JPH0839119A - 継目無管の高拡管圧延方法 - Google Patents

継目無管の高拡管圧延方法

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JPH0839119A
JPH0839119A JP6192722A JP19272294A JPH0839119A JP H0839119 A JPH0839119 A JP H0839119A JP 6192722 A JP6192722 A JP 6192722A JP 19272294 A JP19272294 A JP 19272294A JP H0839119 A JPH0839119 A JP H0839119A
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JP
Japan
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rolling
pipe
surface temperature
outside diameter
outer diameter
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Application number
JP6192722A
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English (en)
Inventor
Akira Yorifuji
章 依藤
Tetsuo Shimizu
哲雄 清水
Takaaki Toyooka
高明 豊岡
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 傾斜圧延機による高拡管圧延において、圧延
後の管外径精度を向上すること。 【構成】 継目無管の高拡管圧延方法において、拡管圧
延後の管外径を実測し、この管外径実測値の目標値に対
する誤差に応じて次材の圧延温度を変更し、次材につい
て目標の圧延後管外径を得るように制御するもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、継目無鋼管等の継目無
管の高拡管圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】継目無管の製造工程は、マンネスマン法
が主流となっており、圧延方式によってプラグミル方式
とマンドレルミル方式に大別されるが、基本的には、素
材丸ビレットに孔を明ける穿孔工程と、穿孔された中空
素管を減肉延伸する延伸圧延工程と、延伸圧延された中
空素管を所定の外径にまで絞る、或いは定径する仕上げ
圧延工程からなる。
【0003】プラグミル方式は一般に中径の継目無管の
製造に使用される方式である。この方式では、丸ビレッ
トを加熱炉で加熱し、傾斜圧延機であるマンネスマンピ
アサーにて穿孔圧延し、中空素管とする。得られた中空
素管は必要に応じて、同じく傾斜圧延機であるエロンゲ
ーターにて更に減肉、拡管され、更に一対の孔型圧延ロ
ールを有するプラグミルにより減肉、縮管され、次いで
傾斜圧延機であるリーラーにより若干の減肉とともに拡
管が行なわれ、管内外面の磨管が行なわれる。リーラー
で圧延された素管は再加熱後サイザーにて定径が行なわ
れ製品となる。
【0004】図7は、上述のプラグミル方式圧延ライン
の各圧延工程出側における圧延材の外径の変化の一例を
示す説明図である。中空素管を減肉、拡管するエロンゲ
ーター、及び減肉、拡管によって磨管するリーラーのい
ずれにおいても、拡管率は高々数%から17、18%程度で
あるため、広い範囲の外径の製品を得ようとすると、多
種類の外径のビレットが必要となり、生産性を阻害する
一つの要因であった。そのため、近年素材ビレットサイ
ズの減少、設備の簡素化を目的として延伸工程において
従来以上に拡管を行なう拡管圧延スケジュールが提案さ
れている。
【0005】ところが、従来のエロンゲーター、リーラ
ーのようなバレル型のロール形状を持つ傾斜圧延機にお
いては、中空素管を高拡管しようとすると、素管の噛込
み不良、尻抜け不良を起こしたり、フレアリングを生じ
てホローが破れたりすることが知られている。ここで高
拡管とは拡管率Er が 0.15 以上を意味するものとす
る。これは一般に、バレル型ロールを傾斜角βで配置し
た穿孔圧延では、ゴージ部より出側ではロール径は漸次
減少し、周速度が遅くなるため、減肉されて断面積が減
少し、前進速度が増加する被圧延材に対してブレーキを
かける状態となり、その結果被圧延材にねじれが生じ、
断面内には付加的な剪断歪が発生するためとされてい
る。
【0006】近年、これらの問題点を解決し、従来以上
に拡管を行なうため、交叉角を付与したコーン型ロール
を用いた傾斜圧延機による拡管圧延方法が提案されてい
る。コーン型ロールを一定の進み角βで傾斜配置すると
ともに、パスラインに対して交叉角γで交叉配置した傾
斜圧延では、圧延出側に進むほどロール径が漸次大き
く、周速度が速くなるため、被圧延材に対してのブレー
キが軽度になり、被圧延材のねじれや、断面内の付加的
な剪断歪の発生を抑制することが可能となるからであ
る。
【0007】例えば特公平3-77005 には図8、図9に示
すような交叉角を 2°〜35°とし、ロールの輪郭線を円
錐状進入部分と回転双曲面部分とから構成することを特
徴とする径拡大圧延機が提案されている。この方法によ
れば、本来必要となる中間加熱工程が不要となり、薄肉
の大径鋼管を安価に製造することができるとしている。
【0008】一方、特公平5-38647 には、図10に示す
ような円錐台状の縮径部、拡径部、及びサイジング部を
有する2個以上のロールとリーリング部を備えたプラグ
とを少なくとも具備した交叉型傾斜圧延機で、拡管部の
ロール面角α2 をα2 > 5°に、またサイジング部のロ
ール面角α3 をα3 <α2 とし、かつ 0°≦α3 ≦10°
となるように設定するとともに、プラグのリーリング部
をサイジングロール面と対向配置させ、そのリーリング
面角をサイジング部ロール面角α3 に略一致せしめて拡
管穿孔圧延、或いは拡管圧延を行なうことが提案されて
いる。この方法によれば、プラグのリーリング部を長く
設定することが可能となり、然も尻抜け性を向上せしめ
得る結果、偏肉及び外径変動の発生を抑制することがで
きるとしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、本発明者
の鋭意研究の結果、コーン型ロールを用いることによっ
てバレル型のロールを用いた時に比較して高拡管が可能
となるものの、単に交叉角を付与したコーン型ロールを
用いただけでは、自ら拡管できる範囲に限りがあり、あ
る限界を超えると素管の噛込み不良、尻抜け不良を起こ
したり、フレアリングを生じてホローが破れたりする問
題が残っていた。
【0010】前述の特公平3-77005 では『ロールの輪郭
線を円錐状進入部分と回転双曲面部分とにすることによ
り、ロールのうず巻線は中空体円錐部の形状に無理なく
一致し、その軸線は径拡大用芯金の円錐部の軸線と一致
する。』とだけあり、ロールの輪郭線を円錐状進入部分
と回転双曲面部分とにすることにより具体的にどのよう
な効果が得られるのか不明であり、まして素管の噛込み
不良、尻抜け不良、フレアリングによるホローの破れを
防止する効果があるかどうかは明確ではない。
【0011】一方、特公平 5-38647では『ロールのサイ
ジング部にプラグのリーリング部を対向せしめてあるか
ら、圧延ロールの拡径部全域において積極的に肉厚圧下
を行なうことが可能となり、被圧延材に対する推進力を
高め得て尻詰まり(尻抜け不良)がなく、またリーリン
グ長さを大きく設定し得て偏肉を改善できるばかりか外
径変動をも抑制し得て管品質の大幅な向上を図り得
る。』としているが、尻抜け不良防止に対しては一定の
効果が認められるものの、噛込み不良、フレアリングに
よるホローの破れ防止に対しては効果が認められない。
【0012】また、拡管圧延機による中空素管の拡管圧
延では、圧延機のロール間隔(ゴージE)、シュー間隔
(H)、プラグ径(Dp )及びプラグ先進量(L)を所
定の値に設定することにより、所定の製品寸法を得よう
とするものとなる。然しながら、本発明者の鋭意研究の
結果によれば、それらのE、H、Dp 、Lを同一設定し
ても下記、の原因により、同一の製品外径を得られ
ないことがある。
【0013】上流圧延工程での圧延条件の経時変化に
より、入側素管寸法が経時的に変化する。 拡管圧延機のロール、シュー、プラグの形状寸法がそ
れらの損耗等に起因して経時変化することにより、圧延
後管外径が経時的に変化する。
【0014】このような場合、E、H、Lの設定を学習
制御することによって対処することが考えられるが、E
の増減やLの減増は噛み込み不良、尻抜け不良を起こす
虞れがあり、Hの変更は、管断面内の偏肉を悪化させる
虞れがある。
【0015】尚、上述の管外径変動は、拡管率Er が0.
15以上の高拡管圧延を可能とするコーン型圧延ロールを
用いた高拡管圧延において特に顕著となる。
【0016】本発明は、傾斜圧延機による高拡管圧延に
おいて、圧延後の管外径精度を向上することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、一対の圧延ロールをパスラインに対して進み角βで
傾斜配置するとともに、それらの圧延ロール間のパスラ
イン上にプラグを配置してなる拡管圧延機を用いて、中
空素管を高拡管圧延するに当たり、圧延前管外径をD
i 、圧延後管外径目標値をDo 、圧延後管外径実測値を
o *、圧延後管外径誤差(Do *−Do )をΔDo 、圧延
前管肉厚をti 、圧延後管肉厚をto 、圧延ロール周速
をVR 、鋼種をm、圧延前管表面温度をθ、次材圧延前
管表面温度をθnext、管表面温度設定変更量(θnext
θ)をΔθとするとき、圧延後管外径誤差ΔDo に対す
る管表面温度設定変更量Δθを下記(1) 式で定めるよう
にし、 Δθ=f(Di ,Do ,ΔDo ,ti ,to ,VR ,m,θ)…(1)
【0018】拡管圧延機出側で先行材の圧延後管外径D
o *を実測し、この実測結果から算出される圧延後管外径
誤差ΔDo に対する管表面温度設定変更量Δθを上記
(1) 式で演算し、拡管圧延機入側で次材の圧延前管表面
温度θnextを先行材の圧延前管表面温度θに対し上記Δ
θだけ変更させ、次材について目標の圧延後管外径を得
るように制御するようにしたものである。
【0019】請求項2に記載の本発明は、請求項1にお
いて、前記拡管圧延機が一対の圧延ロールをコーン型圧
延ロールとし、それら一対のコーン型圧延ロールをパス
ラインに対して進み角βで傾斜配置するとともに、パス
ラインに対して入側面角α1と出側面角α2 とを有する
ようにパスラインに対して交叉角γで交叉配置し、それ
ら一対のコーン型圧延ロール間のパスライン上にプラグ
を配置してなるものである。
【0020】請求項3に記載の本発明は、請求項2にお
いて、 5°≦β≦25°、10°≦γ≦40°、20°≦β+γ
≦50°とするようにしたものである。
【0021】
【作用】本発明者らは、傾斜圧延機を用いて中空素管を
高拡管圧延する際の被圧延材の圧延状況を詳細に検討し
た結果、下記(A) コーン型ロールのロール配置及びロー
ル形状の好適値、(B) 被圧延材の圧延後管外径誤差に応
じた次材管表面温度制御の効果を見出した。
【0022】(A) ロール配置及びロール形状の好適値 一対のコーン型圧延ロールをパスラインに対して一定の
進み角βで傾斜配置するとともに、パスラインに対して
入側面角α1 と出側面角α2 とを有するようにパスライ
ンに対して交叉角γで交叉配置し、中空素管を高拡管す
るに当たり、β、γ、β+γを以下の範囲に設定し、5
°≦β≦25°、10°≦γ≦40°、20°≦β+γ≦50°か
つα1 、α2 を以下の範囲に設定するとともに、0.5 °
≦α1 ≦5 °、3 °≦α2 ≦10°、α1 ≦α2 、更に、
減肉率Rt と拡管率Er との間に1 ≦Er /Rt ≦3 、
但し Rt =(ti-to )/ti 、Er =(Do-Di
/Di 、ti :入側中空素管肉厚、Di :入側中空素管
外径、to :出側管肉厚、Do :出側管外径なる関係を
満足させることにより、噛込み不良、尻抜け不良、フレ
アリングによるホローの破れの発生を著しく防止し、高
拡管圧延することができることを見出した。
【0023】即ち、図1〜図3に示すようなコーン型ロ
ールのゴ−ジ部直径DR が700mm 、ロールバレル長さL
R が600mm 、入側端からゴージ部までのロール長さL1
が250mm 、入側面角α1 が 3°、出側面角α2 が 5°、
交叉角γが20°、進み角βが15°の傾斜圧延機で、直径
H が80〜120mm 、肉厚tH が15〜40mmの中空素管を被
圧延材としてロール間隙Eとプラグ先進量Lとを種々変
更して減肉率Rt 、拡管率Er を変化させて拡管圧延
し、噛込み不良、フレアリングによるホロー破れの発生
状況を調査した。横軸にRt 、縦軸にEr をとり整理し
た結果を図11に示す。
【0024】図より明らかなように、一対のコーン型圧
延ロールを一定の進み角βで傾斜配置するとともに、γ
で交叉配置する管の傾斜圧延方法において、減肉率Rt
と拡管率Er を1 ≦Er /Rt ≦3 の間の範囲に選ぶこ
とにより、噛込み不良、尻抜け不良、フレアリングによ
るホロー破れを回避することができ、圧延設定の自由度
を高めることが可能となる。
【0025】本発明において、5 °≦β≦25°、10°≦
γ≦40°、20°≦β+γ≦50°とするのは以下の理由に
よる。一定範囲内では、進み角β、交叉角γ、及びその
和β+γが大きくなるほど被圧延材のねじれや、断面内
の付加的な剪断歪を小さくさせることが可能となり、フ
レアリングによるホロー破れ防止に対して効果がある。
然しながら、β<5 °、又はγ<10°、又はβ+γ<20
°ではその効果が十分でなく、フレアリングによるホロ
ー破れが発生し易くなる。従って、βの下限は5 °、γ
の下限は10°、β+γの下限は20°とする。一方、β>
25°、又はγ>40°又はβ+γ>50°では、被圧延材の
ねじれが逆向きに大きくなり、断面内の付加的な剪断歪
も逆方向へ発生するため、かえってフレアリングによる
ホロー破れが発生し易くなる。従って、βは25°、γは
40°、β+γは50°を超えないものとする。
【0026】0.5 °≦α1 ≦5 °とするのは以下の理由
による。入側面角α1 は被圧延材の噛込み性に重要な影
響を与える。α1 が 5°を超えると噛込み時に被圧延材
が急激に圧下され、変形に要する圧延ロールからの抗力
が圧延ロールから伝達される前進方向の推力を上回るた
め、噛込み不良が起こり易くなる。従って、α1 は 5°
を超えないものとする。一方、α1 が小さくなりすぎる
と、前進方向の推力に必要な被圧延材の外径圧下量を得
ようとするためには入側のロールバレルをかなり長くす
る必要があるため、設備建設費が高くなり実用的でなく
なる。従って、α1 の下限は0.5 °とする。
【0027】3 °≦α2 ≦10°とするのは以下の理由に
よる。出側面角α2 が大きいほど、拡管量に対して必要
な出側のロールバレルを短くすることができ、設備を小
型化することが可能であるが、あまり大きすぎるとかえ
ってフレアリングによるホロー破れが発生し易くなる。
従って、α2 は10°を超えないものとする。一方、α2
が小さすぎると所定の拡管量を得ようとするためには出
側のロールバレルをかなり長くする必要があるため、設
備建設費が高くなり実用的でなくなる。従って、α2
下限は 3°とする。
【0028】α1 ≦α2 とするのは以下の理由による。
出側面角α2 が入側面角α1 よりも小さくなると、所定
の拡管量を得ようとするためには出側面角α2 が入側面
角α1 よりも大きい場合と比較してロールバレル長が相
対的に長くなる。従って、α1 はα2 を超えないものと
する。
【0029】(B) 被圧延材の圧延後管外径誤差に応じた
次材管表面温度制御の効果 図1〜図3に示すようなコーン型ロールのゴージ部直径
r が400mm 、プラグ径Dp が66mm、ゴ−ジEが55mm、
進み角βが15°、 交叉角γが25°の傾斜圧延機で、鋼
種:低炭素鋼とSUS304のそれぞれについて、圧延前管外
径Di が60mm、圧延前管肉厚ti が6mm 、圧延前管長L
が300mm の中空素管を拡管圧延し、圧延後管肉厚to
3 〜3.5 mmにするモデル実験を行なった。
【0030】このモデル実験では、圧延機入側での圧延
前管表面温度θを850 ℃〜950 ℃の間で変化させ、圧延
後管外径Do を調査した。この結果、図12に示す如
く、いずれのto の場合においても、θが高くなる程、
o が大きくなる傾向を示し、各to 毎に、Do =f
(θ)の関係が成り立つことが認められる。
【0031】そこで、本発明では、圧延前管外径をD
i 、圧延後管外径目標値をDo 、圧延後管外径実測値を
o *、圧延後管外径誤差(Do *−Do )をΔDo 、圧延
前管肉厚をti 、圧延後管肉厚をto 、圧延ロール周速
をVR 、鋼種をm、圧延前管表面温度をθ、次材圧延前
管表面温度をθnext、管表面温度設定変更量(θnext
θ)をΔθとするとき、圧延後管外径誤差ΔDo に対す
る管表面温度設定変更量Δθを下記(1) 式で定めるよう
にし、 Δθ=f(Di ,Do ,ΔDo ,ti ,to ,VR ,m,θ)…(1) 拡管圧延機出側で先行材の圧延後管外径Do *を実測し、
この実測結果から算出される圧延後管外径誤差ΔDo
対する管表面温度設定変更量Δθを上記(1) 式で演算
し、拡管圧延機入側で次材の圧延前管表面温度θnext
先行材の圧延前管表面温度θに対し上記Δθだけ変更さ
せ、次材について目標の圧延後管外径を得るように制御
するものとした。即ち、下記(1) 、(2) の如くである。
【0032】(1) ΔD0 が許容値を越える場合 (a) 圧延後管外径実測値Do *が目標値Do より過小(Δ
o が負)であれば、管表面温度設定変更量Δθを昇温
させる。 (b) 圧延後管外径実測値Do *が目標値Do より過大(Δ
o が正)であれば、管表面温度設定変更量Δθを降温
させる。
【0033】(2) ΔDo が許容値内にある場合 管表面温度設定変更量Δθは零とし、管表面温度を変更
しない。上記(a) のΔθを昇温させる場合には、拡管圧
延機入側に設けた高周波誘導加熱制御装置等で素管を昇
温させる。また、上記(b) のΔθを降温させる場合に
は、拡管圧延機入側に設けた素管搬送速度制御装置等で
素管を一時的に待機させて降温させる。
【0034】尚、本発明によるこの被圧延材の圧延後管
外径誤差に応じた次材管表面温度制御の効果は、圧延ロ
ールとしてコーン型ロールを用いることにより拡管率E
r が0.15以上の高拡管圧延を施すとき特に有効である。
但し、この被圧延材の圧延後管外径誤差に応じた次材管
表面温度制御の効果は、圧延ロールとしてバレル型ロー
ルを用いる場合にも有用である。
【0035】
【実施例】図1は本発明に係る傾斜圧延機を示す平面
図、図2は図1の側面図、図3は図1の圧延方向から見
た正面図、図4は本発明による管表面温度制御回路図で
ある。
【0036】(第1実施例)図1〜図3では、ゴージ部
の直径がDR である一対のコーン型圧延ロール31A、
31Bをパスラインに対して一定の進み角βで傾斜配置
するとともに、入側面角α1 と出側面角α2 とを有する
ようにパスラインに対して交叉角γで交叉配置し、上記
両圧延ロール31A、31Bが形成する圧延領域の両側
に固定シュー33A、33Bを配置した。尚、圧延ロー
ル31A、31Bは直径DR の部分をロール軸方向での
直径変化の変曲点とし、この直径DR をゴージ部に合致
させている。そして、両圧延ロール31A、31Bの間
にプラグ34を配置し、両圧延ロール31A、31Bの
ゴージ部ロール間隙Eで中空素管32Aを傾斜圧延し、
拡管圧延後中空素管32Bを得た。
【0037】このとき、本発明例では、5 °≦β≦25
°、10°≦γ≦40°、20°≦β+γ≦50°、0.5 °≦α
1 ≦5 °、3 °≦α2 ≦10°、α1 ≦α2 とした。ま
た、減肉率Rt と拡管率Er とを、1 ≦Er /Rt ≦3
とした。
【0038】以下、本実施例の作用効果について説明す
る。即ち、図1に示すコーン型圧延ロールのゴージ部直
径DR が700mm の傾斜圧延機で、交叉角γ、進み角β、
入側面角α1 、出側面角α2 を表1に示すように変更
し、更に直径DH が80〜120mm、肉厚tH が15〜40mmの
中空素管を被圧延材としてロール間隙Eとプラグ先進量
Lとを種々変更して減肉率Rt 、拡管率Er を変化させ
て拡管圧延した。そのときの噛込み不良、尻抜け不良、
フレアリングによるホロー破れの発生状況の有無を合わ
せて表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】(第2実施例)図4において、圧延ロール
31A、31Bの入側には、高周波誘導加熱装置41、
素管搬送装置42が設置され、圧延ロール31A、31
Bの出側には管外径測定装置43が設置されている。
【0041】44は、演算制御回路であり、演算制御回
路44は、下記(1) 、(2) を行なう。 (1) 管外径測定装置43が測定した先行材の圧延後管外
径実測値Do *から圧延後管外径誤差ΔDo を算出し、こ
のΔDo に対する管表面温度設定変更量Δθを前記(1)
式により演算する。
【0042】(2) 圧延ロール31A、31Bの入側で、
次材の圧延前管表面温度θnextを先行材の圧延前管表面
温度θに対し上記Δθだけ変更させる。これにより、次
材は圧延ロール31A、31Bによる圧延後に目標の管
外径Do を得ることが可能となる。
【0043】ここで、Δθが管表面温度を昇温させる値
であれば演算制御回路44は加熱制御装置41Aにより
高周波誘導加熱装置41を駆動し、Δθが管表面温度を
降温させる値であれば演算制御回路44は搬送速度制御
装置42Aにより被圧延材を一時停止(もしくは減速)
させるように素管搬送装置42のモータを駆動制御す
る。
【0044】即ち、従来法により炭素鋼を300 本、SUS3
04を100 本、素管温度を880 〜970℃の範囲で変化さ
せ、各被圧延材の外径偏差を、炭素鋼については図5
(A)、SUS304については図6(A)を得た。
【0045】また、演算制御回路40を用いた本発明法
により炭素鋼を300 本、SUS304を100 本、素管温度
を880 〜970 ℃の範囲で変化させ、各被圧延材の外径偏
差を、炭素鋼については図5(B)、SUS304 につい
ては図6(B)を得た。
【0046】尚、圧延ロールとしては、図1〜図3のコ
ーン型ロールを用い、ロールのゴージ部直径Dr を1200
mm、進み角βを15°、交叉角γを20℃とし、圧延前中空
素管32Aの入側外径Di を90〜190mm 、入側肉厚ti
を16〜30mm、圧延後素管32Bの目標出側外径Do を12
0 〜250mm 、出側肉厚to を8 〜20mmとした。
【0047】図5、図6によれば、本発明の実施によ
り、素管温度の変動による各被圧延材間での外径偏差を
± 3%以下に抑制できることを認めた。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、傾斜圧延
機による高拡管圧延において、圧延後の管外径精度を向
上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る傾斜圧延機を示す平面図で
ある。
【図2】図2は図1の側面図である。
【図3】図3は図1の圧延方向から見た正面図である。
【図4】図4は本発明による管表面温度制御回路図であ
る。
【図5】図5は炭素鋼における外径偏差を示す度数分布
図である。
【図6】図6はSUS304における外径偏差を示す度数分布
図である。
【図7】図7は従来のプラグミル方式による圧延ライン
の各圧延工程出側における被圧延材の外径の変化の一例
を示す線図である。
【図8】図8は従来の傾斜圧延機を示す模式図である。
【図9】図9は図8の圧延ロールを示す模式図である。
【図10】図10は従来の他の傾斜圧延機を示す模式図
である。
【図11】図11は減肉率と拡管率を変化させて拡管圧
延したときの噛込み不良、尻抜け不良、フレアリングに
よるホロー破れの発生状況を示す線図である。
【図12】図12は圧延前管表面温度と圧延後管外径と
の関係を示す線図である。
【符号の説明】
31A、31B 圧延ロール 32A、32B 中空素管 34 プラグ 41 高周波誘導加熱装置 42 素管搬送装置 43 管外径測定装置 44 演算制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B21B 37/00 BBS (72)発明者 豊岡 高明 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社鉄鋼開発・生産本部鉄鋼研究所 内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の圧延ロールをパスラインに対して
    進み角βで傾斜配置するとともに、それらの圧延ロール
    間のパスライン上にプラグを配置してなる拡管圧延機を
    用いて、中空素管を高拡管圧延するに当たり、 圧延前管外径をDi 、圧延後管外径目標値をDo 、圧延
    後管外径実測値をDo *、圧延後管外径誤差(Do *−D
    o )をΔDo 、圧延前管肉厚をti 、圧延後管肉厚をt
    o 、圧延ロール周速をVR 、鋼種をm、圧延前管表面温
    度をθ、次材圧延前管表面温度をθnext、管表面温度設
    定変更量(θnext−θ)をΔθとするとき、圧延後管外
    径誤差ΔDo に対する管表面温度設定変更量Δθを下記
    (1) 式で定めるようにし、 Δθ=f(Di ,Do ,ΔDo ,ti ,to ,VR ,m,θ)…(1) 拡管圧延機出側で先行材の圧延後管外径Do *を実測し、
    この実測結果から算出される圧延後管外径誤差ΔDo
    対する管表面温度設定変更量Δθを上記(1) 式で演算
    し、 拡管圧延機入側で次材の圧延前管表面温度θnextを先行
    材の圧延前管表面温度θに対し上記Δθだけ変更させ、
    次材について目標の圧延後管外径を得るように制御する
    ことを特徴とする継目無管の高拡管圧延方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記拡管圧延機が一
    対の圧延ロールをコーン型圧延ロールとし、それら一対
    のコーン型圧延ロールをパスラインに対して進み角βで
    傾斜配置するとともに、パスラインに対して入側面角α
    1 と出側面角α2 とを有するようにパスラインに対して
    交叉角γで交叉配置し、それら一対のコーン型圧延ロー
    ル間のパスライン上にプラグを配置してなるものである
    継目無管の高拡管圧延方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 5°≦β≦25°、10
    °≦γ≦40°、20°≦β+γ≦50°とする継目無管の高
    拡管圧延方法。
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