JPH07302417A - 回転磁気ヘッド変位機構 - Google Patents

回転磁気ヘッド変位機構

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JPH07302417A
JPH07302417A JP9514894A JP9514894A JPH07302417A JP H07302417 A JPH07302417 A JP H07302417A JP 9514894 A JP9514894 A JP 9514894A JP 9514894 A JP9514894 A JP 9514894A JP H07302417 A JPH07302417 A JP H07302417A
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Hiroaki Takeuchi
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 信号記録時に所定の磁気ヘッド高さで直線性
の良いトラックを形成するとともに、信号再生時に十分
な変位のダイナミックトラッキング動作を行なうことが
できる磁気ヘッド変位機構を提供する。 【構成】 第1の板ばね1および第2の板ばね2よりな
る平行板ばね5の一端は固定部材7に固定され、他端は
磁気ヘッドを変位させるための可動部材6を保持してい
る。第1の板ばね1の上方に第3の板ばね3を取付けそ
の一端を固定部材7に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘリカルスキャン方式
ビデオテープレコーダのような回転磁気ヘッドのダイナ
ミックトラッキング用回転磁気ヘッド変位機構に関する
もので、特に信号記録時に直線性の良いトラックを形成
するとともに、信号再生時に十分な変位のダイナミック
トラッキング動作を可能とするものである。
【0002】
【従来の技術】図8は従来の一例の断面図であり、図9
はその分解斜視図である。これは、たとえば特公平5−
8486号に記載されているムービングマグネット方式
のダイナミックトラッキング機構と類似形態の機構を搭
載した回転ドラム装置の一例である。これらの図におい
て、15は固定ドラム、14は固定ドラム15のボス部
に設けられた軸受17a,17bに支持された回転軸1
6と一体に回転する回転ドラム、8a,8bは180°
対向して設けられた磁気ヘッド、9a,9bは磁気ヘッ
ド8a,8bを取付けたヘッドベース、6a,6bはヘ
ッドベース9a,9bを取付けた磁気回路のヨークとな
る可動部材で、リング状の第1の板ばね1,第2の板ば
ね2を介して、固定部材7a,7bにて、適宜の手段に
より回転ドラム14に固定される。第1の板ばね1と第
2の板ばね2は平行板ばね5を構成する。11a,11
bは可動部材6a,6bに固定された永久磁石、12は
駆動コイル13が巻装された固定子で、永久磁石11
a,11bに対向する位置で固定ドラム15に固定され
る。上記の構成において、永久磁石11a,11bによ
る磁束は、駆動コイル13と鎖交しているので、駆動コ
イル13に通電すると、フレミングの左手の法則によ
り、可動部材6a,6bには上下方向の駆動力が作用す
る。その結果、可動部材6a,6bは、前記の駆動力と
第1および第2の板ばね1,2の反力とが釣り合う位置
まで変位する。したがって、駆動コイル13に制御電流
を与えることにより、可動部材6a,6bに取付けられ
た磁気ヘッド8a,8bの高さを制御し、良好なトラッ
キング動作を行なうことができる。磁気ヘッド8a,8
bとの信号の入力出力はロータリートランス18,19
を介して行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来技術において、磁気ヘッド8a,8bを記録再生兼用
ヘッドとすれば、信号記録時に直線性の良いトラックを
形成し、かつ、信号再生時に十分な変位のダイナミック
トラッキング動作を行なうことは困難であった。すなわ
ち、第1および第2の板ばね1,2の剛性を強くする
と、信号記録時に直線性の良いトラックを形成すること
は可能であるが、信号再生時のダイナミックトラッキン
グ動作においては十分な変位量が得られない。一方、第
1および第2の板ばね1,2の剛性を弱くすると、信号
再生時のダイナミックトラッキング動作においては十分
な変位量が得られるものの、信号記録時に形成されるト
ラックの直線性は劣化する。
【0004】上記の問題点を解決する手法として、たと
えば、 バイモルフを用いた方式であるが、信号記録時に
は、磁気ヘッドを取付けた支持部材を基準面に当接させ
る(たとえば特開平4−121814)。
【0005】 ムービングマグネット方式で、磁気ヘ
ッドが1回転する間にその高さ位置を複数回検出し、そ
の情報に基づいて磁気ヘッドの高さ位置を制御する(た
とえば、テレビジョン学会技術報告VIR92−4
9)。
【0006】 ムービングマグネット方式で、磁気ヘ
ッドを支持する回転ヨークを1枚の板ばねによってシー
ソー運動させるものであるが、信号記録時には、磁気ヘ
ッドを支持する板ばねのばね定数を大きくし、信号再生
時には、板ばねのばね定数を小さくする(たとえば特公
昭62−13727)。等が挙げられている。
【0007】しかし、〜の提案においてもそれぞれ
以下の問題点があった。 磁気ヘッド支持部材および基準面の加工性、両者の
取付け誤差、経時変化から考慮して、磁気ヘッドの高さ
位置に再現性が得られず、所定の幅のトラックを形成す
ることができない。
【0008】 多数のセンサを必要とし、ドラム装置
の大型化、コストの増大を招く。 磁気ヘッドはその変位に伴って傾斜しテープとヘッ
ドのあたり不良の可能性がある。また、信号記録時のば
ね定数は信号再生時のばね定数の2倍しか得られない。
【0009】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、記録再生兼用ヘッドを用いて、信号記
録時には直線性の良いトラックを所定のトラック幅で形
成するとともに、信号再生時のダイナミックトラッキン
グ動作において十分な変位量が得られる回転磁気ヘッド
変位機構を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の回転磁気ヘッド
変位機構は、固定部に回動自在に保持された回転体に固
定された固定部材を固定端とする第1および第2の板ば
ねからなる平行板ばねと、平行板ばねの可動端に挾持さ
れた可動部材と、可動部材に直接または間接的に取付け
られた磁気ヘッドと、磁気ヘッドをその回転面に対して
直角方向に変位させる駆動手段とを備え、平行板ばねの
少なくとも一方には、磁気ヘッド変位方向のうち一方へ
の変位に対してばね定数を小さく、その他方への変位に
対してはばね定数を大きくする手段を設けた。
【0011】
【作用】本発明によれば、磁気ヘッドはその回転面に対
して直角方向に変位可能で、かつその中立位置から一方
向の変位に対するばね定数は大きく、前記と逆方向の変
位に対するばね定数は小さい。また、前記ばね定数の大
きい側に信号記録時の基準高さを、前記ばね定数の小さ
い側に信号再生時の基準高さをそれぞれ設定しているの
で、磁気ヘッドは、信号記録時には高剛性で支持され、
信号再生時には低剛性で支持される。なお、信号記録時
と信号再生時の基準高さの差、およびドラムへのテープ
巻付け角は、互いの相関関係の下に適切に設定できるの
で、信号再生時の磁気ヘッドはテープ上の記録トラック
を端から端まで完全に走査できる。また、磁気ヘッドの
前記基準位置への設定は磁気ヘッド高さ位置検出手段の
情報に基づいて行なうことができる。
【0012】
【実施例】本発明を実施した回転磁気ヘッドドラムの一
例の断面図および分解斜視図は、後述の図4および図5
に示されるが、まず、本発明の原理について説明する。
【0013】図1(a),(b)および(c)は、本発
明の第1の実施例の作用を説明する模式図である。図1
において、7は回転ドラムまたは回転ディスクのような
回転部に適宜の手段により固定される固定部材である。
6は可動部材であって、これには後述のように、永久磁
石が取付けられ、駆動コイルに通電することにより上下
に移動することができるようになっている。これら両者
はリング状の第1の板ばね1および第2の板ばね2によ
って構成される平行板ばね5によって挾持されている。
固定部材7の上方の第1の板ばね1の端部の上面には、
第3の板ばね3の端部3−1が固定されている。可動部
材6に磁気ヘッドを取付けると、この回転面に対して直
角方向に変位させることができる。
【0014】図1(a)は中立状態である。一点鎖線x
は、中央位置にある可動部材の中心線を示し、一点鎖線
yは変位後の可動部材の中心線を示す。
【0015】図1(b)において、可動部材6がその中
立位置から図中の矢印A方向に変位する場合には、平行
板ばね5のみが作用し、第3の板ばね3は作用しない。
【0016】図1(c)において、可動部材6がその中
立位置から図中の矢印B方向に変位する場合には、平行
板ばね5が第3の板ばね3と結合して作用する。その結
果、可動部材6がA方向に変位する場合には平行板ばね
5のばね定数で動作するが、可動部材6がB方向に変位
する場合には第3の板ばね3と平行板ばね5の結合作用
によりばね定数が大きくなる。
【0017】図2は、可動部材6に与えた駆動力Fと変
位量Xの関係を模式的に示したもので、横軸に駆動力
F、縦軸に変位量Xをとり、ともに図1中の矢印B方向
を正の方向としている。なお、X=0は可動部材6の中
立位置を表わしている。図2は以下の作用を示してい
る。
【0018】 駆動力FがB方向に作用している場合
には、駆動力Fの変化に対する変位Xの変化が小さい。
【0019】 駆動力FがA方向に作用している場合
には、駆動力Fの変化に対する変位Xの変化が大きい。
【0020】上記実施例は、第3の板ばね3を第1の板
ばね1の上面に設けた場合について説明したが、第3の
板ばね3を第2の板ばね2の上面に設けてもその作用は
同様である。また、第3の板ばね3を第1の板ばね1の
下面に設けた場合、または第3の板ばね3を第2の板ば
ね2の下面に設けた場合も同様である。ただし変位Xの
変化が反対となる。
【0021】図3(a),(b)および(c)は、本発
明の第2の実施例の作用を説明する模式図である。図1
の第1の実施例と異なるところは、第3の板ばね3に加
えて、平行板ばね5を構成する第2の板ばね2の内側に
も第4の板ばね4を取付け、第4の板ばね4はその端部
4−1により固定部材7に固定されていることである。
【0022】図3(a)は中立状態である。図3(b)
において、可動部材6がその中立位置から図中の矢印A
方向に変位する場合には、平行板ばね5のみが作用し、
第3の板ばね3および第4の板ばね4は作用しない。
【0023】一方、図3(c)に示すように、可動部材
6がその中立位置から図中の矢印B方向に変位する場合
には、平行板ばね5が第3の板ばね3および第4の板ば
ね4と結合して作用する。
【0024】その結果、可動部材6がA方向に変位する
場合には板ばねのばね定数が小さく、可動部材6がB方
向に変位する場合には、第3の板ばね3および第4の板
ばね4により板ばねのばね定数が大きくなる。この場合
の駆動力Fと変位量Xの関係は、先に示した図2と同様
であるが、本構成においては、第3の板ばね3と第4の
板ばね4が設けられているので、図1の構成よりさらに
剛性が高まる。なお、上記実施例は第3の板ばね3を第
1の板ばね1の上面に、第4の板ばね4を第2の板ばね
2の上面に設けた場合について説明したが、第3の板ば
ね3を第1の板ばね1の下面に、第4の板ばね4を第2
の板ばね2の下面に設けた場合についてもその作用は同
様である。ただし、変位Xの変化が反対となる。
【0025】図4は、図1について説明した本発明の機
構を回転ドラム装置に搭載した一例の断面図であり、図
5は図4の分解斜視図である。なお、図3に説明した機
構をドラム装置に搭載した場合については、図4および
図5と類似の形態で、作用も同様であるのでその説明を
省略する。
【0026】図4および図5は、従来例の図8および図
9に対応するもので、同一の部分には同一の符号を付し
てある。図4および図5において、15は固定ドラム、
14は固定ドラム15のボス部に設けられた軸受17
a,17bに支持された回転軸16と一体に回転する回
転ドラム、8a,8bは180°対向して設けられた磁
気ヘッド、9a,9bは磁気ヘッド8a,8bを取付け
たヘッドベース、6a,6bはヘッドベース9a,9b
を取付けた可動部材で、リング状の第1の板ばね1,第
2の板ばね2を介して、固定部材7a,7bによって適
宜の手段により回転ドラム14に固定される。第1の板
ばね1と第2の板ばね2は平行板ばね5を構成してお
り、また第1の板ばね1の上面には、第3の板ばね3
a,3bが板ばね1にその固定端でのみ固着されてい
る。11a,11bは可動部材6a,6bに固定された
永久磁石、12は駆動コイル13が巻装された固定子で
固定ドラム15に固定されている。上記の構成におい
て、駆動コイル13に通電すると、可動部材6a,6b
には上下方向の駆動力が作用する。なお、固定ドラム1
5の上面のヘッドベース9aまたは9bに対向する部分
に、後述の磁気ヘッド高さ位置検出手段20が設けられ
ている。
【0027】上記の構成において、磁気ヘッド8a,8
bが点線で示されるその中立位置から矢印A方向に変位
する場合には、平行板ばね5のみの作用により板ばねの
ばね定数が小さく、B方向に変位する場合には平行板ば
ね5と第3の板ばね3a,3bの作用により板ばねのば
ね定数が大きくなる。
【0028】この場合、可動部材6aおよび6bに取付
けられた磁気ヘッド8a,8bに与えられる駆動力Fと
変位量Xとの関係は図2のようになる。なお、駆動力
F,変位量Xとも図4中の矢印B方向を正の方向とし、
X=0は磁気ヘッド8a,8bの中立位置を表わす。
【0029】図2を参照して、駆動コイル13への通電
により、駆動力Fは−2f〜2fの間を変化すると、変
位量Xは2XP 〜2XR の間を変化する。ここで、F=
fなる駆動力を与えた場合の磁気ヘッド8a,8bの位
置R(X=XR )を信号記録時の基準高さ、F=−fな
る駆動力を与えた場合の磁気ヘッド8a,8bの位置P
(X=XP )を信号再生時の基準高さとする。
【0030】信号記録時に一定駆動力F=fを与え、磁
気ヘッド8a,8bを信号記録時の基準高さR(X=X
R )に設定すると、磁気ヘッド8a,8bはB方向の高
剛性の板ばね(ばね定数KR )に支持されているので、
外乱の影響を受けず直線性の良いトラックが形成され
る。
【0031】一方信号再生時に、F=−2f〜0の範囲
の駆動力Fを与え信号再生時の基準高さP(X=XP
を中心として、磁気ヘッド8a,8bをダイナミックト
ラッキング動作させると、磁気ヘッド8a,8bはA方
向の低剛性の板ばね(ばね定数KP )に支持されている
ので、2XP 〜0の十分な範囲で変位できる。なお、信
号記録時のばね定数KR と信号再生時のばね定数KP
比KR /KP は、第3の板ばね3の厚さに応じて可変で
あるので、装置の仕様に応じて自由に設定できる。
【0032】また、信号記録時の磁気ヘッド8a,8b
の高さは、ばね定数がKR なる範囲内、すなわちF=f
なる駆動力を与えたときの位置から±XR の範囲内で微
調整可能になるので、取付け誤差や経時変化による磁気
ヘッド8a,8bの高さ位置誤差を吸収できる。
【0033】これを図6を用いて説明する。今、磁気ヘ
ッド8a,8bの中立位置が前記の誤差ΔXにより、X
=ΔXであったとすると、駆動力F=fに対する磁気ヘ
ッド8a,8bの位置は、X=XR +ΔXとなり、信号
記録時の基準高さR(X=X R )からΔXだけずれる。
しかし、磁気ヘッド8a,8bの位置は、X=ΔX〜2
R +ΔXの範囲内で微調整可能なので、駆動力FをF
=f′とすることにより、磁気ヘッド8a,8bの位置
を信号記録時の基準高さR(X=XR )に設定できる。
【0034】図7は、上記で説明してきた回転磁気ヘッ
ド変位機構で信号を記録再生した場合のヘッド軌跡とト
ラックパターンを模式的に示したもので、ここでは、記
録時の基準高さRが再生時の基準高さPより上に位置す
るものとしている。図7はドラム半径をr、テープ巻付
け角をθ、トラック角をθr としている。また一般に、
信号が記録される部分の巻付け角θc (有効巻付け角)
はテープ巻付け角θよりも小さく、
【0035】
【数5】
【0036】となっている。ここでθm1はテープ巻付け
角のうち、信号記録時に磁気ヘッドがテープに突入する
までの角度と、テープに突入直後の信号が記録されない
部分の角度との和を表わしている。またθm2はテープ巻
付け角のうち、信号記録時に磁気ヘッドがテープを退出
してからの巻付き角と、ヘッド退出直前の信号が記録さ
れない部分の角度との和を表わしている。
【0037】一方本発明において、信号記録時のヘッド
軌跡と信号再生時のヘッド軌跡は、XRP=|XR −XP
|なる間隔を隔てている。つまり、信号再生時のヘッド
軌跡は信号記録時より(XRP/tanθr )/rだけテ
ープの走査開始および終了の角度が異なる。したがっ
て、
【0038】
【数6】
【0039】すなわち、
【0040】
【数7】
【0041】なる関係を満足するよう、θm2に応じて記
録時の基準高さR、再生時の基準高さPを設定すればよ
い。上記(3)式は、記録時の基準高さRが再生時の基
準高さPより上に位置する場合についての関係式である
が、記録時の基準高さRが再生時の基準高さPより下に
位置する場合には、
【0042】
【数8】
【0043】なる関係を満足するよう、記録時の基準高
さR、再生時の基準高さPを設定すればよい。
【0044】また、前記と逆に、装置の仕様により記録
時の基準高さR、再生時の基準高さPを決定し、それに
応じてドラムへのテープ巻付け角θを設定することも可
能である。この場合テープ巻付け角θは、
【0045】
【数9】
【0046】または、
【0047】
【数10】
【0048】なる関係を満足するように設定すればよ
い。なおテープ巻付け角θは
【0049】
【数11】
【0050】で表わされる。次に、磁気ヘッド8a,8
bを信号記録時の基準高さR(X=XR )または信号再
生時の基準高さP(X=XP )に設定する手法について
説明する。この設定を行なうために、図4および図5中
に示しているような磁気ヘッド高さ位置検出手段20を
設ける。磁気ヘッド高さ位置検出手段20としては、た
とえば公知のコイルを利用した過電流センサなどを用い
ればよい。磁気ヘッド高さ位置検出手段20は、固定ド
ラム15内でヘッドベース9a,9bと対向する位置
で、かつ磁気ヘッド8a,8bが磁気テープ上を走査し
ない区間に1個配置する。また、ヘッドベース9a,9
bはアルミニウムなどの導体とする。この場合磁気ヘッ
ド8aの高さ位置は、磁気ヘッド8aが磁気テープ上を
走査しない区間で検出され、その高さ位置情報に基づい
て信号記録時の基準高さRまたは信号再生時の基準高さ
Pに設定される。前記の位置RまたはPに設定された
後、磁気ヘッド8aは磁気テープ上を走査し信号の記録
または再生を行なう。なお、図4に示した例において
は、磁気ヘッド8aと磁気ヘッド8bが同一の駆動手段
(駆動コイル13)にて同時に駆動されるので、磁気ヘ
ッド8aの高さ位置設定は、磁気ヘッド8bが記録また
は再生動作を終えてから、磁気ヘッド8aが記録または
再生動作を開始するまでの間に行なえばよい。したがっ
て、磁気ヘッド8aの高さ位置検出は、この直前に行な
えばよく、磁気ヘッド高さ位置検出手段20は、この条
件を満足する位置に設定すればよい。前記の動作は磁気
ヘッド8bについても行なう。
【0051】上記の構成により、信号記録時には常に基
準高さRでの記録動作が可能となり、また、信号再生時
には常に基準高さPを中心とするダイナミックトラッキ
ング動作が可能となる。
【0052】なお、実施例では第3および第4の板ばね
によりばね定数を変化させたが、他の形状のばねたとえ
ば蔓巻きばねにより平行板ばね5に作用させてばね定数
を変化させることもできる。
【0053】
【発明の効果】本発明の回転磁気ヘッド変位機構によれ
ば、磁気ヘッドは信号記録時には高剛性の板ばねに支持
され、かつ信号再生時には低剛性の板ばねに支持される
ので、信号記録時に、所定の磁気ヘッド高さで直線性の
良いトラックを形成するとともに、信号再生時に十分な
変位のダイナミックトラッキング動作を行なうことがで
きるという優れた効果がある。なお、信号記録時と信号
再生時のヘッドの高さの差、およびドラムへのテープ巻
付け角は、互いの相関関係の下に適切に設定できるの
で、信号再生時の磁気ヘッドはテープ上に記録されたト
ラックを端から端まで完全に走査できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の作用を説明するための
模式図である。
【図2】ばねの作用の説明図である。
【図3】本発明の第2の実施例の作用を説明するための
模式図である。
【図4】本発明を実施したドラム装置の断面図である。
【図5】図4の分解斜視図である。
【図6】磁気ヘッドの高さ位置誤差補正の説明図であ
る。
【図7】磁気ヘッド軌跡とトラックパターンの模式図で
ある。
【図8】従来のドラム装置の断面図である。
【図9】図8の分解斜視図である。
【符号の説明】
1,2,3,4 板ばね 5 平行板ばね 6,6a,6b 可動部材 7,7a,7b 固定部材 8a,8b 磁気ヘッド 9a,9b ヘッドベース 11 永久磁石 12 固定子 13 駆動コイル 14 回転ドラム 15 固定ドラム 16 回転軸 17a,17b 軸受 18,19 ロータリートランス 20 磁気ヘッド高さ位置検出手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部に回動自在に保持された回転体に
    固定された固定部材を固定端とする第1および第2の板
    ばねからなる平行板ばねと、 平行板ばねの可動端に挾持された可動部材と、 可動部材に直接または間接的に取り付けられた磁気ヘッ
    ドと、 磁気ヘッドをその回転面に対して直角方向に変位させる
    駆動手段とを備え、 平行板ばねの少なくとも一方には、磁気ヘッド変位方向
    のうち一方への変位に対してばね定数を小さく、その他
    方への変位に対してはばね定数を大きくする手段を設け
    たことを特徴とする回転磁気ヘッド変位機構。
  2. 【請求項2】 平行板ばねのばね定数が大きい側に信号
    記録時の磁気ヘッドの基準高さを、平行板ばねのばね定
    数が小さい側に信号再生時の磁気ヘッドの基準高さをそ
    れぞれ設定しておき、信号記録時には磁気ヘッドを記録
    時の基準高さに予め変位させてその高さで記録し、ま
    た、信号再生時には磁気ヘッドを再生時の基準高さに予
    め変位させて、その位置を中心としてトラッキング動作
    を行なわせることを特徴とする請求項1記載の回転磁気
    ヘッド変位機構。
  3. 【請求項3】 回転部に対向する固定部に、磁気ヘッド
    が磁気テープ上を走査しない区間に、磁気ヘッドの高さ
    位置を1回検出する磁気ヘッド高さ位置検出手段を設
    け、その情報に基づいて、磁気ヘッドを記録時および再
    生時の少なくとも一方の基準高さに変位させることを特
    徴とする請求項2記載の回転磁気ヘッド変位機構。
  4. 【請求項4】 ドラムの半径をr、ドラムへのテープ巻
    付け部分において信号を記録しない部分の角度のうち、
    磁気ヘッド突入側の角度をθm1、磁気ヘッド退出側の角
    度をθm2、テープ上のトラック角をθr とし、前記信号
    記録時の基準高さと前記信号再生時の基準高さとの間隔
    をXRPとするとき、前記の間隔XRPが、 【数1】 および 【数2】 の少なくとも一方の関係を満足するように、テープ巻付
    け角に応じて信号記録時の磁気ヘッドの基準高さおよび
    信号再生時の磁気ヘッドの基準高さを設定することを特
    徴とする請求項2または3記載の回転磁気ヘッド変位機
    構。
  5. 【請求項5】 ドラムの半径をr、ドラムへのテープ巻
    付け部分において信号を記録しない部分の角度のうち、
    磁気ヘッド突入側の角度をθm1、磁気ヘッド退出側の角
    度をθm2、テープ上のトラック角をθr とし、前記信号
    記録時の基準高さと前記信号再生時の基準高さとの間隔
    をXRPとするとき、 【数3】 および 【数4】 の少なくとも一方の関係を満足するように、前記の間隔
    RPに応じてドラムへのテープ巻付け角を設定すること
    を特徴とする請求項2または3記載の回転磁気ヘッド変
    位機構。
  6. 【請求項6】 磁気ヘッドをその回転面に対して直角方
    向に駆動する手段は、平行板ばねに挾持された可動部材
    に設けた永久磁石と、永久磁石に対向するように固定部
    に設けられた駆動コイルとよりなることを特徴とする請
    求項1記載の回転磁気ヘッド変位機構。
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