JP5369876B2 - 溶解機能及び加圧機能付き小型鋳造装置 - Google Patents
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Description
このような問題点を解決するために、溶湯保持容量、溶解機構を最小化することが求められていたが、安定的に溶湯温度保持することや、鋳造サイクルに対応してタイミングよく材料溶解・溶湯供給することが難しいために実現することができていなかった。
これにより、連続鋳造装置を提供できるとともに、設備(炉)の小型化ならびに溶解保持エネルギーの低減を図ることが出来る。そして、溶解機能と加圧機能を炉部に持たせた小型化連続鋳造装置を提供出来る。また、未溶融材料を投入しても直ちに溶解室で溶解させることができ、装置全体を小型化させることができる。
これにより、炉に独立した加熱手段を、材料投入側、溶湯出湯側、その間の溶湯保持室の各部位に配置して温度制御することで、材料溶解時の溶湯温度変動の影響が出湯側の溶湯温度へ及ぼさず、出湯温度を安定させ、かつ、溶解効率を確保させることができる。
図1は、本発明の一実施形態を示す概要図である。図1において、本発明の小型鋳造装置の炉体50の構造の概要が示されている。1は炉壁であり、耐火材(キャスタブル等)や、窒化珪素等のアルミ溶解温度に耐え得る耐熱性を有し、かつ、アルミ溶湯との親和性の低いセラミック材料が用いられている。
エア供給経路8のエアの供給は、溶湯槽30における溶湯を加圧する手段を構成する。エア供給経路8からエアが供給されると、材料投入口側の溶湯湯面が加圧され、溶湯を金型方向へ押し上げ、金型内のキャビティ24に溶湯が充填される。
炉体50の他方(コの字形の溶湯槽30他方側)に、金型9の湯口3を密着させる。湯口3は、出湯室15に連通しており、溶湯10を金型内のキャビティ24に充填することが出来るようになっている。湯口3の設けられた第2下型23と炉体50の他方との間には、セラミックファイバー等のパッキン12が介在されており、溶湯が漏れないようにシールしている。金型9の上型、下型の型締めは、射出成形に使われるような周知のトグル式や増圧シリンダ式のものと同じ型締め機構が用いられている。その他、ボールネジ式電動モータによる昇降機構が用いられる。
その他の実施形態として、炉体50に力を受ける座部を設け、サーボモータ駆動のボールネジに連結した可動プラテン(第2上型21)による押圧力をこの座部で受けるようにすれば、下型の固定プラテンとしての第2下型23を、コの字形の溶湯槽30他方側に密着させることができる。
コの字形の溶湯槽30の底部直線部に、溶湯保持室14が設けられている場合、溶湯保持室14の断面中心部付近を貫通するように、セラミック保護管内に挿入された湯内ヒータ(図示せず)を設置し、このヒータが挿入されたセラミック保護管を、溶湯内に浸漬する構造としても良い。この場合は、溶解室13、出湯室15の炉壁1を貫いて、直線状に設置するのが好ましい。湯内ヒータは、ヒータ17に追加的に設置しても、ヒータ17の代わりに単独で設置しても良い。
上記のヒータ16、17、18等は、溶湯保持容量、溶解重量、材料予熱温度から、1KW〜5KWの範囲の出力とすると良い。各室の温度目標を一例としてあげると以下の通りである。
溶湯の出湯室15からの出湯温度の制御目標値は、上記660℃程度に限らず、650〜750℃程度の範囲に設定し、溶湯保持室14、溶解室13の温度制御目標値を、この順に漸次出湯温度の制御目標値に近づくように設定すると良い。
これらの温度を制御する上では、溶解室13、溶湯保持室14、出湯室15の順に制御ばらつきを下げることが必要である。湯口3での温度が最終的に±5℃以内の範囲に収めることが重要である。
材料投入部4の上方には、材料供給部31が設置されている。材料11(これから溶融する材料)は、1辺50mm以下の小体格ブロック材(アルミ合金)を用いる。代わりにチップ材を用いることもできる。小体格ブロック材としては、角の無い4角錐体、球状が好ましい。要は、詰まりの生じない形状なら任意の形状で構わない。
材料11の余熱手段5を材料供給部31に設け、適温(100℃〜500℃)に余熱した後、材料11を間欠的に投入する。予熱した材料11を投入できる機構(スライド式開閉シャッター)6を、材料供給部31の下端位置に設ける。スライド式開閉シャッターが、開の場合に溶解室13に投入される量を、1ショットと称する。材料の投入後、材料投入部4の開閉機構(バルブ)を閉じる。
投入する金属塊計量方法としては、重量秤量のみならず、個数を決めて投入するなどいろいろな方法が考えられる。個数を決めて投入する場合には、レベルセンサが溶融量を検知して、一定位置を超えた場合に、個数を減らすなどの対応をとり、溶解保持炉内の溶湯の量を制御する。パーツフィーダーなどで送り込む事も可能である。
さらに、本実施形態では、溶解機能と加圧機能を炉体50に持たせている。冷えた金属塊を炉内に直接投入し、例えば、炉内の溶湯温度が700℃とすれば、金属塊を投入した途端に炉内の温度が下がる。特に炉体50が小さければ温度低下は顕著となる。そのために溶解室13は、金属塊が入った瞬間に急激に温度を上げ、その温度上昇に伴い溶湯保持室14を上げ、出湯口3は出来る限り温度変化が無いように制御する。コの字型の炉体形状のため、溶解室13の温度影響が出湯口3に出ないように、かつ、小型に出来る構造となっている。
図2は、本発明の他の実施形態を示す概要図である。
材料投入部4と前記炉体50との間に金属ベローズ32が設けられている。金属ベローズ32は、材料投入部4における振動などで脆性な断熱材等に悪影響を与えないように、緩衝作用を果たしている。
エア供給経路8のエアの供給は、一定圧ではなく可変圧にして、溶湯の金型9のキャビティへの流入が適切に行われるように制御しても良い。
溶湯槽30は、コの字状に形成されているとしているが、厳密な意味でのコの字でなくともよく、Uの字形状であっても良い。また、溶解室13、出湯室15が外側に開いて、逆台形状となっていても良い。
4 材料投入部
9 金型
11 塊状の未溶融材料、材料、ブロック材
13 溶解室
14 溶湯保持室
15 出湯室
30 溶湯槽
50 炉体
Claims (11)
- 溶解室(13)、溶湯保持室(14)、及び、出湯室(15)からなる溶湯槽(30)が形成された炉体(50)と、前記炉体(50)に設けられた前記溶湯槽(30)の加熱手段と、前記溶湯槽(30)の一端側に設けられた金型(9)と、前記溶湯槽(30)の他端側に設けられた、開閉機構を有する材料投入部(4)とを具備する鋳造装置において、
前記出湯室(15)は、前記金型(9)の湯口(3)に連通し、前記溶解室(13)は、前記開閉機構に連通しており、塊状の未溶融材料(11)が前記材料投入部(4)に供給されるように構成され、前記出湯室(15)の溶湯を前記金型(9)に送り込んで鋳造し、
前記開閉装置は、加圧時は前記溶解室(13)に連通する開口を閉じ、かつシール可能な構造となっており、
前記溶解室(13)には、前記溶湯を加圧する手段を設け、前記溶湯を加圧することで前記金型へ前記溶湯を充填し、
前記溶解室(13)は、前記材料投入部(4)の直下に位置しているとともに、前記溶解室(13)には、溶解用の加熱手段(16)が溶湯湯面位置を含んで設置されたことを特徴とする鋳造装置。 - 前記溶湯槽(30)は、コの字状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の鋳造装置。
- 前記溶解室(13)、前記溶湯保持室(14)、及び、前記出湯室(15)には、それぞれ、前記加熱手段(16、17、18)が個別に設置されており、各々の前記加熱手段(16、17、18)は、独立して温度制御可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋳造装置。
- 前記鋳造装置は、さらに材料供給部(31)を具備し、前記材料供給部(31)から、塊状の未溶融材料(11)が、所定個数一度に前記材料投入部(4)に供給されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の鋳造装置。
- 前記塊状の未溶融材料(11)が、50mm以下の角錐状体又は球状体のアルミ合金材であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の鋳造装置。
- 前記塊状の未溶融材料(11)の投入量を可変可能に制御する制御機構を有し、前記溶湯槽(30)の湯面位置に応じて、前記塊状の未溶融材料(11)の投入量を可変させることを特徴とする請求項4又は5に記載の鋳造装置。
- 前記金型(9)には、型締め機構が付属していることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の鋳造装置。
- 前記溶湯の前記出湯室(15)からの出湯温度の制御目標値を、650〜750℃の範囲に設定し、前記溶湯保持室(14)、前記溶解室(13)の温度制御目標値を、この順に漸次出湯温度の制御目標値に近づくように設定したことを特徴とする請求項3に記載の鋳造装置。
- 前記溶湯保持室(14)の温度制御目標値を、前記溶湯の前記出湯室(15)からの出湯温度、又は、前記出湯室(15)と前記溶湯保持室(14)との内容積比に応じて設定したことを特徴とする請求項3に記載の鋳造装置。
- 前記溶解室(13)に設けられた加熱手段(16)の設定温度を、前記塊状の未溶融材料(11)の予熱温度、前記塊状の未溶融材料(11)の投入重量、前記溶湯保持室の溶湯温度、又は、前記溶湯槽(30)の湯面位置に応じて設定したことを特徴とする請求項3に記載の鋳造装置。
- 前記材料投入部(4)と前記炉体(50)との間に金属ベローズ(32)が設けられていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の鋳造装置。
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