JPH07303690A - 救急絆創膏用フィルム - Google Patents

救急絆創膏用フィルム

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JPH07303690A
JPH07303690A JP6100975A JP10097594A JPH07303690A JP H07303690 A JPH07303690 A JP H07303690A JP 6100975 A JP6100975 A JP 6100975A JP 10097594 A JP10097594 A JP 10097594A JP H07303690 A JPH07303690 A JP H07303690A
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JP
Japan
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film
ethylene
phase
polyolefin resin
aid
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JP6100975A
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English (en)
Inventor
Hironori Tabata
博則 田畑
Hideshi Matsumoto
英志 松本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 伸縮性や自己回復性に優れた救急絆創膏用軟
質フィルムを提供する。 【構成】 以下の(A)、(B)、および(C)の3相
を含有するポリオレフィン系樹脂から形成される軟質フ
ィルム。(A)はホモポリプロピレンおよびエチレン成
分を7重量%未満含有するランダムポリプロピレンから
なる群から選択される少なくとも一種を含有する海相で
ある。(B)はエチレン−プロピレン共重合体およびエ
チレン−α−オレフィン共重合体からなる群から選択さ
れる少なくとも一種を含有する島相である。(C)はエ
チレン−プロピレン共重合体およびエチレン−α−オレ
フィン共重合体からなる群から選択される少なくとも一
種を含有し、(A)相と相互に貫入する構造を有する貫
入相である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は救急絆創膏用フィルムに
関し、詳細には、特定のモルフォロジーを形成する特定
のポリオレフィン系樹脂を用いた救急絆創膏用フィルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に絆創膏、特に救急絆創膏は、フィ
ルム層の表面に粘着剤を塗布し、さらにその上にガーゼ
などを貼着して、所定寸法に打ち抜いた後、その表裏両
面に個別包装紙を重ね、さらに所定寸法に裁断して得ら
れる。
【0003】このような救急絆創膏に使用されるフィル
ムとしては、その価格や使いやすさから、一般に、カレ
ンダー法やゾルキャスト法により得られた、可塑化ポリ
塩化ビニル(以下可塑化PVCと言う)を主成分とする
ものが、多く使用されてきた。しかし、近年、環境問題
の観点から、塩素を含有するPVCの使用の是非があら
ゆる分野で論議されている。
【0004】このため、最近、可塑化PVCに代わる材
料としてポリオレフィン系樹脂の開発が積極的に行われ
ている。このようなポリオレフィン系樹脂としては、例
えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
ポリブタジエン、エチレン−プロピレン共重合体などを
使用したフィルムが挙げられる。救急絆創膏用フィルム
としては、特開昭62−82967号公報で、エチレン
−プロピレンゴムまたはエチレン−プロピレン−ジエン
三元共重合体などの炭化水素系エラストマーと、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン配合物か
らなるフィルムが開示されている。
【0005】しかし、上記のような樹脂およびフィルム
では、救急絆創膏に要求される貼付時の伸縮性や変形回
復率が充分ではない。そのため、貼付された絆創膏が、
すぐ緩んだり、破れたりして、実際の使用には適さない
ことが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の欠
点を克服するものであり、特定のモルフォロジーを形成
する特定のポリオレフィン系樹脂を用いることによっ
て、伸縮性や自己回復性に優れ、従来の可塑化PVCフ
ィルムの代替となるフィルムを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、以下の(A)、(B)、および(C)の3相を含有
するポリオレフィン系樹脂からなり、架橋反応による残
存ゲル重量分率が10〜70%の範囲にあることを特徴
とする救急絆創膏用フィルム:
【0008】(A)ホモポリプロピレン(Aa)および
エチレン成分を7重量%未満含有するランダムポリプロ
ピレン(Ab)からなる群から選択される少なくとも一
種を含有する海相であって、該(Aa)および該(A
b)の重量平均分子量がいずれも50,000〜90
0,000である海相; (B)エチレン−プロピレン共重合体およびエチレン−
α−オレフィン共重合体からなる群から選択される少な
くとも一種(Ba)を含有する島相であって、該(B
a)の重量平均分子量が70,000〜750,000
である、島相; (C)エチレン−プロピレン共重合体およびエチレン−
α−オレフィン共重合体からなる群から選択される少な
くとも一種(Ca)を含有し、該(A)相と相互に貫入
する構造を有する貫入相であって、該(Ca)の重量平
均分子量が70,000〜750,000である、貫入
相。 を要旨とするものである。
【0009】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
(A)、(B)、および(C)の3相を含有するポリオ
レフィン系樹脂からなり、ドラフト比5〜30、フロス
トライン高さが金型径の1〜7倍の範囲にある条件でイ
ンフレーション法により成形されていることを特徴とす
る救急絆創膏用フィルム。を要旨とするものである。
【0010】請求項3記載の本発明は、請求項1記載の
(A)、(B)、および(C)の3相を含有するポリオ
レフィン系樹脂からなるフィルムであって、該フィルム
がドラフト比5〜50、フロストライン高さが金型径の
1〜7倍の範囲にある条件でインフレーション法により
成形された後、アニール温度70〜150℃の範囲にあ
る条件でアニールされていることを特徴とする救急絆創
膏用フィルム。を要旨とするものであれう。
【0011】本発明救急絆創膏用フィルムを形成するポ
リオレフィン系樹脂のうち、海相(A)に含まれる、ホ
モポリプロピレン(Aa)と、エチレン成分を7重量%
未満含有するランダムポリプロピレン(Ab)とは、そ
の重量平均分子量が各々50,000〜900,000
の範囲であり、好ましくは50,000〜800,00
0である。50,000以下では得られるフィルムの強
度が十分ではなく、900,000以上では伸縮性に劣
る。本発明でいうホモポリプロピレンとは、共重合成分
の全くない、アイソタクティックなポリプロピレンであ
る。
【0012】本発明救急絆創膏用フィルムを形成するポ
リオレフィン系樹脂のうち、エチレン−プロピレン共重
合体およびエチレン−α−オレフィン共重合体からなる
群から選択される少なくとも一種である(Ba)および
(Ca)は、その重量平均分子量がそれぞれ独立して7
0,000〜750,000の範囲であり、好ましく
は、70,000〜700,000である。70,00
0以下では伸縮性に劣り、750,000以上では柔軟
性が不十分である。ここでα−オレフィンとしては、例
えば1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙
げられる。
【0013】本発明の救急絆創膏用フィルムを形成する
ポリオレフィン系樹脂は、前記海相(A)を形成するポ
リオレフィン系樹脂が、全ポリオレフィン系樹脂量の5
重量%〜70重量%の範囲内にあることが好ましく、さ
らに好ましくは、5重量%〜60重量%である。5重量
%以下では得られるフィルムの耐熱性が十分ではなく、
70重量%以上では柔軟性および伸張回復性が不十分で
ある。本発明の島相(B)には上記エチレン−プロピレ
ン共重合体またはエチレン−α−オレフィン共重合体が
1種類以上存在する。
【0014】本発明に於けるモルフォロジーは、四酸化
オスミウムを用いて樹脂を染色した後、透過電子顕微鏡
によって観察し得る。本発明の救急絆創膏用フィルムを
形成するポリオレフィン系樹脂は、以下のようなモルフ
ォロジーを有する。すなわち前記(Aa)および(A
b)からなる群から選択される少なくとも一種を含有す
る海相マトリックス(A)中に、前記(Ba)を含有す
る島相(B)と、前記(Ca)を含有し、該(A)相と
相互に貫入する構造を有する貫入相(C)とが存在す
る。
【0015】上記モルフォロジーでは、貫入相(C)
は、その形状が針状または短冊状で、その幅が0.5μ
m以下であることが望ましく、疑似IPN(Interpenet
rate Network)構造を形成することが好ましい。IPN
構造とは、一般に、特定の相が常に連続相であり、この
連続相がマトリックスとなる相の中に網目状に存在する
構造のことをいうが、本発明でいう疑似IPN構造は、
その特定の相が常に連続であるとは限らず、部分的に切
断された構造をも包含することを示している。
【0016】上記モルフォロジーでは、島相(B)は各
ドメインの平均径が0.01〜3μmの大きさであるこ
とが好ましく、さらに好ましくは、0.015〜2.5
μmである。0.01μm以下では、得られるフィルム
の熱安定性および耐熱性が十分ではなく、3μm以上で
は伸張性に欠ける。
【0017】本発明の救急絆創膏用フィルムを形成する
ポリオレフィン樹脂は、例えば以下のような多段重合法
により製造される。まず、第一段階として、チタン化合
物触媒およびアルミニウム化合物触媒の存在下において
プロピレンモノマーおよび必要に応じてプロピレン以外
のα−オレフィンモノマーを用いて重合を行い、第一の
プロピレン系ポリオレフィンを得る。このポリオレフィ
ンはプロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重
合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体などであり
得る。第二段階として、前記のチタン化合物触媒および
アルミニウム化合物触媒を含有したままで、チタン含有
プロピレン系ポリオレフィンと上記化合物存在下で、オ
レフィンモノマー(例えば、エチレン、プロピレン、ま
たはα−オレフィン)とを共重合させて、第二のポリオ
レフィンを得る。この2段階反応により得られる第二の
ポリオレフィンは、プロピレン−エチレン共重合体、プ
ロピレン−α−オレフィン共重合体、またはエチレン−
α−オレフィン共重合体であり得る。以下同様に目的に
応じて多段階の共重合反応を行い得る。
【0018】この製造方法の特徴は、重合を一段階で終
了するのではなく、二段階以上の多段重合を行うことに
ある。このことにより、複数の種類のモノマーを続けて
重合することが可能となり、通常のポリマーブレンドと
は全く異なる、分子レベルでのブレンドタイプの共重合
体が生成される。通常、ポリマーブレンドの場合、柔軟
性と伸縮性を向上させるには、ブレンドするゴム成分の
分子量を上げるのがひとつの方法である。本発明に於け
るポリオレフィン系樹脂の場合、このゴム成分にあたる
のは上記の2段階以降の反応で生成する成分(エチレン
−α−オレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重
合体)であり、この成分は分子量が高いため、溶融粘度
が高い。このゴム成分は上記の多段重合法を用いること
により、微分散させることができる。しかし、通常の押
出機などを用いたブレンド法では、このように分子量の
高いゴム成分を用いると、溶融粘度が高いため、本発明
に於けるポリオレフィン系樹脂のような微分散モルフォ
ロジーを有する樹脂は作成し得ない。さらに、従来の反
応により得られるポリプロピレン系のブロック共重合体
のような樹脂では、共重合されるエチレン、α−オレフ
ィンなどのブロック成分は、主成分であるプロピレン系
オレフィンに対してその製造プロセス上、約50重量%
程度含有させるのが限界であり、通常その含有量は30
重量%までである。このためポリプロピレン系樹脂にお
いて、可塑化PVCのような柔軟性を実現するのは非常
に困難であった。しかし上記のような方法を用いれば、
前記の共重合成分を約80〜95重量%まで含有させる
ことが可能となり、可塑化PVCと同様な物性を有する
ポリプロピレン系樹脂が得られる。
【0019】このような製造方法としては例えば、特開
平4−224809号公報に記載の方法がある。この方
法ではチタン化合物としては、例えば三塩化チタンと塩
化マグネシウムとを共粉砕し、これをオルトチタン酸n
−ブチル、2−エチル−1−ヘキサノール、p−トルイ
ル酸エチル、四塩化ケイ素、フタル酸ジイソブチルなど
で処理して得られる、平均粒子径15μmの球状固体チ
タン触媒が用いられている。この方法ではさらに重合槽
に電子供与体としてケイ素化合物、特にジフェニルジメ
トキシシランを添加し、さらにヨウ化エチルも添加して
いる。さらに、特開平3−97747号公報にはチタン
化合物として、塩化マグネシウムとアルコールの付加物
を四塩化チタンおよび電子供与体で処理したものを用い
ることが記載されている。これらの方法の他にも、例え
ば、特開平4−96912号公報、同4−96907号
公報、同3−174410号公報、同2−170803
号公報、同2−170802号公報、同3−20543
9号公報、同4−153203号公報、および特開昭6
1−42553号公報などに、このような製造方法の記
載がある。本発明のフィルムを形成するポリオレフィン
系樹脂を製造する際には、上記のような、公知の任意の
方法が使用し得る。このような製造方法により得られる
実際の樹脂としては徳山曹達社の「PER」およびハイ
モント社の「キャタロイ」などが挙げられる。これらは
いずれも本発明に用いられ得る。
【0020】請求項1記載の本発明の救急絆創膏用フィ
ルムは、前記のような方法で得られたポリオレフィン系
樹脂を架橋させて、得られるフィルムを120℃のキシ
レン溶液で24時間抽出処理した時、残存ゲル重量分率
が、10〜70%の範囲にあるように調整することによ
り得られる。上記の如く調整されたとき、該フィルム
は、柔軟性、伸縮性、伸張時の応力緩和を維持し、か
つ、絆創膏として使用する場合、絆創膏の貼り付け時や
貼り直し時に、強く引っ張っても、伸びきってしまわな
い充分な抗張力を有する。ポリオレフィン系樹脂を架橋
させる方法としては、いかなる方法が採られてもよい
が、例えば、ラジカル発生剤の存在下で遊離ラジカルが
発生する温度以上に加熱する方法、電離性放射線を照射
する方法などが挙げられる。上記ラジカル発生剤として
は、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキシン−3、α,α’−ビス(t−ブ
チルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサ
イドなどの有機過酸化物が挙げられる。ラジカル発生剤
とともに、炭素−炭素不飽和結合を一個以上有する化合
物を高分子化助剤として添加してもよい。
【0021】ラジカル発生剤によるポリオレフィン系樹
脂の架橋反応は、ポリオレフィン系樹脂とラジカル発生
剤及び高分子化助剤を押出機に投入し、ラジカル発生剤
の分解温度以上に加熱し、フィルムを成形する過程で行
われる。又、電離性放射線によるポリオレフィン系樹脂
の架橋反応は、通常、ポリオレフィン系樹脂を所定形状
のフィルムに成形し、該フィルムに電子線、γ線などの
電離性放射線を照射して行われる。上記架橋反応はポリ
オレフィン系樹脂製フィルムの残存ゲル重量分率が、1
0〜70%となるように、ラジカル発生剤や高分子化助
剤の添加量乃至電離性放射線の照射量が選定される。
【0022】請求項1記載の本発明救急絆創膏用フィル
ムの残存ゲル重量分率は10〜70%の範囲にあるが、
更に望ましくは、残存ゲル重量分率が25〜55%の範
囲にある場合である。
【0023】請求項2記載の本発明の救急絆創膏用フィ
ルムは、前記のような方法で得られたポリオレフィン系
樹脂をドラフト比5〜30、フロストライン高さが金型
径の1〜7倍の範囲にある条件でインフレーション法に
より所定形状に成形される。ドラフト比5未満の条件で
インフレーション法成形法によりポリオレフィン系樹脂
の一種であるポリプロピレン樹脂を製膜すると、得られ
るフィルムのS−Sカーブは、初期の立ち上がりが急で
あり、20〜30%伸張すると降伏し、その後、100
%伸張程度までは応力が殆ど増加しない所謂、S−Sカ
ーブがねるという現象が生じる。このようなフィルムを
救急絆創膏用に用いた場合、貼付時に強く引っ張るとフ
ィルムが伸び切ってしまったり、貼り直しが困難になっ
たりする。又、樹脂によっては、初期の伸張時抗張力が
大きすぎ、柔軟性の小さいフィルムになる。一方、ドラ
フト比が30を越えると、残留応力が大きくなり熱収縮
を起こすおそれがある。
【0024】又、フロストラインとは、押し出された熔
融フィルムが固体となる凝固ラインであり、このフロス
トライン高さが金型径の1倍未満の条件では、安定した
インフレーション法による製膜が困難であり、フロスト
ライン高さが金型径の7倍を越える条件では、得られる
フィルムは柔軟性を欠き、救急絆創膏用に使用される場
合、好ましい風合いを与えない。請求項2乃至3記載の
本発明に於けるインフレーション法成形法は空気冷却方
式、水冷却方式のいずれの方式が採られてもよい。
【0025】請求項2及び3記載の本発明に於けるドラ
フト比(λL)は次式で与えられる筒状フィルムの長さ
方向(MD方向)の拡大率を示す値である。 λT・λL=tD/tF 上式に於いて、λTはブローアップ比であり、得られた
筒状フィルムの折径と金型径の比で与えられ、筒状フィ
ルムの幅方向(TD方向)の拡大率を示す値である。
又、tDは金型の吐出口スリット間隔、tFは得られた
フィルムの厚さである。
【0026】請求項3記載の本発明の救急絆創膏用フィ
ルムは、前記のような方法で得られたポリオレフィン系
樹脂をドラフト比5〜50、フロストライン高さが金型
径の1〜7倍の範囲にある条件でインフレーション法に
より成形された後、アニール温度70〜150℃の範囲
にある条件でアニールされる。本発明に於けるアニール
とは、インフレーション法により成形されたフィルムを
熱処理し、残留応力を緩和することであり、熱収縮を極
力抑えるための工程である。しかして、アニール温度が
70℃未満の場合、フィルムの残留応力は充分に緩和で
きない。又、アニール温度が150℃を越える場合、フ
ィルムは軟化し、必要な強度が得られない。本発明に於
けるアニールの方法としては、いかなる方法が用いられ
てもよいが、フィルムを加熱されたロール表面に沿わせ
て走行させ、処理する方法や一定間隔をもって配置され
たロール間を走行するフィルムを該部に於いて熱風や赤
外線などの加熱手段でもって処理する方法などが例示で
きる。
【0027】本発明救急絆創膏用フィルムは、いずれ
も、無色透明とすることもできるが、前記するポリオレ
フィン系樹脂に染顔料などを配合し、透明着色、半透明
着色、不透明着色などを施すこともできる。
【0028】本発明の救急絆創膏用フィルムは、いずれ
も、厚み0.015〜0.3mmの範囲で使用されるこ
とが望ましい。0.015mm以下では使用に際しての
強度が不足となり、0.3mm以上では救急絆創膏とし
ては固すぎ、風合いが好ましくない。救急絆創膏は、上
記本発明ポリオレフィン系樹脂フィルムの一方の表面に
粘着剤層を設け、その上にガーゼなどを積層することに
より得られる。通常、これを所定寸法に打ち抜いた後、
個別装材で包装し、さらに所定寸法に切断する。上記ポ
リオレフィン系樹脂フィルム層の粘着剤層と反対側の表
面には、目的に応じて、各種の印刷を任意の形状および
寸法で行い得る。例えばメッシュ状、散点状、幼児用の
キャラクターなどの形状を印刷し得る。
【0029】本発明救急絆創膏用フィルムから得られる
いずれの救急絆創膏も、特定のモルフォロジーを有する
ポリオレフィン系樹脂を用いるため、従来の可塑化PV
Cに劣らぬ優れた柔軟性、伸縮性、および皮膚に貼付し
たときの風合いを有する。さらにPVCと異なり、塩素
を含有しないため、環境への影響の点で優れている。
【0030】本発明に於いて使用されるポリオレフィン
系樹脂フィルムが上記のような優れた特徴を有する理由
は、以下のように推定される。即ち、上記ポリオレフィ
ン系樹脂は、ランダムポリプロピレン(Aa)と、ホモ
ポリプロピレンおよびポリエチレンからなる群から選択
される少なくとも一種(Ab)とを含有する(A)相に
対して、エチレン−プロピレン共重合体およびエチレン
−α−オレフィン共重合体からなる群から選択される少
なくとも一種である(Ba)および(Ca)とが、重合
中にアロイされることによって得られたものである。そ
のため、(A)相中で(Ba)および(Ca)が、通常
のブレンドに比べてはるかに微細に分散しており、特に
(Ca)を含有する(C)相とマトリックス(海相)を
形成する(A)相とが疑似的なIPN構造を示すように
なる。樹脂がこのような特徴あるモルフォロジーを示す
ため、この樹脂から形成されたフィルムは可塑化PVC
と同様の柔軟性および伸縮性を有するものと考えられ
る。
【0031】
【実施例】以下実施例に基づき本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されない。
【0032】以下の実施例において、ポリオレフィン系
樹脂の各相の含有量および分子量、ランダムポリプロピ
レン(Aa)中のエチレン成分の含有量、モルフォロジ
ー、抗張力、伸張回復率、応力緩和、および人体(指)
における装着感は以下に示す方法で試験された。
【0033】1.各相の含有量および分子量 温度上昇溶離分別(TREF=Temperature Rising Elu
tion Fractionation)機能と高温GPC(Gel Permeati
on Chromatograph)機能とを備えた、クロス分別クロマ
トグラフ装置(CFC−T150A型:三菱油化社製)
を用いて測定した。測定するポリオレフィン樹脂を、1
40℃あるいはポリオレフィン樹脂が完全に溶解する温
度のo−ジクロロベンゼンに溶解した。この溶液を一定
の冷却速度で冷却し、あらかじめ用意した不活性担体表
面に、結晶性の高い順、および分子量の大きい順に、薄
いポリマー層として析出させた。次にこの析出したポリ
マー層を、連続的または階段状に昇温し、順次溶出した
成分の濃度を検出し、その成分の組成分布(結晶性分
布)を測定した(TREF)。同時にその成分の分子量
および分子量分布を測定した(高温GPC)。
【0034】2.モルフォロジー評価:四酸化オスミウ
ムを用いて樹脂を染色したのち、透過電子顕微鏡(JE
M−1200EXII:日本電子社製)により、2万倍の
倍率で写真を撮影した。樹脂中の各相は、その結晶性の
違いによる染色度合の違いから区別した。すなわち海相
(A)は結晶性が高く、低染色部分となり、透過電子顕
微鏡写真では白色となる。島相(B)および貫入相
(C)は結晶性が低く高染色部分となり、透過電子顕微
鏡写真では黒色となる。この写真に任意に直線を引き、
各成分相の大きさを最低5ヶ所測定し、平均した値を各
成分相の大きさとした。
【0035】3.抗張力:引張試験機により、試料幅2
0mm,初期試料長(つかみ間隔)100mm、引張速
度200mm/minで引っ張り、伸度5%および10
%における抗張力を測定した。
【0036】4.伸張回復率:幅20mmの短冊状の試
料に50mm間隔の標線を入れ、引張試験機により初期
試料長(つかみ間隔)100mm、引張速度200mm
/minで伸度50%まで引っ張った後、すぐに試料を
取り外し、5分後に標線間隔を測定し、永久歪(伸度)
を計算する。この永久歪をX%とすると、伸張回復率
(%)は次式により得られる。
【0037】
【数1】
【0038】5.応力緩和:引張試験機により、試料幅
20mm、初期試料長(つかみ間隔)100mm、引張
速度200mm/minで伸度10%まで引っ張った
後、そのまま保持したときの抗張力の経時変化を、5秒
後および1分後に測定し、次式により応力残存の割合を
計算した。
【0039】
【数2】
【0040】6.熱収縮 枚葉の試料に100mm×100mmの標線を入れ、ギ
ヤーオーブンにて70℃で5時間加熱し、熱収縮率を測
定した。
【数3】
【0041】7.残存ゲル重量分率 得られるポリオレフィン系樹脂フィルムを、120℃の
キシレン溶液で24時間抽出処理をおこない、残存ゲル
量を測定した。 8.人体(指)への装着感:絆創膏を人差指の第2関節
の周囲に巻き付け、指を曲げたり伸ばしたりしたときの
感触(圧迫感)を評価した。
【0042】(実施例1=請求項1の本発明の実施例)
表1に示されるモルフォロジ−を有するポリオレフィン
系樹脂(徳山曹達社製、PER)100重量部に対し
て、ラジカル発生剤2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3を0.5重量部と高
分子化助剤としてジビニルベンゼン、3重量部を添加
し、Tダイにより、金型温度約180℃で混合して押出
し、更に200℃に加熱して架橋反応を促進した。次い
で、工程紙1の上に押出コーティングした。形成された
フィルム2表面をコロナ放電処理21し、救急絆創膏用
フィルム基材2と上記工程紙1との積層体を得た。フィ
ルム基材の厚さは65μmであった。得られた積層体を
巻とった。このようにして得られたフィルムの一部を工
程紙から剥離した後、縦(MD)方向および横(TD)
方向の抗張力、伸張回復率、および応力緩和を測定し
た。結果を表2に示す。
【0043】ここで使用したポリオレフィン系樹脂のモ
ルフォロジーは、透過電子顕微鏡写真による観察および
測定から以下のように確認された。すなわちホモポリプ
ロピレンからなるマトリックス相(海相A)中にエチレ
ン−プロピレン共重合体からなる島相Bが存在し、その
島相(B)の平均径が0.12μmであり、さらにB相
とは組成の異なるエチレン−プロピレン系共重合体から
なる貫入相Cが存在し、その貫入相Cの平均幅が0.0
8μmであり、前記ホモポリプロピレン含有量が全体の
10.9重量%であった。
【0044】次に、別のクラフト紙の片面にポリエチレ
ン層をラミネートし、さらにそのポリエチレン層の表面
にシリコーン離型剤を塗工して得られる工程紙1’の離
型剤処理面に、ゴム系粘着剤溶液(天然ゴム、ポリテル
ペン樹脂、ポリブテン、および老化防止剤の35%トル
エン溶液)を、塗布乾燥巻取機を用いて、乾燥後の厚み
が40μmになるように塗工、乾燥し粘着剤層3を形成
した。次いで、図2に示されるように、フィルム2と工
程紙1との積層体のコロナ処理面21と、この粘着剤層
3を有する工程紙1’の粘着剤層3面とを合わせて積層
した。粘着剤層3から工程紙1’を剥離して巻取機でロ
ール状に巻き取った。
【0045】次に、このロール状の絆創膏用テープ原反
をスリッターを用いて、フィルム層2と工程紙1とが剥
がれないようにしながら、78mm幅に切断し、長尺
(20m)に巻取った。得られた78mm幅の絆創膏用
テープ原反Aを、図4に示される救急絆創膏用加工装置
によって加工し、救急絆創膏47を得た。
【0046】この加工装置には、所定幅の救急絆創膏用
副資材(ガーゼ、差替え用剥離紙、個包装など)の供給
装置が設けられており、この装置にかけられた上記の救
急絆創膏用テープ原反Aが繰り出されると、その軟質フ
ィルム層2と粘着剤層3に、微少な孔あけ加工41がな
される。ついで粘着剤層3の上面に厚さ1mm、幅17
mmx長さ25mmのガーゼ42を装着し、工程紙1を
軟質フィルム層2の下面から剥離すると共に、差替え用
の離型紙43をガーゼ42の上面に被せ、積層物を得
る。次いで、得られた積層物を所定の寸法(幅20mm
×長さ75mm、両端は半径12mmの円弧状)に打ち
抜き44、個包装材45で包装し、切断46をおこなっ
て、図4に示されるような救急絆創膏47の包装体が得
られる。得られた救急絆創膏47から離型紙43を剥が
し、人体への装着感を前記方法で評価した。その結果は
表2に示す通りであった。 (実施例2=請求項1の本発明の実施例)実施例1で使
用したポリオレフィン系樹脂を用い、Tダイにより金型
温度200℃で押出した後、加速電圧200kv、10
Mradの条件で電子線を照射し、架橋させたこと以外
は実施例1と同様にして救急絆創膏用フィルムおよび救
急絆創膏を作製、評価した。結果は表2に示す。
【0047】(比較例1=請求項1の本発明の比較例)
表1に示されるモルフォロジーを有するポリプロピレン
系樹脂(ハイモント社製、キャタロイ)を用いたこと以
外は実施例1と同様にして救急絆創膏用フィルム及び救
急絆創膏を作製、評価した。結果は表2に示す。 (比較例2=請求項1の本発明の比較例)実施例1で使
用したポリオレフィン系樹脂を用い、ラジカル発生剤と
して、2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−
3を0.1重量部添加したこと以外は実施例1と同様に
して救急絆創膏用フィルム及び救急絆創膏を作製、評価
した。結果は表2に示す。 (比較例3=請求項1の本発明の比較例)実施例4で使
用したポリオレフィン系樹脂を用い、ラジカル発生剤と
して、2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−
3を1.5重量部添加したこと以外は実施例1と同様に
して救急絆創膏用フィルム及び救急絆創膏を作製、評価
した。結果は表2に示す。 (比較例4=請求項1の本発明の比較例)
実施例4で使用したポリオレフィ
ン系樹脂を用い、Tダイにより金型温度200℃で押出
した後、加速電圧200kv、2Mradの条件で電子
線を照射し、架橋させたこと以外は実施例1と同様にし
て救急絆創膏用フィルム及び救急絆創膏を作製、評価し
た。結果は表2に示す。 (比較例5=請求項1の本発明の比較例)実施例1で使
用したポリオレフィン系樹脂を用い、Tダイにより金型
温度200℃で押出した後、加速電圧200kv、25
Mradの条件で電子線を照射し、架橋させたこと以外
は実施例1と同様にして救急絆創膏用フィルム及び救急
絆創膏を作製、評価した。結果は表2に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】 (実施例3=請求項2の本発明の実施例)表1に示され
るモルフォロジーを有するポリオレフィン系樹脂(徳山
曹達社製、PER)をインフレーションダイ8により押
出温度約200℃で押出し、ドラフト比19.8、フロ
ストライン高さを金型径の1.8倍となる成形条件で、
インフレーション法により成形し、続いて粘着加工3が
施される面をコロナ放電処理21し、厚さ65μmの救
急絆創膏用フィルムを得た。原反の切断幅を19mmと
したこと以外は、更に実施例1と同様に粘着加工などを
施し、救急絆創膏を作製した。フィルムの諸物性及び救
急絆創膏の実用性能の測定、評価結果を表3に示す。 (実施例4=請求項2の本発明の実施例)実施例3で使
用したポリオレフィン系樹脂を用い、ドラフト比26.
2、フロストライン高さを金型径の1.8倍となる成形
条件以外は実施例3と同様にして救急絆創膏用フィルム
及び救急絆創膏を作製、評価した。結果は表3に示す。 (比較例6=請求項2の本発明の比較例)表1に示され
るモルフォロジーを有するポリプロピレン系樹脂(ハイ
モント社製、キャタロイ)を用いたこと以外は実施例3
と同様にして救急絆創膏用フィルム及び救急絆創膏を作
製、評価した。結果は表3に示す。 (比較例7=請求項2の本発明の比較例)実施例3で使
用したポリオレフィン系樹脂を用い、ドラフト比42.
0、フロストライン高さを金型径の1.8倍となる成形
条件以外は実施例3と同様にして救急絆創膏用フィルム
及び救急絆創膏を作製、評価した。結果は表3に示す。 (比較例8=請求項2の本発明の比較例)実施例3で使
用したポリオレフィン系樹脂を用い、ドラフト比4.
6、フロストライン高さを金型径の1.8倍となる成形
条件以外は実施例3と同様にして救急絆創膏用フィルム
及び救急絆創膏を作製、評価した。結果は表3に示す。 (比較例9=請求項2の本発明の比較例)実施例3で使
用したポリオレフィン系樹脂を用い、ドラフト比19.
8、フロストライン高さを金型径の0.8倍となる成形
条件でインフレーション法成形法で製膜を試みたが、安
定したフィルムは得られなかった。 (比較例10=請求項2の本発明の比較例)実施例3で
使用したポリオレフィン系樹脂を用い、ドラフト比1
9.8、フロストライン高さを金型径の7.5倍となる
成形条件以外は実施例3と同様にして救急絆創膏用軟質
フィルム及び救急絆創膏を作製、評価した。結果は表3
に示す。
【0050】
【表3】
【0051】(実施例5=請求項3の本発明の実施例)
表1に示されるモルフォロジーを有するポリオレフィン
系樹脂(徳山曹達社製、PER)をインフレーションダ
イ8により押出温度約200℃で押出し、ドラフト比1
9.8、フロストライン高さを金型径の1.8倍となる
成形条件で、インフレーション法により成形した後、表
面温度110℃でロール面に沿わせフィルムを走行させ
アニール10し、次いで、粘着加工が施される面をコロ
ナ放電処理し、厚さ65μmの救急絆創膏用フィルムを
得た。原反の切断幅を19mmとしこと以外は、更に実
施例1と同様に粘着加工などを施し、救急絆創膏を作製
した。フィルムの諸物性及び救急絆創膏の実用性能の測
定、評価結果を表4に示す。 (実施例6=請求項3の本発明の実施例)実施例5で使
用したポリオレフィン系樹脂を用い、ドラフト比41.
3、フロストライン高さを金型径の1.8倍、アニール
温度110℃である成形条件以外は実施例5と同様にし
て救急絆創膏用軟質フィルム及び救急絆創膏を作製、評
価した。結果は表4に示す。 (実施例7=請求項3の本発明の実施例)実施例5で使
用したポリオレフィン系樹脂を用い、ドラフト比26.
2、フロストライン高さを金型径の1.8倍、アニール
温度110℃である成形条件以外は実施例5と同様にし
て救急絆創膏用軟質フィルム及び救急絆創膏を作製、評
価した。結果は表4に示す。 (比較例11=請求項3の本発明の比較例)表1に示さ
れるモルフォロジーを有するポリプロピレン系樹脂(ハ
イモント社製、キャタロイ)を用いたこと以外は実施例
5と同様にして救急絆創膏用フィルム及び救急絆創膏を
作製、評価した。結果は表4に示す。 (比較例12=請求項3の本発明の比較例)実施例5で
使用したポリオレフィン系樹脂を用い、ドラフト比5
2.3、フロストライン高さを金型径の1.8倍となる
成形条件でインフレーション法によって成形を試みた
が、安定したフィルムは得られなかった。 (比較例13=請求項3の本発明の比較例)実施例5で
使用したポリオレフィン系樹脂を用い、ドラフト比4.
6、フロストライン高さを金型径の1.8倍、アニール
温度110℃である成形条件以外は実施例5と同様にし
て救急絆創膏用フィルム及び救急絆創膏を作製、評価し
た。結果は表4に示す。 (比較例14=請求項3の本発明の比較例)実施例5で
使用したポリオレフィン系樹脂を用い、ドラフト比1
9.8、フロストライン高さを金型径の0.8倍となる
成形条件でインフレーション法によって成形を試みた
が、安定したフィルムは得られなかった。 (比較例15=請求項3の本発明の比較例)実施例5で
使用したポリオレフィン系樹脂を用い、ドラフト比1
9.8、フロストライン高さを金型径の7.5倍、アニ
ール温度110℃である成形条件以外は実施例5と同様
にして救急絆創膏用フィルム及び救急絆創膏を作製、評
価した。結果は表4に示す。 (比較例16=請求項3の本発明の比較例)実施例5で
使用したポリオレフィン系樹脂を用い、ドラフト比1
9.8、フロストライン高さを金型径の1.8倍、アニ
ール温度60℃である成形条件以外は実施例5と同様に
して救急絆創膏用フィルム及び救急絆創膏を作製、評価
した。結果は表4に示す。 (比較例17=請求項3の本発明の比較例)実施例5で
使用したポリオレフィン系樹脂を用い、ドラフト比1
9.8、フロストライン高さを金型径の1.8倍、アニ
ール温度155℃である成形条件以外は実施例5と同様
にして救急絆創膏用フィルムを成形したが、得られたフ
ィルムは著しく軟化しており、到底使用に耐えるもので
はなかった。
【0052】
【表4】
【発明の効果】請求項1記載の本発明救急絆創膏用フィ
ルムによれば、特定のモルフォロジーを形成する特定の
ポリオレフィン系樹脂を用い、残存ゲル重量分率を10
〜70%に制御してフィルムが作製されていることによ
って、柔軟でかつ伸張回復性に、より優れ、従来の可塑
化PVCフィルムの代替となり得るフィルムが得られ
る。このフィルムを基材として用いることにより、伸縮
性および変形回復性に優れ、塩素を含有しないため優れ
た救急絆創膏が得られる。請求項2記載の本発明救急絆
創膏用フィルムによれば、特定のモルフォロジーを形成
する特定のポリオレフィン系樹脂を用い、ドラフト比5
〜30、フロストライン高さが金型径の1〜7倍の範囲
にある条件でインフレーション法成形法によりフィルム
が作製されていることによって、柔軟でかつ伸張回復性
に、より優れ、従来の可塑化PVCフィルムの代替とな
り得るフィルムが得られる。請求項3記載の本発明救急
絆創膏用フィルムによれば、特定のモルフォロジーを形
成する特定のポリオレフィン系樹脂を用い、ドラフト比
5〜30、フロストライン高さが金型径の1〜7倍の範
囲にある条件でインフレーション法成形法によりフィル
ムを作製した後、アニール温度70〜150℃の範囲に
ある条件でアニールされていることによって、柔軟でか
つ伸張回復性に、より優れ、従来の可塑化PVCフィル
ムの代替となり得るフィルムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の本発明救急絆創膏用フィルムの
製造法の一例を示す概略図である。
【図2】請求項2、3記載の本発明救急絆創膏用フィル
ムの製造法の一例を示す概略図である。
【図3】請求項1乃至3記載の本発明救急絆創膏用フィ
ルムと工程紙の上に設けられた粘着剤層とを積層した状
態を示す断面図である。
【図4】救急絆創膏の製造工程を示す概略図である。
【図5】請求項1乃至3記載の本発明救急絆創膏用フィ
ルムを用いて得られた救急絆創膏の平面図である。
【符号の説明】
1 工程紙 11 離型処理面 2 フィルム 21 コロナ処理面 3 粘着剤層 A 救急絆創膏用テープ原反 41 穴明け加工 42 ガーゼ 43 離型紙 44 打ち抜き加工 45 個包装材 46 切断加工 47 救急絆創膏 5 Tダイ 6 冷却ロール 7 ラミネートロール 8 インフレーションダイ 9 ピンチロール 10 アニール装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(A)、(B)、および(C)の
    3相を含有するポリオレフィン系樹脂からなり、架橋反
    応による残存ゲル重量分率が10〜70%の範囲にある
    ことを特徴とする救急絆創膏用軟質フィルム: (A)ホモポリプロピレン(Aa)およびエチレン成分
    を7重量%未満含有するランダムポリプロピレン(A
    b)からなる群から選択される少なくとも一種を含有す
    る海相であって、該(Aa)および該(Ab)の重量平
    均分子量がいずれも50,000〜900,000であ
    る海相; (B)エチレン−プロピレン共重合体およびエチレン−
    α−オレフィン共重合体からなる群から選択される少な
    くとも一種(Ba)を含有する島相であって、該(B
    a)の重量平均分子量が70,000〜750,000
    である、島相; (C)エチレン−プロピレン共重合体およびエチレン−
    α−オレフィン共重合体からなる群から選択される少な
    くとも一種(Ca)を含有し、該(A)相と相互に貫入
    する構造を有する貫入相であって、該(Ca)の重量平
    均分子量が70,000〜750,000である、貫入
    相。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の(A)、(B)、および
    (C)の3相を含有するポリオレフィン系樹脂からな
    り、ドラフト比5〜30、フロストライン高さが金型径
    の1〜7倍の範囲にある条件でインフレ−ション法によ
    り成形されていることを特徴とする救急絆創膏用フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の(A)、(B)、および
    (C)の3相を含有するポリオレフィン系樹脂からな
    り、ドラフト比5〜50、フロストライン高さが金型径
    の1〜7倍の範囲にある条件でインフレ−ション法によ
    り成形された後、アニ−ル温度70〜150℃の範囲に
    ある条件でアニ−ルされていることを特徴とする救急絆
    創膏用フィルム。
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