JPH07275913A - 継目無管の高拡管圧延方法 - Google Patents

継目無管の高拡管圧延方法

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JPH07275913A
JPH07275913A JP6092843A JP9284394A JPH07275913A JP H07275913 A JPH07275913 A JP H07275913A JP 6092843 A JP6092843 A JP 6092843A JP 9284394 A JP9284394 A JP 9284394A JP H07275913 A JPH07275913 A JP H07275913A
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JP
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rolling
rolled
roll
plug
angle
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JP6092843A
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English (en)
Inventor
Akira Yorifuji
章 依藤
Tetsuo Shimizu
哲雄 清水
Takaaki Toyooka
高明 豊岡
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被圧延材の噛込み不良、尻抜け不良、フレア
リングによるホロー破れを回避し、歩留、生産性を阻害
することなく高拡管圧延すること。 【構成】 継目無管の高拡管圧延方法において、ゴージ
部までの肉厚圧下量Δtg と全肉厚圧下量Δtとが下記
式となるように圧下するもの。 0.15Δt≦Δtg ≦ 0.7Δt

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、継目無鋼管等の継目無
管の高拡管圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】継目無管の製造工程は、マンネスマン法
が主流となっており、圧延方式によってプラグミル方式
とマンドレルミル方式に大別されるが、基本的には、素
材丸ビレットに孔を明ける穿孔工程と、穿孔された中空
素管を減肉延伸する延伸圧延工程と、延伸圧延された中
空素管を所定の外径にまで絞る、或いは定径する仕上げ
圧延工程からなる。
【0003】プラグミル方式は一般に中径の継目無管の
製造に使用される方式である。この方式では、丸ビレッ
トを加熱炉で加熱し、傾斜圧延機であるマンネスマンピ
アサーにて穿孔圧延し、中空素管とする。得られた中空
素管は必要に応じて、同じく傾斜圧延機であるエロンゲ
ーターにて更に減肉、拡管され、更に一対の孔型圧延ロ
ールを有するプラグミルにより減肉、縮管され、次いで
傾斜圧延機であるリーラーにより若干の減肉とともに拡
管が行なわれ、管内外面の磨管が行なわれる。リーラー
で圧延された素管は再加熱後サイザーにて定径が行なわ
れ製品となる。
【0004】図9は、上述のプラグミル方式圧延ライン
の各圧延工程出側における圧延材の外径の変化の一例を
示す説明図である。中空素管を減肉、拡管するエロンゲ
ーター、及び減肉、拡管によって磨管するリーラーのい
ずれにおいても、拡管率は高々数%から17、18%程度で
あるため、広い範囲の外径の製品を得ようとすると、多
種類の外径のビレットが必要となり、生産性を阻害する
一つの要因であった。そのため、近年素材ビレットサイ
ズの減少、設備の簡素化を目的として延伸工程において
従来以上に拡管を行なう拡管圧延スケジュールが提案さ
れている。
【0005】ところが、従来のエロンゲーター、リーラ
ーのようなバレル型のロール形状を持つ傾斜圧延機にお
いては、中空素管を高拡管しようとすると、素管の噛込
み不良、尻抜け不良を起こしたり、フレアリングを生じ
てホローが破れたりすることが知られている。ここで高
拡管とは拡管率Er が 0.15 以上を意味するものとす
る。これは一般に、バレル型ロールを傾斜角βで配置し
た穿孔圧延では、ゴージ部より出側ではロール径は漸次
減少し、周速度が遅くなるため、減肉されて断面積が減
少し、前進速度が増加する被圧延材に対してブレーキを
かける状態となり、その結果被圧延材にねじれが生じ、
断面内には付加的な剪断歪が発生するためとされてい
る。
【0006】近年、これらの問題点を解決し、従来以上
に拡管を行なうため、交叉角を付与したコーン型ロール
を用いた傾斜圧延機による拡管圧延方法が提案されてい
る。コーン型ロールを一定の進み角βで傾斜配置すると
ともに、パスラインに対して交叉角γで交叉配置した傾
斜圧延では、圧延出側に進むほどロール径が漸次大き
く、周速度が速くなるため、被圧延材に対してのブレー
キが軽微になり、被圧延材のねじれや、断面内の付加的
な剪断歪の発生を抑制することが可能となるからであ
る。
【0007】例えば特公平3-77005 には図10、図11
に示すような交叉角を 2°〜35°とし、ロールの輪郭線
を円錐状進入部分と回転双曲面部分とから構成すること
を特徴とする径拡大圧延機が提案されている。この方法
によれば、本来必要となる中間加熱工程が不要となり、
薄肉の大径鋼管を安価に製造することができるとしてい
る。
【0008】一方、特公平5-38647 には、図12に示す
ような円錐台状の縮径部、拡径部、及びサイジング部を
有する2個以上のロールとリーリング部を備えたプラグ
とを少なくとも具備した交叉型傾斜圧延機で、拡管部の
ロール面角α2 をα2 > 5°に、またサイジング部のロ
ール面角α3 をα3 <α2 とし、かつ 0°≦α3 ≦10°
となるように設定するとともに、プラグのリーリング部
をサイジングロール面と対向配置させ、そのリーリング
面角をサイジング部ロール面角α3 に略一致せしめて拡
管穿孔圧延、或いは拡管圧延を行なうことが提案されて
いる。この方法によれば、プラグのリーリング部を長く
設定することが可能となり、然も尻抜け性を向上せしめ
得る結果、偏肉及び外径変動の発生を抑制することがで
きるとしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、本発明者
の鋭意研究の結果、コーン型ロールを用いることによっ
てバレル型のロールを用いた時に比較して高拡管が可能
となるものの、単に交叉角を付与したコーン型ロールを
用いただけでは、自ら拡管できる範囲に限りがあり、あ
る限界を超えると素管の噛込み不良、尻抜け不良を起こ
したり、フレアリングを生じてホローが破れたりする問
題が残っていた。
【0010】前述の特公平3-77005 では『ロールの輪郭
線を円錐状進入部分と回転双曲面部分とにすることによ
り、ロールのうず巻線は中空体円錐部の形状に無理なく
一致し、その軸線は径拡大用芯金の円錐部の軸線と一致
する。』とだけあり、ロールの輪郭線を円錐状進入部分
と回転双曲面部分とにすることにより具体的にどのよう
な効果が得られるのか不明であり、まして素管の噛込み
不良、尻抜け不良、フレアリングによるホローの破れを
防止する効果があるかどうかは明確ではない。
【0011】一方、特公平 5-38647では『ロールのサイ
ジング部にプラグのリーリング部を対向せしめてあるか
ら、圧延ロールの拡径部全域において積極的に肉厚圧下
を行なうことが可能となり、被圧延材に対する推進力を
高め得て尻詰まり(尻抜け不良)がなく、またリーリン
グ長さを大きく設定し得て偏肉を改善できるばかりか外
径変動をも抑制し得て管品質の大幅な向上を図り得
る。』としているが、尻抜け不良防止に対しては一定の
効果が認められるものの、噛込み不良、フレアリングに
よるホローの破れ防止に対しては効果が認められない。
【0012】即ち、特公平 5-38647の如くの「ロールの
サイジング部にプラグのリーリング部を対向せしめたも
の」では、プラグのリーリング部で被圧延材の肉厚圧下
が行なわれず、被圧延材を前進させるための推力もほと
んど付与されない。従って、プラグのリーリング部より
圧延入側での圧下パターンを適切に設定しないと、被圧
延材に十分な引抜き力(推力)を付与できず、尻抜け不
良を起こすことがある。
【0013】また、特公平 5-38647の如くの「ロールの
サイジング部にプラグのリーリング部を対向せしめたも
の」では、プラグが長くなるので、被圧延材の前進に対
するプラグの抗力が増大し、素管先端がリーリング部を
抜け切れず、噛込み不良を生じ易い。
【0014】また、傾斜圧延機において、高拡管を図る
ため、交差角γ、進み角βを大とすると、圧延ロールと
被圧延材との接触面積が小となる。このとき、高拡管圧
延工程は、継目無管の全圧延工程のうち製品管に近い素
管を圧延する後段圧延工程であり、圧延ロールに深いナ
ーリング加工を施すことは、製品管に表面疵を残すべき
でないことから採用できない。このため、高拡管圧延で
は、被圧延材とロールとの間に滑りを生じ易く、結果と
して、圧延ロールが被圧延材に及ぼす引込み力が不十分
となって噛込み不良を生じ易く、また引抜き力が不十分
となって尻抜け不良を生じ易い。
【0015】従って、交差角を付与したコーン型ロール
を用いた傾斜圧延機による高拡管圧延を実施する際に、
噛込み不良、尻抜け不良、フレアリングによるホローの
破れを防止することが望まれていた。
【0016】本発明は、被圧延材の噛込み不良、尻抜け
不良、フレアリングによるホロー破れを回避し、歩留、
生産性を阻害することなく高拡管圧延可能とすることを
目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、一対のコーン型圧延ロールをパスラインに対して一
定の進み角βで傾斜配置するとともに、パスラインに対
して入側面角α1 と出側面角α2 とを有するようにパス
ラインに対して交叉角γで交叉配置し、一対のコーン型
圧延ロール間のパスライン上にプラグを配置してなる拡
管圧延機を用いて、中空素管を高拡管するに当たり、被
圧延材がプラグに接触開始する最先圧延開始点での入側
中空素管肉厚をti 、被圧延材がプラグのリーリング部
に到達する圧延終了点での出側管肉厚をto 、被圧延材
の全肉厚圧下量をΔt(=ti −to )、被圧延材のロ
ールゴージ部でのゴージ部肉厚をtg 、被圧延材がロー
ルゴージ部までに圧下されるゴージ部までの肉厚圧下量
をΔtg (=ti −tg )とするとき、ゴージ部までの
肉厚圧下量Δtg と全肉厚圧下量Δtとが下記(1)式と
なるように圧下することにより中空素管の噛込み不良を
防止するものである。 0.15Δt≦Δtg …(1)
【0018】請求項2に記載の本発明は、一対のコーン
型圧延ロールをパスラインに対して一定の進み角βで傾
斜配置するとともに、パスラインに対して入側面角α1
と出側面角α2 とを有するようにパスラインに対して交
叉角γで交叉配置し、一対のコーン型圧延ロール間のパ
スライン上にプラグを配置してなる拡管圧延機を用い
て、中空素管を高拡管するに当たり、被圧延材がプラグ
に接触開始する最先圧延開始点での入側中空素管肉厚を
i 、被圧延材がプラグのリーリング部に到達する圧延
終了点での出側管肉厚をto 、被圧延材の全肉厚圧下量
をΔt(=ti −to )、被圧延材のロールゴージ部で
のゴージ部肉厚をtg 、被圧延材がロールゴージ部まで
に圧下されるゴージ部までの肉厚圧下量をΔtg (=t
i −tg )とするとき、ゴージ部までの肉厚圧下量Δt
g と全肉厚圧下量Δtとが下記(2)式となるように圧下
することにより中空素管の尻抜け不良を防止するもので
ある。 Δtg ≦0.7 Δt …(2)
【0019】請求項3に記載の本発明は、一対のコーン
型圧延ロールをパスラインに対して一定の進み角βで傾
斜配置するとともに、パスラインに対して入側面角α1
と出側面角α2 とを有するようにパスラインに対して交
叉角γで交叉配置し、一対のコーン型圧延ロール間のパ
スライン上にプラグを配置してなる拡管圧延機を用い
て、中空素管を高拡管するに当たり、被圧延材がプラグ
に接触開始する最先圧延開始点での入側中空素管肉厚を
i 、被圧延材がプラグのリーリング部に到達する圧延
終了点での出側管肉厚をto 、被圧延材の全肉厚圧下量
をΔt(=ti −to )、被圧延材のロールゴージ部で
のゴージ部肉厚をtg 、被圧延材がロールゴージ部まで
に圧下されるゴージ部までの肉厚圧下量をΔtg (=t
i −tg )とするとき、ゴージ部までの肉厚圧下量Δt
g と全肉厚圧下量Δtとが下記(3)式となるように圧下
することにより中空素管の噛込み不良と尻抜け不良を防
止するものである。 0.15Δt≦Δtg ≦ 0.7Δt …(3)
【0020】請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3
のそれぞれにおいて、 5°≦β≦25°、10°≦γ≦40
°、20°≦β+γ≦50°となるようにしたものである。
【0021】請求項5に記載の本発明は、請求項1〜4
のそれぞれにおいて、ロールゴージ部の出側とプラグリ
ーリング部の手前との間にある被圧延材と、圧延ロール
との間に増摩剤を供給しながら圧延するようにしたもの
である。
【0022】
【作用】拡管圧延機では、コーン型ロールを一定の進み
角βで傾斜配置するとともに、パスラインに対して交叉
角γで交叉配置することにより、圧延出側に進むほどロ
ール径が暫時大きく、周速度が速くなる結果、ロールが
被圧延材に及ぼすブレーキがなくなる。このため、拡管
圧延機による傾斜圧延では、ロールが被圧延材に及ぼす
ブレーキ起因の、被圧延材のねじれや、断面内の付加的
な剪断歪の発生が軽微で、素管の噛込み不良、尻抜け不
良、フレアリングによるホロー破れを伴うことなく、中
空素管を高拡管できる。
【0023】然るに、本発明者らは、交叉配置したコー
ン型ロールによって中空素管を高拡管圧延する際の被圧
延材の噛込み不良、尻抜け不良、フレアリングによるホ
ローの破れの発生状態を詳細に検討した結果、下記(A)
ロール配置及びロール形状の好適値、(B) 肉厚圧下量の
好適値、(C) 増摩剤の適用効果を見出した。
【0024】(A) ロール配置及びロール形状の好適値 一対のコーン型圧延ロールをパスラインに対して一定の
進み角βで傾斜配置するとともに、パスラインに対して
入側面角α1 と出側面角α2 とを有するようにパスライ
ンに対して交叉角γで交叉配置し、中空素管を高拡管す
るに当たり、β、γ、β+γを以下の範囲に設定し、5
°≦β≦25°、10°≦γ≦40°、20°≦β+γ≦50°か
つα1 、α2 を以下の範囲に設定するとともに、0.5 °
≦α1 ≦5 °、3 °≦α2 ≦10°、α1 ≦α2 、更に、
減肉率Rt と拡管率Er との間に1 ≦Er /Rt ≦3 、
但し Rt =(ti-to )/ti 、Er =(Do-Di
/Di 、ti :入側中空素管肉厚、Di :入側中空素管
外径、to :出側管肉厚、Do :出側管外径なる関係を
満足させることにより、噛込み不良、尻抜け不良、フレ
アリングによるホローの破れの発生を著しく防止し、高
拡管圧延することができることを見出した。
【0025】即ち、図1〜図3に示すようなコーン型ロ
ールのゴ−ジ部直径DR が700mm 、ロールバレル長さL
R が600mm 、入側端からゴージ部までのロール長さL1
が250mm 、入側面角α1 が 3°、出側面角α2 が 5°、
交叉角γが20°、進み角βが15°の傾斜圧延機で、直径
H が80〜120mm 、肉厚tH が15〜40mmの中空素管を被
圧延材としてロール間隙Eとプラグ先進量Lとを種々変
更して減肉率Rt 、拡管率Er を変化させて拡管圧延
し、噛込み不良、フレアリングによるホロー破れの発生
状況を調査した。横軸にRt 、縦軸にEr をとり整理し
た結果を図13に示す。
【0026】図より明らかなように、一対のコーン型圧
延ロールを一定の進み角βで傾斜配置するとともに、γ
で交叉配置する管の傾斜圧延方法において、減肉率Rt
と拡管率Er を1 ≦Er /Rt ≦3 の間の範囲に選ぶこ
とにより、噛込み不良、尻抜け不良、フレアリングによ
るホロー破れを回避することができ、圧延設定の自由度
を高めることが可能となる。
【0027】本発明において、5 °≦β≦25°、10°≦
γ≦40°、20°≦β+γ≦50°とするのは以下の理由に
よる。一定範囲内では、進み角β、交叉角γ、及びその
和β+γが大きくなるほど被圧延材のねじれや、断面内
の付加的な剪断歪を小さくさせることが可能となり、フ
レアリングによるホロー破れ防止に対して効果がある。
然しながら、β<5 °、又はγ<10°、又はβ+γ<20
°ではその効果が十分でなく、フレアリングによるホロ
ー破れが発生し易くなる。従って、βの下限は5 °、γ
の下限は10°、β+γの下限は20°とする。一方、β>
25°、又はγ>40°又はβ+γ>50°では、被圧延材の
ねじれが逆向きに大きくなり、断面内の付加的な剪断歪
も逆方向へ発生するため、かえってフレアリングによる
ホロー破れが発生し易くなる。従って、βは25°、γは
40°、β+γは50°を超えないものとする。
【0028】0.5 °≦α1 ≦5 °とするのは以下の理由
による。入側面角α1 は被圧延材の噛込み性に重要な影
響を与える。α1 が 5°を超えると噛込み時に被圧延材
が急激に圧下され、変形に要する圧延ロールからの抗力
が圧延ロールから伝達される前進方向の推力を上回るた
め、噛込み不良が起こり易くなる。従って、α1 は 5°
を超えないものとする。一方、α1 が小さくなりすぎる
と、前進方向の推力に必要な被圧延材の外径圧下量を得
ようとするためには入側のロールバレルをかなり長くす
る必要があるため、設備建設費が高くなり実用的でなく
なる。従って、α1 の下限は0.5 °とする。
【0029】3 °≦α2 ≦10°とするのは以下の理由に
よる。出側面角α2 が大きいほど、拡管量に対して必要
な出側のロールバレルを短くすることができ、設備を小
型化することが可能であるが、あまり大きすぎるとかえ
ってフレアリングによるホロー破れが発生し易くなる。
従って、α2 は10°を超えないものとする。一方、α2
が小さすぎると所定の拡管量を得ようとするためには出
側のロールバレルをかなり長くする必要があるため、設
備建設費が高くなり実用的でなくなる。従って、α2
下限は 3°とする。
【0030】α1 ≦α2 とするのは以下の理由による。
出側面角α2 が入側面角α1 よりも小さくなると、所定
の拡管量を得ようとするためには出側面角α2 が入側面
角α1 よりも大きい場合と比較してロールバレル長が相
対的に長くなる。従って、α1 はα2 を超えないものと
する。
【0031】(B) 肉厚圧下量の好適値 一対のコーン型圧延ロールをパスラインに対して一定の
進み角βで傾斜配置するとともに、パスラインに対して
入側面角α1 と出側面角α2 とを有するようにパスライ
ンに対して交叉角γで交叉配置し、一対のコーン型圧延
ロール間のパスライン上にプラグを配置してなる拡管圧
延機を用いて、中空素管を高拡管するに当たり、被圧延
材がプラグに接触開始する最先圧延開始点での入側中空
素管肉厚をti 、被圧延材がプラグのリーリング部に到
達する圧延終了点での出側管肉厚をto 、被圧延材の全
肉厚圧下量をΔt(=ti −to )、被圧延材のロール
ゴージ部でのゴージ部肉厚をtg 、被圧延材がロールゴ
ージ部までに圧下されるゴージ部までの肉厚圧下量をΔ
g (=ti −tg )とするとき、ゴージ部までの肉厚
圧下量Δtg と全肉厚圧下量Δtとが、素管の噛込み不
良、尻抜け不良に及ぼす影響を調査した(図5)。
【0032】ここで、上述の「最先圧延開始点」、「圧
延終了点」について説明すれば、以下の通りである。即
ち、管の圧延は、図18に示す如く、一対(例えばパス
ライン回りに 180度離れた上下一対)の傾斜圧延ロール
により螺旋回転送りされる被圧延材を、圧延ロールとプ
ラグとの間で圧延するものである。このため、被圧延材
のある部分についてみると、パスライン方向のいずれか
の位置でプラグに接触開始して圧延開始されてから、 1
80度螺旋回転する毎に断続的に圧下され、圧延ロールと
の間隔をパスライン方向の一定範囲で一定とするプラグ
のリリーング部(L〜B)に到達して圧延終了となる。
そして、本発明では、被圧延材の各部がプラグに接触開
始して圧延開始に至る点のうち、パスライン方向の最先
に位置するものを最先圧延開始点とした。また、被圧延
材がリリーング部に到達する点を圧延終了点とした。
【0033】この結果、全肉厚圧下量Δtに対するゴー
ジ部までの肉厚圧下量Δtg の比率の大小により、被圧
延材の圧延状態は、図4に示す如く、噛込み不良、圧延
可能、尻抜け不良のいずれかとなることを認めた。この
図4によれば、(a) 全肉厚圧下量Δtに対するゴージ部
までの肉厚圧下量Δtg の比率が過小であると、圧延入
側で被圧延材に付与される引き込み力が不足して噛込み
不良を生じ、(b) 全肉厚圧下量Δtに対するゴージ部ま
での肉厚圧下量Δtg の比率が過大であると、圧延出側
で被圧延材に付与される引き抜き力が不足して尻抜け不
良を生ずるものとなることが認められる。尚、図5にお
いて、I はプラグのロールゴージ部により圧延入側部と
ロールとによるゴージ前圧下領域、IIはプラグのロール
ゴージ部より圧延出側部とロールとによるゴージ後圧下
領域、III はプラグのリーリング部とロールとによるリ
ーリング領域である。
【0034】即ち、下記〜が成立する。 肉厚圧下量が下記(1) 式を満たすとき、素管の噛込み
不良を防止できる。このとき、被圧延材の尻抜け性は、
被圧延材を圧延領域から引き抜く引き抜き装置を用いる
ことにより確保できる。 0.15Δt≦Δtg …(1)
【0035】肉厚圧下量が下記(2) 式を満たすとき、
素管の尻抜け不良を防止できる。このとき、被圧延材の
噛込み性は、被圧延材を圧延領域に押込むプッシャを用
いることにより確保できる。 Δtg ≦0.7 Δt …(2)
【0036】肉厚圧下量が下記(3) 式を満たすとき、
素管の噛込み不良と尻抜け不良の両方を防止できる。 0.15Δt≦Δtg ≦ 0.7Δt …(3)
【0037】尚、上記〜は、拡管率Er が15%以上
であるとき、特に有効である。尚、本発明の効果は、圧
延ロールとともに用いるシューの形式にはよらず、従っ
て、ディスクロールシュー、固定シュー、ローラーシュ
ーのいずれを用いても良い。
【0038】(C) 増摩剤の適用効果 一対のコーン型圧延ロールをパスラインに対して一定の
進み角βで傾斜配置するとともに、パスラインに対して
入側面角α1 と出側面角α2 とを有するようにパスライ
ンに対して交叉角γで交叉配置し、一対のコーン型圧延
ロール間のパスライン上にプラグを配置してなる拡管圧
延機を用いて、中空素管を高拡管するに当たり、ロール
ゴージ部の出側とプラグリーリング部の手前との間にあ
る被圧延材と、圧延ロールとの間に増摩剤を供給しなが
ら圧延することにより、被圧延材とロールとの間の滑り
の指標である圧延効率を向上し、噛込み不良、尻抜け不
良を防止し、高拡管圧延することができることを見出し
た。
【0039】即ち、図14(A)に示す如く、拡管圧延
機における上下の圧延ロール31A、31Bの側方のう
ち、各圧延ロール31A、31Bが被圧延材をその周方
向で噛入れる部分に対面する位置に、増摩剤圧送ノズル
35、35を配置し、この圧送ノズル35、35から被
圧延材と圧延ロール31A、31Aとの間に増摩剤を供
給した。
【0040】このとき、パスライン方向での増摩剤供給
位置は、図14(B)に示す如く、圧延ロール31A、
31Bのゴージ部の出側とプラグ34のリーリング部の
手前との間(図5のゴージ後圧下領域II)である。図5
のゴージ前圧下領域I では素管の肉厚圧下量が少ないた
めに圧延ロール31A、31Bが被圧延材に付与する圧
下力が小さく増摩剤の適用効果が小さく、図5のリーリ
ング領域III では素管の肉厚圧下がほとんど行なわれな
いために同じく増摩剤の適用効果が小さい。これに対
し、ゴージ後圧下領域IIでは、素管の肉厚圧下量が大き
く、圧延ロール31A、31Bが被圧延材に付与する圧
下力が大きく増摩剤の適用による滑り防止効果が大きい
ものとなる。
【0041】即ち、拡管圧延機で上述の増摩剤を適用し
なかった場合には、圧延効率が図15に示す如くに低
く、被圧延材とロールとの間に生ずる滑り量が大であ
り、噛み込み不良と尻抜け不良の発生度数も大であるこ
とを認めた。
【0042】これに対し、拡管圧延機で上述の増摩剤を
適用した場合には、圧延効率が図16、図17に示す如
くに高く、被圧延材とロールとの間に生ずる滑り量が小
となり、噛込み不良と尻抜け不良の発生度数も小となる
ことを認めた。図16は、炭化ケイ素、タングステンカ
ーバイド、アルミナ、酸化ケイ素、酸化鉄、立方晶窒化
ホウ素、ニオブカーボナイトライドの各粉体を含有した
増摩剤を用いたときの、粉体粒径と圧延効率との関係を
示したもの、図17は炭化ケイ素含有の増摩剤におい
て、その含有量を変化させたときの、炭化ケイ素粒径と
圧延効率との関係を示したものである。
【0043】図15〜図17は、炭素鋼管 100本の圧延
結果である。尚、ロール表面と被圧延材の接触面内のよ
うな高温かつ高圧下で増摩作用を発揮し得るために、本
発明に用いる増摩剤中に含有させる粉粒体としては、鉄
粉等の金属粉粒体、タングステンカーバイド、チタンカ
ーバイド、ニオブカーバイド等の金属炭化物、アルミ
ナ、ジルコニア等の金属酸化物、立方晶系窒化硼素、チ
タンナイトライド等の金属窒化物、ニオブカーボナイト
ライド等の金属炭窒化物、炭化けい素、酸化けい素等の
けい素化合物のような高硬度物質の粉粒体が適してい
る。これらの粉粒体を高分子ポリマとともに水に分散さ
せて、増摩剤とする。増摩剤のスプレー噴射による安定
供給を図り、本発明の効果を達成させるためには、粉粒
体としては、造粒、分粒、細粒等によって、平均 5μm
〜 500μm にされた粉粒体を用い、これを増摩剤中に 5
〜50重量%含有させることが好ましい。
【0044】高分子ポリマとしてはザンサンカム、カル
ボキシメチルセルロース、デンプンリン酸エステルアン
モニウム、アルギン酸ソーダ等の天然高分子ポリマやポ
リビニルピロリドン、架橋型アクリル樹脂、ポリエチレ
ンオキサイド等の合成高分子ポリマから選ばれた 1種又
はこれらの 2種以上の混合物を用いる。尚、高分子ポリ
マとしてザンサンガム等を用いる理由は、これらの高分
子ポリマの増粘効果によってロール表面に対して良好な
付着性能を付与することができる点や、これらの高分子
ポリマが炭化けい素等の粉粒体に対して親和性を持つた
め粉粒体を水中に均一分散させることができるからであ
る。また、これらの高分子ポリマのうちザンサンガム、
架橋型アクリル樹脂、カルボキシメチルセルロースの 3
種が入手容易で、かつ安価であり、好ましい。スプレー
噴射による増摩剤の安定供給を考慮すると、これら高分
子ポリマの増摩剤中への添加量をいずれも0.1 〜20.0重
量%の範囲内にすることが好ましい。
【0045】また、増摩剤は水溶性とするのが良い。油
性にしないのは、油分によるロール表面と被圧延材との
滑りの増加効果を排除するためである。スプレー噴射に
よる増摩剤の安定供給を考慮すると、本発明の効果を達
成させるには、増摩剤の供給量を0.1 〜20kgw/min-roll
の範囲内にすることが好ましい。
【0046】
【実施例】図1は本発明に係る傾斜圧延機を示す平面
図、図2は図1の側面図、図3は図1の圧延方向から見
た正面図である。
【0047】図1〜図3では、ゴージ部の直径がDR
ある一対のコーン型圧延ロール31A、31Bをパスラ
インに対して一定の進み角βで傾斜配置するとともに、
入側面角α1 と出側面角α2 とを有するようにパスライ
ンに対して交叉角γで交叉配置し、上記両圧延ロール3
1A、31Bが形成する圧延領域の両側に固定シュー3
3A、33Bを配置した。尚、圧延ロール31A、31
Bは直径DR の部分をロール軸方向での直径変化の変曲
点とし、この直径DR をゴージ部に合致させている。そ
して、両圧延ロール31A、31Bの間にプラグ34を
配置し、両圧延ロール31A、31Bのゴージ部ロール
間隙Eで中空素管32Aを傾斜圧延し、拡管圧延後中空
素管32Bを得た。
【0048】このとき、本発明例では、5 °≦β≦25
°、10°≦γ≦40°、20°≦β+γ≦50°、0.5 °≦α
1 ≦5 °、3 °≦α2 ≦10°、α1 ≦α2 とした。ま
た、減肉率Rt と拡管率Er とを、1 ≦Er /Rt ≦3
とした。
【0049】以下、本実施例の作用効果について説明す
る。即ち、図1に示すコーン型圧延ロールのゴージ部直
径DR が700mm の傾斜圧延機で、交叉角γ、進み角β、
入側面角α1 、出側面角α2 を表1に示すように変更
し、更に直径DH が80〜120mm、肉厚tH が15〜40mmの
中空素管を被圧延材としてロール間隙Eとプラグ先進量
Lとを種々変更して減肉率Rt 、拡管率Er を変化させ
て拡管圧延した。そのときの噛込み不良、尻抜け不良、
フレアリングによるホロー破れの発生状況の有無を合わ
せて表1に示す。
【0050】比較例ではいずれも噛込み不良、尻抜け不
良、フレアリングによるホロー破れが発生する条件であ
っても、本方法によれば、噛込み不良、尻抜け不良、フ
レアリングによるホロー破れが全く発生しなかった。
【0051】
【表1】
【0052】更に、被圧延材に加える肉厚圧下量を下記
(4) 式の通りとし、多様な拡管率E r の圧延のそれぞれ
において、下記(4) 式の係数値nを異ならせた。 nΔt=Δtg …(4)
【0053】その結果、β= 5°、γ= 0°とすると
き、図6に示す如く、炭素鋼、SUS304のいずれの鋼種に
おいても、0.15≦n≦0.7 で圧延可能、0.15>nで噛込
み不良、n>0.7 で尻抜け不良となることを認めた。
【0054】また、β= 5°、γ=40°とするとき、図
7に示す如く、炭素鋼、SUS304のいずれの鋼種において
も、0.15≦n≦0.7 で圧延可能、0.15>nで噛込み不
良、n>0.7 で尻抜け不良となることを認めた。
【0055】またβ=25°、γ=40°とするとき、図8
に示す如く、炭素鋼、SUS304のいずれの鋼種において
も、0.15≦n≦0.7 で圧延可能、0.15>nで噛込み不
良、n>0.7 で尻抜け不良となることを認めた。
【0056】また、炭素鋼 100本の圧延に際し、本発明
の増摩剤供給圧延を実施した。増摩剤は、SiC( 5μ
m )を10%、ザンサンガムを 1%、残部を水とし、その
供給量は 0.1kgw/min-rollとした。
【0057】その結果、本発明方法と、増摩剤を供給し
ない従来方法のそれぞれについて、表2の如くの噛込み
不良率、尻抜け不良率、製品圧延効率を得た。本発明方
法の実施により、圧延効率を格段に向上し、噛込み不良
率の発生、尻抜け不良率の発生を皆無にできることを認
めた。
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、被圧延材
の噛込み不良、尻抜け不良、フレアリングによるホロー
破れを回避し、歩留、生産性を阻害することなく高拡管
圧延することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る傾斜圧延機を示す平面図で
ある。
【図2】図2は図1の側面図である。
【図3】図3は図1の圧延方向から見た正面図である。
【図4】図4は全肉厚圧下量Δtに対するゴージ部まで
の肉厚圧下量Δtg の比率の大小が被圧延材の噛込み不
良、尻抜け不良に及ぼす影響を示す線図である。
【図5】図5はロールとプラグによる圧下状態を示す模
式図である。
【図6】図6は肉厚圧下量が噛込み性、尻抜け性に及ぼ
す影響を示す線図である。
【図7】図7は肉厚圧下量が噛込み性、尻抜け性に及ぼ
す影響を示す他の線図である。
【図8】図8は肉厚圧下量が噛込み性、尻抜け性に及ぼ
す影響を示す他の線図である。
【図9】図9は従来のプラグミル方式による圧延ライン
の各圧延工程出側における被圧延材の外径の変化の一例
を示す線図である。
【図10】図10は従来の傾斜圧延機を示す模式図であ
る。
【図11】図11は図10の圧延ロールを示す模式図で
ある。
【図12】図12は従来の他の傾斜圧延機を示す模式図
である。
【図13】図13は減肉率と拡管率を変化させて拡管圧
延したときの噛込み不良、尻抜け不良、フレアリングに
よるホロー破れの発生状況を示す線図である。
【図14】図14は増摩剤供給圧延方法を示す模式図で
ある。
【図15】図15は増摩剤を供給しない従来方法での圧
延効率と圧延不良発生率を示す線図である。
【図16】図16は種々の粉体を含有した増摩剤供給圧
延における圧延効率を示す線図である。
【図17】図17は炭化けい素含有の増摩剤供給圧延に
おける圧延効率を示す線図である。
【図18】図18は管圧延の被圧延材移動状態を示す模
式図である。
【符号の説明】
31A、31B 圧延ロール 32A、32B 中空素管 33A、33B 固定シュー 34 プラグ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のコーン型圧延ロールをパスライン
    に対して一定の進み角βで傾斜配置するとともに、パス
    ラインに対して入側面角α1 と出側面角α2とを有する
    ようにパスラインに対して交叉角γで交叉配置し、一対
    のコーン型圧延ロール間のパスライン上にプラグを配置
    してなる拡管圧延機を用いて、中空素管を高拡管するに
    当たり、 被圧延材がプラグに接触開始する最先圧延開始点での入
    側中空素管肉厚をti、被圧延材がプラグのリーリング
    部に到達する圧延終了点での出側管肉厚をto、被圧延
    材の全肉厚圧下量をΔt(=ti −to )、被圧延材の
    ロールゴージ部でのゴージ部肉厚をtg 、被圧延材がロ
    ールゴージ部までに圧下されるゴージ部までの肉厚圧下
    量をΔtg (=ti −tg )とするとき、 ゴージ部までの肉厚圧下量Δtg と全肉厚圧下量Δtと
    が下記(1) 式となるように圧下することにより中空素管
    の噛込み不良を防止することを特徴とする継目無管の高
    拡管圧延方法。 0.15Δt≦Δtg …(1)
  2. 【請求項2】 一対のコーン型圧延ロールをパスライン
    に対して一定の進み角βで傾斜配置するとともに、パス
    ラインに対して入側面角α1 と出側面角α2とを有する
    ようにパスラインに対して交叉角γで交叉配置し、一対
    のコーン型圧延ロール間のパスライン上にプラグを配置
    してなる拡管圧延機を用いて、中空素管を高拡管するに
    当たり、 被圧延材がプラグに接触開始する最先圧延開始点での入
    側中空素管肉厚をti、被圧延材がプラグのリーリング
    部に到達する圧延終了点での出側管肉厚をto、被圧延
    材の全肉厚圧下量をΔt(=ti −to )、被圧延材の
    ロールゴージ部でのゴージ部肉厚をtg 、被圧延材がロ
    ールゴージ部までに圧下されるゴージ部までの肉厚圧下
    量をΔtg (=ti −tg )とするとき、 ゴージ部までの肉厚圧下量Δtg と全肉厚圧下量Δtと
    が下記(2) 式となるように圧下することにより中空素管
    の尻抜け不良を防止することを特徴とする継目無管の高
    拡管圧延方法。 Δtg ≦0.7 Δt …(2)
  3. 【請求項3】 一対のコーン型圧延ロールをパスライン
    に対して一定の進み角βで傾斜配置するとともに、パス
    ラインに対して入側面角α1 と出側面角α2とを有する
    ようにパスラインに対して交叉角γで交叉配置し、一対
    のコーン型圧延ロール間のパスライン上にプラグを配置
    してなる拡管圧延機を用いて、中空素管を高拡管するに
    当たり、 被圧延材がプラグに接触開始する最先圧延開始点での入
    側中空素管肉厚をti、被圧延材がプラグのリーリング
    部に到達する圧延終了点での出側管肉厚をto、被圧延
    材の全肉厚圧下量をΔt(=ti −to )、被圧延材の
    ロールゴージ部でのゴージ部肉厚をtg 、被圧延材がロ
    ールゴージ部までに圧下されるゴージ部までの肉厚圧下
    量をΔtg (=ti −tg )とするとき、 ゴージ部までの肉厚圧下量Δtg と全肉厚圧下量Δtと
    が下記(3) 式となるように圧下することにより中空素管
    の噛込み不良と尻抜け不良を防止することを特徴とする
    継目無管の高拡管圧延方法。 0.15Δt≦Δtg ≦ 0.7Δt …(3)
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のそれぞれにおいて、 5°
    ≦β≦25°、10°≦γ≦40°、20°≦β+γ≦50°とす
    る継目無管の高拡管圧延方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のそれぞれにおいて、ロー
    ルゴージ部の出側とプラグリーリング部の手前との間に
    ある被圧延材と、圧延ロールとの間に増摩剤を供給しな
    がら圧延することを特徴とする継目無管の高拡管圧延方
    法。
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