JP4239160B2 - 低圧鋳造システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム合金等の溶解された軽合金を保持炉に供給した後、低い圧力により保持炉からストークを介して上方にある金型内に押し上げて鋳造をする低圧鋳造機を用いた低圧鋳造システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、低圧鋳造機は溶解された軽合金を溶解炉から保持炉に補給し、その名称の由来の如く、0.01〜0.2MPaのプレッシャーダイキャストと比較して低い圧力を密閉された保持炉内に加えることで、保持炉の上方に設置された金型と炉蓋を貫通して溶湯に差し込まれたストークを介して金型の成形室に溶湯を押し上げ供給するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−42715号公報(第1〜5頁、図1、図4)。
【0004】
しかしながら、この公報に記載された低圧鋳造機では、溶湯は別の場所にある溶解炉からレードルを使用して搬送して保持炉に補給するようにされている。この溶解と運搬頻度で1回の補給量が決定されるが、一般的には2時間の生産に必要な量の溶湯を補給するようにしている。またストークの吸い込みレベル以下の溶湯は使用できないため3割程は使用できない。こういった条件下で使用される保持炉は700〜800kg程度の保持容量のものが多く、反射炉、坩堝炉が大半である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような低圧鋳造機の保持炉断熱材は300〜400mmの厚みが必要であり、このため800kg反射炉でおおよそ1800×1600×1200Hの炉体が必要となる。これが下ダイプレートの下に設置されるため、炉の圧着装置が600Hあればダイベースも含め、おおよそ下ダイプレート上面から下へ約2000mmもの高さが必要になる。
【0006】
また800kgの溶湯を保温維持するには、15〜20kWの電力を必要とする。このように炉体が大きいということは加圧時のエア量も容積に比例して所要量が大きくなり、同様に排気も容量が増加するため、排出されることでムダになるエネルギーも大きくなる。
【0007】
さらに鋳込み毎に保持炉内の溶湯レベルが低下し、その分加圧する圧力を割り増しする必要がある。しかしアルミの比重は温度、成分、ガス量等により変動する。
また炉内壁面にドロスの付着もあり、レベル面の低下も厳密には一定しない。このため鋳造ショット数を重ねる毎に制御の誤差が大きくなり、押し湯圧力が異なることになる。
【0008】
加えてレードルを使用して配湯することで移し変えする時、空気中の水分を吸収するという金属的な問題と、フォークリフト、バッテリーカーという走行装置に大きな桶(レードル)を持たせ、その中に溶湯を入れて工場内を走り回るといった危険な作業にもなる。
【0009】
本発明は、上記の問題に鑑みて成されたもので、溶湯をレードル等により運搬することなく低圧鋳造機の保持炉への溶湯補給が可能で、かつ1ショット消費量に応じて、正確な溶湯の補給が可能になり、消費エネルギーの節約と装置の小型化ができる低圧鋳造システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明における低圧鋳造システムは、溶湯を貯留するための坩堝1、該坩堝1外周に設けられた誘導コイル3、前記坩堝1の上方に昇降し前記坩堝1内に挿入可能なセラミックパイプ4および該セラミックパイプの上部を支持する押し込み装置5を備えるの出湯口A1に続く湯溜りA2と、低圧鋳造機Cの保持炉C1と、を該保持炉C1の溶湯供給口C2を開閉するゲート部を開閉する湯中タップ装置Bを介して接続した低圧鋳造システムであって、前記誘導加熱式1ショット溶解炉Aと、前記湯中タップ装置Bと、前記保持炉C1とが同じ設置面に設置されており、押し込み装置5が作動してセラミックパイプ4を下降させて坩堝1内に溶解されている1ショット鋳込み量の溶湯31を出湯口A1から湯溜りA2に出湯させたのち、湯中タップ装置Bを作動させて湯溜りA2にある溶湯31を溶湯供給口C2から保持炉C1へ補給することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
前記誘導加熱式1ショット溶解炉とは、誘導加熱により溶解された溶湯を1ショットで消費した分だけ出湯する溶解炉をいう。また、湯中タップ装置とは、湯溜りに設けられたタップとプラグと該プラグを駆動する駆動装置を具備し、前記湯溜りに貯留されている溶湯をプラグの昇降により補給と補給停止ができる装置を言う。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。図1および図2において高周波誘導加熱式1ショット溶解炉Aは、出湯口A1に続く湯溜りA2に設けた湯中タップ装置Bを介して低圧鋳造機Cの保持炉C1の溶湯供給口C2に接続されている。なお、本実施例においては、所定量の塊から迅速に溶解を行うのに最も都合のよいと考えられる高周波誘導加熱方式を用いた。
【0013】
高周波誘導加熱式1ショット溶解炉Aは、図1に示すように坩堝1が支持台2の上に載せてセットされており、坩堝1の外周には誘導コイル3を配置して高周波誘導加熱炉に構成されている。該坩堝1の上部にはセラミックパイプ4が昇降可能にして挿入されていると共に該セラミックパイプ4の上部は、押し込み装置5により支持されている。
【0014】
該押し込み装置5は、サーボモータ6、リニアガイド7、ボールネジ8とモータの回転を伝えるタイミングベルト9、ホイール10とそれらを支えるフレーム11により構成され、サーボモータ6の駆動により鋳込み量1ショット相当分ずつ前記セラミックパイプ4を上下動させる。なお前記セラミックパイプ4を介して、1ショット消費分のアルミ塊12を坩堝1内に都度投入する。
【0015】
次に低圧鋳造機Cの保持炉C1は、図1及び図2に示すように炉体20、断熱材21、浸漬ヒータ22、図示されない湯温温度計、湯面センサー24、ストーク25、炉蓋26により構成され、点検窓27は炉内清掃用で加圧口は点検窓27直近に設けられている。炉内を加圧することで炉蓋26にセットされたストーク25及び金型28の成形室29に湯口30を介して炉内のアルミ溶湯31が満たされる構成にされている。
【0016】
次に湯中タップ装置Bは、前記炉体20側断熱材21にセラミック製のタップ32が埋設されており、このタップ32に合う形で加工されたセラミック製プラグ33を空圧シリンダ34で開閉する構成にされている。なお前記湯溜りA2の中央上部には前記溶解炉Aからの出湯量が過大な場合及び保持炉C1からの逆流を検知するレベル計35が設置されている。
【0017】
このように構成されたものは図の状態で低圧鋳造機Cの保持炉C1内に加圧エアを供給してストーク25及び湯口30を介して金型28の成形室29に炉内のアルミ溶湯31が満たされる。成形室29内のアルミ溶湯31は、上部より凝固してゆき、最後に湯口30部が凝固したところで炉内の加圧を解除する。ストーク25内の溶湯31は、重力により炉内に戻ると共に金型28開き工程に入り、製品は上金型に付着されて開かれ機外に取り出される。
【0018】
一方高周波誘導加熱式1ショット溶解炉Aにおいては、次の操作がなされる。すなわち坩堝1内に溶解されているアルミ溶湯31に対しセラミックパイプ4を介して1ショット鋳込み消費量分に相当するアルミ塊12を投入する。この際アルミ溶湯31は、セラミックパイプ4により飛び散るのを防止される。投入されたアルミ塊12は、1サイクル内のタイムで迅速に溶解される。
【0019】
次に押し込み装置5が作動してセラミックパイプ4を1ショット鋳込み消費量に相当する体積分、サーボモータ6により正確に1ショット鋳込み量に相当する分が下降され、出湯口A1から溶湯が湯溜りA2に出湯される。その後セラミックパイプ4はもとの位置まで上昇されて、坩堝1内のアルミ溶湯31面が下降され、図1の状態に戻る。
【0020】
次に前記保持炉C1内のアルミ溶湯31を金型28に鋳込んだ後の状態で、空圧シリンダ34によりプラグ33を上昇させて湯溜りA2にあるアルミ溶湯31を保持炉C1の溶湯供給口C2から補給する。このアルミ溶湯31の補給は、湯溜りA2に1ショット消費量相当分の溶湯が湯面センサー24と湯中タップ装置Bの作動により補給される。以上の作動が1サイクル内のタイムで行われると共に繰り返し行われる。
【0021】
上記のように保持炉C1には1ショット毎に溶湯補給がなされるため、保持炉は従来のものに比べて非常に小型のものでよいと共に均一鋳込み制御、特に加圧エアの制御が省略できることが簡単かつ容易になっている。
【0022】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明は、保持炉へのアルミ溶湯の補給を1ショット毎に、かつ1ショット消費量相当分のみの補給になっているから、低圧鋳造機の保持炉が小型化され、消費エネルギーも少なくできると共に均一な鋳込みができる。また誘導加熱式1ショット溶解炉と、湯中タップ装置と、保持炉とが同じ設置面に設置されていることから低圧鋳造システムを設置するためのピットを施工する必要もなくなる。さらに溶湯のレードル等による運搬作業がなくなり、危険作業を排除できる効果があるなど鋳造業界に与える効果は著大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の低圧鋳造システム全体を示す断面図である。
【図2】低圧鋳造機部分を示す断面図である。
【符号の説明】
A 誘導加熱式1ショット溶解炉
A1 出湯口
A2 湯溜り
B 湯中タップ装置
C 低圧鋳造機
C1 保持炉
C2 溶湯供給口
1 坩堝
3 誘導コイル
4 セラミックパイプ
5 押し込み装置
6 サーボモータ
7 リニアガイド
8 ボールネジ
12 アルミ塊
20 炉体
21 断熱材
22 浸漬ヒータ
24 湯面センサー
25 ストーク
26 炉蓋
27 点検窓
28 金型
29 成形室
30 湯口
31 アルミ溶湯
Claims (2)
- 溶湯を貯留するための坩堝1、該坩堝1外周に設けられた誘導コイル3、前記坩堝1の上方に昇降し前記坩堝1内に挿入可能なセラミックパイプ4および該セラミックパイプの上部を支持する押し込み装置5を備えるの出湯口A1に続く湯溜りA2と、低圧鋳造機Cの保持炉C1と、を該保持炉C1の溶湯供給口C2を開閉するゲート部を開閉する湯中タップ装置Bを介して接続した低圧鋳造システムであって、
前記誘導加熱式1ショット溶解炉Aと、前記湯中タップ装置Bと、前記保持炉C1とが同じ設置面に設置されており、押し込み装置5が作動してセラミックパイプ4を下降させて坩堝1内に溶解されている1ショット鋳込み量の溶湯31を出湯口A1から湯溜りA2に出湯させたのち、湯中タップ装置Bを作動させて湯溜りA2にある溶湯31を溶湯供給口C2から保持炉C1へ補給することを特徴とする低圧鋳造システム。 - 前記低圧鋳造機Cの保持炉C1に湯面センサ24を更に設け、前記湯中タップ装置Bと共に溶湯レベルを一定にすることを特徴とする請求項1に記載の低圧鋳造システム。
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