JPH07241608A - 継目無管の高拡管圧延方法 - Google Patents

継目無管の高拡管圧延方法

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JPH07241608A
JPH07241608A JP6058307A JP5830794A JPH07241608A JP H07241608 A JPH07241608 A JP H07241608A JP 6058307 A JP6058307 A JP 6058307A JP 5830794 A JP5830794 A JP 5830794A JP H07241608 A JPH07241608 A JP H07241608A
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JP
Japan
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rolling
pipe
pass line
rolling rolls
tip
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Application number
JP6058307A
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English (en)
Inventor
Akira Yorifuji
章 依藤
Tetsuo Shimizu
哲雄 清水
Takaaki Toyooka
高明 豊岡
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 傾斜圧延機による高拡管圧延において、圧延
後の管外径の長手方向変動を抑制すること。 【構成】 傾斜圧延機を用いて中空素管を高拡管するに
当たり、被圧延材の先端部圧延中の圧延ロール回転速度
を、定常部圧延中の圧延ロール回転速度よりも速くする
もの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、継目無鋼管等の継目無
管の高拡管圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】継目無管の製造工程は、マンネスマン法
が主流となっており、圧延方式によってプラグミル方式
とマンドレルミル方式に大別されるが、基本的には、素
材丸ビレットに孔を明ける穿孔工程と、穿孔された中空
素管を減肉延伸する延伸圧延工程と、延伸圧延された中
空素管を所定の外径にまで絞る、或いは定径する仕上げ
圧延工程からなる。
【0003】プラグミル方式は一般に中径の継目無管の
製造に使用される方式である。この方式では、丸ビレッ
トを加熱炉で加熱し、傾斜圧延機であるマンネスマンピ
アサーにて穿孔圧延し、中空素管とする。得られた中空
素管は必要に応じて、同じく傾斜圧延機であるエロンゲ
ーターにて更に減肉、拡管され、更に一対の孔型圧延ロ
ールを有するプラグミルにより減肉、縮管され、次いで
傾斜圧延機であるリーラーにより若干の減肉とともに拡
管が行なわれ、管内外面の磨管が行なわれる。リーラー
で圧延された素管は再加熱後サイザーにて定径が行なわ
れ製品となる。
【0004】図9は、上述のプラグミル方式圧延ライン
の各圧延工程出側における圧延材の外径の変化の一例を
示す説明図である。中空素管を減肉、拡管するエロンゲ
ーター、及び減肉、拡管によって磨管するリーラーのい
ずれにおいても、拡管率は高々数%から17、18%程度で
あるため、広い範囲の外径の製品を得ようとすると、多
種類の外径のビレットが必要となり、生産性を阻害する
一つの要因であった。そのため、近年素材ビレットサイ
ズの減少、設備の簡素化を目的として延伸工程において
従来以上に拡管を行なう拡管圧延スケジュールが提案さ
れている。
【0005】ところが、従来のエロンゲーター、リーラ
ーのようなバレル型のロール形状を持つ傾斜圧延機にお
いては、中空素管を高拡管しようとすると、素管の噛込
み不良、尻抜け不良を起こしたり、フレアリングを生じ
てホローが破れたりすることが知られている。ここで高
拡管とは拡管率Er が 0.15 以上を意味するものとす
る。これは一般に、バレル型ロールを傾斜角βで配置し
た穿孔圧延では、ゴージ部より出側ではロール径は漸次
減少し、周速度が遅くなるため、減肉されて断面積が減
少し、前進速度が増加する被圧延材に対してブレーキを
かける状態となり、その結果被圧延材にねじれが生じ、
断面内には付加的な剪断歪が発生するためとされてい
る。
【0006】近年、これらの問題点を解決し、従来以上
に拡管を行なうため、交叉角を付与したコーン型ロール
を用いた傾斜圧延機による拡管圧延方法が提案されてい
る。コーン型ロールを一定の進み角βで傾斜配置すると
ともに、パスラインに対して交叉角γで交叉配置した傾
斜圧延では、圧延出側に進むほどロール径が漸次大き
く、周速度が速くなるため、被圧延材に対してのブレー
キが軽度になり、被圧延材のねじれや、断面内の付加的
な剪断歪の発生を抑制することが可能となるからであ
る。
【0007】例えば特公平3-77005 には図10、図11
に示すような交叉角を 2°〜35°とし、ロールの輪郭線
を円錐状進入部分と回転双曲面部分とから構成すること
を特徴とする径拡大圧延機が提案されている。この方法
によれば、本来必要となる中間加熱工程が不要となり、
薄肉の大径鋼管を安価に製造することができるとしてい
る。
【0008】一方、特公平5-38647 には、図12に示す
ような円錐台状の縮径部、拡径部、及びサイジング部を
有する2個以上のロールとリーリング部を備えたプラグ
とを少なくとも具備した交叉型傾斜圧延機で、拡管部の
ロール面角α2 をα2 > 5°に、またサイジング部のロ
ール面角α3 をα3 <α2 とし、かつ 0°≦α3 ≦10°
となるように設定するとともに、プラグのリーリング部
をサイジングロール面と対向配置させ、そのリーリング
面角をサイジング部ロール面角α3 に略一致せしめて拡
管穿孔圧延、或いは拡管圧延を行なうことが提案されて
いる。この方法によれば、プラグのリーリング部を長く
設定することが可能となり、然も尻抜け性を向上せしめ
得る結果、偏肉及び外径変動の発生を抑制することがで
きるとしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、本発明者
の鋭意研究の結果、コーン型ロールを用いることによっ
てバレル型のロールを用いた時に比較して高拡管が可能
となるものの、単に交叉角を付与したコーン型ロールを
用いただけでは、自ら拡管できる範囲に限りがあり、あ
る限界を超えると素管の噛込み不良、尻抜け不良を起こ
したり、フレアリングを生じてホローが破れたりする問
題が残っていた。
【0010】前述の特公平3-77005 では『ロールの輪郭
線を円錐状進入部分と回転双曲面部分とにすることによ
り、ロールのうず巻線は中空体円錐部の形状に無理なく
一致し、その軸線は径拡大用芯金の円錐部の軸線と一致
する。』とだけあり、ロールの輪郭線を円錐状進入部分
と回転双曲面部分とにすることにより具体的にどのよう
な効果が得られるのか不明であり、まして素管の噛込み
不良、尻抜け不良、フレアリングによるホローの破れを
防止する効果があるかどうかは明確ではない。
【0011】一方、特公平 5-38647では『ロールのサイ
ジング部にプラグのリーリング部を対向せしめてあるか
ら、圧延ロールの拡径部全域において積極的に肉厚圧下
を行なうことが可能となり、被圧延材に対する推進力を
高め得て尻詰まり(尻抜け不良)がなく、またリーリン
グ長さを大きく設定し得て偏肉を改善できるばかりか外
径変動をも抑制し得て管品質の大幅な向上を図り得
る。』としているが、尻抜け不良防止に対しては一定の
効果が認められるものの、噛込み不良、フレアリングに
よるホローの破れ防止に対しては効果が認められない。
【0012】また、本発明者の鋭意研究の結果、圧延ロ
ールとしてバレル型を用いるときも、コーン型を用いる
ときも、拡管率Er が大となると、他の先端部の外径が
管定常部の外径に比して大となる、管長手方向での外径
変動が生じ易くなる。これは、管定常部では先行圧延部
の螺旋進行に基づく前方張力が作用して前方へのメタル
フローを定常的に促進せしめられるのに対し、管先端部
ではこの前方張力の作用がないために被圧延材の停滞を
生ずる。このため、圧延ロールとプラグによる被圧延材
の肉厚圧下に起因するメタルフローは、管先端部で、管
長手方向よりも管円周方向に向けられるものとなり、こ
れが結果として管先端部の外径を管定常部におけるより
も拡大せしめるものとなる。
【0013】本発明者の実験によれば、この管長手方向
での外径変動は例えば図14の如くである。図14は、
入側外径Di が70mm、入側肉厚ti が30mmの中空素管
を、出側外径Do が90mm、出側肉厚to が15mmとなるよ
うに拡管圧延したときの、管長手方向の外径分布であ
る。これにより、先端部外径の定常部外径に対する拡径
率が 4.4%となる。
【0014】尚、上述の管長手方向での外径変動は、拡
管率Er が0.15以上の高拡管圧延を可能とするコーン型
圧延ロールを用いた高拡管圧延において特に顕著とな
る。本発明は、傾斜圧延機による高拡管圧延において、
圧延後の管外径の長手方向変動を抑制することを目的と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、一対の圧延ロールをパスラインに対して一定の進み
角βで傾斜配置するとともに、それらの圧延ロール間の
パスライン上にプラグを配置してなる拡管圧延機を用い
て、中空素管を高拡管するに当たり、被圧延材の先端部
圧延中の圧延ロール回転速度を、定常部圧延中の圧延ロ
ール回転速度よりも速くするようにしたものである。
【0016】請求項2に記載の本発明は、一対の圧延ロ
ールをパスラインに対して一定の進み角βで傾斜配置す
るとともに、それらの圧延ロール間のパスライン上にプ
ラグを配置してなる拡管圧延機を用いて、中空素管を高
拡管するに当たり、被圧延材の定常部圧延中の圧延ロー
ル回転速度を、先端部圧延中の圧延ロール回転速度より
も速くするようにしたものである。
【0017】請求項3に記載の本発明は、請求項1又は
2に記載の本発明において更に、前記拡管圧延機が一対
の圧延ロールをコーン型圧延ロールとし、それら一対の
コーン型圧延ロールをパスラインに対して一定の進み角
βで傾斜配置するとともに、パスラインに対して入側面
角α1 と出側面角α2 とを有するようにパスラインに対
して交叉角γで交叉配置し、それら一対のコーン型圧延
ロール間のパスライン上にプラグを配置してなるように
したものである。
【0018】請求項4に記載の本発明は、請求項3に記
載の本発明において更に、 5°≦β≦25°、10°≦γ≦
40°、20°≦β+γ≦50°となるようにしたものであ
る。
【0019】
【作用】本発明者らは、傾斜圧延機を用いて中空素管を
高拡管圧延する際の被圧延材の圧延状況を詳細に検討し
た結果、下記(A) コーン型ロールのロール配置及びロー
ル形状の好適値、(B) 管先端部での高速圧延の効果、
(C) 管定常部での高速圧延の効果を見出した。
【0020】(A) ロール配置及びロール形状の好適値 一対のコーン型圧延ロールをパスラインに対して一定の
進み角βで傾斜配置するとともに、パスラインに対して
入側面角α1 と出側面角α2 とを有するようにパスライ
ンに対して交叉角γで交叉配置し、中空素管を高拡管す
るに当たり、β、γ、β+γを以下の範囲に設定し、5
°≦β≦25°、10°≦γ≦40°、20°≦β+γ≦50°か
つα1 、α2 を以下の範囲に設定するとともに、0.5 °
≦α1 ≦5 °、3 °≦α2 ≦10°、α1 ≦α2 、更に、
減肉率Rt と拡管率Er との間に1 ≦Er /Rt ≦3 、
但し Rt =(ti-to )/ti 、Er =(Do-Di
/Di 、ti :入側中空素管肉厚、Di :入側中空素管
外径、to :出側管肉厚、Do :出側管外径なる関係を
満足させることにより、噛込み不良、尻抜け不良、フレ
アリングによるホローの破れの発生を著しく防止し、高
拡管圧延することができることを見出した。
【0021】即ち、図1〜図3に示すようなコーン型ロ
ールのゴ−ジ部直径DR が700mm 、ロールバレル長さL
R が600mm 、入側端からゴージ部までのロール長さL1
が250mm 、入側面角α1 が 3°、出側面角α2 が 5°、
交叉角γが20°、進み角βが15°の傾斜圧延機で、直径
H が80〜120mm 、肉厚tH が15〜40mmの中空素管を被
圧延材としてロール間隙Eとプラグ先進量Lとを種々変
更して減肉率Rt 、拡管率Er を変化させて拡管圧延
し、噛込み不良、フレアリングによるホロー破れの発生
状況を調査した。横軸にRt 、縦軸にEr をとり整理し
た結果を図13に示す。
【0022】図より明らかなように、一対のコーン型圧
延ロールを一定の進み角βで傾斜配置するとともに、γ
で交叉配置する管の傾斜圧延方法において、減肉率Rt
と拡管率Er を1 ≦Er /Rt ≦3 の間の範囲に選ぶこ
とにより、噛込み不良、尻抜け不良、フレアリングによ
るホロー破れを回避することができ、圧延設定の自由度
を高めることが可能となる。
【0023】本発明において、5 °≦β≦25°、10°≦
γ≦40°、20°≦β+γ≦50°とするのは以下の理由に
よる。一定範囲内では、進み角β、交叉角γ、及びその
和β+γが大きくなるほど被圧延材のねじれや、断面内
の付加的な剪断歪を小さくさせることが可能となり、フ
レアリングによるホロー破れ防止に対して効果がある。
然しながら、β<5 °、又はγ<10°、又はβ+γ<20
°ではその効果が十分でなく、フレアリングによるホロ
ー破れが発生し易くなる。従って、βの下限は5 °、γ
の下限は10°、β+γの下限は20°とする。一方、β>
25°、又はγ>40°又はβ+γ>50°では、被圧延材の
ねじれが逆向きに大きくなり、断面内の付加的な剪断歪
も逆方向へ発生するため、かえってフレアリングによる
ホロー破れが発生し易くなる。従って、βは25°、γは
40°、β+γは50°を超えないものとする。
【0024】0.5 °≦α1 ≦5 °とするのは以下の理由
による。入側面角α1 は被圧延材の噛込み性に重要な影
響を与える。α1 が 5°を超えると噛込み時に被圧延材
が急激に圧下され、変形に要する圧延ロールからの抗力
が圧延ロールから伝達される前進方向の推力を上回るた
め、噛込み不良が起こり易くなる。従って、α1 は 5°
を超えないものとする。一方、α1 が小さくなりすぎる
と、前進方向の推力に必要な被圧延材の外径圧下量を得
ようとするためには入側のロールバレルをかなり長くす
る必要があるため、設備建設費が高くなり実用的でなく
なる。従って、α1 の下限は0.5 °とする。
【0025】3 °≦α2 ≦10°とするのは以下の理由に
よる。出側面角α2 が大きいほど、拡管量に対して必要
な出側のロールバレルを短くすることができ、設備を小
型化することが可能であるが、あまり大きすぎるとかえ
ってフレアリングによるホロー破れが発生し易くなる。
従って、α2 は10°を超えないものとする。一方、α2
が小さすぎると所定の拡管量を得ようとするためには出
側のロールバレルをかなり長くする必要があるため、設
備建設費が高くなり実用的でなくなる。従って、α2
下限は 3°とする。
【0026】α1 ≦α2 とするのは以下の理由による。
出側面角α2 が入側面角α1 よりも小さくなると、所定
の拡管量を得ようとするためには出側面角α2 が入側面
角α1 よりも大きい場合と比較してロールバレル長が相
対的に長くなる。従って、α1 はα2 を超えないものと
する。
【0027】(B) 管先端部での高速圧延の効果 図1〜図3に示すようなコーン型ロールのゴージ部直径
R が 350mm、プラグ径DP が43mm、ゴージEが36mm、
進み角βが10°、交叉角γが20°の傾斜圧延機で、入側
外径Di が40mm、入側肉厚ti が 8mm、入側長Lが250m
m の中空素管を傾斜圧延するモデル実験を行なった。
【0028】このモデル実験では、圧延ロール回転速度
Nを60rpm 、90rpm 、120rpmに変化させ、各回転速度に
おいて圧延された管先端部外径Do を調査した。この結
果、60rpm ではDo が54.3mm、90rpm ではDo が52.7m
m、120rpmではDo が51.5mmとなり、圧延ロール回転速
度を速くすることにより、管先端部外径を縮小し、その
拡大を抑制できることを認めた。
【0029】即ち、本発明では、「被圧延材の先端部圧
延中の圧延ロール回転速度を、定常部圧延中の圧延ロー
ル回転速度よりも速くすること」により、管先端部にお
ける被圧延材の停滞を抑制し、結果として管長手方向へ
のメタルフローを促進するものである。これにより、管
先端部では圧延ロール周速の増大による管長手方向への
メタルフローの促進、管定常部では先行圧延部の螺旋進
行に基づく前方張力起因の管長手方向へのメタルフロー
の促進を生じさせ、結果として本発明によらなければ外
径が拡大する傾向にある管先端部の外径拡大を抑えて、
この管先端部の外径を管定常部の外径に略同等化するこ
とができる。
【0030】尚、本発明によるこの管先端部での高速圧
延の効果は、圧延ロールとしてコーン型ロールを用いる
ことにより拡管率Er が0.15以上の高拡管圧延を施すと
き特に有効である。但し、この管先端部での高速圧延の
効果は、圧延ロールとしてバレル型ロールを用いる場合
にも有用である。
【0031】(C) 管定常部での高速圧延の効果 図1〜図3に示すようなコーン型ロールのゴージ部直径
R が 350mm、プラグ径DP が43mm、ゴージEが36mm、
進み角βが10°、交叉角γが20°の傾斜圧延機で、入側
外径Di が40mm、入側肉厚ti が 8mm、入側長Lが250m
m の中空素管を傾斜圧延するモデル実験を行なった。
【0032】このモデル実験では、圧延ロール回転速度
Nを60rpm 、90rpm 、120rpmに変化させ、各回転速度に
おいて圧延された管定常部外径Do を調査した。この結
果、60rpm ではDo が51.8mm、90rpm ではDo が52.7m
m、120rpmではDo が54.1mmとなり、圧延ロール回転速
度を速くすることにより、管定常部外径を拡大できるこ
とを認めた。
【0033】即ち、本発明では、「被圧延材の定常部圧
延中の圧延ロール回転速度を、先端部圧延中の圧延ロー
ル回転速度よりも速くすること」により、管定常部にお
ける被圧延材の回転速度を速くし、被圧延材に作用する
遠心力を増大させ、結果として本発明によらなければ管
先端部に比して外径が小となる傾向にある管定常部の外
径を拡大させ、管先端部〜管定常部の外径を略同等化で
きる。
【0034】尚、本発明によるこの管定常部での高速圧
延の効果は、圧延ロールとしてコーン型ロールを用いる
ことにより拡管率Er が0.15以上の高拡管圧延を施すと
き特に有効である。但し、この管定常部での高速圧延の
効果は、圧延ロールとしてバレル型ロールを用いる場合
にも有用である。
【0035】また、本発明の効果は、圧延ロールととも
に用いるシューの形式にはよらず、従って、ディスクシ
ュー、固定シュー、ローラーシューのいずれを用いても
良い。
【0036】
【実施例】図1は本発明に係る傾斜圧延機を示す平面
図、図2は図1の側面図、図3は図1の圧延方向から見
た正面図、図4は本発明による圧延速度制御回路を示す
模式図である。
【0037】図1〜図3では、ゴージ部の直径がDR
ある一対のコーン型圧延ロール31A、31Bをパスラ
インに対して一定の進み角βで傾斜配置するとともに、
入側面角α1 と出側面角α2 とを有するようにパスライ
ンに対して交叉角γで交叉配置し、上記両圧延ロール3
1A、31Bが形成する圧延領域の両側に固定シュー3
3A、33Bを配置した。尚、圧延ロール31A、31
Bは直径DR の部分をロール軸方向での直径変化の変曲
点とし、この直径DR をゴージ部に合致させている。そ
して、両圧延ロール31A、31Bの間にプラグ34を
配置し、両圧延ロール31A、31Bのゴージ部ロール
間隙Eで中空素管32Aを傾斜圧延し、拡管圧延後中空
素管32Bを得た。
【0038】このとき、本発明例では、5 °≦β≦25
°、10°≦γ≦40°、20°≦β+γ≦50°、0.5 °≦α
1 ≦5 °、3 °≦α2 ≦10°、α1 ≦α2 とした。ま
た、減肉率Rt と拡管率Er とを、1 ≦Er /Rt ≦3
とした。
【0039】以下、本実施例の作用効果について説明す
る。即ち、図1に示すコーン型圧延ロールのゴージ部直
径DR が700mm の傾斜圧延機で、交叉角γ、進み角β、
入側面角α1 、出側面角α2 を表1に示すように変更
し、更に直径DH が80〜120mm、肉厚tH が15〜40mmの
中空素管を被圧延材としてロール間隙Eとプラグ先進量
Lとを種々変更して減肉率Rt 、拡管率Er を変化させ
て拡管圧延した。そのときの噛込み不良、尻抜け不良、
フレアリングによるホロー破れの発生状況の有無を合わ
せて表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】比較例ではいずれも噛込み不良、尻抜け不
良、フレアリングによるホロー破れが発生する条件であ
っても、本方法によれば、噛込み不良、尻抜け不良、フ
レアリングによるホロー破れが全く発生しなかった。
【0042】また、図4において、40は演算制御回路
であり、演算制御回路40はモータ駆動回路41を介し
て圧延ロール31A、31Bのモータ42の回転速度を
制御する。そして、演算制御回路40は、ロードセル4
3を付帯的に備え、ロードセル43が中空素管32Aの
先端噛込み開始を検出してからの、圧延ロール31A、
31Bによる管前進量を演算し、予め定めた予定長の管
先端部の圧延時期と、その後の管定常部の圧延時期とを
演算する。これにより、演算制御回路40は、管先端部
〜管定常部の圧延時に、下記(1) 、(2) の如くに圧延ロ
ール31A、31Bの回転速度制御を行なう。
【0043】(1) 管先端部での高速圧延制御(図5、図
6) 管先端部〜管定常部の圧延時に、圧延ロール回転速度を
下記(a) 〜(d) の4つのケースの如くに制御し(図
5)、圧延出側外径Do について図6に示す如くの長手
方向分布を得た。
【0044】尚、圧延ロールとしては図1〜図3のコー
ン型ロールを用い、ロールのゴージ部直径Dr を700mm
、プラグ径Dc を65mm、進み角βを15°、交叉角γを2
0°とし、中空素管32Aの入側外径Di を70mm、入側
肉厚ti を30mm、圧延後中空素管32Bの出側肉厚to
を15mmとした。
【0045】(a) 従来法 素管の全長についてロール周速をV=100(m/min)一定と
した。
【0046】(b) 本発明法1 素管長手方向位置x≦先端0.5(m)についてロール周速
V=110 −20x(m/min) とした。 x>先端0.5(m)についてV=100(m/min)一定とした。
【0047】(c) 本発明法2 x≦先端0.2(m)についてV=110(m/min)一定とした。 0.2(m)<x≦0.25(m) についてV=110 −100(x−0.
2)(m/min) とした。 0.25(m) <x≦0.45(m) についてV=105 (m/min) 一
定とした。 0.45(m) <x≦0.5 (m) についてV=105 −100 (x
−0.45)(m/min) とした。 x>0.5(m)についてV=100(m/min)一定とした。
【0048】(d) 本発明法3 x≦先端0.4(m)についてV=110(m/min)一定とした。 0.4(m)<x≦0.5(m)についてV=110 −100(x−0.4)
(m/min) とした。 x>0.5(m)についてV=100(m/min)一定とした。
【0049】結果、図6に示す如く、従来法については
管長手方向において管先端部外径が管定常部に対して大
となる不均一外径分布を呈した。これに対し、本発明法
1〜3ではいずれも、管長手方向での外径分布(Do
が目標値の± 2%に抑えられた。
【0050】(2) 管定常部での高速圧延制御(図7、図
8) 管先端部〜管定常部の圧延時に、圧延ロール回転速度を
下記(a) 〜(d) の4つのケースの如くに制御し(図
7)、圧延出側外径Do について図8に示す如くの長手
方向分布を得た。
【0051】尚、圧延ロールとしては図1〜図3のコー
ン型ロールを用い、ロールのゴージ部直径Dr を700mm
、プラグ径Dc を75mm、進み角βを10°、交叉角γを2
0°とし、中空素管32Aの入側外径Di を70mm、入側
肉厚ti を10mm、圧延後中空素管32Bの出側肉厚to
を5mm とした。
【0052】(a) 従来法 素管の全長についてロール周速をV=200(m/min)一定と
した。
【0053】(b) 本発明法1 素管長手方向位置x≦先端0.5(m)についてロール周速
V= 190+20x(m/min) とした。 x>先端0.5(m)についてV=200(m/min)一定とした。 (c) 本発明法2 x≦先端0.2(m)についてV=190(m/min)一定とした。 0.2(m)<x≦0.25(m) についてV= 190+100(x−0.
2)(m/min) とした。 0.25(m) <x≦0.45(m) についてV=195 (m/min) 一
定とした。 0.45(m) <x≦0.5 (m) についてV= 195+100(x−
0.45)(m/min) とした。 x>0.5(m)についてV=200(m/min)一定とした。
【0054】(d) 本発明法3 x≦先端0.4(m)についてV=190(m/min)一定とした。 0.4(m)<x≦0.5(m)についてV= 190+100(x−0.4)
(m/min) とした。 x>0.5(m)についてV=200 (m/min) 一定とした。
【0055】結果、図8に示す如く、従来法について
は、管長手方向において管先端部外径が管定常部に対し
て大となる不均一外径分布を呈した。これに対し、本発
明法1〜3ではいずれも、管長手方向での外径分布(D
o )が目標値の± 2%に抑えられた。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、傾斜圧延
機による高拡管圧延において、圧延後の管外径の長手方
向変動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る傾斜圧延機を示す平面図で
ある。
【図2】図2は図1の側面図である。
【図3】図3は図1の圧延方向から見た正面図である。
【図4】図4は本発明による圧延速度制御回路を示す模
式図である。
【図5】図5は管先端部での高速圧延制御パターンを示
す模式図である。
【図6】図6は管先端部での高速圧延制御による管外径
長手方向分布を示す線図である。
【図7】図7は管定常部での高速圧延制御パターンを示
す模式図である。
【図8】図8は管定常部での高速圧延制御による管外径
長手方向分布を示す線図である。
【図9】図9は従来のプラグミル方式による圧延ライン
の各圧延工程出側における被圧延材の外径の変化の一例
を示す線図である。
【図10】図10は従来の傾斜圧延機を示す模式図であ
る。
【図11】図11は図10の圧延ロールを示す模式図で
ある。
【図12】図12は従来の他の傾斜圧延機を示す模式図
である。
【図13】図13は減肉率と拡管率を変化させて拡管圧
延したときの噛込み不良、尻抜け不良、フレアリングに
よるホロー破れの発生状況を示す線図である。
【図14】図14は従来法による管外径長手方向分布を
示す線図である。
【符号の説明】
31A、31B 圧延ロール 32A、32B 中空素管 33A、33B 固定シュー 34 プラグ 40 演算制御回路 41 モータ駆動回路 42 モータ 43 ロードセル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B21B 37/46 37/78

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の圧延ロールをパスラインに対して
    一定の進み角βで傾斜配置するとともに、それらの圧延
    ロール間のパスライン上にプラグを配置してなる拡管圧
    延機を用いて、中空素管を高拡管するに当たり、 被圧延材の先端部圧延中の圧延ロール回転速度を、定常
    部圧延中の圧延ロール回転速度よりも速くすることを特
    徴とする継目無管の高拡管圧延方法。
  2. 【請求項2】 一対の圧延ロールをパスラインに対して
    一定の進み角βで傾斜配置するとともに、それらの圧延
    ロール間のパスライン上にプラグを配置してなる拡管圧
    延機を用いて、中空素管を高拡管するに当たり、 被圧延材の定常部圧延中の圧延ロール回転速度を、先端
    部圧延中の圧延ロール回転速度よりも速くすることを特
    徴とする継目無管の高拡管圧延方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記拡管圧延
    機が一対の圧延ロールをコーン型圧延ロールとし、それ
    ら一対のコーン型圧延ロールをパスラインに対して一定
    の進み角βで傾斜配置するとともに、パスラインに対し
    て入側面角α1 と出側面角α2 とを有するようにパスラ
    インに対して交叉角γで交叉配置し、それら一対のコー
    ン型圧延ロール間のパスライン上にプラグを配置してな
    るものである継目無管の高拡管圧延方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 5°≦β≦25°、10
    °≦γ≦40°、20°≦β+γ≦50°とする継目無管の高
    拡管圧延方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102626714A (zh) * 2012-04-16 2012-08-08 新兴铸管股份有限公司 改善空心坯质量的预变形工艺
CN105750332A (zh) * 2016-05-09 2016-07-13 鑫鹏源智能装备集团有限公司 一种八段式轧管辊型及其制作方法

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