JP5043168B2 - 溶融アルミニウム供給装置とそのダクト逆洗方法 - Google Patents

溶融アルミニウム供給装置とそのダクト逆洗方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶融アルミニウムを搬送するために使用される溶融アルミニウム供給装置とそのダクトを溶融アルミニウムで洗浄する方法に関し、特に給湯停止時にダクトの内周に付着した溶融アルミニウム等の金属酸化物を剥離して除去するため、溶融アルミニウムを一旦汲み上げてから、誘導子に逆出力を加えて、汲み上げ動作と逆方向の溶融アルミニウム槽へ溶融アルミニウムを吐き出すことによって、ダクト内での溶融アルミニウムの流通の障害や供給する溶融アルミニウムに金属酸化物が混じるのを防止する溶融アルミニウム供給装置とそのダクト逆洗方法に関する。
例えばアルミ鋳造の分野では鋳型等の搬送先に溶融アルミニウムを供給するために、電磁誘導作用により溶融アルミニウムに推力を与えて搬送する溶融アルミニウム用電磁ポンプを用いた容器供給装置が使用されている。このような溶融アルミニウム用電磁ポンプは、磁性体製のヨークにコイルを巻いた誘導子により筒状のダクト内部に移動磁界を発生させて溶融アルミニウムに推力を与え、供給する形式の誘導形電磁ポンプが主流である。
このような溶融アルミニウムの供給装置に使用される誘導形電磁ポンプは、例えば下記特許文献2(特開2006−341281号公報)に記載されている。溶融アルミニウムが流れる管状のダクトの外周に移動磁界を発生するため、ヨークにコイルを巻いた誘導子を配置し、管状のダクトの内部に誘導子により発生した磁界の磁路となる磁性体のコアを配置している。コアは耐熱性及び耐蝕性を有する筒状の保護管により覆われている。従って、溶融アルミニウムの流路は管状のダクトと保護管との間に形成される環状部分となり、これにより、この種の電磁ポンプは環状流路形電磁ポンプと呼ばれている。
このような溶融アルミニウム用電磁ポンプを使用した溶融アルミニウム供給装置は、間欠的に毎回一定量の溶融アルミニウムをダイキャスト装置や重力鋳造装置等の搬送先に供給するのに用いられる。電磁ポンプの駆動により、溶融アルミニウムを供給するときは、ダクトはヒータにより加熱され、ダクト内はそれを通る溶融アルミニウムが凝固しないように溶融アルミニウムの融点以上の温度が維持される。他方、電磁ポンプの駆動を停止し、溶融アルミニウムの供給を停止しているときは、ヒータによるダクトの加熱も停止する。
ところが、電磁ポンプの駆動を停止し、溶融アルミニウムの供給を停止すると共に、ヒータによるダクトの加熱を暫く停止した後、暫くしてから再度ヒータによりダクトを加熱すると共に、電磁ポンプを駆動し、溶融アルミニウムの供給を開始すると、ダクト内に溶融アルミニウムの酸化物の塊片が混ざることがある。この溶融アルミニウムの酸化物の塊片は、ダクト内の溶融アルミニウムの流通の妨げとなったり、或いは酸化物の塊片が目的の供給先に搬送され、鋳物の品質低下等の問題を引き起こす。そこで、溶融アルミニウムの供給開始時には、この溶融アルミニウムの酸化物の塊片の除去作業が必要となる。
本件発明者らは、この溶融アルミニウムの酸化物の塊片の発生原因について検討したところ、それは次のような現象にあることが分かった。溶融アルミニウムを供給するため、ダクトをヒータで加熱しながらダクト内に溶融アルミニウムを通すと、ダクトの内面には溶融アルミニウムの膜が付着する。溶融アルミニウムの供給時には、このダクトの内面に付着した溶融アルミニウムがダクト内を通る溶融アルミニウムに絶えず洗われ、金属状態のまま連続的に更新される。ところが、溶融アルミニウムの供給を停止し、ダクトの加熱を停止すると、ダクトの内面に付着した溶融アルミニウムの表面が空気と接触して酸化し、表面に酸化膜が生じる。この酸化膜は、ダクトの内面から剥離し、塊片となりやすい。しかも酸化物であるため、溶融アルミニウムの融点以上の温度に再加熱しても溶融しない。そのため、再びダクトをヒータで加熱し、溶融アルミニウムの供給を開始すると、溶融アルミニウムの酸化物の塊片が溶融アルミニウムの中に固形物として浮遊することになる。
溶融アルミニウムを供給するため、ダクトをヒータで加熱しながらダクト内に溶融アルミニウムを通しているときに、ダクトの内面に溶融アルミニウムが付着することは避けることは出来ない。そこでその後、溶融アルミニウムの酸化物の塊片が溶融アルミニウムの中に浮遊することを避けるためには、ダクトの内面に付着した溶融アルミニウムが酸化しないようにする方策が考えられる。
その一つとして、ダクト内を絶えず不活性ガスで満たし、ダクトの内面に付着した溶融アルミニウムが空気と接触するの避ける手段が考えられる。しかし、ダクト内を絶えず不活性ガスで満たしておくためには、窒素ガスやアルゴンガスをダクト内に絶えず供給し続ける必要があり、不活性ガス供給源とそれを回収する装置が必要となり、設備が大掛かりとなる。
特開2009−012024号公報 特開2006−341281号公報 特開平05−285638号公報 特開平05−042357号公報
本発明は、前述した従来の溶融アルミニウム供給装置と溶融アルミニウム供給方法における課題に鑑み、簡単な設備と方法により、溶融アルミニウムの停止時にダクトの内面に付着した溶融アルミニウムの酸化物をその後の溶融アルミニウムの供給開始に先だってダクトの内面から剥離し、これをダクトから排除することを可能とし、それによりダクトの詰まりや酸化物の塊片が溶融アルミニウムの中に浮遊するのを防止することが出来る溶融アルミニウム供給装置とそのダクト逆洗方法を提供することを目的とする。
本発明では、前記の目的を達成するため、ダクト1内の溶融アルミニウムに推力を与えて供給するための給湯用誘導子14と、この給湯用誘導子14の高さまでダクト1内の溶融アルミニウムを汲み上げて、当該高さを維持するための耐熱性を有する立上用誘導子24とを用い、これらが通常溶融アルミニウムを供給する方向と逆方向に駆動し、ダクト1内を洗浄できるようにした。
すなわち、本発明による溶融アルミニウム供給装置は、ダクト1内の溶融アルミニウムに推力を与えて供給するための給湯用誘導子14と、この給湯用誘導子14の高さまでダクト1内の溶融アルミニウムを汲み上げるための耐熱性を有する立上用誘導子24とを備え、立上用誘導子24を溶融アルミニウム槽内に収納した溶融アルミニウム12の液位より低い位置に配置し、この立上用誘導子24で溶融アルミニウム槽からダクト1内の溶融アルミニウムを給湯用誘導子14の高さまで汲み上げた状態で、給湯用誘導子14と立上用誘導子24とを溶融アルミニウムを供給する方向と逆方向に駆動可能としたものである。
また、本発明による溶融アルミニウム供給装置のダクト内溶融アルミニウム酸化物の逆洗方法は、前述した溶融アルミニウム供給装置を使用し、立上用誘導子24で溶融アルミニウム槽からダクト1内の溶融アルミニウムを給湯用誘導子14の高さまで汲み上げた状態で、給湯用誘導子14と立上用誘導子24とを溶融アルミニウムを搬送先に供給するのと逆方向に駆動可能することにより、ダクト1の内周に付着した溶融アルミニウムの酸化物を強制的に剥離するものである。具体的には、ダクト1の内周に付着した溶融アルミニウムの酸化物剥離させるため、溶融アルミニウムを給湯用誘導子14の高さまで汲み上げ、その後給湯用誘導子14と立上用誘導子24とを溶融アルミニウムを供給する方向と逆方向に駆動することにより、ダクト1の内の溶融アルミニウムを溶融アルミニウム槽に吐き出す。これにより、ダクト1を逆洗(溶融アルミニウムを逆流させて洗浄すること。以下に同じ。)する。
この場合、コア保護管3の長さとダクト1の長さが同等または、コア保護管3がダクト1より長いことが好ましい。そうしないと、ダクト1とコア保護管3でできる還状流路で発生する逆向きの流速が単にダクト1内だけの流速となって遅くなってしまうからである。そうすることにより、より効率的に酸化物を吐き出すことが出来る。
また、コア保護管3の溶融アルミニウム槽側の先端がR形状であって、同保護管3の溶融アルミニウム槽側の先端がダクト1の先端より−hだけ奥にあるか又は+hだけ先に突出している場合、それら先端の寸法差±hをダクト1径Dの1/2以下とすることが好ましい。
このよう本発明による溶融アルミニウム供給装置とそのダクト内溶融アルミニウム酸化物の逆洗方法では、給湯用誘導子14と立上用誘導子24とにより溶融アルミニウム12をダクト1内に汲み上げたり、逆方向に駆動し溶融アルミニウム槽内に戻すサイクルを容易に繰り返し行うことが可能となる。これによりダクト1の内面から酸化物を容易に剥離して除去することが出来る。
以上説明した通り、本発明による溶融アルミニウム供給装置とそのダクト内溶融アルミニウム酸化物の逆洗方法では、ダクト1の内面から酸化物を容易に剥離して除去出来るので、ダクト1内の流路が酸化物で狭くなったり、詰まったりしない。また、酸化物が塊片として混じらない溶融アルミニウムを搬送先に供給することが出来るようになり、溶融アルミニウムの供給先で、例えば鋳物の中に酸化物が混入しない等、製品の品質の向上を図ることが出来る。
本発明による溶融アルミニウム供給装置の一実施例を示す断面図である。 本発明による溶融アルミニウム供給装置の一実施例を示す図1の部分拡大図である。 本発明による溶融アルミニウム供給装置の他の実施例を示す断面図である。
本発明では、溶融アルミニウムを随時供給するための給湯用誘導子14と、この給湯用誘導子14の高さまでダクト1内の溶融アルミニウムを汲み上げるための立上用誘導子24との2段の誘導子を設け、立上用誘導子24で給湯用誘導子14の高さまでダクト1内の溶融アルミニウムを汲み上げた状態で、こ誘導子14、24を通常の溶融アルミニウムの搬送方向と逆方向に駆動可能することでその目的を達成する。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、実施例をあげて詳細に説明する。
図1は、本発明による溶融アルミニウム供給装置の一実施例である。この溶融アルミニウム供給装置は、上側の給湯用誘導子14と、下側の立上用誘導子24との2段の誘導子を有する。
図示してない溶融アルミニウム槽に収納された溶融アルミニウム12の液面にポンプ側ダクト1の下端が差し込まれている。ポンプ側ダクト1の溶融アルミニウム12の液面より上にある部分の周囲には、磁性体製のヨーク15にコイル16を巻回した給湯用誘導子14が配置されている。ヨーク15は、ポンプ側ダクト1の溶融アルミニウム12の液面より上にある部分を囲むようにその外周側に嵌め込まれており、このヨーク15に三相コイルを構成するコイル16が巻回されている。
さらに前記ポンプ側ダクト1には、前記給湯用誘導子14より下側の部分の周囲に立上用誘導子24が配置されている。図2にも示すように、この立上用誘導子24は、前記の給湯用誘導子14と同様に、前記ポンプ側ダクト1の誘導子14より下側の部分の外周に嵌め込まれた磁性体製のヨーク25にコイル26を巻回したものである。この立上用誘導子24のコイル26は耐熱性を有する無機絶縁ケーブルにより巻回されている。無機絶縁ケーブルは、ステンレスチューブ等からなるシースの中に導電線を収納し、この導電線とシースとをその間に充填したマグネシア粉末等の無機絶縁粉末で絶縁した構造を有する。いわゆるシースケーブルと呼ばれる。このような無機絶縁ケーブルは、耐熱性が高く、800℃の温度にも耐えることが出来る。このため、大きな電流を通電するのに適しており、その分だけ給湯用誘導子14のコイル16に比べて立上用誘導子24のコイル26の巻数は少なくすることが出来る。
この立上用誘導子24は、耐熱性を有するセラミック等からなる筒状の保護ケース17で囲まれている。この保護ケース17の上端開口部は、上側の給湯用誘導子14の下端面に固定されている。また、この保護ケース17の下端の開口部は、前記ポンプ側ダクト1の下端と密に接合されており、この接合部に囲まれた内側は、ポンプ側ダクト1の下端の溶融アルミニウムの導入口18となっている。
前記ポンプ側ダクト1の上端には、L字形のエルボ管からなる給湯側ダクト1’がフランジ継手等の継手5、5’を介して密に接続されている。前記保護管3の給湯側ダクト1’に近い一端部の周囲にフランジ6が延設され、このフランジ6の外周に近い部分が前記ポンプ側ダクト1と給湯側ダクト1’とを接続する前記の継手5、5’の間に挟持されている。これにより、保護管3の中のコア2、22がポンプ側ダクト1の中心に位置するよう保持されている。フランジ6には、溶融アルミニウム12の通路となる複数の円弧状の通過孔7が設けられている。給湯側ダクト1’は、図示してないバネ等により手前のポンプ側ダクト1に弾力的に押しつけられている。この状態で継手5、5’の間に挿入された耐熱性のガスケットにより継手5、5’の部分のシール性が確保されている。
これらポンプ側ダクト1と給湯側ダクト1’は、セラミック等の耐熱性、耐蝕性のある材料で作られており、その外周に設けた保温用のマイクロヒータ等からなるヒータ9、9’により溶融アルミニウム12の融点以上の温度に加熱され、溶融アルミニウム12の凝固を防ぐ。
溶融アルミニウム槽の中の溶融アルミニウム12の上に液面センサー等のセンサー13が設けられ、これにより溶融アルミニウム槽の中の溶融アルミニウム12の液位が検知される。前記立上用誘導子24は、このセンサー13で検知される溶融アルミニウム12の液面より下に挿入される。
他方、給湯側ダクト1’のポンプ側ダクト1に接続された基端側に液面センサー等のセンサー19が設けられ、これによりポンプ側ダクト1の中の液位が検知される。給湯側ダクト1’の先端側にはゲートバルブ27が設けられ、このゲートバルブ27の先に鋳型等の溶融アルミニウムの供給先20が配置されている。この溶融アルミニウムの供給先20には、それに溶融アルミニウムが供給されたことを検知するセンサ23が設けられている。ゲートバルブ27は、簡単な楔形或いは逆台形の蓋を上下に開閉動作するもので、給湯時は開いている。このゲートバルブ27は、ポンプ側ダクト1と給湯側ダクト1’の中の溶融アルミニウムの液面での酸化防止のために取り付けられているが、無くても良い。
これらセンサー13、19、23の信号は制御器11に送られ、この情報を基に同制御器11で給湯用誘導子14と立上用誘導子24の通電制御とゲートバルブ27の開閉制御が行われる。
前述したように、立上用誘導子24は、その巻線26として耐熱性のあるシースケーブルを用いることにより、大きな電流を通電するのに適している。また、駆動前にはこの立上用誘導子24に前記とは逆位相の三相交流を通電すると、ポンプ側ダクト1に溶融アルミニウムが入らないようにしながら、コイル26の導電線の自己発熱と電磁誘導加熱の原理によりコイル26のシースが加熱されるので、この熱によりポンプ側ダクト1を予熱することが出来る。この予熱は前記の溶融アルミニウムの汲み上げに先立って行う。勿論、ヒータ9によってもポンプ側ダクト1を予熱することができるのは、言うまでも無い。
立上用誘導子24への通電により、ポンプ側ダクト1の中の溶融アルミニウムの液位が給湯用誘導子14の高さに達したことをセンサー19が検知し、なお且つ溶融アルミニウムの供給先20に溶融アルミニウムが供給されていないことをセンサー23が検知すると、給湯用誘導子14に三相交流が通電され、ポンプ側ダクト1の中に移動磁界を発生する。このときゲートバルブ27が開く。これによりポンプ側ダクト1の中の溶融アルミニウムが汲み上げられ、この溶融アルミニウムが供給側ダクト1’を通して溶融アルミニウムの供給先20に供給される。
また後述するように、立上用誘導子24で給湯用誘導子14まで液位を上げて後、センサー19で検知する液位を維持するように、立上用誘導子24の出力を下げながら給湯用誘導子14の出力を上げて、最終的には立上用誘導子24の出力を零にして、給湯用誘導子14の出力だけで液位を保持し、さらに給湯用誘導子14の出力を調整するだけで溶融アルミニウムを供給先20に供給することも出来る。一般的には、給湯用誘導子14を出力調整器1個だけを利用して出力調整した方が、制御性がよい。
供給先20に所定量の溶融アルミニウムの供給が完了すると、ゲートバルブ27が閉じ、溶融アルミニウムの供給が停止される。ゲートバルブ27を閉じる前に、給湯用誘導子14の出力調整をしてセンサー19の液位検知位置に液面を戻す方法以外に、立上用誘導子24に逆位相の三相交流を通電することにより、ポンプ側ダクト1から給湯側ダクト1’に向けて流動する溶融アルミニウムを制動することができ、溶融アルミニウムの流れを瞬時に停止することが出来る。その後は給湯用誘導子14にポンプ側ダクト1の中の溶融アルミニウムの液位が同給湯用誘導子14の高さに維持されるだけの電力が通電される。この状態では給湯用誘導子14への通電のみによってポンプ側ダクト1の中の溶融アルミニウムの液位が維持されるため、立上用誘導子24への通電は不要となる。
このような溶融アルミニウム供給装置において、ポンプ側ダクト1の内部に溶融アルミニウムの酸化物が付着したとき、これを洗浄するための動作は次の通りである。まず立上用誘導子24への通電により、ポンプ側ダクト1の中の溶融アルミニウムの液位が給湯用誘導子14の高さに達したことをセンサー19が検知し、なお且つ溶融アルミニウムの供給先20に溶融アルミニウムが供給されていないことをセンサー23が検知すると、給湯用誘導子14に三相交流が通電され、ポンプ側ダクト1の中に移動磁界を発生する。これによりポンプ側ダクト1の中の溶融アルミニウムが汲み上げられ、この溶融アルミニウムが供給側ダクト1’の途中に溶融アルミニウムを保持する。
その後、くみ上げ時と逆の移動磁界を発生させるように、立上用誘導子24と給湯用誘導子14に通電し、溶融アルミニウム槽に溶融アルミニウムを戻す。これにより、ポンプ側ダクト1の中の酸化物が同ダクト1の中の溶融アルミニウムにより逆洗され、酸化物が溶融アルミニウム槽の溶融アルミニウム12の中に排除される。その後、立上用誘導子24に通電しポンプ側ダクト1の中に溶融アルミニウムを再び汲み上げ、その溶融アルミニウムの液位が給湯用誘導子14の高さに達したことをセンサー19が検知し、なお且つ溶融アルミニウムの供給先20に溶融アルミニウムが供給されていないことをセンサー23が検知すると、給湯用誘導子14に三相交流が通電され、ポンプ側ダクト1の中に移動磁界を発生する。これによりポンプ側ダクト1の中の溶融アルミニウムが汲み上げられ、この溶融アルミニウムが供給側ダクト1’の途中に溶融アルミニウムを保持する。これを何度か繰り返し、ダクト1の内周に付着した溶融アルミニウムの酸化物を強制的に剥離しながら、剥離した酸化物を溶融アルミニウム槽の溶融アルミニウム12の中に排除する。溶融アルミニウム12の中に排除された酸化物は溶融アルミニウム12の上層に浮くので、これをすくい取って廃棄する。
なお、図2に示すように、取り扱いの観点からは、コア22の保護管3の先端がポンプ側ダクト1の下端の溶融アルミニウムの導入口18から突出していないのがよい。しかし、コア22の保護管3の先端がポンプ側ダクト1の下端の溶融アルミニウムの導入口18から例えば−hだけ奥にあると、導入口18からコア22の保護管3の先端に至る−hの部分の流路断面積は、コア22の保護管3が存在する部分に比べて広くなり、その部分での溶融アルミニウムの流速が遅くなる。そのため、コア保護管3の先端がR形状の場合、逆噴射速度v’がポンプ側ダクト1の外まで維持されて逆噴射効果が維持出来るのは、解析と試験に拠るとhがポンプ側ダクト1の内径Dの1/2が限度となる。むしろ、コア22の保護管3の先端がR形状の場合、同保護管3の先端がポンプ側ダクト1の下端の溶融アルミニウムの導入口18から突出していることが前記逆噴射速度v’の維持には好適である。この突出寸法+hは、長すぎると浮力に依る酸化物の上昇が妨げられので、ダクト1の先端から同ダクト1の径Dの1/2以下とするのがよい。
次に、図3に示した溶融アルミニウム供給装置の他の実施例について説明する。図1に示した実施例は、ポンプ側ダクト1をほぼ垂直に立て、給湯側ダクト1’をほぼ水平として溶融アルミニウムの供給先20に溶融アルミニウムを供給した例である。これに対し、図3に示した実施例は、直管からなるポンプ側ダクト1とエルボ管からなる給湯側ダクト1’とを±45゜程度の斜めに配置し、鋳型等の溶融アルミニウムの供給先20’に溶融アルミニウムを供給する例である。ポンプ側ダクト1に設けられた立上用誘導子24と給湯側誘導子14もポンプ側ダクト1と同じ角度に設置される。溶融アルミニウムの供給先20’である鋳型は鋳型駆動機構21により駆動され、組み立てと脱型が行われる。これ以外の図3に示された実施例の構成は基本的に図1と図2により前述した実施例と同じであり、対応する部分は同じ符合で示している。共通する対応する部分の詳細な説明は省略する。
本発明による溶融アルミニウム供給装置は、ダクト1の内面から酸化物を容易に剥離して除去出来るので、酸化物が塊片として浮遊しない溶融アルミニウムを搬送先に供給することが出来るようになり、鋳造のように、酸化物を含まない溶融アルミニウムの供給を必要とする分野で利用することが出来る。
1 ダクト1
2 コア
3 コアの保護管
14 給湯用誘導子
22 コア
24 立上用誘導子

Claims (5)

  1. 溶融金属を移送するダクト(1)に誘導子(14)、(24)を設け、同誘導子(14)、(24)によりダクト(1)内に移動磁界を発生し、溶融アルミニウムに推力を与えて供給する溶融アルミニウム供給装置において、ダクト(1)内の溶融アルミニウムに推力を与えて供給するための給湯用誘導子(14)と、この給湯用誘導子(14)の高さまでダクト(1)内の溶融アルミニウムを汲み上げるための耐熱性を有する立上用誘導子(24)とを備え、立上用誘導子(24)を溶融アルミニウム槽内に収納した溶融アルミニウム(12)の液位より低い位置に配置し、この立上用誘導子(24)で溶融アルミニウム槽からダクト(1)内に溶融アルミニウムを給湯用誘導子(14)の高さまで汲み上げた状態で、給湯用誘導子(14)と立上用誘導子(24)とを溶融アルミニウムを供給する方向と逆方向に駆動可能としたことを特徴とする溶融アルミニウム供給装置。
  2. 誘導子(14)、(24)により発生した磁界の磁路を形成するようダクト(1)の中に配置した磁性体製のコア(2)、(22)を覆う保護管(3)の長さがダクト(1)の長さと同等かまたはそれより長いことを特徴とする請求項1に記載の溶融アルミニウム供給装置。
  3. 誘導子(14)、(24)により発生した磁界の磁路を形成するようダクト(1)の中に配置した磁性体製のコア(2)、(22)を覆う保護管3の先端がR形状であって、同保護管(3)の先端がダクト(1)の先端より−hだけ奥にあるか又は+hだけ先に突出している場合、それら先端の寸法差±hを同ダクト(1)の径Dの1/2以下としたことを特徴とする請求項1または2に記載の溶融アルミニウム供給装置。
  4. 溶融金属を移送するダクト(1)に誘導子(14)、(24)を設け、同誘導子(14)、(24)によりダクト(1)内に移動磁界を発生し、溶融アルミニウムに推力を与えて供給する溶融アルミニウム供給装置において、ダクト(1)内の溶融アルミニウムに推力を与えて供給するための給湯用誘導子(14)と、この給湯用誘導子(14)の高さまでダクト(1)内の溶融アルミニウムを汲み上げるための耐熱性を有する立上用誘導子(24)とを備え、立上用誘導子(24)を溶融アルミニウム槽内の溶融アルミニウム(12)の液位より低い位置に配置し、この立上用誘導子(24)で溶融アルミニウム槽からダクト1内に溶融アルミニウムを給湯用誘導子(14)の高さまで汲み上げた状態で、給湯用誘導子(14)と立上用誘導子(24)とを溶融アルミニウムを供給する方向と逆方向に駆動することにより、ダクト(1)の内周に付着した溶融アルミニウムの酸化物を強制的に剥離することを特徴とする溶融アルミニウム供給装置のダクト逆洗方法。
  5. ダクト(1)の内周に付着した溶融アルミニウムの酸化物が剥離させるため、溶融アルミニウムを給湯用誘導子(14)の高さまで汲み上げ、その後給湯用誘導子(14)と立上用誘導子(24)とを溶融アルミニウムを供給する方向と逆方向に駆動することにより、ダクト(1)の内の溶融アルミニウムを溶融アルミニウム槽に吐き出すことを特徴とする請求項4に記載の溶融アルミニウム供給装置のダクト逆洗方法。
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