JPH07214114A - 継目無管の拡管圧延機及び拡管圧延方法 - Google Patents
継目無管の拡管圧延機及び拡管圧延方法Info
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- JPH07214114A JPH07214114A JP3426594A JP3426594A JPH07214114A JP H07214114 A JPH07214114 A JP H07214114A JP 3426594 A JP3426594 A JP 3426594A JP 3426594 A JP3426594 A JP 3426594A JP H07214114 A JPH07214114 A JP H07214114A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 肉厚外径比(t/D)の小なる薄肉大径の管
を圧延しようとするときの管寸法精度を向上するととも
に、素管のフレアリングによる噛み出しを回避するこ
と。 【構成】 一対のコーン型圧延ロール81、82を備え
た拡管圧延機10において、管の圧延方向に対して傾動
可能とされるガイドシュー84を有し、この傾動による
シュー間隙の変化量が、圧延ロールゴージ部での変化量
よりも圧延機出側での変化量の方を大とするように設定
されてなるもの。
を圧延しようとするときの管寸法精度を向上するととも
に、素管のフレアリングによる噛み出しを回避するこ
と。 【構成】 一対のコーン型圧延ロール81、82を備え
た拡管圧延機10において、管の圧延方向に対して傾動
可能とされるガイドシュー84を有し、この傾動による
シュー間隙の変化量が、圧延ロールゴージ部での変化量
よりも圧延機出側での変化量の方を大とするように設定
されてなるもの。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、継目無鋼管等の継目無
管の拡管圧延機及び拡管圧延方法に関する。
管の拡管圧延機及び拡管圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】継目無管の製造工程は、マンネスマン法
が主流となっており、圧延方式によってプラグミル方式
とマンドレルミル方式に大別されるが、基本的には、素
材丸ビレットに穴を開ける穿孔工程と、穿孔された中空
素管を減肉延伸する延伸圧延工程と、延伸圧延された中
空素管を所定の外径にまで絞る、或いは定径する仕上げ
圧延工程からなる。
が主流となっており、圧延方式によってプラグミル方式
とマンドレルミル方式に大別されるが、基本的には、素
材丸ビレットに穴を開ける穿孔工程と、穿孔された中空
素管を減肉延伸する延伸圧延工程と、延伸圧延された中
空素管を所定の外径にまで絞る、或いは定径する仕上げ
圧延工程からなる。
【0003】プラグミル方式は一般に中径の継目無管の
製造に使用される方式である。この方式では、丸ビレッ
トを加熱炉で加熱し、傾斜圧延機であるマンネスマンピ
アサーにて穿孔圧延し、中空素管とする。得られた中空
素管は必要に応じて、同じく傾斜圧延機であるエロンゲ
ーターミルにて更に減肉、拡管され、更に一対の孔型圧
延ロールを有するプラグミルにより減肉、縮管され、次
いで傾斜圧延機であるリーラーミルにより若干の減肉と
ともに拡管が行なわれ、管内外面の磨管が行なわれる。
リーラーで圧延された素管は再加熱後サイザーミルにて
定径が行なわれ製品となる。
製造に使用される方式である。この方式では、丸ビレッ
トを加熱炉で加熱し、傾斜圧延機であるマンネスマンピ
アサーにて穿孔圧延し、中空素管とする。得られた中空
素管は必要に応じて、同じく傾斜圧延機であるエロンゲ
ーターミルにて更に減肉、拡管され、更に一対の孔型圧
延ロールを有するプラグミルにより減肉、縮管され、次
いで傾斜圧延機であるリーラーミルにより若干の減肉と
ともに拡管が行なわれ、管内外面の磨管が行なわれる。
リーラーで圧延された素管は再加熱後サイザーミルにて
定径が行なわれ製品となる。
【0004】図8は、上述のプラグミル方式圧延ライン
の各圧延工程出側における圧延材の外径の変化の一例を
示す説明図である。中空素管を減肉、拡管するエロンゲ
ーターミル、及び減肉、拡管によって磨管するリーラー
ミルのいずれにおいても、拡管率は高々数%から17、18
%程度であるため、広い範囲の外径の製品を得ようとす
ると、多種類の外径のビレットが必要となり、生産性を
阻害する一つの要因であった。そのため、近年素材ビレ
ットサイズの減少、設備の簡素化を目的として延伸工程
において従来以上に拡管を行なう拡管圧延スケジュール
が提案されている。
の各圧延工程出側における圧延材の外径の変化の一例を
示す説明図である。中空素管を減肉、拡管するエロンゲ
ーターミル、及び減肉、拡管によって磨管するリーラー
ミルのいずれにおいても、拡管率は高々数%から17、18
%程度であるため、広い範囲の外径の製品を得ようとす
ると、多種類の外径のビレットが必要となり、生産性を
阻害する一つの要因であった。そのため、近年素材ビレ
ットサイズの減少、設備の簡素化を目的として延伸工程
において従来以上に拡管を行なう拡管圧延スケジュール
が提案されている。
【0005】ところが、従来のエロンゲーターミル、リ
ーラーミルのようなバレル型のロール形状を持つ傾斜圧
延機においては、中空素管を高拡管しようとすると、素
管の噛込み不良、尻抜け不良を起こしたり、フレアリン
グを生じてホローが破れたりすることが知られている。
ここで高拡管とは拡管率Er が 0.2以上を意味するもの
とする。これは一般に、バレル型ロールを傾斜角βで配
置した穿孔圧延では、ゴージ部より出側ではロール径は
漸次減少し、周速度が遅くなるため、減肉されて断面積
が減少し、前進速度が増加する被圧延材に対してブレー
キをかける状態となり、その結果被圧延材にねじれが生
じ、断面内には付加的な剪断歪が発生するためとされて
いる。
ーラーミルのようなバレル型のロール形状を持つ傾斜圧
延機においては、中空素管を高拡管しようとすると、素
管の噛込み不良、尻抜け不良を起こしたり、フレアリン
グを生じてホローが破れたりすることが知られている。
ここで高拡管とは拡管率Er が 0.2以上を意味するもの
とする。これは一般に、バレル型ロールを傾斜角βで配
置した穿孔圧延では、ゴージ部より出側ではロール径は
漸次減少し、周速度が遅くなるため、減肉されて断面積
が減少し、前進速度が増加する被圧延材に対してブレー
キをかける状態となり、その結果被圧延材にねじれが生
じ、断面内には付加的な剪断歪が発生するためとされて
いる。
【0006】近年、これらの問題点を解決し、従来以上
に拡管を行なうため、交叉角を付与したコーン型ロール
を用いた傾斜圧延機による拡管圧延方法が提案されてい
る。コーン型ロールを一定の進み角βで傾斜配置すると
ともに、パスラインに対して交叉角γで交叉配置した傾
斜圧延では、圧延出側に進むほどロール径が漸次大き
く、周速度が速くなるため、被圧延材に対してのブレー
キがなくなり、被圧延材のねじれや、断面内の付加的な
剪断歪を発生させないことが可能となるからである。
に拡管を行なうため、交叉角を付与したコーン型ロール
を用いた傾斜圧延機による拡管圧延方法が提案されてい
る。コーン型ロールを一定の進み角βで傾斜配置すると
ともに、パスラインに対して交叉角γで交叉配置した傾
斜圧延では、圧延出側に進むほどロール径が漸次大き
く、周速度が速くなるため、被圧延材に対してのブレー
キがなくなり、被圧延材のねじれや、断面内の付加的な
剪断歪を発生させないことが可能となるからである。
【0007】例えば特公平3-77005 には図9に示すよう
な交叉角を 2°〜35°とし、ロールの輪郭線を円錐状進
入部分と回転双曲面部分とから構成することを特徴とす
る径拡大圧延機が提案されている。この方法によれば、
本来必要となる中間加熱工程が不要となり、薄肉の大径
鋼管を安価に製造することができるとしている。
な交叉角を 2°〜35°とし、ロールの輪郭線を円錐状進
入部分と回転双曲面部分とから構成することを特徴とす
る径拡大圧延機が提案されている。この方法によれば、
本来必要となる中間加熱工程が不要となり、薄肉の大径
鋼管を安価に製造することができるとしている。
【0008】一方、特公平5-38647 には、図10に示す
ような円錐台状の縮径部、拡径部、及びサイジング部を
有する2個以上のロールとリーリング部を備えたプラグ
とを少なくとも具備した交叉型傾斜圧延機で、拡管部の
ロール面角α2 をα2 > 5°に、またサイジング部のロ
ール面角α3 をα3 <α2 とし、かつ 0°≦α3 ≦10°
となるように設定するとともに、プラグのリーリング部
をサイジングロール面と対向配置させ、そのリーリング
面角をサイジング部ロール面角α3 に略一致せしめて拡
管穿孔圧延、或いは拡管圧延を行なうことが提案されて
いる。この方法によれば、プラグのリーリング部を長く
設定することが可能となり、然も尻抜け性を向上せしめ
得る結果、偏肉及び外径変動の発生を抑制することがで
きるとしている。
ような円錐台状の縮径部、拡径部、及びサイジング部を
有する2個以上のロールとリーリング部を備えたプラグ
とを少なくとも具備した交叉型傾斜圧延機で、拡管部の
ロール面角α2 をα2 > 5°に、またサイジング部のロ
ール面角α3 をα3 <α2 とし、かつ 0°≦α3 ≦10°
となるように設定するとともに、プラグのリーリング部
をサイジングロール面と対向配置させ、そのリーリング
面角をサイジング部ロール面角α3 に略一致せしめて拡
管穿孔圧延、或いは拡管圧延を行なうことが提案されて
いる。この方法によれば、プラグのリーリング部を長く
設定することが可能となり、然も尻抜け性を向上せしめ
得る結果、偏肉及び外径変動の発生を抑制することがで
きるとしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、本発明者
の鋭意研究の結果、コーン型ロールを用いることによっ
てバレル型のロールを用いた時に比較して高拡管が可能
となるものの、単に交叉角を付与したコーン型ロールを
用いただけでは、被圧延材の先後端部の外径が定常部の
外径と比較して大きく変動し、寸法精度が悪化するとい
う問題が発生する。特に、肉厚外径比(t/D)の小さ
な薄肉大径の管に圧延しようとすると、圧延の先端と後
端で被圧延材の外径が定常部に比較して大きくなり、場
合によってはフレアリングを生じてロールとシューとの
隙間に噛み出して破れたり、圧延が続行できなくなると
いう問題が発生する。
の鋭意研究の結果、コーン型ロールを用いることによっ
てバレル型のロールを用いた時に比較して高拡管が可能
となるものの、単に交叉角を付与したコーン型ロールを
用いただけでは、被圧延材の先後端部の外径が定常部の
外径と比較して大きく変動し、寸法精度が悪化するとい
う問題が発生する。特に、肉厚外径比(t/D)の小さ
な薄肉大径の管に圧延しようとすると、圧延の先端と後
端で被圧延材の外径が定常部に比較して大きくなり、場
合によってはフレアリングを生じてロールとシューとの
隙間に噛み出して破れたり、圧延が続行できなくなると
いう問題が発生する。
【0010】ここで、被圧延材の先端側、後端側で外径
変動が起こる原因は以下の通りである。定常部で圧延さ
れている材料は前後に圧延前、あるいは圧延後の材料が
連続しているため前後の材料による拘束を受けている
が、先後端では、前方、または後方からの拘束がなく、
材料が前方へ前進するよりも円周方向へ広がろうとする
傾向が強く、外周長が大きくなり、結果として外径が大
きくなるからである。そして、この先後端部での外径変
動によるフレアリングの発生は、高拡管圧延においてよ
り顕著となる。
変動が起こる原因は以下の通りである。定常部で圧延さ
れている材料は前後に圧延前、あるいは圧延後の材料が
連続しているため前後の材料による拘束を受けている
が、先後端では、前方、または後方からの拘束がなく、
材料が前方へ前進するよりも円周方向へ広がろうとする
傾向が強く、外周長が大きくなり、結果として外径が大
きくなるからである。そして、この先後端部での外径変
動によるフレアリングの発生は、高拡管圧延においてよ
り顕著となる。
【0011】このフレアリングを解決するために、例え
ば特開平5-123714では図11に示すように、圧延ロール
が挟む圧延領域の両側に配置したディスクロール型シュ
ーの回転軸に、ディスクロールに対する被圧延材の回転
進入方向側であるディスクロールの一側に位置して軸支
されたガイドホルダにガイドシューを装着することによ
り、ディスクロールと圧延ロールとの間隙を小さくする
圧延機が提案されている。
ば特開平5-123714では図11に示すように、圧延ロール
が挟む圧延領域の両側に配置したディスクロール型シュ
ーの回転軸に、ディスクロールに対する被圧延材の回転
進入方向側であるディスクロールの一側に位置して軸支
されたガイドホルダにガイドシューを装着することによ
り、ディスクロールと圧延ロールとの間隙を小さくする
圧延機が提案されている。
【0012】然しながら、この特開平5-123714の従来技
術ではディスクロールの被圧延材進入側にのみガイドシ
ューを設置するので、これを設置した側へのフレアリン
グによる噛み出しを防止することができるものの、先後
端部の外径変動に起因するフレアリングの発生を防止す
ることは全くできない。
術ではディスクロールの被圧延材進入側にのみガイドシ
ューを設置するので、これを設置した側へのフレアリン
グによる噛み出しを防止することができるものの、先後
端部の外径変動に起因するフレアリングの発生を防止す
ることは全くできない。
【0013】従って、交差角を付与したコーン型ロール
を用いた傾斜圧延機により特に、肉厚外径比(t/D)
の小さな薄肉大径の管を圧延しようとするときの管寸法
精度の向上、並びに素管のフレアリングによる噛み出し
を回避することが望まれていた。
を用いた傾斜圧延機により特に、肉厚外径比(t/D)
の小さな薄肉大径の管を圧延しようとするときの管寸法
精度の向上、並びに素管のフレアリングによる噛み出し
を回避することが望まれていた。
【0014】本発明は、肉厚外径比(t/D)の小なる
薄肉大径の管を圧延しようとするときの管寸法精度を向
上するとともに、素管のフレアリングによる噛み出しを
回避することを目的とする。
薄肉大径の管を圧延しようとするときの管寸法精度を向
上するとともに、素管のフレアリングによる噛み出しを
回避することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、一対のコーン型圧延ロールをパスラインに対して一
定の進み角βで傾斜配置するとともに、パスラインに対
して入側面角α1 と出側面角α2 とを有するようにパス
ラインに対して交叉角γで交叉配置し、上記一対のコー
ン型圧延ロールが挟む圧延領域の両側に一対のガイドシ
ューを配置し、中空素管を拡管する継目無管の拡管圧延
機において、ガイドシューは管の圧延方向に対して傾動
可能とされ、この傾動によるシュー間隙の変化量が、圧
延ロールゴージ部での変化量よりも圧延機出側での変化
量の方を大とするように設定されてなるようにしたもの
である。
は、一対のコーン型圧延ロールをパスラインに対して一
定の進み角βで傾斜配置するとともに、パスラインに対
して入側面角α1 と出側面角α2 とを有するようにパス
ラインに対して交叉角γで交叉配置し、上記一対のコー
ン型圧延ロールが挟む圧延領域の両側に一対のガイドシ
ューを配置し、中空素管を拡管する継目無管の拡管圧延
機において、ガイドシューは管の圧延方向に対して傾動
可能とされ、この傾動によるシュー間隙の変化量が、圧
延ロールゴージ部での変化量よりも圧延機出側での変化
量の方を大とするように設定されてなるようにしたもの
である。
【0016】請求項2に記載の本発明は、一対のコーン
型圧延ロールをパスラインに対して一定の進み角βで傾
斜配置するとともに、パスラインに対して入側面角α1
と出側面角α2 とを有するようにパスラインに対して交
叉角γで交叉配置し、上記一対のコーン型圧延ロールが
挟む圧延領域の両側に一対のガイドシューを配置し、中
空素管を拡管する継目無管の拡管圧延方法において、被
圧延材の先端と後端で、ガイドシューを管の圧延方向に
対して傾動し、この傾動によるシュー間隙の変化量を、
圧延ロールゴージ部での変化量よりも圧延機出側での変
化量が大となるように設定するようにしたものである。
型圧延ロールをパスラインに対して一定の進み角βで傾
斜配置するとともに、パスラインに対して入側面角α1
と出側面角α2 とを有するようにパスラインに対して交
叉角γで交叉配置し、上記一対のコーン型圧延ロールが
挟む圧延領域の両側に一対のガイドシューを配置し、中
空素管を拡管する継目無管の拡管圧延方法において、被
圧延材の先端と後端で、ガイドシューを管の圧延方向に
対して傾動し、この傾動によるシュー間隙の変化量を、
圧延ロールゴージ部での変化量よりも圧延機出側での変
化量が大となるように設定するようにしたものである。
【0017】
【作用】一般に、被圧延材の外径変動を防止するため
に、圧延後の材料の外径を変化させるには、(1) シュー
間隙を変化させる、(2) ロール間隙を変化させる、(3)
プラグ径を変化させる方法が知られている。このうち、
圧延中に実施可能なものは、(1) と(2) であるが、(2)
の方法では圧延材の肉厚も変化してしまうため、実質的
に(1) のみが可能である。
に、圧延後の材料の外径を変化させるには、(1) シュー
間隙を変化させる、(2) ロール間隙を変化させる、(3)
プラグ径を変化させる方法が知られている。このうち、
圧延中に実施可能なものは、(1) と(2) であるが、(2)
の方法では圧延材の肉厚も変化してしまうため、実質的
に(1) のみが可能である。
【0018】然るに、上記(1) のシュー間隙を変化させ
る方法としては、従来、シュー全体をパスラインに対し
て平行に移動させることが実施されている。然しなが
ら、シュー間隙を狭め過ぎたり広げ過ぎたりすると、先
端噛込み不良や、後端尻抜け不良を発生させる危険性が
ある。
る方法としては、従来、シュー全体をパスラインに対し
て平行に移動させることが実施されている。然しなが
ら、シュー間隙を狭め過ぎたり広げ過ぎたりすると、先
端噛込み不良や、後端尻抜け不良を発生させる危険性が
ある。
【0019】本発明者らはシュー間隙と被圧延材の外径
との関係、及び先端噛込み不良や、後端尻抜け不良の発
生状況とシュー間隙との関係を詳細に調査した結果、
(1) 被圧延材の外径はシューの圧延出側端での間隙で制
御できること、(2) シューの圧延出側端での間隙は先端
噛込み不良や、後端尻抜け不良の発生にほとんど影響を
与えないこと、を知見した。
との関係、及び先端噛込み不良や、後端尻抜け不良の発
生状況とシュー間隙との関係を詳細に調査した結果、
(1) 被圧延材の外径はシューの圧延出側端での間隙で制
御できること、(2) シューの圧延出側端での間隙は先端
噛込み不良や、後端尻抜け不良の発生にほとんど影響を
与えないこと、を知見した。
【0020】以上の知見を基に、圧延ロールゴージ位置
でのシュー間隙をほとんど変化させずに、圧延出側部分
でのシュー間隙を変化させることにより、先端噛込み不
良や、後端尻抜け不良を発生させることなく、被圧延材
の外径を制御することができることを見い出した。
でのシュー間隙をほとんど変化させずに、圧延出側部分
でのシュー間隙を変化させることにより、先端噛込み不
良や、後端尻抜け不良を発生させることなく、被圧延材
の外径を制御することができることを見い出した。
【0021】即ち、拡管圧延機10では、コーン型ロー
ル81、82を一定の進み角βで傾斜配置するととも
に、パスラインに対して入側面角α1 、出側面角α2 を
有するようにパスラインに対して交叉角γで交叉配置す
ることにより、圧延出側に進むほどロール径が暫時大き
く、周速度が速くなる結果、ロールが被圧延材に及ぼす
ブレーキがなくなる。このため、拡管圧延機10による
傾斜圧延では、ロールが被圧延材に及ぼすブレーキ起因
の、被圧延材のねじれや、断面内の付加的な剪断歪の発
生がなく、素管の噛込み不良、尻抜け不良、フレアリン
グによるホロー破れを伴うことなく、中空素管を高拡管
できる。尚、両圧延ロール81、82が形成する圧延領
域の中央にはプラグ86が配置されている。
ル81、82を一定の進み角βで傾斜配置するととも
に、パスラインに対して入側面角α1 、出側面角α2 を
有するようにパスラインに対して交叉角γで交叉配置す
ることにより、圧延出側に進むほどロール径が暫時大き
く、周速度が速くなる結果、ロールが被圧延材に及ぼす
ブレーキがなくなる。このため、拡管圧延機10による
傾斜圧延では、ロールが被圧延材に及ぼすブレーキ起因
の、被圧延材のねじれや、断面内の付加的な剪断歪の発
生がなく、素管の噛込み不良、尻抜け不良、フレアリン
グによるホロー破れを伴うことなく、中空素管を高拡管
できる。尚、両圧延ロール81、82が形成する圧延領
域の中央にはプラグ86が配置されている。
【0022】そして、拡管圧延機10では更に、上記一
対のコーン型圧延ロール81、82が挟む圧延領域の両
側に一対のガイドシューホルダ83を配置し、このガイ
ドシューホルダ83にガイドシュー84を脱着可能に設
けた。そして、ガイドシューホルダ83は圧延入側端面
上を傾動支点83Aとしてその出側端面を大きく傾動可
能とされている。これにより、ガイドシューホルダ83
に設けられたガイドシュー84は管の圧延方向に対して
傾動可能とされ、この傾動によるシュー間隙の変化量
が、圧延ロールゴージ部での変化量よりも圧延機出側で
の変化量の方を大とするように設定されるものとなる。
対のコーン型圧延ロール81、82が挟む圧延領域の両
側に一対のガイドシューホルダ83を配置し、このガイ
ドシューホルダ83にガイドシュー84を脱着可能に設
けた。そして、ガイドシューホルダ83は圧延入側端面
上を傾動支点83Aとしてその出側端面を大きく傾動可
能とされている。これにより、ガイドシューホルダ83
に設けられたガイドシュー84は管の圧延方向に対して
傾動可能とされ、この傾動によるシュー間隙の変化量
が、圧延ロールゴージ部での変化量よりも圧延機出側で
の変化量の方を大とするように設定されるものとなる。
【0023】従って、拡管圧延機10にあっては、中空
素管を拡管圧延するに際し、被圧延材の先端と後端で、
ガイドシュー84を管の圧延方向に対して傾動し、この
傾動によるシュー間隙の変化量を、圧延ロールゴージ部
での変化量よりも圧延機出側での変化量が大となるよう
に設定して運転される。
素管を拡管圧延するに際し、被圧延材の先端と後端で、
ガイドシュー84を管の圧延方向に対して傾動し、この
傾動によるシュー間隙の変化量を、圧延ロールゴージ部
での変化量よりも圧延機出側での変化量が大となるよう
に設定して運転される。
【0024】尚、上述のガイドシュー84の傾動を実施
するに際しては、圧延ロールゴージ部でのシュー間隙の
変化量よりも、圧延出側でのシュー間隙の変化量の方が
大となるものであれば、傾動支点83Aは図2に示すも
のに限らず、図6(A)、(B)に示されるもの等のい
ずれであっても良い。
するに際しては、圧延ロールゴージ部でのシュー間隙の
変化量よりも、圧延出側でのシュー間隙の変化量の方が
大となるものであれば、傾動支点83Aは図2に示すも
のに限らず、図6(A)、(B)に示されるもの等のい
ずれであっても良い。
【0025】このとき、拡管圧延機10では、被圧延材
のサイズ等の各種圧延条件毎に、その外径制御を施さな
い場合の先後端部での外径変動状態を予め把握しており
(図4)、この先後端部での外径変動を解消するように
上記ガイドシュー84の傾動角度を制御するものとな
る。被圧延材の外径変化量とシュー間隙変化量とは一定
の関係があり、被圧延材の先後端部の外径拡大傾向はシ
ュー間隙の低減により解消され得るから、外径変動解消
必要量に対するガイドシュー84の傾動角度量(シュー
間隙調整量)は図5に示す如くに予め一義的に定められ
る。
のサイズ等の各種圧延条件毎に、その外径制御を施さな
い場合の先後端部での外径変動状態を予め把握しており
(図4)、この先後端部での外径変動を解消するように
上記ガイドシュー84の傾動角度を制御するものとな
る。被圧延材の外径変化量とシュー間隙変化量とは一定
の関係があり、被圧延材の先後端部の外径拡大傾向はシ
ュー間隙の低減により解消され得るから、外径変動解消
必要量に対するガイドシュー84の傾動角度量(シュー
間隙調整量)は図5に示す如くに予め一義的に定められ
る。
【0026】ここで、ガイドシュー84の傾動制御機構
の一例を示せば以下の如くである(図12(A)、
(B))。
の一例を示せば以下の如くである(図12(A)、
(B))。
【0027】即ち、例えばガイドシューホルダ83はガ
イドシュー間隙を調整する圧下シリンダ91と支点93
で回転可能に接続され、更に傾動用圧下シリンダ92
に、圧下シリンダ91と支点96で回転可能に接続され
たヨーク95を介して支点94で回転可能に接続されて
いる。ガイドシューホルダ83及びガイドシュー84間
隙は圧下シリンダ91を上下することにより水平に移動
し、ガイドシュー間隙が調整可能となる。また、傾動用
圧下シリンダ92を上下することによりガイドシューホ
ルダ83及びガイドシュー84は支点93を中心として
回転し、傾動可能となる。
イドシュー間隙を調整する圧下シリンダ91と支点93
で回転可能に接続され、更に傾動用圧下シリンダ92
に、圧下シリンダ91と支点96で回転可能に接続され
たヨーク95を介して支点94で回転可能に接続されて
いる。ガイドシューホルダ83及びガイドシュー84間
隙は圧下シリンダ91を上下することにより水平に移動
し、ガイドシュー間隙が調整可能となる。また、傾動用
圧下シリンダ92を上下することによりガイドシューホ
ルダ83及びガイドシュー84は支点93を中心として
回転し、傾動可能となる。
【0028】尚、本発明者らは、交叉配置したコーン型
ロールによって中空素管を高拡管圧延する際の被圧延材
の噛込み不良、尻抜け不良、フレアリングによるホロー
の破れの発生状態を詳細に検討した結果、一対のコーン
型圧延ロールをパスラインに対して一定の進み角βで傾
斜配置するとともに、パスラインに対して入側面角α1
と出側面角α2 とを有するようにパスラインに対して交
叉角γで交叉配置し、中空素管を高拡管するに当たり、
β、γ、β+γを以下の範囲に設定し、5 °≦β≦25
°、10°≦γ≦40°、20°≦β+γ≦50°かつα1 、α
2 を以下の範囲に設定するとともに、0.5 °≦α1 ≦5
°、3 °≦α2 ≦10°、α1 ≦α2 、更に、減肉率Rt
と拡管率Er との間に1 ≦Er /Rt ≦3 、但し Rt
=(ti-to )/ti 、Er =(Do-Di )/Di 、t
i :入側中空素管肉厚、Di :入側中空素管外径、t
o :出側管肉厚、Do :出側管外径なる関係を満足させ
ることにより、噛込み不良、尻抜け不良、フレアリング
によるホローの破れの発生を著しく防止し、歩留、生産
性を阻害することなく高拡管圧延することができること
を見出した。
ロールによって中空素管を高拡管圧延する際の被圧延材
の噛込み不良、尻抜け不良、フレアリングによるホロー
の破れの発生状態を詳細に検討した結果、一対のコーン
型圧延ロールをパスラインに対して一定の進み角βで傾
斜配置するとともに、パスラインに対して入側面角α1
と出側面角α2 とを有するようにパスラインに対して交
叉角γで交叉配置し、中空素管を高拡管するに当たり、
β、γ、β+γを以下の範囲に設定し、5 °≦β≦25
°、10°≦γ≦40°、20°≦β+γ≦50°かつα1 、α
2 を以下の範囲に設定するとともに、0.5 °≦α1 ≦5
°、3 °≦α2 ≦10°、α1 ≦α2 、更に、減肉率Rt
と拡管率Er との間に1 ≦Er /Rt ≦3 、但し Rt
=(ti-to )/ti 、Er =(Do-Di )/Di 、t
i :入側中空素管肉厚、Di :入側中空素管外径、t
o :出側管肉厚、Do :出側管外径なる関係を満足させ
ることにより、噛込み不良、尻抜け不良、フレアリング
によるホローの破れの発生を著しく防止し、歩留、生産
性を阻害することなく高拡管圧延することができること
を見出した。
【0029】即ち、図1〜図3に示すようなコーン型ロ
ールのゴ−ジ部直径DR が700mm 、ロールバレル長さL
R が600mm 、入側端からゴージ部までのロール長さL1
が250mm 、入側面角α1 が 3°、出側面角α2 が 5°、
交叉角γが20°、進み角βが15°の傾斜圧延機で、直径
DH が80〜120mm 、肉厚tH が15〜40mmの中空素管を被
圧延材としてロール間隙Eとプラグ先進量Lとを種々変
更して減肉率Rt 、拡管率Er を変化させて拡管圧延
し、噛込み不良、フレアリングによるホロー破れの発生
状況を調査した。横軸にRt 、縦軸にEr をとり整理し
た結果を図7に示す。
ールのゴ−ジ部直径DR が700mm 、ロールバレル長さL
R が600mm 、入側端からゴージ部までのロール長さL1
が250mm 、入側面角α1 が 3°、出側面角α2 が 5°、
交叉角γが20°、進み角βが15°の傾斜圧延機で、直径
DH が80〜120mm 、肉厚tH が15〜40mmの中空素管を被
圧延材としてロール間隙Eとプラグ先進量Lとを種々変
更して減肉率Rt 、拡管率Er を変化させて拡管圧延
し、噛込み不良、フレアリングによるホロー破れの発生
状況を調査した。横軸にRt 、縦軸にEr をとり整理し
た結果を図7に示す。
【0030】図より明らかなように、一対のコーン型圧
延ロールを一定の進み角βで傾斜配置するとともに、γ
で交叉配置する管の傾斜圧延方法において、減肉率Rt
と拡管率Er を1 ≦Er /Rt ≦3 の間の範囲に選ぶこ
とにより、噛込み不良、尻抜け不良、フレアリングによ
るホロー破れを回避することができ、圧延設定の自由度
を高めることが可能となる。
延ロールを一定の進み角βで傾斜配置するとともに、γ
で交叉配置する管の傾斜圧延方法において、減肉率Rt
と拡管率Er を1 ≦Er /Rt ≦3 の間の範囲に選ぶこ
とにより、噛込み不良、尻抜け不良、フレアリングによ
るホロー破れを回避することができ、圧延設定の自由度
を高めることが可能となる。
【0031】本発明において、5 °≦β≦25°、10°≦
γ≦40°、20°≦β+γ≦50°とするのは以下の理由に
よる。一定範囲内では、進み角β、交叉角γ、及びその
和β+γが大きくなるほど被圧延材のねじれや、断面内
の付加的な剪断歪を小さくさせることが可能となり、フ
レアリングによるホロー破れ防止に対して効果がある。
然しながら、β<5 °、又はγ<10°、又はβ+γ<20
°ではその効果が十分でなく、フレアリングによるホロ
ー破れが発生し易くなる。従って、βの下限は5 °、γ
の下限は10°、β+γの下限は20°とする。一方、β>
25°、又はγ>40°又はβ+γ>50°では、被圧延材の
ねじれが逆向きに大きくなり、断面内の付加的な剪断歪
も逆方向へ発生するため、かえってフレアリングによる
ホロー破れが発生し易くなる。従って、βは25°、γは
40°、β+γは50°を超えないものとする。
γ≦40°、20°≦β+γ≦50°とするのは以下の理由に
よる。一定範囲内では、進み角β、交叉角γ、及びその
和β+γが大きくなるほど被圧延材のねじれや、断面内
の付加的な剪断歪を小さくさせることが可能となり、フ
レアリングによるホロー破れ防止に対して効果がある。
然しながら、β<5 °、又はγ<10°、又はβ+γ<20
°ではその効果が十分でなく、フレアリングによるホロ
ー破れが発生し易くなる。従って、βの下限は5 °、γ
の下限は10°、β+γの下限は20°とする。一方、β>
25°、又はγ>40°又はβ+γ>50°では、被圧延材の
ねじれが逆向きに大きくなり、断面内の付加的な剪断歪
も逆方向へ発生するため、かえってフレアリングによる
ホロー破れが発生し易くなる。従って、βは25°、γは
40°、β+γは50°を超えないものとする。
【0032】0.5 °≦α1 ≦5 °とするのは以下の理由
による。入側面角α1 は被圧延材の噛込み性に重要な影
響を与える。α1 が 5°を超えると噛込み時に被圧延材
が急激に圧下され、変形に要する圧延ロールからの抗力
が圧延ロールから伝達される前進方向の推力を上回るた
め、噛込み不良が起こり易くなる。従って、α1 は 5°
を超えないものとする。一方、α1 が小さくなりすぎる
と、前進方向の推力に必要な被圧延材の外径圧下量を得
ようとするためには入側のロールバレルをかなり長くす
る必要があるため、設備建設費が高くなり実用的でなく
なる。従って、α1 の下限は0.5 °とする。
による。入側面角α1 は被圧延材の噛込み性に重要な影
響を与える。α1 が 5°を超えると噛込み時に被圧延材
が急激に圧下され、変形に要する圧延ロールからの抗力
が圧延ロールから伝達される前進方向の推力を上回るた
め、噛込み不良が起こり易くなる。従って、α1 は 5°
を超えないものとする。一方、α1 が小さくなりすぎる
と、前進方向の推力に必要な被圧延材の外径圧下量を得
ようとするためには入側のロールバレルをかなり長くす
る必要があるため、設備建設費が高くなり実用的でなく
なる。従って、α1 の下限は0.5 °とする。
【0033】3 °≦α2 ≦10°とするのは以下の理由に
よる。出側面角α2 が大きいほど、拡管量に対して必要
な出側のロールバレルを短くすることができ、設備を小
型化することが可能であるが、あまり大きすぎるとかえ
ってフレアリングによるホロー破れが発生し易くなる。
従って、α2 は10°を超えないものとする。一方、α2
が小さすぎると所定の拡管量を得ようとするためには出
側のロールバレルをかなり長くする必要があるため、設
備建設費が高くなり実用的でなくなる。従って、α2 の
下限は 3°とする。
よる。出側面角α2 が大きいほど、拡管量に対して必要
な出側のロールバレルを短くすることができ、設備を小
型化することが可能であるが、あまり大きすぎるとかえ
ってフレアリングによるホロー破れが発生し易くなる。
従って、α2 は10°を超えないものとする。一方、α2
が小さすぎると所定の拡管量を得ようとするためには出
側のロールバレルをかなり長くする必要があるため、設
備建設費が高くなり実用的でなくなる。従って、α2 の
下限は 3°とする。
【0034】α1 ≦α2 とするのは以下の理由による。
出側面角α2 が入側面角α1 よりも小さくなると、所定
の拡管量を得ようとするためには出側面角α2 が入側面
角α1 よりも大きい場合と比較してロールバレル長が相
対的に長くなる。従って、α1 はα2 を超えないものと
する。
出側面角α2 が入側面角α1 よりも小さくなると、所定
の拡管量を得ようとするためには出側面角α2 が入側面
角α1 よりも大きい場合と比較してロールバレル長が相
対的に長くなる。従って、α1 はα2 を超えないものと
する。
【0035】
【実施例】図1は本発明に係る傾斜圧延機を示す平面
図、図2は図1の側面図、図3は図1の圧延方向から見
た正面図である。
図、図2は図1の側面図、図3は図1の圧延方向から見
た正面図である。
【0036】図1〜図3の傾斜圧延機10では、ゴージ
部の直径がDR である一対のコーン型圧延ロール81、
82をパスラインに対して一定の進み角βで傾斜配置す
るとともに、入側面角α1 と出側面角α2 とを有するよ
うにパスラインに対して交叉角γで交叉配置し、上記両
圧延ロール81、82が形成する圧延領域の両側にガイ
ドシューホルダ83とガイドシュー84を配置した。
尚、圧延ロール81、82は直径DR の部分をロール軸
方向での直径変化の変曲点とし、この直径DR をゴージ
部に合致させている。そして、両圧延ロール81、82
の間にプラグ86を配置し、両圧延ロール81、82の
ゴージ部ロール間隙Eで中空素管1Aを傾斜圧延し、拡
管圧延後中空素管1Bを得た。
部の直径がDR である一対のコーン型圧延ロール81、
82をパスラインに対して一定の進み角βで傾斜配置す
るとともに、入側面角α1 と出側面角α2 とを有するよ
うにパスラインに対して交叉角γで交叉配置し、上記両
圧延ロール81、82が形成する圧延領域の両側にガイ
ドシューホルダ83とガイドシュー84を配置した。
尚、圧延ロール81、82は直径DR の部分をロール軸
方向での直径変化の変曲点とし、この直径DR をゴージ
部に合致させている。そして、両圧延ロール81、82
の間にプラグ86を配置し、両圧延ロール81、82の
ゴージ部ロール間隙Eで中空素管1Aを傾斜圧延し、拡
管圧延後中空素管1Bを得た。
【0037】このとき、本発明例では、5 °≦β≦25
°、10°≦γ≦40°、20°≦β+γ≦50°、0.5 °≦α
1 ≦5 °、3 °≦α2 ≦10°、α1 ≦α2 とした。
°、10°≦γ≦40°、20°≦β+γ≦50°、0.5 °≦α
1 ≦5 °、3 °≦α2 ≦10°、α1 ≦α2 とした。
【0038】また、減肉率Rt と拡管率Er とを、1 ≦
Er /Rt ≦3 とした。
Er /Rt ≦3 とした。
【0039】以下、本実施例の作用効果について説明す
る。即ち、図1に示すコーン型圧延ロールのゴージ部直
径DR が1000mm、ロールバレル長さLR が900mm 、入側
端からゴージ部までのロール長さL1 が300mm 、入側面
角度α1 が 3°、出側面角度α2 が10°、 交差角γが30
°、傾斜角βが15°の傾斜型拡管圧延機で、直径が192m
m 、肉厚が12mmの中空素管を被圧延材として直径が267m
m 、肉厚が 7mmに拡管圧延し、圧延後の管の長手方向の
外径分布を測定した。従来方法による拡管圧延後の外径
分布を図4に示す。圧延先端及び圧延後端で外径が大き
くなっている。それに対し、先端後の外径変動に対応さ
せて、シュー84を入側端面上を支点として出側端面を
回転させシュー84の傾動角度を図5に示す如くに制御
して出側端面でのシュー間隔を減じることにより、被圧
延材の外径変動を図5に示す如くに減少させることがで
きる。
る。即ち、図1に示すコーン型圧延ロールのゴージ部直
径DR が1000mm、ロールバレル長さLR が900mm 、入側
端からゴージ部までのロール長さL1 が300mm 、入側面
角度α1 が 3°、出側面角度α2 が10°、 交差角γが30
°、傾斜角βが15°の傾斜型拡管圧延機で、直径が192m
m 、肉厚が12mmの中空素管を被圧延材として直径が267m
m 、肉厚が 7mmに拡管圧延し、圧延後の管の長手方向の
外径分布を測定した。従来方法による拡管圧延後の外径
分布を図4に示す。圧延先端及び圧延後端で外径が大き
くなっている。それに対し、先端後の外径変動に対応さ
せて、シュー84を入側端面上を支点として出側端面を
回転させシュー84の傾動角度を図5に示す如くに制御
して出側端面でのシュー間隔を減じることにより、被圧
延材の外径変動を図5に示す如くに減少させることがで
きる。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、肉厚外径
比(t/D)の小なる薄肉大径の管を圧延しようとする
ときの管寸法精度を向上するとともに、素管のフレアリ
ングによる噛み出しを回避することができる。
比(t/D)の小なる薄肉大径の管を圧延しようとする
ときの管寸法精度を向上するとともに、素管のフレアリ
ングによる噛み出しを回避することができる。
【図1】図1は本発明に係る傾斜圧延機を示す平面図で
ある。
ある。
【図2】図2は図1の側面図である。
【図3】図3は図1の圧延方向から見た正面図である。
【図4】図4は従来方法で拡管圧延したときの被圧延材
の長手方向の外径変動を示す線図である。
の長手方向の外径変動を示す線図である。
【図5】図5は本発明方法で拡管圧延したときのシュー
傾動パターンとそのときの被圧延材の長手方向の外径変
動を示す線図である。
傾動パターンとそのときの被圧延材の長手方向の外径変
動を示す線図である。
【図6】図6はガイドシューの傾動支点位置の変形例を
示す模式図である。
示す模式図である。
【図7】図7は減肉率と拡管率を変化させて拡管圧延し
たときの噛込み不良、尻抜け不良、フレアリングによる
ホロー破れの発生状況を示す線図である。
たときの噛込み不良、尻抜け不良、フレアリングによる
ホロー破れの発生状況を示す線図である。
【図8】図8は従来のプラグミル方式による圧延ライン
の各圧延工程出側における被圧延材の外径の変化の一例
を示す線図である。
の各圧延工程出側における被圧延材の外径の変化の一例
を示す線図である。
【図9】図9は従来の傾斜圧延機を示す模式図である。
【図10】図10は従来の他の傾斜圧延機を示す模式図
である。
である。
【図11】図11は従来の更に他の傾斜圧延機を示す模
式図である。
式図である。
【図12】図12は本発明におけるガイドシューの傾動
制御機構の一例を示す模式図。
制御機構の一例を示す模式図。
10 拡管圧延機 81、82 圧延ロール 84 ガイドシュー 86 プラグ
Claims (2)
- 【請求項1】 一対のコーン型圧延ロールをパスライン
に対して一定の進み角βで傾斜配置するとともに、パス
ラインに対して入側面角α1 と出側面角α2とを有する
ようにパスラインに対して交叉角γで交叉配置し、 上記一対のコーン型圧延ロールが挟む圧延領域の両側に
一対のガイドシューを配置し、 中空素管を拡管する継目無管の拡管圧延機において、 ガイドシューは管の圧延方向に対して傾動可能とされ、
この傾動によるシュー間隙の変化量が、圧延ロールゴー
ジ部での変化量よりも圧延機出側での変化量の方を大と
するように設定されてなることを特徴とする継目無管の
拡管圧延機。 - 【請求項2】 一対のコーン型圧延ロールをパスライン
に対して一定の進み角βで傾斜配置するとともに、パス
ラインに対して入側面角α1 と出側面角α2とを有する
ようにパスラインに対して交叉角γで交叉配置し、 上記一対のコーン型圧延ロールが挟む圧延領域の両側に
一対のガイドシューを配置し、 中空素管を拡管する継目無管の拡管圧延方法において、 被圧延材の先端と後端で、ガイドシューを管の圧延方向
に対して傾動し、この傾動によるシュー間隙の変化量
を、圧延ロールゴージ部での変化量よりも圧延機出側で
の変化量が大となるように設定することを特徴とする継
目無管の拡管圧延方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3426594A JPH07214114A (ja) | 1994-02-08 | 1994-02-08 | 継目無管の拡管圧延機及び拡管圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3426594A JPH07214114A (ja) | 1994-02-08 | 1994-02-08 | 継目無管の拡管圧延機及び拡管圧延方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07214114A true JPH07214114A (ja) | 1995-08-15 |
Family
ID=12409347
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3426594A Withdrawn JPH07214114A (ja) | 1994-02-08 | 1994-02-08 | 継目無管の拡管圧延機及び拡管圧延方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07214114A (ja) |
-
1994
- 1994-02-08 JP JP3426594A patent/JPH07214114A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010508 |