低級アル
コキシ低級アルキル基、アラルキルオキシ低級アルキル
基、アリールオキシ低級アルキル基、アルケニルオキシ
低級アルキル基、テトラヒドロフルフリルオキシ低級ア
ルキル基、低級アルコキシカルボニル低級アルキル基、
低級アルキルカルボニルオキシ低級アルキル基、アリー
ルカルボニルオキシ低級アルキル基、低級アルコキシカ
ルボニルオキシ低級アルキル基、低級アルコキシエトキ
シ低級アルキル基または低級アルコキシエトキシカルボ
ニル低級アルキル基を表し、R7 は低級アルキル基、低
級アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲノ
低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シアノ低
級アルキル基、テトラヒドロフルフリル基、低級アルコ
キシ低級アルキル基、アラルキルオキシ低級アルキル
基、アリールオキシ低級アルキル基、アルケニルオキシ
低級アルキル基、低級アルコキシエトキシ低級アルキル
基、テトラヒドロフルフリルオキシ低級アルキル基、ヘ
テロ環またはヘテロ環で置換されたアルキル基を表す。
【0025】さらに好ましい例としては、X3 は水素原
子、メチル基またはエチル基を表し、Y1 は、水素原子
または塩素原子を表し、Y2 はメチル基、エチル基、プ
ロピル基またはブチル基を表し、−A−は、−CO−ま
たは−COO−を表し、R5、R6 は、各々独立に低級
アルキル基、低級アルケニル基、アラルキル基、テトラ
ヒドロフルフリル基、クロルエチル基、ヒドロキシエチ
ル基、シアノエチル基、低級アルコキシエチル基、低級
アラルキルオキシエチル基、アリールオキシエチル基、
低級アルケニルオキシエチル基、テトラヒドロフルフリ
ルオキシエチル基、低級アルコキシカルボニルエチル
基、アリールカルボニルオキシエチル基、低級アルキル
カルボニルオキシエチル基、低級アルコキシカルボニル
オキシエチル基、低級アルコキシエトキシエチル基を表
し、R7 は低級アルキル基、低級アルケニル基、アラル
キル基、アリール基、フルオロアルキル基、クロロエチ
ル基、低級アルコキシエチル基、テトラヒドロフルフリ
ル基、アラルキルオキシエチル基、アリールオキシエチ
ル基、アルケニルオキシエチル基、またはテトラヒドロ
フルフリルオキシエチル基を表す。
【0026】本発明の一般式(1)、(2)、(3)で
示される色素を、各々単独で昇華感熱転写に用いること
は既に公知である。しかし、これら全てを混合して用い
ることは知られていない。例えば、特開昭61ー148
096号公報には、一般式(1)と一般式(2)で表さ
れる色素と、一般式(3)と基本的な骨格は同じである
が、置換基の違いから、一般式(3)で表される色素と
は異なる色素を組み合わせた例が記載されている。しか
しながら、本発明者らは、前記色素の組合せをさらに改
良し、色素を混合した場合により良好な耐光性を得るた
めには、一般式(3)で表される色素を用いることがよ
り好ましい事を、種々の検討の結果見い出し本発明に到
達した。
【0027】本発明の黒色の転写シートは、種々の考え
られる色素の組合せの中から選ばれたものであり、前記
一般式(1)、(2)及び(3)で表される色素を配合
することで得られるが、その際、それぞれの単独での転
写感度を考慮し、得られる黒の記録の色相が安定したも
のになるように配合することが必要である。そのため、
各色素の配合比率は、色材層中の全色素100重量%中
に、通常、一般式(1)で表される色素を5〜30重量
%、一般式(2)で表される色素を8〜35重量%、一
般式(3)で表される色素を35〜70重量%含有する
ことが適当であり、好ましくは、色材層中の全色素10
0重量%中に、通常、一般式(1)で表される色素を8
〜25重量%、一般式(2)で表される色素を13〜3
0重量%、一般式(3)で表される色素を40〜65重
量%を含有することが適当であり、さらに好ましくは、
色材層中の全色素100重量%中に、一般式(1)で表
される色素を10〜22重量%、一般式(2)で表され
る色素を15〜28重量%、一般式(3)で表される色
素を45〜60重量%を含有することが適当である。
【0028】これら配合比率は、それぞれ1種類の色素
で対応する必要はなく、例えば一般式(1)、(2)及
び(3)のそれぞれに該当する色素をそれぞれ2種以上
使用してもよい。一般式(1)、(2)、(3)で示さ
れる色素の他に、色調を整える等の目的から、例えば式
(4)で示される色素4の様な特開昭60ー18088
9号公報に記載されるジスアゾ系色素や式(5)で示さ
れる色素5の様な特開昭61ー227091号公報に記
載されたジシアノイミダゾールアゾ系色素を加えても良
い。
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】この様な配合比率で配合された色素を用い
ての黒は、特定の色に偏らない無彩色に近くなり、CI
ELAB表色系でa*値、b*値を測定したときのa*=
0、b*=0からの△Ec値((a*×a*+b*×b*)
の平方根)が10以下、好ましくは7以下となる。ま
た、その耐光性は極めて良好であり、通常の室内ではほ
とんど変色、退色が無く、キセノンフェドメーターを用
いての促進試験においても、40時間の試験でその変化
したCIELAB色差(△E*ab)は、12以下、好ま
しくは11以下になる。
【0032】転写シートの薄葉状基材としては、ポリエ
チレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、
ポリアラミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカー
ボネートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィル
ム、ポリスルホンフィルム、セロファン、トリアセテー
トフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが挙げられる
が、中でもポリエチレンテレフタレートフィルムは、機
械的強度、寸法安定性、耐熱性、価格などの面から好ま
しく、特に2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィル
ムが好ましい。これらの薄葉状基材の厚さは、通常、1
〜30μmであり、好ましくは2〜10μmである。
【0033】薄葉状基材には、色材層との接着性を向上
させるために、ベースフィルムの表面にコロナ処理を行
ったり、あるいはポリエステル系樹脂、セルロース系樹
脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ウレタン樹脂、ポリ
塩化ビニリデン系樹脂などによるアンカーコートを設け
ても良い。薄葉状基材への色材層の形成は通常の方法で
よい。例えば、色素と耐熱性の良好なバインダー樹脂
を、適当な溶媒に溶解あるいは分散させてインキを調製
し、このインキをベースフィルムに塗布し、乾燥して形
成することが一般的である。
【0034】バインダー樹脂中の色素の比率が高い方が
一般に転写感度や最高到達濃度が高く、色素の比率が低
いと感度、到達濃度が低くなる。しかし、色素の比率が
極端に高くなってくると、高温下、高湿度下、あるいは
長期保存下で色素がバインダー中から析出してくること
になり、転写画像に悪影響をもたらす。従って、転写シ
ートの保存安定性と転写性とのかねあいから、バインダ
ーと色素の混合比は、1:2〜2:1の範囲が適当であ
り、より好ましくは、1:1.5〜1.5:1の範囲で
ある。
【0035】この場合のバインダー樹脂としては、ポリ
カーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチ
ラール樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアリ
レート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリ
イミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエステル樹
脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂およびアセチルセ
ルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどの
ようなセルロース系樹脂が例として挙げられる。
【0036】使用される溶剤としては、トルエン、キシ
レンなどの芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶
剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;イ
ソプロパノール、ブタノール、メチルセロソルブなどの
アルコール系溶剤;ジオキサン、テトラヒドロフランな
どのエーテル系溶剤;ジメチルホルムアミド、Nーメチ
ルピロリドンなどのアミド系溶剤などを挙げることがで
きる。
【0037】上記のインキの中には上記成分の他に、必
要に応じて有機または無機の非昇華性粒子、分散剤、帯
電防止剤、ブロッキング防止剤、消泡剤、酸化防止剤、
粘度調節剤などの添加剤を添加することが出来る。ま
た、レーザー光を用いる昇華転写方式に用いるために赤
外線吸収剤やカーボンブラックを添加することもでき
る。
【0038】これらのインキの塗布方法に特に制限はな
いが、例えば、グラビアコーター、リバースロールコー
ター等を用いることができ、例えば、「印刷インキハン
ドブック」(印刷インキ工業連合会編集・発行、197
8年)に記載の方法を参考にすることができる。塗布膜
厚は乾燥膜厚で0.1〜5μmが適当であり、より好ま
しくは、0.5〜2μmである。
【0039】転写シートの色材層とは反対面に必要に応
じて耐熱層を設けても良い。耐熱層としては特に制限は
無いが、例えば紫外線硬化樹脂等の硬化樹脂を用いたも
のやTgの高い熱可塑性樹脂を用いたものが知られてい
る。耐熱層は、サーマルヘッドの熱に対する耐熱性の他
に、サーマルヘッドに対する滑り性が必要とされること
から、シリコーンオイルの様な滑剤が添加されているこ
とが一般的である。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本実施例はその要旨を超えない限り、本発明を何
等限定するものではない。なお、特に明記しない限り、
%部数は重量換算である。
【0041】[実施例1] (a)転写シートの作製 色素1−1(一般式(1)に於て、X1 がメチル基、R
1 がブチル基、R2 がフェニルエチル基)20部、色素
2−1(一般式(2)に於て、X2 が水素原子、R3
ブチル基、R4 がフェニルエチル基)25部、色素3−
1(一般式(3)に於て、X3 がメチル基、Y1 が水素
原子、Y2 がメチル基、Aが−CO−、R 5 およびR6
がエチル基、R7 がメチル基)55部とAS樹脂(商品
名サンレックスSAN−A、モンサント化成株式会社
製)100部とメチルエチルケトン400部、トルエン
400部を混合撹拌して得られたインクを6μmのポリ
エステルフィルムにバーコーターを用いて乾燥膜厚が2
μmになるように塗工乾燥した。その背面にアクリル樹
脂(商品名BR−80、三菱レイヨン株式会社製)10
重量部、アミノ変性シリコーンオイル(商品名KF39
3、信越化学株式会社製)1重量部、トルエン89重量
部を混合した液をバーコーターを用いて乾燥厚みが1μ
になるように塗工乾燥し、耐熱層を設けた。
【0042】(b) 受像体の作製 ポリビニルフェニルアセタール樹脂100部、塩化ビニ
ル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合樹脂(商品名
エスレックA、積水化学株式会社製)20部、変性用シ
リコーンワニス(商品名TSR−160、固形分濃度6
0%、東芝シリコーン株式会社製)20部、アジピン酸
ジアルキルエステル(商品名K−3220、株式会社花
王製)25部、アミノ変性シリコーンオイル(商品名K
F393、信越化学工業株式会社製)2部、ヘキサメチ
レンジイソシアネート系多官能イソシアネート化合物
(商品名マイテックNY−710A、固形分濃度75
%、三菱化成株式会社製)20部、メチルエチルケトン
500部、トルエン500部からなる液を厚み150μ
mのポリプロピレン製合成紙(商品名ユポFPG15
0、王子油化合成紙株式会社製)にワイヤーバーで塗
布、乾燥し(乾燥膜厚約7μm)、さらにオーブン中で
80℃で10時間熱処理することにより受像体を作製し
た。
【0043】上記のポリビニルフェニルアセタール樹脂
はポリビニルアルコール(鹸化度99モル%、重合度1
700)をフェニルアセトアルデヒドでアセタール化す
ることにより得たものであり、下記構造式(6)であっ
た。
【0044】
【化9】
【0045】(c)印字記録 上記(a)の様にして作製された熱転写記録用シートの
色材層面と、上記(b)の様にして作成された受像体の
樹脂塗布面を重ね、5.6ドット/mmの発熱抵抗体密
度を有する部分グレース型ラインサーマルヘッドを使用
して、送り方向に6ライン(ドット)/mmで、16.
6ms/ラインの速度で、印加電力0.22W/ドット
で印字を行った。1ライン当たりのヘッドに印加する時
間を12msにすることで濃色の印字を得た。
【0046】(d)濃度、色の測定 上記(c)の様にして印字された印字物の濃度を反射濃
度計(商品名マクベスRD−927型、マクベス社製)
で、フィルターをオルソマッチクで測定した。その結
果、濃度は1.85であった。さらに濃色の色をJIS
Z−8722に準拠する光学系を有する色差計(商品
名分光色差計SZ−Σ80、日本電色工業株式会社製)
を用いて、C光源、視野角2度で測定し、CIELAB
表色系で表記した。その結果、a*=−1.97、b*=
−0.03であり、a*=0、b*=0からの色質の差△
Ecは1.97であり、無彩色に近かった。
【0047】(e)耐光性試験 上記(c)の様にして印字された転写物の濃色のサンプ
ルを、キセノンランプを用いた耐光性試験機(商品名キ
セノンフェードメーターFAL−25AX、スガ試験機
株式会社製)を用いて、40時間耐光性試験を行い。試
験前の印字物と試験後のそれとを、(d)で用いたのと
同じ色差計で、同条件で測定した。そのCIELAB色
差は、9.9と小さかった。
【0048】[実施例2〜6]実施例1で使用した色素
の組合せと量の代わりに、下記の表−1に示した色素の
組合せと量を用いた他は、実施例1と同様に試験を行
い、その結果を表−3に示した。いずれも、高濃度で中
庸に近い黒が得られ、かつ耐光性は良好であった。
【0049】
【表1】
【0050】色素1−2は、一般式(1)に於て、X1
がメチル基、R1 がメチル基、R2がフェニルメチル基
である。色素2−2は、一般式(2)に於て、X2 が水
素原子、R3 がエチル基、R4が2、3−ジメトキシプ
ロピル基である。色素3−2は、一般式(3)に於て、
3 がメチル基、Y1 がクロル基、Y2がメチル基、−
A−が−CO−、R5 およびR6 がエチル基、R7 がメ
チル基である。
【0051】色素3−3は、一般式(3)に於て、X3
がメチル基、Y1 がクロル基、Y2がメチル基、−A−
が−COO−、R5 、R6 およびR7 がエチル基であ
る。色素3−4は、一般式(3)に於て、X3 がメチル
基、Y1 が水素原子、Y2がメチル基、−A−が−CO
O−、R5 、R6 およびR7 がエチル基である。
【0052】[比較例1〜4]実施例1で使用した色素
の組合せと量の代わりに、下記の表−2に示した色素の
組合せと量を用いた他は、実施例1と同様に試験を行
い、その結果を表−3に示した。いずれも中庸で感度の
高い黒が得られたものの、耐光性は実施例より劣るもの
であった。尚、色素3−5〜色素3−8は、置換基の範
囲から、請求項1記載の一般式(3)に該当しないが、
その基本的な骨格が同じであることから、一般式(3)
を用いてその構造を示した。
【0053】
【表2】
【0054】色素3−5は、一般式(3)に於て、X3
がメチル基、Y1 およびY2 が水素原子、−A−が−C
OO−、R5 およびR6 がエチル基、R7 がメチル基で
ある。
【0055】色素3−6は、一般式(3)に於て、X3
がメチル基、Y1 およびY2 が水素原子、−A−が−C
O−、R5 およびR6 がエチル基、R7 がメチル基であ
る。色素3−7は、一般式(3)に於て、X3 がメチル
基、Y1 およびY2 が水素原子、−A−が−CO−、R
5 、R6 およびR7 がエチル基である。色素3−8は、
一般式(3)に於て、X3 、Y1 およびY2 が水素原
子、−A−が−CO−、R5 およびとR6 がエチル基、
7 がイソプロピル基である。
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
【発明の効果】発明の転写シートを用いれば、濃い黒が
表現でき、その色は無彩色に近く、かつ、耐光性に優れ
ている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄葉状基材に色材層を設けた転写シート
    を加熱して色材層中の色素を被記録体に転写して記録を
    得る感熱転写記録方式に使用される転写シートにおい
    て、下記一般式(1)で表される色素、一般式(2)で
    表される色素及び一般式(3)で表される色素を含有す
    る黒色色材層を有することを特徴とする転写シート。 【化1】 【化2】 【化3】 (一般式(1)〜(3)中、X1 、X2 及びX3 は水素
    原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ
    基または低級アシルアミノ基を表し、Y1 は水素原子、
    ハロゲン原子またはメチル基を表し、Y2 はハロゲン原
    子、低級アシルアミノ基または置換されていてもよい低
    級アルキル基を表し、−A−は−CO−、−COO−ま
    たは−SO2 −を表し、R1 、R2 、R3 、R4 、R
    5 、R6 及びR7 は置換されていてもよい低級アルキル
    基、置換されていてもよい低級アルケニル基、置換され
    ていてもよいアリール基または置換されていてもよい複
    素環基を表す。)
  2. 【請求項2】 前記色材層に含まれる色素100重量%
    中に、一般式(1)で表される色素が5〜30重量%、
    一般式(2)で表される色素が8〜35重量%、一般式
    (3)で表される色素が35〜70重量%の比率で含有
    されることを特徴とする請求項1記載の転写シート。
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