JPH0730204Y2 - 電磁給湯装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は，射出スリーブに一定量の溶湯を給湯する電磁
給湯装置に関する。

［従来の技術］ 従来の電磁給湯装置を立形ダイカストマシンに適用した
例を第３図により説明する。１は後述する電磁給湯装置
である定量給湯用電磁ポンプ４により溶湯を給湯すべき
射出スリーブ、２は溶湯を金型内（図示せず）に圧送・
加圧する射出プランジャで、射出スリーブ１に摺動自在
に装着されている。３は給湯管で、一端が射出スリーブ
１に接続され他端がダクト５に接続されている。前記ダ
クト５は一端が給湯管３に接続され他端は定量給湯用電
磁ポンプ４の吸込口６となって溶湯保温炉10に接続され
ている。前記溶湯保温炉10は、内部に加圧室７を設けて
汲出し室９と隔離し、底部で加圧室７と汲出し室９とで
連通する。前記加圧室７には、空気加圧装置８とバルブ
装置11とを接続する。前記汲出し室９には、前記吸込口
６が設けられるとともに該汲出し室９内の溶湯の液面を
検知する溶湯面センサ12が設けられている。なお、前記
吸込口６は、汲出し室９内の溶湯面Ａの下方に位置して
いる。

第３図において、空気加圧装置８によって空気が送り込
まれて加圧室７内の液面に加わる圧力で汲出し室９へ押
し出された溶湯の液面は溶湯面センサ12に接するまで上
昇する。上昇した溶湯面により溶湯面センサ12が作動す
ると、該溶湯面センサ12の検知信号によって該液面のレ
ベルを保持すべく制御装置13の指令に応動して、バルブ
装置11が加圧室７内の空気を排出する。この状態で給湯
管３およびダクト５内の液面も汲出し室９内と同一液面
に維持され、定量給湯用電磁ポンプ４にかかる負荷圧力
ヘッドを常時一定になし得、前記定量給湯用電磁ポンプ
４の給湯精度を高い水準に維持することができる。

［考案が解決しようとする問題点］ 前述の利点にもかかわらず、従来例においては溶湯保温
炉が加圧室の構造を必要とし、その機密保持は溶湯の温
度が高いほど困難となり、たとえば700℃を越えるアル
ミニュウム溶湯に適合するに対して支払われるコストは
大きな負担となっていた。

また、加圧空気は溶湯保温炉の熱を吸収し外部へ排出さ
れるので熱効率を低下させる問題があった。

［問題点を解決するための手段］ 本願は、加熱溶融された溶湯を保温収納する保温室と、
仕切り壁の下部で前記保温室に連通し該保温室の溶湯を
汲み出す汲出し室と、溶湯面が前記保温室および汲出し
室の溶湯面よりも高くした定湯面室とを備えた溶湯保温
炉と、一端を前記定湯面室に開口させ他端を射出スリー
ブに接続した給湯管に連通するダクトの外周に装着した
定量給湯用電磁ポンプにより前記射出スリーブに一定量
の溶湯を給湯する電磁給湯装置において、前記定湯面室
の溶湯面を一定に保持すべく前記汲出し室に浸漬させ溶
湯を前記定湯面室へ供給する浸漬形電磁ポンプと、一端
が前記浸漬形電磁ポンプに装着され他端が前記定湯面室
に接続された吐出管と、前記定湯面室に設けられ期待す
る高さでの溶湯面の存否を検知する溶湯面センサと、同
溶湯面センサからの入力に応じて前記浸漬形電磁ポンプ
の励磁電流を制御する溶湯面制御装置とを設けたことを
特徴とする電磁給湯装置。

本願で、前記定湯面室に接続される前記吐出管の底面の
位置は、前記給湯管に接続された前記ダクトの底面より
も下に位置したことを特徴とする。

本願で、前記定湯面室に接続される前記吐出管の末端開
口部は、前記浸漬形電磁ポンプからサイフォンを形成し
前記定湯面室の上方から同定湯面室内に挿入され、前記
給湯管に接続された前記ダクトの底面よりも下に位置し
たことを特徴とする。

［作用］ 保温室および汲出し室に貯留された溶湯を、該溶湯に浸
漬された浸漬形電磁ポンプにより定湯面室へ汲上げる。
溶湯の供給を受けて上昇した定湯面室内の溶湯に接触し
た溶湯面センサは、溶湯の存在を確認する信号を溶湯面
制御装置へ入力する。溶湯面制御装置はそれまで浸漬形
電磁ポンプの汲上げに対応すべく出力していた該ポンプ
の励磁電流を無吐出で定湯面室の溶湯面を保持するに必
要な吐出圧に見合う水準まで下げ、溶湯面を平衡状態に
保持する。

射出スリーブへ一定量の溶湯を給湯するため定量給湯用
電磁ポンプを作動させると、定湯面室の溶湯面は下がり
溶湯面センサとの接触が絶たれたことを検知して溶湯面
制御装置が浸漬形電磁ポンプの励磁電流を増加させ、溶
湯面が溶湯面センサに接触するまで保温室および汲出し
室内の溶湯を汲上げる。したがって定量給湯用電磁ポン
プが作動中であるか否かにかかわらず、定湯面室の溶湯
面は常に一定のレベルに保持され、定量給湯用電磁ポン
プの入口圧に変動がないので定湯面室の溶湯は極めて高
い精度で射出スリーブに給湯される。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を立形ダイカスマシンの射出スリ
ーブに定量給湯を実施した第１図、第２図に基づいて説
明するが、図中、第３図と同一作用の構成部品は同一記
号で示して説明を省略する。20は溶湯保温炉で、同保温
炉20は、ヒータ21により加熱溶融された溶湯を保温収納
する保温室22と，仕切り壁23の下部で保温室22に連通し
溶湯に浸漬した浸漬形電磁ポンプ24を取付け，同電磁ポ
ンプ24により後述する定湯面室26へ溶湯を供給する汲出
し室25と、電磁ポンプ４によりダクト５および給湯管３
を介して射出スリーブ１に定量供給される溶湯を貯留す
る定湯面室26よりなる。前記浸漬形電磁ポンプ24の吐出
口には吐出管27の一端が接続されその他端は定湯面室26
の側壁に設けた連通口28に接続されている。前記定湯面
室26の連通口28に接続された吐出管27の底面は、定湯面
室26に設けられた吸込口６の底面よりも下に位置させ、
浸漬形電磁ポンプ24を停止させたとき定湯面室26内の溶
湯が直ちに汲出し室25に戻るようにしている。29は溶湯
面センサで、定湯面室26内の溶湯面Ａを一定に維持すべ
く同センサ29の検知信号を浸漬形電磁ポンプ24の励磁電
流を制御する溶湯面制御装置30に送っている。31は溶湯
面制御装置30の電源である。32は定湯面室26の底面付近
に配設され溶湯に浸漬された浸漬ヒータである。

保温室22および汲出し室25内の溶湯は溶湯面センサ29の
信号に基づき溶湯面制御装置30により制御された励磁電
流で作動する浸漬形電磁ポンプ24によって溶湯面Ａが溶
湯面センサ29に接するまで定湯面室26に汲上げられた後
に、溶湯面センサ29の信号により溶湯面制御装置30は浸
漬形電磁ポンプ24の吐出圧が溶湯面の高さを維持するに
必要な水準まで励磁電流を低下させる。定量給湯用電磁
ポンプ４がダクト５および給湯管３を介して射出スリー
ブ１へ給湯を開始すると定湯面室26の溶湯面が低下し、
これを溶湯面センサ29が検知して浸漬形電磁ポンプ24の
作動を促し定湯面室26内の溶湯面の水準を常に一定に維
持すべく一定の吸込圧で作動し正確な吐出量が得られ
る。

本実施例においては、浸漬形電磁ポンプ24の吐出管27は
定量給湯用電磁ポンプ４の吸込口６よりも低位置に開口
させたことを特徴としている。

また、電磁給湯装置である定量給湯用電磁ポンプ４の運
転停止時および同給湯装置の前記定量給湯用電磁ポンプ
４などの溶湯漏れ事故などの場合、給湯管３、ダクト５
および定湯面室26などから溶湯を排出する必要がある。
そこで、前記浸漬形電磁ポンプ24の励磁を止めると前記
定湯面室26の溶湯は吐出管27を介して汲出し室25側に逆
流して、定湯面室26内の溶湯面はＡからＢに低下するの
で、前記定量給湯用電磁ポンプ４から溶湯を排出するこ
とができる。

さらに、浸漬ヒータ32により定湯面室26に少量残留した
溶湯の温度を保持することができる。

［第２の実施例］ 第２図は第１の実施例と同一用途に適用するもので、浸
漬形電磁ポンプ24により吐出する溶湯を定湯面室26へ移
送する吐出管113を除いて第１図と構成を同じくするも
のであり、同一部品は同一符号を付し異なる部分のみ説
明する。吐出管113は一端を浸漬形電磁ポンプ24の吐出
口に接続し、他端を定湯面室26の上部から同室26内へ下
降挿入させてサイフォンを形成し開口部を定量給湯用電
磁ポンプ４の吸込口６よりも低位置に開口させる。

かかる構成により、運転停止のため浸漬形電磁ポンプ24
の励磁を解くと、ダクト５の溶湯は定湯面室26に戻り、
該定湯面室26の溶湯で吐出管113の末端より上の部分の
溶湯は吐出管113のサイフォン作用により溶湯保温炉20
の汲出し室25へ逆流させることができる。また、浸漬ヒ
ータ32にり定湯面室26に少量残留した溶湯の温度を保持
することができる。

［考案の効果］ 以上のべたように、本考案によれば溶湯保温炉を大気に
開放構造となし得、加圧室の構築に伴なう設備費の高
騰、操業時の低い熱効率に起因する余分な費用を排除
し、更に安全性を高める効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２図は他の
実施例を示す断面図、第３図は従来技術を示す断面図で
ある。 １……射出スリーブ、２……射出プランジャ、３……給
湯管、４……定量給湯用電磁ポンプ、６……吸込口、20
……溶湯保温炉、21……ヒータ、22……保温室、23……
仕切り壁、24……浸漬形電磁ポンプ、25……汲出し室、
26……定湯面室、27,113……吐出管、28……連通口、29
……溶湯面センサ、30……制御装置、31……電源、32…
…浸漬ヒータ。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】加熱溶融された溶湯を保温収納する保温室
   と、仕切り壁の下部で前記保温室に連通し該保温室の溶
   湯を汲み出す汲出し室と、溶湯面が前記保温室および汲
   出し室の溶湯面よりも高くした定湯面室とを備えた溶湯
   保温炉と、一端を前記定湯面室に開口させ他端を射出ス
   リーブに接続した給湯管に連通するダクトの外周に装着
   した定量給湯用電磁ポンプにより前記射出スリーブに一
   定量の溶湯を給湯する電磁給湯装置において、前記定湯
   面室の溶湯面を一定に保持すべく前記汲出し室に浸漬さ
   せ溶湯を前記定湯面室へ供給する浸漬形電磁ポンプと、
   一端が前記浸漬形電磁ポンプに装着され他端が前記定湯
   面室に接続された吐出管と、前記定湯面室に設けられ期
   待する高さでの溶湯面の存否を検知する溶湯面センサ
   と、同溶湯面センサからの入力に応じて前記浸漬形電磁
   ポンプの励磁電流を制御する溶湯面制御装置とを設けた
   ことを特徴とする電磁給湯装置。
2. 【請求項２】前記定湯面室に接続される前記吐出管の底
   面の位置は、前記給湯管に接続された前記ダクトの底面
   よりも下に位置したことを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の電磁給湯装置。
3. 【請求項３】前記定湯面室に接続される前記吐出管の末
   端は、前記浸漬形電磁ポンプからサイフォンを形成し前
   記定湯面室の上方から同定湯面室内に挿入され、前記給
   湯管に接続された前記ダクトの底面よりも下に位置して
   開口したことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の電磁給湯装置。