JPH07303906A - 継目無管の拡管圧延方法 - Google Patents

継目無管の拡管圧延方法

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JPH07303906A
JPH07303906A JP12080494A JP12080494A JPH07303906A JP H07303906 A JPH07303906 A JP H07303906A JP 12080494 A JP12080494 A JP 12080494A JP 12080494 A JP12080494 A JP 12080494A JP H07303906 A JPH07303906 A JP H07303906A
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rolling
shoe
angle
guide shoe
alphas2
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JP12080494A
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Tetsuo Shimizu
哲雄 清水
Akira Yorifuji
章 依藤
Takaaki Toyooka
高明 豊岡
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 継目無鋼管等の継目無管の高拡管圧延におい
て、シュー交換をすることなく、同一形状のシューによ
って、異なる拡管率の圧延を可能とし生産性の向上を図
ること。 【構成】 一対のコーン型圧延ロール81、82を備え
た拡管圧延機10において、ガイドシュー84を、目標
とする拡管率に応じて管の圧延方向に対し傾動するも
の。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、継目無鋼管等の継目無
管の拡管圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】継目無管の製造工程は、マンネスマン法
が主流となっており、圧延方式によってプラグミル方式
とマンドレルミル方式に大別されるが、基本的には、素
材丸ビレットに穴を開ける穿孔工程と、穿孔された中空
素管を減肉延伸する延伸圧延工程と、延伸圧延された中
空素管を所定の外径にまで絞る、或いは定径する仕上げ
圧延工程からなる。
【0003】プラグミル方式は一般に中径の継目無管の
製造に使用される方式である。この方式では、丸ビレッ
トを加熱炉で加熱し、傾斜圧延機であるマンネスマンピ
アサにて穿孔圧延し、中空素管とする。得られた中空素
管は必要に応じて、同じく傾斜圧延機であるエロンゲー
タにて更に減肉、拡管され、更に一対の孔型圧延ロール
を有するプラグミルにより減肉、縮管され、次いで傾斜
圧延機であるリーラにより若干の減肉とともに拡管が行
なわれ、管内外面の磨管が行なわれる。リーラで圧延さ
れた素管は再加熱後サイザにて定径が行なわれ製品とな
る。
【0004】図6は、上述のプラグミル方式圧延ライン
の各圧延工程出側における圧延材の外径の変化の一例を
示す説明図である。中空素管を減肉、拡管するエロンゲ
ータ、及び減肉、拡管によって磨管するリーラのいずれ
においても、拡管率は高々数%から17、18%程度である
ため、広い範囲の外径の製品を得ようとすると、多種類
の外径のビレットが必要となり、生産性を阻害する一つ
の要因であった。そのため、近年素材ビレットサイズの
減少、設備の簡素化を目的として延伸工程において従来
以上に拡管を行なう拡管圧延スケジュールが提案されて
いる。
【0005】ところが、従来のエロンゲータ、リーラの
ようなバレル型のロール形状を持つ傾斜圧延機において
は、中空素管を高拡管しようとすると、素管の噛込み不
良、尻抜け不良を起こしたり、フレアリングを生じてホ
ローが破れたりすることが知られている。ここで高拡管
とは拡管率Er が 0.2以上を意味するものとする。これ
は一般に、バレル型ロールを傾斜角βで配置した穿孔圧
延では、ゴージ部より出側ではロール径は漸次減少し、
周速度が遅くなるため、減肉されて断面積が減少し、前
進速度が増加する被圧延材に対してブレーキをかける状
態となり、その結果被圧延材にねじれが生じ、断面内に
は付加的な剪断歪が発生するためとされている。
【0006】近年、これらの問題点を解決し、従来以上
に拡管を行なうため、交叉角を付与したコーン型ロール
を用いた傾斜圧延機による拡管圧延方法が提案されてい
る。コーン型ロールを一定の進み角βで傾斜配置すると
ともに、パスラインに対して交叉角γで交叉配置した傾
斜圧延では、圧延出側に進むほどロール径が漸次大き
く、周速度が速くなるため、被圧延材に対してのブレー
キがなくなり、被圧延材のねじれや、断面内の付加的な
剪断歪を発生させないことが可能となるからである。
【0007】例えば特公平3-77005 には図7に示すよう
な交叉角を 2°〜35°とし、ロールの輪郭線を円錐状進
入部分と回転双曲面部分とから構成することを特徴とす
る径拡大圧延機が提案されている。この方法によれば、
本来必要となる中間加熱工程が不要となり、薄肉の大径
鋼管を安価に製造することができるとしている。
【0008】一方、特公平5-38647 には、図8に示すよ
うな円錐台状の縮径部、拡径部、及びサイジング部を有
する2個以上のロールとリーリング部を備えたプラグと
を少なくとも具備した交叉型傾斜圧延機で、拡管部のロ
ール面角α2 をα2 > 5°に、またサイジング部のロー
ル面角α3 をα3 <α2 とし、かつ 0°≦α3 ≦10°と
なるように設定するとともに、プラグのリーリング部を
サイジングロール面と対向配置させ、そのリーリング面
角をサイジング部ロール面角α3 に略一致せしめて拡管
穿孔圧延、或いは拡管圧延を行なうことが提案されてい
る。この方法によれば、プラグのリーリング部を長く設
定することが可能となり、然も尻抜け性を向上せしめ得
る結果、偏肉及び外径変動の発生を抑制することができ
るとしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、本発明者
の鋭意研究の結果、コーン型ロールを用いることによっ
て、バレル型ロールを用いた時に比較して高拡管が可能
となるものの、単に交叉角を付与したコーン型ロールを
用いただけでは、自ら拡管できる範囲に限りがあり、あ
る限界を超えると素管の噛込み不良、尻抜け不良を起こ
したり、フレアリングを生じてロールとシューとの間隙
に噛み出して破れたり、圧延が続行できなくなるという
問題が発生する。
【0010】このフレアリングを解決するために、例え
ば特開平5-123714では図9に示すように、圧延ロールが
挟む圧延領域の両側に配置したディスクロール型シュー
の回転軸に、ディスクロールに対する被圧延材の回転進
入方向側であるディスクロールの一側に位置して軸支さ
れたガイドホルダにガイドシューを装着することによ
り、ディスクロールと圧延ロールとの間隙を小さくする
圧延機が提案されている。
【0011】ところが、この特開平5-123714の従来技術
ではフレアリングによる噛み出しの防止には効果が認め
られるものの、素管の噛込み不良、尻抜け不良の防止に
は全く効果がない。
【0012】一般に、ディスクロール型シューは設備的
な制約からディスクロール径の大きさが限られ、被圧延
材とは円弧で接触するため、固定型(プレート型)シュ
ーと比較して長手方向の接触長が短くなる。従って、高
拡管圧延では被圧延材が十分に拡管変形する前にディス
クロール型シューの拘束がなくなってしまい、素管の噛
込み不良、尻抜け不良、フレアリングによる噛み出しを
助長する場合がある。特に薄肉材の高拡管圧延では長手
方向の拘束力が強い固定型シューを用いる方が素管の噛
込み不良、尻抜け不良、フレアリングによる噛み出しの
防止が図られる。
【0013】然るに、本発明者らの調査検討によれば、
固定型シューを用いても、それぞれの目標とする拡管率
に適した固定型シュー形状でなければかえって噛込み不
良、尻抜け不良、フレアリングによる噛み出しを助長す
ることが判明した。即ち、拡管率に応じてシューの出側
面角を最適範囲に設定することが必要であることを見出
したのである。
【0014】然しながら、目標とする拡管率が変わる毎
に最適なシュー形状の固定型シューに変更することが必
要となり、特に少量で多種類の外径の製品を同一外径の
素管から製造する場合には、シュー交換のための停機に
より生産性を著しく阻害することになる。
【0015】本発明は、継目無鋼管等の継目無管の高拡
管圧延において、シュー交換をすることなく、同一形状
のシューによって、異なる拡管率の圧延を可能とし生産
性の向上を図ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、一対のコーン型圧延ロールをパスラインに対して一
定の進み角βで傾斜配置するとともに、パスラインに対
して入側面角α1 と出側面角α2 とを有するようにパス
ラインに対して交叉角γで交叉配置し、上記一対のコー
ン型圧延ロールが挟む圧延領域の両側に一対のガイドシ
ューを配置し、中空素管を拡管する継目無管の拡管圧延
方法において、ガイドシューを目標とする拡管率に応じ
て管の圧延方向に対し傾動するようにしたものである。
【0017】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の継目無管の拡管圧延方法において、大拡管率での圧
延に際してはガイドシューのみかけ上の出側面角が大と
なる側に傾動し、小拡管率での圧延に際してはガイドシ
ューのみかけ上の出側面角が小となる側に傾動するよう
にしたものである。
【0018】
【作用】本発明者らは、固定型シューを用いる拡管圧延
に際し、種々の拡管率において、シューの出側面角が被
圧延材の噛込み不良、尻抜け不良、フレアリングによる
噛み出しに及ぼす影響を調査した結果、前述の如く、拡
管率に応じてシューの出側面角を最適範囲に設定するこ
とが必要であることを知見した。
【0019】この知見を基に、1種類の出側面角αs2
もった固定ガイドシューであっても、目標とする拡管率
が変わる毎に、管の圧延方向に対するシューの傾動角度
を調整することにより、シューのみかけ上の出側面角を
当該拡管率に見合う最適範囲に設定し、結果としてシュ
ー交換することなく同一シューによって噛込み不良、尻
抜け不良、ホロー破れの発生を防止できることを見出し
た。
【0020】即ち、拡管圧延機10では、コーン型ロー
ル81、82を一定の進み角βで傾斜配置するととも
に、パスラインに対して入側面角α1 、出側面角α2
有するようにパスラインに対して交叉角γで交叉配置す
ることにより、圧延出側に進むほどロール径が暫時大き
く、周速度が速くなる結果、ロールが被圧延材に及ぼす
ブレーキがなくなる。このため、拡管圧延機10による
傾斜圧延では、ロールが被圧延材に及ぼすブレーキ起因
の、被圧延材のねじれや、断面内の付加的な剪断歪の発
生がなく、素管の噛込み不良、尻抜け不良、フレアリン
グによるホロー破れを伴うことなく、中空素管を高拡管
できる。尚、両圧延ロール81、82が形成する圧延領
域の中央にはプラグ86が配置されている。
【0021】そして、拡管圧延機10では更に、上記一
対のコーン型圧延ロール81、82が挟む圧延領域の両
側に一対のガイドシューホルダ83を配置し、このガイ
ドシューホルダ83にガイドシュー84を脱着可能に設
けた。そして、ガイドシューホルダ83は圧延入側端面
上を傾動支点83Aとしてその出側端面を大きく傾動可
能とされている。これにより、ガイドシューホルダ83
に設けられたガイドシュー84は管の目標とする拡管率
に応じて該管の圧延方向に対して傾動可能とされ、この
傾動によるシュー間隙の変化量が、圧延ロールゴージ部
での変化量よりも圧延機出側での変化量の方を大とする
ように設定されるものとなる。
【0022】従って、拡管圧延機10にあっては、中空
素管を拡管圧延するに際し、目標とする拡管率に応じ
て、ガイドシュー84を管の圧延方向に対して傾動し、
この傾動によるシュー間隙の変化量を、圧延ロールゴー
ジ部での変化量よりも圧延機出側での変化量が大となる
ように設定して運転される。
【0023】尚、上述のガイドシュー84の傾動を実施
するに際しては、圧延ロールゴージ部でのシュー間隙の
変化量よりも、圧延出側でのシュー間隙の変化量の方が
大となるものであれば、傾動支点83Aは図2に示すも
のに限らず、図4(A)、(B)に示されるもの等のい
ずれであっても良い。
【0024】このとき、拡管圧延機10では、被圧延材
の拡管率毎に、ガイドシュー84の最適傾動角度(最適
なみかけ上の出側面角αs2' )を予め把握しており(表
1)、同一のガイドシュー84を用いながら被圧延材の
噛込み不良、尻抜け不良、ホロー破れを発生させないよ
うに、上記ガイドシュー84の傾動角度を制御するもの
となる。
【0025】即ち、従来方法では、図11に示す如く、
(a) 大拡管率用ガイドシューとしては出側面角αs2の大
なるシューを用い(図11(A))、(b) 小拡管率用ガ
イドシューとしては出側面角αs2の小なるシューを用い
ていた(図11(B))。そして、拡管率の変わる度
に、例えば図11(A)のシューと図11(B)のシュ
ーとを交換していた。これに対し、本発明方法では、図
12に示す如く、同一のガイドシューを用いて、(a) 大
拡管率での圧延に際してはシューを傾動させずに(或い
はわずかに傾動させ)その大なる出側面角αs2(もしく
は大なるみかけ上の出側面角αs2' )にて圧延し(図1
2(A))、(b) 小拡管率の圧延に際してはシューを傾
動角度φだけ傾動させて、みかけ上の出側面角αs2' を
[αs2−φ]の如くに小として圧延する(図12
(B))のである。もちろん、上記(b) の小拡管率での
圧延に際して、出側面角αs2の小なるガイドシューを傾
動させずに用いるものであっても良い。
【0026】ここで、ガイドシュー84の傾動制御機構
の一例を示せば以下の如くである(図10(A)、
(B))。
【0027】即ち、例えばガイドシューホルダ83はガ
イドシュー間隙を調整する圧下シリンダ91と支点93
で回転可能に接続され、更に傾動用圧下シリンダ92
に、圧下シリンダ91と支点96で回転可能に接続され
たヨーク95を介して支点94で回転可能に接続されて
いる。ガイドシューホルダ83及びガイドシュー84間
隙は圧下シリンダ91を上下することにより水平に移動
し、ガイドシュー間隙が調整可能となる。また、傾動用
圧下シリンダ92を上下することによりガイドシューホ
ルダ83及びガイドシュー84は支点93を中心として
回転し、傾動可能となる。
【0028】尚、本発明者らは、交叉配置したコーン型
ロールによって中空素管を高拡管圧延する際の被圧延材
の噛込み不良、尻抜け不良、フレアリングによるホロー
の破れの発生状態を詳細に検討した結果、一対のコーン
型圧延ロールをパスラインに対して一定の進み角βで傾
斜配置するとともに、パスラインに対して入側面角α1
と出側面角α2 とを有するようにパスラインに対して交
叉角γで交叉配置し、中空素管を高拡管するに当たり、
β、γ、β+γを以下の範囲に設定し、5 °≦β≦25
°、10°≦γ≦40°、20°≦β+γ≦50°かつα1 、α
2 を以下の範囲に設定するとともに、0.5 °≦α1 ≦5
°、3 °≦α2 ≦10°、α1 ≦α2 、更に、減肉率Rt
と拡管率Er との間に1 ≦Er /Rt ≦3 、但し Rt
=(ti-to )/ti 、Er =(Do-Di )/Di 、t
i :入側中空素管肉厚、Di :入側中空素管外径、t
o :出側管肉厚、Do :出側管外径なる関係を満足させ
ることにより、噛込み不良、尻抜け不良、フレアリング
によるホローの破れの発生を著しく防止し、歩留、生産
性を阻害することなく高拡管圧延することができること
を見出した。
【0029】即ち、図1〜図3に示すようなコーン型ロ
ールのゴ−ジ部直径DR が700mm 、ロールバレル長さL
R が600mm 、入側端からゴージ部までのロール長さL1
が250mm 、入側面角α1 が 3°、出側面角α2 が 5°、
交叉角γが20°、進み角βが15°の傾斜圧延機で、直径
H が80〜120mm 、肉厚tH が15〜40mmの中空素管を被
圧延材としてロール間隙Eとプラグ先進量Lとを種々変
更して減肉率Rt 、拡管率Er を変化させて拡管圧延
し、噛込み不良、フレアリングによるホロー破れの発生
状況を調査した。横軸にRt 、縦軸にEr をとり整理し
た結果を図5に示す。
【0030】図より明らかなように、一対のコーン型圧
延ロールを一定の進み角βで傾斜配置するとともに、γ
で交叉配置する管の傾斜圧延方法において、減肉率Rt
と拡管率Er を1 ≦Er /Rt ≦3 の間の範囲に選ぶこ
とにより、噛込み不良、尻抜け不良、フレアリングによ
るホロー破れを回避することができ、圧延設定の自由度
を高めることが可能となる。
【0031】本発明において、5 °≦β≦25°、10°≦
γ≦40°、20°≦β+γ≦50°とするのは以下の理由に
よる。一定範囲内では、進み角β、交叉角γ、及びその
和β+γが大きくなるほど被圧延材のねじれや、断面内
の付加的な剪断歪を小さくさせることが可能となり、フ
レアリングによるホロー破れ防止に対して効果がある。
然しながら、β<5 °、又はγ<10°、又はβ+γ<20
°ではその効果が十分でなく、フレアリングによるホロ
ー破れが発生し易くなる。従って、βの下限は5 °、γ
の下限は10°、β+γの下限は20°とする。一方、β>
25°、又はγ>40°又はβ+γ>50°では、被圧延材の
ねじれが逆向きに大きくなり、断面内の付加的な剪断歪
も逆方向へ発生するため、かえってフレアリングによる
ホロー破れが発生し易くなる。従って、βは25°、γは
40°、β+γは50°を超えないものとする。
【0032】0.5 °≦α1 ≦5 °とするのは以下の理由
による。入側面角α1 は被圧延材の噛込み性に重要な影
響を与える。α1 が 5°を超えると噛込み時に被圧延材
が急激に圧下され、変形に要する圧延ロールからの抗力
が圧延ロールから伝達される前進方向の推力を上回るた
め、噛込み不良が起こり易くなる。従って、α1 は 5°
を超えないものとする。一方、α1 が小さくなりすぎる
と、前進方向の推力に必要な被圧延材の外径圧下量を得
ようとするためには入側のロールバレルをかなり長くす
る必要があるため、設備建設費が高くなり実用的でなく
なる。従って、α1 の下限は0.5 °とする。
【0033】3 °≦α2 ≦10°とするのは以下の理由に
よる。出側面角α2 が大きいほど、拡管量に対して必要
な出側のロールバレルを短くすることができ、設備を小
型化することが可能であるが、あまり大きすぎるとかえ
ってフレアリングによるホロー破れが発生し易くなる。
従って、α2 は10°を超えないものとする。一方、α 2
が小さすぎると所定の拡管量を得ようとするためには出
側のロールバレルをかなり長くする必要があるため、設
備建設費が高くなり実用的でなくなる。従って、α2
下限は 3°とする。
【0034】α1 ≦α2 とするのは以下の理由による。
出側面角α2 が入側面角α1 よりも小さくなると、所定
の拡管量を得ようとするためには出側面角α2 が入側面
角α1 よりも大きい場合と比較してロールバレル長が相
対的に長くなる。従って、α1 はα2 を超えないものと
する。
【0035】
【実施例】図1は本発明に係る傾斜圧延機を示す平面
図、図2は図1の側面図、図3は図1の圧延方向から見
た正面図である。
【0036】図1〜図3の傾斜圧延機10では、ゴージ
部の直径がDR である一対のコーン型圧延ロール81、
82をパスラインに対して一定の進み角βで傾斜配置す
るとともに、入側面角α1 と出側面角α2 とを有するよ
うにパスラインに対して交叉角γで交叉配置し、上記両
圧延ロール81、82が形成する圧延領域の両側にガイ
ドシューホルダ83とガイドシュー84を配置した。
尚、圧延ロール81、82は直径DR の部分をロール軸
方向での直径変化の変曲点とし、この直径DR をゴージ
部に合致させている。そして、両圧延ロール81、82
の間にプラグ86を配置し、両圧延ロール81、82の
ゴージ部ロール間隙Eで中空素管1Aを傾斜圧延し、拡
管圧延後中空素管1Bを得た。
【0037】このとき、本発明例では、5 °≦β≦25
°、10°≦γ≦40°、20°≦β+γ≦50°、0.5 °≦α
1 ≦5 °、3 °≦α2 ≦10°、α1 ≦α2 とした。ま
た、減肉率Rt と拡管率Er とを、1 ≦Er /Rt ≦3
とした。
【0038】以下、本実施例の作用効果について説明す
る。即ち、図1に示すコーン型圧延ロールのゴージ部直
径Dr が800mm 、交叉角γ=15°、傾斜角β=10°、入
側面角α1 = 3°、出側面角α2 = 3°の傾斜圧延機で
直径Di =156 mm、肉厚ti=12mmの中空素管を被圧延
材として拡管率Er 、減肉率Rt を変化させて直径Do
、肉厚to に拡管圧延し、表1の結果を得た。従来技
術では、それぞれの拡管率に対してそれぞれ最適な出側
面角αs2を持った固定ガイドシューを使用して圧延する
ことにより、噛込み不良、尻抜け不良、ホロー破れの発
生を防止することができる。最適でない出側面角αs2
持った固定ガイドシューを使用すると比較例に示すよう
に噛込み不良、尻抜け不良、ホロー破れが発生する。本
発明方法によれば、一種類の出側面角αs2を持った固定
ガイドシューであっても、傾動角度を調節することによ
り、みかけ上の出側面角αs2' を最適範囲に設定するこ
とが可能となり、噛込み不良、尻抜け不良、ホロー破れ
の発生を防止することができる。
【0039】本発明方法によれば、異なる拡管率の圧延
を実施する場合においても、シュー交換をせずに、シュ
ーを傾動するのみで噛込み不良、尻抜け不良、ホロー破
れの発生を防止することができるので、生産性の向上が
図られる。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、継目無鋼
管等の継目無管の高拡管圧延において、シュー交換をす
ることなく、同一形状のシューによって、異なる拡管率
の圧延を可能とし生産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る傾斜圧延機を示す平面図で
ある。
【図2】図2は図1の側面図である。
【図3】図3は図1の圧延方向から見た正面図である。
【図4】図4はガイドシューの傾動支点位置の変形例を
示す模式図である。
【図5】図5は減肉率と拡管率を変化させて拡管圧延し
たときの噛込み不良、尻抜け不良、フレアリングによる
ホロー破れの発生状況を示す線図である。
【図6】図6は従来のプラグミル方式による圧延ライン
の各圧延工程出側における被圧延材の外径の変化の一例
を示す線図である。
【図7】図7は従来の傾斜圧延機を示す模式図である。
【図8】図8は従来の他の傾斜圧延機を示す模式図であ
る。
【図9】図9は従来の更に他の傾斜圧延機を示す模式図
である。
【図10】図10は本発明におけるガイドシューの傾動
制御機構の一例を示す模式図。
【図11】図11は従来方法におけるガイドシューの使
用態様を示す模式図である。
【図12】図12は本発明方法におけるガイドシューの
使用態様を示す模式図である。
【符号の説明】
10 拡管圧延機 81、82 圧延ロール 84 ガイドシュー 86 プラグ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のコーン型圧延ロールをパスライン
    に対して一定の進み角βで傾斜配置するとともに、パス
    ラインに対して入側面角α1 と出側面角α2とを有する
    ようにパスラインに対して交叉角γで交叉配置し、 上記一対のコーン型圧延ロールが挟む圧延領域の両側に
    一対のガイドシューを配置し、 中空素管を拡管する継目無管の拡管圧延方法において、 ガイドシューを目標とする拡管率に応じて管の圧延方向
    に対し傾動することを特徴とする継目無管の拡管圧延方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の継目無管の拡管圧延方
    法において、大拡管率での圧延に際してはガイドシュー
    のみかけ上の出側面角が大となる側に傾動し、小拡管率
    での圧延に際してはガイドシューのみかけ上の出側面角
    が小となる側に傾動する継目無管の拡管圧延方法。
JP12080494A 1994-05-11 1994-05-11 継目無管の拡管圧延方法 Withdrawn JPH07303906A (ja)

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