JP4095157B2 - 金属溶湯供給装置の湯面調整出湯方法 - Google Patents
金属溶湯供給装置の湯面調整出湯方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属溶湯を鋳造機に送る為の金属溶湯供給装置の操業方法に関し、詳しくは金属溶湯供給装置の出湯時における湯面レベルの安定した調整方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム、アルミニウム合金等を鋳造する場合、鋳造機へ均一な温度の金属溶湯を安定して送るために、特願平09−21159で提案したような金属溶湯供給装置が用いられる。そして、鋳造機への出湯に際しては、金属溶湯供給装置の溶湯保持炉からポット内に一定量の金属溶湯を給湯口を介して吸引し、給湯口を閉じたのち排湯口を開くとともにポット内を不活性ガスや乾燥空気等の金属に反応し難い気体により加圧して金属溶湯を出湯管を介して鋳造機の金型内に送り込む。
【0003】
ところが、ポット内に金属溶湯を吸引する際、湯面の波打ちが激しく湯面レベルを正確に検知することが非常に困難であった。波打ち現象は、ポットの断面に比して給湯口の断面が小さく、給湯口からその直上にかけての溶湯の流速が早いためポット内の溶湯が循環することに起因する。したがって、正確な湯面レベルを得ようとすれば、非常な手間を要し作業も長時間掛かって後工程である鋳造に大きな支障をきたす要因となっていた。勿論、吸引した湯面と設定湯面レベルに差があると、精密な鋳造を行うことも期待できない欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の方法は前記問題点を解決するためのもので鋳造機へ金属溶湯を送るに際し、金属溶湯供給装置の溶湯保持炉からポット内に導入する金属溶湯表面の波打ち現象に起因する湯面レベル検知の困難性をなくし、出湯設定湯面レベルを正確に得ることを目的としている。また、出湯に伴う複雑な手間を省き作業時間を短縮するとともに、鋳造の効率化と精密化を図る。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は弁操作で開閉する給湯口と排湯口を持つポットをその下部が溶湯保持炉の湯面下に浸漬するよう配置した金属溶湯供給装置を用いて鋳造機へ出湯するに際し、まず前記給湯口を介して金属溶湯を溶湯保持炉からポット内に一旦、出湯設定湯面レベル以上に強制吸引し、次いで吸引力を開放して湯面レベルを出湯設定湯面レベルまで徐々に降下させ、しかるのち給湯口を閉じ排湯口を開くとともにポット内を加圧して金属溶湯を鋳造機へ出湯するようにした。
【0006】
【作用】
鋳造機への出湯用金属溶湯を金属溶湯供給装置のポット内に一旦、出湯設定湯面レベル以上に吸引後、徐々に湯面を出湯設定湯面レベルまで降下させて湯面の調整を行う。
【0007】
【実施例】
図1は本発明を実施する際に用いられる金属溶湯供給装置の断面を示す。
金属溶湯供給装置1は、底部側に給湯口2および排湯口3を持つ有底円筒状のポット4をその下部が溶湯保持炉5の湯面下に浸漬するよう配置構成されている。そして溶湯保持炉5内には、金属溶解炉(図示せず)で溶解されたアルミニウム合金等の溶湯6が鋳造機金型7に出湯するために貯えられている。8はポット4の排湯口3と前記金型7の注湯口をつなぐ出湯管で、鋳造時に溶湯を適温にて出湯できるようになっている。ポット4内には給湯口2を開閉する開閉弁9と排湯口3を開閉する開閉弁10が設けてあり、シリンダー11および12の作動によりそれぞれ給湯口2と排湯口3を開閉するようになっている。また、ポット4には溶湯の湯面の昇降とともに上下するフロート13が取付けてあり、液面センサー14により湯面レベルの位置を検知するようになっている。さらに溶湯保持炉5からポット4内に溶湯を吸引するための吸引ポンプ15と、出湯時に不活性ガスや乾燥空気等の気体によりポット4内を加圧するための加圧ポンプ16が設けられている。なお、L1は出湯直前の湯面レベルであり、L2は出湯完了後の湯面レベルを示す。すなわち、L1とL2の間の容積に相当する金属溶湯が1回の鋳造に出湯される。
【0008】
ここで、前記金属溶湯供給装置1の操作について説明する。鋳造機金型7への鋳込開始準備ができると、ポット4の上部に取付けたシリンダー11を作動して開閉弁9を給湯口2から離し、給湯口2を開の状態とする。そして、吸引ポンプ15により溶湯保持炉5から鋳造に適温の金属溶湯を給湯口2を介してポット4内に吸い上げる。出湯に必要な設定湯面L1まで溶湯を吸引すると、シリンダー11を作動して開閉弁9により給湯口2を閉じる。次いで、シリンダー12を作動させて開閉弁10を排湯口3より離し、排湯口3を開の状態にする。引き続き加圧ポンプ16により不活性ガス等の気体をポット4内に送り込み、ポット4の溶湯を排湯口3から出湯管8を介して鋳造機金型7へ送り込む。この時、金属溶湯が1回の出湯に必要な量である湯面レベルL2になるまで気体により加圧する。出湯が完了すると、再びシリンダー12により開閉弁10を作動して、排湯口13を閉にする。前記の動作を繰り返しながら鋳造機金型7への出湯を行う。
【0009】
次に本発明の実施例を図2を用い、従来法と対比しながら説明する。まず、図2(イ)は従来法であり、鋳造機金型7の鋳込準備が完了すると、前記開閉弁9を上昇させ給湯口2を開として金属溶湯をポット内に湯面レベルがL2(aの状態)からL1(bの状態)になるまで吸引する。この時点で開閉弁9を降下させ給湯口2を閉とする。次いで開閉弁10を上昇させ排湯口3を開とするとともに、ポット4内に不活性ガス等の気体を導入し湯面レベルがL1(bの状態)からL2(eの状態)になるまで加圧する。この方法によれば、前述したようにポット4内に金属溶湯を吸引する際、湯面の波打ちが激しく湯面レベルL1を正確に検出することが困難であり、精密な鋳造が期待できない。また、湯面レベルL1を所定値にしようとすれば、波打ちがおさまるのを待ち、少しづつ吸引を繰り返しながら所定値になるまで調整する必要があり、手間が掛かるばかりでなく、作業に長時間を要する。これはまた鋳造工程に支障をもたらす原因となる。
【0010】
そこで本発明では、図2(ロ)のように金属溶湯をポット4内に強制吸引して出湯を開始するまでの間に独自の湯面調整を行うようにした。すなわち、鋳造機金型7の鋳込準備ができると開閉弁9を上昇させ給湯口3を開き吸引ポンプ15を作動して金属溶湯を溶湯保持炉5よりポット14内に強制吸引するが、この際前サイクル完了時(Aの状態)の湯面レベルL2から一旦出湯に必要な湯面レベルL1(Bの状態)を超えてオーバーシュートさせて吸引する(Cの状態)。
次いで吸引力を開放して出湯湯面レベルL2まで溶湯湯面を徐々に下げる(Dの状態)。この場合、(Cの状態)から(Dの状態)までは、吸引ポンプ15の吸引力を徐々に弱めてもよいし、吸引ポンプ15を止めてポット4内を大気開放してもよい。また必要に応じては加圧ポンプ16により不活性ガス等の導入により制御することもある。一旦、L1レベルよりオーバーシュートさせた溶湯湯面は当初並打ちの激しい状態を呈しているが、L2レベルまで徐々に降下させる間、すなわち(Cの状態)と(Dの状態)の間に波打ちは無くなり平滑な湯面となり、出湯に必要な溶湯量がポット4内に正確に保持される(Dの状態)。この状態でシリンダー11により開閉弁9を降下させ給湯口2を閉じる。その後、シリンダー12により開閉弁10を作動させ排湯口3を開き、加圧ポンプにより不活性ガス等の気体をポンプ4内に送り込んで加圧し、湯面がL2レベルになるまで出湯を続ける。その時点で給湯が完了する(Eの状態)。
【0011】
前記実施例ではアルミニウム合金の出湯時の湯面調整について説明したが、金属溶湯であればどのような種類の処理材にも適用できることは言うまでもない。
【0012】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明によれば鋳造機への出湯に際して必要な金属溶湯供給装置のポット内への金属溶湯吸引量を短時間に正確に調整でき、また作業手間も大幅に省ける。したがって、精密な鋳造が可能となるとともに、鋳造工程全体に要する時間の短縮化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施する際に用いられる金属溶湯供給装置の断面図である。
【図2】 図1に示す装置で実施する本発明による湯面調整操作を説明するための図であり、従来法と対比して図示してある。
【符号の説明】
1・・・・金属溶湯供給装置 2・・・・給湯口
3・・・・排湯口 4・・・・ポット 5・・・・溶湯保持炉
7・・・・鋳造機金型 9.10・・・・開閉弁
15・・・・吸引ポンプ 16・・・加圧ポンプ
A・・・・溶湯を溶湯保持炉から吸引する前のポット内の状態
B・・・・溶湯湯面が出湯設定レベルに達した吸引途中の状態
C・・・・溶湯湯面を出湯設定レベルを超えてオーバーシュートさせた状態
D・・・・一旦オーバーシュートさせた溶湯湯面を出湯設定レベルまで降下させた状態
E・・・・鋳造機金型への出湯を完了させた状態
L1・・・・鋳造機金型へ出湯直前のポット内の溶湯設定レベル
L2・・・・鋳造機金型へ出湯完了後のポット内の溶湯レベル
Claims (1)
- 弁操作によりそれぞれ開閉する給湯口および排湯口を持つポットをその下部が溶湯保持炉の湯面下に浸漬するよう配置構成した金属溶湯供給装置を用いて鋳造機へ出湯するに際し、まず前記給湯口を介して金属溶湯を溶湯保持炉からポット内に一旦、出湯設定湯面レベル以上に強制吸引し、次いで吸引力を開放して湯面レベルを出湯設定湯面レベルまで徐々に降下させ、しかるのち給湯口を閉じ排湯口を開くとともにポット内を加圧して金属溶湯を鋳造機へ出湯するようにしたことを特徴とする金属溶湯供給装置の湯面調整出湯方法。
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JP10530398A JP4095157B2 (ja) | 1998-03-11 | 1998-03-11 | 金属溶湯供給装置の湯面調整出湯方法 |
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Publications (2)
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JPH11254122A JPH11254122A (ja) | 1999-09-21 |
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JP10530398A Expired - Fee Related JP4095157B2 (ja) | 1998-03-11 | 1998-03-11 | 金属溶湯供給装置の湯面調整出湯方法 |
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Families Citing this family (1)
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-
1998
- 1998-03-11 JP JP10530398A patent/JP4095157B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11254122A (ja) | 1999-09-21 |
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