JP2004268078A - 給湯装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶解する金属材料への電力供給率を向上させ、金属材料の溶解、あるいは、溶解された金属材料の加熱に要する時間を短縮可能な金属材料溶解加熱装置を提供する。
【解決手段】流れる誘導電流の大きさが加熱によって変化する粒状の金属材料Mに誘導電流を流して金属材料Mを加熱する誘導加熱用コイル10と、誘導加熱用コイル10に電力を供給する電力供給回路35と、金属材料Mの加熱中の誘導電流の変化に起因して生じる電力供給回路35の電力供給率の低下を補償する向きに、電力供給回路35に印加する電圧Vを制御する電圧制御部40とを設ける。
【選択図】 図3
【解決手段】流れる誘導電流の大きさが加熱によって変化する粒状の金属材料Mに誘導電流を流して金属材料Mを加熱する誘導加熱用コイル10と、誘導加熱用コイル10に電力を供給する電力供給回路35と、金属材料Mの加熱中の誘導電流の変化に起因して生じる電力供給回路35の電力供給率の低下を補償する向きに、電力供給回路35に印加する電圧Vを制御する電圧制御部40とを設ける。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属材料を溶解し、あるいは、溶解された金属材料を加熱して鋳造装置に供給する給湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイカストマシン等の鋳造装置による鋳造では、固体状態の金属を加熱溶解して金属溶湯とし、この金属溶湯を鋳造装置に供給する必要がある。金属を加熱溶解する方法として、たとえば、誘導電流を金属に流して金属を加熱、溶解する誘導加熱が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の誘導加熱を用いて、鋳造毎に所定量の金属を加熱、溶解して溶解に要する時間をできるだけ短縮化する必要がある。金属を溶解する時間が長いと、鋳造サイクルが長くなってしまうからである。
溶解時間の短縮化するには、たとえば、誘導加熱回路の容量を大きくして金属材料により大きな誘導電流を流せばよい。
しかしながら、誘導加熱による金属材料の溶解においては、金属材料の種類や形態によって、溶解装置の誘導回路に流れる電流の大きさが加熱中に変化する。
たとえば、粒状の金属材料を溶解して金属溶湯にする場合には、溶解前は比較的大きな誘導電流が流れるが、溶解後は比較的小さな誘導電流しか流れない。加熱中に誘導電流が変化したのでは、大容量化した誘導加熱回路に実際に流れる電流のピーク値を誘導加熱回路に流すことができる最大電流の値に近づけたとしても、ピーク値の電流を誘導加熱回路に継続的に流すことはできない。このため、誘導加熱回路の容量を大きくしたとてもその容量を十分に活用することができないという不利益が存在した。
【0004】
本発明は、上述した従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、金属材料の溶解、あるいは、溶解された金属材料の加熱に要する時間を短縮することが可能な給湯装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る給湯装置は、固体状態の金属材料を鋳造毎に溶解して鋳造装置に供給し、あるいは、溶解された金属材料を鋳造毎に加熱して鋳造装置に供給する給湯装置であって、金属材料に誘導電流を流して当該金属材料を加熱する誘導加熱用コイルと、前記誘導加熱用コイルに電力を供給する電力供給回路と、加熱中に金属材料に流れる誘導電流の大きさの変化に起因する前記電力供給回路の電力供給率の低下を補償する向きに、当該電力供給回路に印加する電圧を制御する制御手段とを有する。
【0006】
本発明においては、電力供給回路が誘導加熱用コイルに電力を供給する。電力が供給された誘導加熱用コイルは、金属材料に電流を誘導する。その結果、金属材料に誘導電流が流れ、金属材料が加熱される。金属材料に流れる誘導電流の大きさは、誘導加熱用コイルによる金属材料の加熱中に変化する。この誘導電流の変化に起因して、電力供給回路の電力供給率が低下する。制御手段は、金属材料に流れる誘導電流が変化したときに、電力供給回路の電力供給率の低下を補償する向きに、電力供給回路に印加する電圧を制御する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら述べる。
第1実施形態
図1が、本発明の第1実施形態に係る給湯装置の構成を示す断面図である。
本実施形態における給湯装置2は、鋳造装置(ダイカストマシン)のスリーブ70の給湯口70hの上方に配置された収容容器3と、収容容器3の周囲に配置された誘導加熱用コイル10と、開閉機構21と、後述する誘導加熱回路とを有する。
なお、給湯装置2によって溶解される金属材料Mは、たとえば、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の金属材料である。金属材料Mの形態は、特に限定されないが、たとえば、粒状や、ビレット、インゴット等の塊である。
【0008】
収容容器3は、たとえば、金属材料Mを収容可能な収容空間3aをもつ円筒状の部材からなる。この収容容器3の形成材料には、たとえば、セラミックス等の電気絶縁性の材料を用いる。
【0009】
誘導加熱用コイル10は、収容容器3の周囲に収容容器3の中心軸と同心に配置されている。
誘導加熱用コイル10には、たとえば、数十kHz程度の高周波電流が供給される。誘導加熱用コイル10に高周波電流が供給されると磁界が発生する。この磁界が収容容器3内の金属材料Mに電流を誘導する。誘導加熱用コイル10の誘導により金属材料Mに誘導電流が流れると、ジュール熱によって金属材料Mが加熱され溶解する。これにより、金属材料Mは金属溶湯MLとなる。
【0010】
開閉機構21は、蓋22と、シリンダ装置23とを有する。
蓋22は、収容容器3の底部(下端部)の開口3dに対向配置されることにより、この開口3dを閉鎖可能な板状部材である。蓋22の形成材料には、たとえば、セラミックス等の耐熱性が高く電気絶縁性の材料を用いる。
シリンダ装置23は、先端部が蓋22に連結されたピストンロッド24を備えており、このピストンロッド24を、たとえば、圧縮空気や油圧の力によって矢印D1およびD2の方向に伸縮させる。ピストンロッド24のD1およびD2方向へのスライドにより、収容容器3の下端部の開口3dが蓋22によって開閉される。
【0011】
上記構成の給湯装置2を用いた鋳造においては、鋳造毎に、一回の鋳造に使用する量の金属材料Mを給湯装置2の収容容器3に供給する。
供給された金属材料Mを、誘導加熱用コイル10の誘導加熱によって収容容器3内で加熱、溶解し、所定の温度にする。
その後、図2に示すように、蓋22をD1の向きにスライドさせると、収容容器3dの開口3dから金属溶湯MLが自重により落下し、鋳造装置のスリーブ70に、給湯口70hを通じて供給される。
これにより、一回の鋳造に使用する量の金属溶湯MLを、鋳造毎に鋳造装置に供給することができる。
【0012】
図3は、誘導加熱用コイル10への電力の供給に用いる誘導加熱回路の一例を示す回路図である。
図3に示す誘導加熱回路30は、電力供給回路35と、電圧制御部40とを有する。なお、電圧制御部40は、本発明における制御手段の一実施態様である。
【0013】
図3に示すように、電力供給回路35は、整流回路11と、インバータ12と、キャパシタ14と、電流測定部17と、電圧測定部18と、交流電源19とを有する。
交流電源19は整流回路11に接続され、電源19から整流回路11に電力が供給される。整流回路11の出力側に、インバータ12が接続される。
インバータ12の出力側に、キャパシタ14と誘導加熱用コイル10とが接続される。図3には、キャパシタ14と誘導加熱用コイル10とを並列に接続した例を挙げている。キャパシタ14と誘導加熱用コイル10とによって、共振回路13が構成される。
また、整流回路11に電圧制御部40が接続される。
【0014】
交流電源19としては、たとえば、三相交流電源を用いる。三相交流電源19は、整流回路11に三相交流を供給する。
整流回路11は、供給された三相交流を直流に変換する。
整流回路11から出力された直流はインバータ12に供給される。インバータ12は、整流回路11から供給された直流を単相交流に変換して出力し、共振回路13に電力を供給する。インバータ12が出力する単相交流の周波数は、共振回路13の共振周波数である。
【0015】
電流測定部17および電圧測定部18は、好適には、図3に示すように整流回路11とインバータ12との間の直流部に、インバータに流れる電流およびインバータに印加される電圧をそれぞれ測定可能なように配置される。電流測定部17によって測定された電流値、および、電圧測定部18によって測定された電圧値は、電圧制御部40に出力される。
【0016】
電圧制御部40は、電流測定部17によって測定された電流の大きさに基づいて、電力供給回路35に印加する電圧が所定の値になるように制御する。詳細には、本実施形態においては、電圧制御部40は、整流回路11とインバータ12との間の直流部に印加する電圧を制御する。
【0017】
なお、整流回路11、インバータ12等の電気回路の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。また、電圧制御部40は、たとえば、CPU(CentralProcessing Unit)等の演算手段や、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶手段などの各種ハードウェアと、これらのハードウェアを駆動するためのソフトウェアによって実現することができる。
【0018】
金属材料Mの加熱に際しては、交流電源19から整流回路11に三相交流が供給される。整流回路11は、直流に変換した電流を、所定の電圧でインバータ12に供給する。
共振回路13の共振周波数の単相交流がインバータ12から共振回路13に供給される結果、共振回路13に共振が起こる。
【0019】
共振時には、共振回路13の内部の誘導加熱用コイル10に流れる電流は、インバータ12から共振回路13へ供給される電流itを所定の倍率に増幅したものになっている。
増幅された電流が誘導加熱用コイル10に流れることにより、金属材料Mに誘導電力が流れ、溶解に必要な電力が金属材料Mに供給される。金属材料Mは、誘導電流が流れることに起因するジュール熱によって加熱、溶解される。
【0020】
金属材料Mの加熱時には、共振によって増幅された電流が誘導加熱用コイル10に流れ、共振回路13における電流は非常に大きくなる。このため、共振回路13における電流および電圧を直接的に測定することは困難である。したがって、誘導加熱用コイル10および金属材料Mに交流電源19から与えられる電力の計算に用いるための電流および電圧の値は、整流回路11とインバータ12との間の直流部において測定する。
誘導加熱用コイル10および金属材料Mに与えられる電力は、交流電源19から与えられる電力以上のエネルギーが消費されることはないため、直流部において測定した電流Iおよび電圧Vから計算することができる。
【0021】
本実施形態においては、電圧制御部40は、整流回路11とインバータ12との間の直流部に印加する電圧Vを変化させる制御指令信号Cvを整流回路11に出力する。詳細には、電圧制御部40は、電流測定部17の情報を参照して、誘導加熱用コイル10および金属材料Mに与える電力が所望の値になるように電圧Vを所望の値Vcに変化させる制御指令信号Cvを整流回路11に出力する。
以上により、本実施形態においては、誘導加熱用コイル10および金属材料Mに所望の電力を供給することができる。
【0022】
ここで、電圧制御部40による具体的な電圧制御の一例について説明する。
まず、本実施形態に係る電圧制御について説明する前に、被加熱対象としての金属材料の形態がビレットあるいはインゴット等の塊を用い、かつ、一定電圧制御した場合に、金属材料に流れる誘導電流について説明する。
【0023】
図10は、整流回路11とインバータ12との間の直流部に印加する電圧Vを一定にしたときの直流部に流れる電流Iを示すグラフであり、(a)は電圧Vが低い場合であり、(b)は電圧Vが高い場合である。
また、図10(a),(b)において、所定の容量の誘導加熱回路30に流すことが可能な最大の直流を、最大電流Imaxとして示している。ここで、誘導加熱回路30の容量とは、誘導回路30が誘導加熱用コイル10に供給可能な最大の電力を表わす。
図10に示すように、金属材料としてビレットあるいはインゴット等の塊を用いると、直流部に流れる電流Iは、次第に増加し、時間tcにおいてピーク値をとったのち次第に減少する。すなわち、ビレットあるいはインゴット等の塊の金属は、溶解前後において流れる誘導電流にピーク値をもつ。この電流Iの変化波形は、金属材料の量や形態が同じであれば略一定の波形となる。
【0024】
図10(a)に示すように、電圧Vを比較的小さい電圧VL に設定した状態では、直流部を実際に流れる電流IL のピーク値は最大電流Imaxの大きさよりも小さい。この状態では、斜線部h1に相当する電流分だけ誘導加熱回路30の容量を有効に使用していない。
【0025】
図10(b)は、誘導加熱回路30の容量を有効に使用するために、直流部を実際に流れる電流IH のピーク値が最大電流Imax に略一致するように、電圧Vを高い電圧VH に設定した状態を示している。
図10(b)から分かるように、一定の電圧Vを上昇させると、それに応じて電流Iも増加する。しかしながら、電流IH のピーク値を最大電流Imax に略一致させたとしても、誘導加熱回路30の容量の有効使用量は増えるが、斜線部h2に相当する電流分だけは使用していないことになる。すなわち、ビレットあるいはインゴット等の塊の金属を誘導加熱により溶解すると、溶解前後において流れる誘導電流が変化するため、斜線部h2に相当する電流分の容量を使用することができない。すなわち、一定電圧Vの大きさを制御しただけでは、斜線部h2に相当する電流分による電力供給率の低下を補償することができない。
【0026】
本実施形態に係る電圧制御部40は、斜線部h2に相当する電流分による電力供給率の低下を補償するために、電圧Vを時間の経過とともに変化させて電流Iを制御する。
図4は、電圧制御部40による電圧Vの制御の一例を示すグラフである。
図4に示すように、電圧制御部40は、電流Iが最大電流Imax に継続して略一致するように電圧Vを制御する。
具体的には、電圧Vの値を、電流Iの初期値がほぼ最大電流Imaxになるような初期値とする。そして、時間の経過とともに次第に減少させ、時刻tcにおいて電圧Vを最小にしたのち、時間の経過とともに次第に増加させることにより、電流Iの値をほぼ最大電流Imaxに継続して制御する。
【0027】
図4に示すような電圧Vは、誘導加熱中の電流Iの大きさを監視しておき、この電流Iに応じてリアルタイムに調整することにより得られる。
あるいは、上記したように、一定の電圧Vの下でビレットあるいはインゴット等の塊の金属を誘導加熱により溶解したときの電流Iの波形は略一定しているので、予め電流Iの波形データを取得しておき、このデータに応じて電圧Vを設定してもよい。
【0028】
以上のように、本実施形態では、ビレットあるいはインゴット等の塊の金属材料Mを一定電圧下において誘導加熱により溶解したときに発生する電流Iの変動に着目し、実際の誘導加熱の際に印加する電圧Vをこの電流Iの変動に応じて変化させることにより、誘導加熱中の電流Iの値を所望の値に制御することができる。この結果、溶解すべき金属材料へのエネルギーの供給効率を最大限に高めることができる。また、電圧Vを一定に制御した場合には得られない電力供給率を得ることができる。
【0029】
なお、電圧Vによる電流Iの制御は、加熱、溶解する金属材料M毎に、加熱中に金属材料Mに流れる誘導電流を予め測定しておき、測定した誘導電流の変化情報に応じて行なうことが、精度向上のために好ましい。
誘導電流の変化情報は、たとえば、加熱、溶解する金属材料の種類、形態や量に応じて入手しておく。金属材料の種類とは、たとえば、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の材料の違いを意味する。形態とは、たとえば、粒状、インゴット状、ビレット状等の形状の違いを意味する。また、金属材料の量には、たとえば、体積、容積、質量が含まれる。
ただし、誘導電流と電力供給回路35を流れる直流との間には相関関係が存在するため、加熱中の電力供給回路35の直流部における電流Iの測定値を、誘導電流の測定値の代わりに用いる。
【0030】
第2実施形態
次に、本発明の他の実施形態に係る給湯装置について説明する。
本実施形態に係る給湯装置の基本構成は、上述した第1の実施形態と同じであるが、電圧制御部40の電圧制御方法のみ異なる。
本実施形態では、溶解すべき金属材料Mとして、球状や細長い形状等の形態を含む粒状の金属材料を用いた場合について説明する。
【0031】
図5は、粒状の金属材料Mを用いたときの、電力供給回路35の直流部において測定した、ステップ入力電圧Vrに対する電流Iの応答波形を示すグラフである。
金属材料Mが粒状である場合には、図5に示すように、誘導加熱を開始した直後に電流Iはピーク値をとり、その後大きく減少する。上述したビレットやインゴット等の塊状の金属材料Mとは異なり、電流Iが非常に急峻に変化し、誘導加熱中に一定の電圧Vの下で電流Iが大きく変動する。すなわち、全加熱時間taに比べて電流Iがピーク値をとるまでの時間tpが非常に短い。
このため、図5に示す、最大電流Imaxの値より小さく電流Iよりも大きい斜線部h3の面積に相当する電流分が誘導加熱回路30の容量として使用されていない。特に、粒状の金属材料Mでは、誘導加熱を開始した直後に電流Iはピーク値をとるため、ピーク後の斜線部h3の面積が大きい。
【0032】
図6は、上記のような特性をもつ粒状の金属材料Mを溶解するときの、本実施形態に係る電圧制御部40の電圧制御方法を説明するためのグラフである。
本実施形態では、まず、図5に示したようなステップ応答を予め取得しておく。
次いで、このステップ応答データから電流Iのピーク値が最大電流Imaxを越えない電圧V1 を設定する。
さらに、図6に示すように、最大電流Imaxよりも小さい値のしきい値Isを設定する。
【0033】
電圧制御部40は、電圧VをV1 としてステップ状に電圧を印加して誘導加熱を開始し、電流Iが最初にピーク値をとり、電流Iがしきい値Isまで下がったところで、電圧Vをステップ状にV2 まで上昇させる。
このように、本実施形態では、誘導加熱を開始した直後に電流Iがピークをもつという、粒状の金属材料Mの電流変化特性を利用して、電圧Vをステップ状に変化させることにより、図6に示す斜線部h4の面積を効率よく狭小化することができ、粒状の金属材料Mへのエネルギーの供給効率を最大限に高めることができる。この結果、誘導加熱回路30の容量を有効に利用して、電力供給回路35の電力供給率を向上させることができる。
【0034】
なお、図6に示すグラフにおいては一度だけ電圧Vを上げているが、加熱時間に応じて減少する電流Iを、しきい値Isと最大電流Imaxとの間に戻すように電圧Vを複数回上げる構成にすることも可能である。
電圧Vを複数回上げる構成の場合には、誘導加熱回路30の容量がさらに有効利用され、電力供給回路35の電力供給率がさらに向上する。
【0035】
第3実施形態
次に、本発明のさらに他の実施形態に係る給湯装置について説明する。
本実施形態に係る給湯装置の基本構成は、上述した第1の実施形態と同じであるが、電圧制御部40の電圧制御方法のみ異なる。
また、本実施形態では、溶解すべき金属材料Mとして、球状や細長い形状等の形態を含む粒状の金属材料を用いた場合について説明する。
【0036】
図7は、本実施形態に係る電圧制御部40の電圧制御方法を説明するためのグラフである。
上述した第2の実施形態では、最大電流Imaxよりも小さい値のしきい値Isを設定し、ステップ状の電圧V1 を印加し、電流Iがピーク値をとったのちしきい値Isよりも下がったところで、電圧Vをステップ状にV2 まで上昇させる構成とした。
本実施形態では、まず、第2の実施形態と同様に、図5に示したようなステップ応答を予め取得しておく。
次いで、このステップ応答データから、図6に示す、電流Iがピーク値を過ぎるまでに要する時間t1 を算出しておく。
【0037】
電圧制御部40は、電圧VをV1 としてステップ状に電圧を印加して誘導加熱を開始し、時間t1 を経過したところで、電圧Vをステップ状にV2 まで上昇させる。
この結果、図7に示す斜線部h5の面積を効率よく狭小化することができ、粒状の金属材料Mへのエネルギーの供給効率を最大限に高めることができる。
本実施形態によれば、しきい値Isと電流Iとを比較する必要がないため、処理がより簡単になる。
【0038】
第4実施形態
次に、本発明のさらに他の実施形態に係る給湯装置について説明する。
本実施形態に係る給湯装置の基本構成は、上述した第1の実施形態と同じであるが、電圧制御部40の電圧制御方法のみ異なる。
また、本実施形態では、溶解すべき金属材料Mとして、球状や細長い形状等の形態を含む粒状の金属材料を用いた場合について説明する。
【0039】
図8は、本実施形態に係る電圧制御部40の電圧制御方法を説明するためのグラフである。
上述した第3の実施形態では、電圧制御部40は、電圧VをV1 からV2 に変化させただけであったが、本実施形態では、所定時間(t1 、t2 ....)経過毎に電圧Vをステップ状に複数回上昇させる。これにより、さらに、誘導加熱回路30の容量を有効利用することができる。
【0040】
第5実施形態
次に、本発明のさらに他の実施形態に係る給湯装置について説明する。
本実施形態に係る給湯装置の基本構成は、上述した第1の実施形態と同じであるが、電圧制御部40の電圧制御方法のみ異なる。
また、本実施形態では、溶解すべき金属材料Mとしては、球状や細長い形状等の形態を含む粒状の金属材料、あるいは、ビレットやインゴット等の塊の金属材料の双方に適用可能である。
【0041】
上述した第2〜第4実施形態においては、電圧Vは電流Iの変化パターンを利用して、オープンループ制御される。
本実施形態においては、電流Iの変化パターンに基づいて、電圧Vをフィードバック制御する構成について説明する。
【0042】
図9(a)は、本実施形態に係る誘導加熱回路30のフィードバック制御系のブロック線図である。
図9(a)において、伝達関数Gが、図3に示す電力供給回路35の整流回路11からインバータ12、共振回路13、および、金属材料Mまでの特性を表わしている。また、図9(a)に示す電圧発生部A、減算要素90、および、補償器Hが、図3に示す交流電源19および電圧制御部40に相当する。
【0043】
交流電源19、および、電圧制御部40の一部が、電圧発生部Aとして機能する。電圧発生部Aは、所定の電圧Vfを発生させて伝達関数Gに向けて出力する。
補償器Hは、直流部における測定電圧Vおよび電流Iから、電圧Vfを所望の電圧Vcにするための電圧VHを計算して出力する。電圧Vcは、前述のように、金属材料Mへの供給電力を所望の値とするための電圧である。
減算要素90は、電圧発生部Aからの電圧Vfと補償器Hからの電圧VHとの差をとり、制御電圧Vcとして伝達関数Gに出力する。これは、図3において、整流回路11からの出力電圧がVcとなるような制御指令信号Cvを電圧制御部40が整流回路11に出力することにより実現される。
【0044】
伝達関数Gは、図5に示すようなステップ応答をとることや、電圧Vの波形を適宜変化させたときの電流Iの変化を予め測定しておくことによって取得することができる。
以上のように求めた伝達関数Gを利用することにより、伝達関数Gからの出力電流Iが所望の値となるように伝達関数Gに入力する制御電圧Vcを生成するための補償器Hを計算することができる。
【0045】
図9(b)は、以上のようにして求めた補償器Hを備える給湯装置2によって粒状の金属材料Mを加熱、溶解したときに、電力供給回路35の直流部において測定した電圧Vと電流Iとの関係を示すグラフである。図9(b)のグラフにおいて、横軸は時間tを表わし、縦軸は電圧Vおよび電流Iの値を表わしている。本実施形態においては、電流Iの値をフィードバックすることによって、直流部において測定される電圧Vを制御することができる。その結果、本実施形態によれば、図9(b)のグラフに示すように、電流Iを最大電流Imaxに追従させた状態で、金属材料Mを加熱することができる。したがって、誘導加熱回路30の容量を十分に活用して高い電力供給率を達成することができる。
【0046】
本発明は上述した実施形態に限定されない。
たとえば、誘導電流の変化情報から導いた金属材料毎の電圧Vの制御パターンを、たとえば、電圧制御部40のROMやRAMに記憶させておくこともできる。これにより、同じ給湯装置2および鋳造装置を用いて異なる金属材料を溶解する場合に、誘導電流の変化情報やそれに対応した電圧Vの制御パターンを新たに取得する必要が無くなる。溶解する金属材料の情報を電圧制御部40に与えれば、その金属材料に応じて電圧Vが自動的に最適に制御されるような構成にすることも可能である。このためには、たとえば、金属材料毎の電圧制御パターンを電圧制御部40のROMやRAMに記憶させておき、溶解する金属材料の情報が与えられたときに、対応する電圧制御パターンを電圧制御部40が選択する構成にしておけばよい。
【0047】
また、誘導加熱回路30の容量を効率良く活用することにより、金属材料Mへの電力供給率を上げることができるため、金属材料Mの溶解に要する時間を短縮することができる。これにより、鋳造毎に所定量の金属材料Mを溶解して鋳造装置に供給して製品を得る鋳造において、鋳造のサイクルタイムを短くすることができる。
また、誘導加熱回路30の容量を上げるのではなく、誘導加熱回路30の容量を十分に活用して金属材料Mへの電力供給率を上げるため、誘導加熱回路30のキャパシタ14等の電気部品を小型化することができる。これにより、給湯装置2の大型化を抑制することができる。
【0048】
また、上述した実施形態では、固体状態の金属材料を加熱、溶解する場合についてのみ説明したが、本発明は予め溶解された金属材料を加熱して所望の温度とし、これを鋳造装置に供給する場合にも適用可能である。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、電源から溶解する金属材料までの電力供給率の向上が可能であり、金属材料の溶解、あるいは、溶解された金属材料の加熱に要する時間を短縮可能な給湯装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る給湯装置の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示す給湯装置から、金属溶湯を自重により鋳造装置のスリーブに供給する状態を示す断面図である。
【図3】図1に示す給湯装置において用いる誘導加熱回路の一例を示す回路図である。
【図4】本発明の一実施形態における電圧の制御方法を模式的に示すグラフである。
【図5】誘導加熱回路におけるステップ入力電圧に対する電流の応答波形を示すのグラフである。
【図6】本発明の他の実施形態に係る給湯装置の誘導加熱回路の電圧の制御方法を説明するためのグラフである。
【図7】本発明のさらに他の実施形態に係る給湯装置の誘導加熱回路の電圧の制御方法を説明するためのグラフである。
【図8】本発明のさらに他の実施形態に係る給湯装置の誘導加熱回路の電圧の制御方法を説明するためのグラフである。
【図9】(a)は、本発明のさらに他の実施形態に係る給湯装置の誘導加熱回路のフィードバック制御系のブロック線図であり、(b)は、(a)に示す誘導加熱回路における電圧制御方法を説明するためのグラフである。
【図10】誘導加熱回路の直流部における電圧を一定に制御した場合の電流と電圧との関係を示すグラフであって、(a)は電圧が低い場合を、(b)は電圧が高い場合を示している。
【符号の説明】
2…給湯装置
3…収容容器
10…誘導加熱用コイル
21…開閉機構
30…誘導加熱回路
35…電力供給回路
40…電圧制御部(制御手段)
51…材料供給装置
M…金属材料
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属材料を溶解し、あるいは、溶解された金属材料を加熱して鋳造装置に供給する給湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイカストマシン等の鋳造装置による鋳造では、固体状態の金属を加熱溶解して金属溶湯とし、この金属溶湯を鋳造装置に供給する必要がある。金属を加熱溶解する方法として、たとえば、誘導電流を金属に流して金属を加熱、溶解する誘導加熱が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の誘導加熱を用いて、鋳造毎に所定量の金属を加熱、溶解して溶解に要する時間をできるだけ短縮化する必要がある。金属を溶解する時間が長いと、鋳造サイクルが長くなってしまうからである。
溶解時間の短縮化するには、たとえば、誘導加熱回路の容量を大きくして金属材料により大きな誘導電流を流せばよい。
しかしながら、誘導加熱による金属材料の溶解においては、金属材料の種類や形態によって、溶解装置の誘導回路に流れる電流の大きさが加熱中に変化する。
たとえば、粒状の金属材料を溶解して金属溶湯にする場合には、溶解前は比較的大きな誘導電流が流れるが、溶解後は比較的小さな誘導電流しか流れない。加熱中に誘導電流が変化したのでは、大容量化した誘導加熱回路に実際に流れる電流のピーク値を誘導加熱回路に流すことができる最大電流の値に近づけたとしても、ピーク値の電流を誘導加熱回路に継続的に流すことはできない。このため、誘導加熱回路の容量を大きくしたとてもその容量を十分に活用することができないという不利益が存在した。
【0004】
本発明は、上述した従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、金属材料の溶解、あるいは、溶解された金属材料の加熱に要する時間を短縮することが可能な給湯装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る給湯装置は、固体状態の金属材料を鋳造毎に溶解して鋳造装置に供給し、あるいは、溶解された金属材料を鋳造毎に加熱して鋳造装置に供給する給湯装置であって、金属材料に誘導電流を流して当該金属材料を加熱する誘導加熱用コイルと、前記誘導加熱用コイルに電力を供給する電力供給回路と、加熱中に金属材料に流れる誘導電流の大きさの変化に起因する前記電力供給回路の電力供給率の低下を補償する向きに、当該電力供給回路に印加する電圧を制御する制御手段とを有する。
【0006】
本発明においては、電力供給回路が誘導加熱用コイルに電力を供給する。電力が供給された誘導加熱用コイルは、金属材料に電流を誘導する。その結果、金属材料に誘導電流が流れ、金属材料が加熱される。金属材料に流れる誘導電流の大きさは、誘導加熱用コイルによる金属材料の加熱中に変化する。この誘導電流の変化に起因して、電力供給回路の電力供給率が低下する。制御手段は、金属材料に流れる誘導電流が変化したときに、電力供給回路の電力供給率の低下を補償する向きに、電力供給回路に印加する電圧を制御する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら述べる。
第1実施形態
図1が、本発明の第1実施形態に係る給湯装置の構成を示す断面図である。
本実施形態における給湯装置2は、鋳造装置(ダイカストマシン)のスリーブ70の給湯口70hの上方に配置された収容容器3と、収容容器3の周囲に配置された誘導加熱用コイル10と、開閉機構21と、後述する誘導加熱回路とを有する。
なお、給湯装置2によって溶解される金属材料Mは、たとえば、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の金属材料である。金属材料Mの形態は、特に限定されないが、たとえば、粒状や、ビレット、インゴット等の塊である。
【0008】
収容容器3は、たとえば、金属材料Mを収容可能な収容空間3aをもつ円筒状の部材からなる。この収容容器3の形成材料には、たとえば、セラミックス等の電気絶縁性の材料を用いる。
【0009】
誘導加熱用コイル10は、収容容器3の周囲に収容容器3の中心軸と同心に配置されている。
誘導加熱用コイル10には、たとえば、数十kHz程度の高周波電流が供給される。誘導加熱用コイル10に高周波電流が供給されると磁界が発生する。この磁界が収容容器3内の金属材料Mに電流を誘導する。誘導加熱用コイル10の誘導により金属材料Mに誘導電流が流れると、ジュール熱によって金属材料Mが加熱され溶解する。これにより、金属材料Mは金属溶湯MLとなる。
【0010】
開閉機構21は、蓋22と、シリンダ装置23とを有する。
蓋22は、収容容器3の底部(下端部)の開口3dに対向配置されることにより、この開口3dを閉鎖可能な板状部材である。蓋22の形成材料には、たとえば、セラミックス等の耐熱性が高く電気絶縁性の材料を用いる。
シリンダ装置23は、先端部が蓋22に連結されたピストンロッド24を備えており、このピストンロッド24を、たとえば、圧縮空気や油圧の力によって矢印D1およびD2の方向に伸縮させる。ピストンロッド24のD1およびD2方向へのスライドにより、収容容器3の下端部の開口3dが蓋22によって開閉される。
【0011】
上記構成の給湯装置2を用いた鋳造においては、鋳造毎に、一回の鋳造に使用する量の金属材料Mを給湯装置2の収容容器3に供給する。
供給された金属材料Mを、誘導加熱用コイル10の誘導加熱によって収容容器3内で加熱、溶解し、所定の温度にする。
その後、図2に示すように、蓋22をD1の向きにスライドさせると、収容容器3dの開口3dから金属溶湯MLが自重により落下し、鋳造装置のスリーブ70に、給湯口70hを通じて供給される。
これにより、一回の鋳造に使用する量の金属溶湯MLを、鋳造毎に鋳造装置に供給することができる。
【0012】
図3は、誘導加熱用コイル10への電力の供給に用いる誘導加熱回路の一例を示す回路図である。
図3に示す誘導加熱回路30は、電力供給回路35と、電圧制御部40とを有する。なお、電圧制御部40は、本発明における制御手段の一実施態様である。
【0013】
図3に示すように、電力供給回路35は、整流回路11と、インバータ12と、キャパシタ14と、電流測定部17と、電圧測定部18と、交流電源19とを有する。
交流電源19は整流回路11に接続され、電源19から整流回路11に電力が供給される。整流回路11の出力側に、インバータ12が接続される。
インバータ12の出力側に、キャパシタ14と誘導加熱用コイル10とが接続される。図3には、キャパシタ14と誘導加熱用コイル10とを並列に接続した例を挙げている。キャパシタ14と誘導加熱用コイル10とによって、共振回路13が構成される。
また、整流回路11に電圧制御部40が接続される。
【0014】
交流電源19としては、たとえば、三相交流電源を用いる。三相交流電源19は、整流回路11に三相交流を供給する。
整流回路11は、供給された三相交流を直流に変換する。
整流回路11から出力された直流はインバータ12に供給される。インバータ12は、整流回路11から供給された直流を単相交流に変換して出力し、共振回路13に電力を供給する。インバータ12が出力する単相交流の周波数は、共振回路13の共振周波数である。
【0015】
電流測定部17および電圧測定部18は、好適には、図3に示すように整流回路11とインバータ12との間の直流部に、インバータに流れる電流およびインバータに印加される電圧をそれぞれ測定可能なように配置される。電流測定部17によって測定された電流値、および、電圧測定部18によって測定された電圧値は、電圧制御部40に出力される。
【0016】
電圧制御部40は、電流測定部17によって測定された電流の大きさに基づいて、電力供給回路35に印加する電圧が所定の値になるように制御する。詳細には、本実施形態においては、電圧制御部40は、整流回路11とインバータ12との間の直流部に印加する電圧を制御する。
【0017】
なお、整流回路11、インバータ12等の電気回路の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。また、電圧制御部40は、たとえば、CPU(CentralProcessing Unit)等の演算手段や、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶手段などの各種ハードウェアと、これらのハードウェアを駆動するためのソフトウェアによって実現することができる。
【0018】
金属材料Mの加熱に際しては、交流電源19から整流回路11に三相交流が供給される。整流回路11は、直流に変換した電流を、所定の電圧でインバータ12に供給する。
共振回路13の共振周波数の単相交流がインバータ12から共振回路13に供給される結果、共振回路13に共振が起こる。
【0019】
共振時には、共振回路13の内部の誘導加熱用コイル10に流れる電流は、インバータ12から共振回路13へ供給される電流itを所定の倍率に増幅したものになっている。
増幅された電流が誘導加熱用コイル10に流れることにより、金属材料Mに誘導電力が流れ、溶解に必要な電力が金属材料Mに供給される。金属材料Mは、誘導電流が流れることに起因するジュール熱によって加熱、溶解される。
【0020】
金属材料Mの加熱時には、共振によって増幅された電流が誘導加熱用コイル10に流れ、共振回路13における電流は非常に大きくなる。このため、共振回路13における電流および電圧を直接的に測定することは困難である。したがって、誘導加熱用コイル10および金属材料Mに交流電源19から与えられる電力の計算に用いるための電流および電圧の値は、整流回路11とインバータ12との間の直流部において測定する。
誘導加熱用コイル10および金属材料Mに与えられる電力は、交流電源19から与えられる電力以上のエネルギーが消費されることはないため、直流部において測定した電流Iおよび電圧Vから計算することができる。
【0021】
本実施形態においては、電圧制御部40は、整流回路11とインバータ12との間の直流部に印加する電圧Vを変化させる制御指令信号Cvを整流回路11に出力する。詳細には、電圧制御部40は、電流測定部17の情報を参照して、誘導加熱用コイル10および金属材料Mに与える電力が所望の値になるように電圧Vを所望の値Vcに変化させる制御指令信号Cvを整流回路11に出力する。
以上により、本実施形態においては、誘導加熱用コイル10および金属材料Mに所望の電力を供給することができる。
【0022】
ここで、電圧制御部40による具体的な電圧制御の一例について説明する。
まず、本実施形態に係る電圧制御について説明する前に、被加熱対象としての金属材料の形態がビレットあるいはインゴット等の塊を用い、かつ、一定電圧制御した場合に、金属材料に流れる誘導電流について説明する。
【0023】
図10は、整流回路11とインバータ12との間の直流部に印加する電圧Vを一定にしたときの直流部に流れる電流Iを示すグラフであり、(a)は電圧Vが低い場合であり、(b)は電圧Vが高い場合である。
また、図10(a),(b)において、所定の容量の誘導加熱回路30に流すことが可能な最大の直流を、最大電流Imaxとして示している。ここで、誘導加熱回路30の容量とは、誘導回路30が誘導加熱用コイル10に供給可能な最大の電力を表わす。
図10に示すように、金属材料としてビレットあるいはインゴット等の塊を用いると、直流部に流れる電流Iは、次第に増加し、時間tcにおいてピーク値をとったのち次第に減少する。すなわち、ビレットあるいはインゴット等の塊の金属は、溶解前後において流れる誘導電流にピーク値をもつ。この電流Iの変化波形は、金属材料の量や形態が同じであれば略一定の波形となる。
【0024】
図10(a)に示すように、電圧Vを比較的小さい電圧VL に設定した状態では、直流部を実際に流れる電流IL のピーク値は最大電流Imaxの大きさよりも小さい。この状態では、斜線部h1に相当する電流分だけ誘導加熱回路30の容量を有効に使用していない。
【0025】
図10(b)は、誘導加熱回路30の容量を有効に使用するために、直流部を実際に流れる電流IH のピーク値が最大電流Imax に略一致するように、電圧Vを高い電圧VH に設定した状態を示している。
図10(b)から分かるように、一定の電圧Vを上昇させると、それに応じて電流Iも増加する。しかしながら、電流IH のピーク値を最大電流Imax に略一致させたとしても、誘導加熱回路30の容量の有効使用量は増えるが、斜線部h2に相当する電流分だけは使用していないことになる。すなわち、ビレットあるいはインゴット等の塊の金属を誘導加熱により溶解すると、溶解前後において流れる誘導電流が変化するため、斜線部h2に相当する電流分の容量を使用することができない。すなわち、一定電圧Vの大きさを制御しただけでは、斜線部h2に相当する電流分による電力供給率の低下を補償することができない。
【0026】
本実施形態に係る電圧制御部40は、斜線部h2に相当する電流分による電力供給率の低下を補償するために、電圧Vを時間の経過とともに変化させて電流Iを制御する。
図4は、電圧制御部40による電圧Vの制御の一例を示すグラフである。
図4に示すように、電圧制御部40は、電流Iが最大電流Imax に継続して略一致するように電圧Vを制御する。
具体的には、電圧Vの値を、電流Iの初期値がほぼ最大電流Imaxになるような初期値とする。そして、時間の経過とともに次第に減少させ、時刻tcにおいて電圧Vを最小にしたのち、時間の経過とともに次第に増加させることにより、電流Iの値をほぼ最大電流Imaxに継続して制御する。
【0027】
図4に示すような電圧Vは、誘導加熱中の電流Iの大きさを監視しておき、この電流Iに応じてリアルタイムに調整することにより得られる。
あるいは、上記したように、一定の電圧Vの下でビレットあるいはインゴット等の塊の金属を誘導加熱により溶解したときの電流Iの波形は略一定しているので、予め電流Iの波形データを取得しておき、このデータに応じて電圧Vを設定してもよい。
【0028】
以上のように、本実施形態では、ビレットあるいはインゴット等の塊の金属材料Mを一定電圧下において誘導加熱により溶解したときに発生する電流Iの変動に着目し、実際の誘導加熱の際に印加する電圧Vをこの電流Iの変動に応じて変化させることにより、誘導加熱中の電流Iの値を所望の値に制御することができる。この結果、溶解すべき金属材料へのエネルギーの供給効率を最大限に高めることができる。また、電圧Vを一定に制御した場合には得られない電力供給率を得ることができる。
【0029】
なお、電圧Vによる電流Iの制御は、加熱、溶解する金属材料M毎に、加熱中に金属材料Mに流れる誘導電流を予め測定しておき、測定した誘導電流の変化情報に応じて行なうことが、精度向上のために好ましい。
誘導電流の変化情報は、たとえば、加熱、溶解する金属材料の種類、形態や量に応じて入手しておく。金属材料の種類とは、たとえば、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の材料の違いを意味する。形態とは、たとえば、粒状、インゴット状、ビレット状等の形状の違いを意味する。また、金属材料の量には、たとえば、体積、容積、質量が含まれる。
ただし、誘導電流と電力供給回路35を流れる直流との間には相関関係が存在するため、加熱中の電力供給回路35の直流部における電流Iの測定値を、誘導電流の測定値の代わりに用いる。
【0030】
第2実施形態
次に、本発明の他の実施形態に係る給湯装置について説明する。
本実施形態に係る給湯装置の基本構成は、上述した第1の実施形態と同じであるが、電圧制御部40の電圧制御方法のみ異なる。
本実施形態では、溶解すべき金属材料Mとして、球状や細長い形状等の形態を含む粒状の金属材料を用いた場合について説明する。
【0031】
図5は、粒状の金属材料Mを用いたときの、電力供給回路35の直流部において測定した、ステップ入力電圧Vrに対する電流Iの応答波形を示すグラフである。
金属材料Mが粒状である場合には、図5に示すように、誘導加熱を開始した直後に電流Iはピーク値をとり、その後大きく減少する。上述したビレットやインゴット等の塊状の金属材料Mとは異なり、電流Iが非常に急峻に変化し、誘導加熱中に一定の電圧Vの下で電流Iが大きく変動する。すなわち、全加熱時間taに比べて電流Iがピーク値をとるまでの時間tpが非常に短い。
このため、図5に示す、最大電流Imaxの値より小さく電流Iよりも大きい斜線部h3の面積に相当する電流分が誘導加熱回路30の容量として使用されていない。特に、粒状の金属材料Mでは、誘導加熱を開始した直後に電流Iはピーク値をとるため、ピーク後の斜線部h3の面積が大きい。
【0032】
図6は、上記のような特性をもつ粒状の金属材料Mを溶解するときの、本実施形態に係る電圧制御部40の電圧制御方法を説明するためのグラフである。
本実施形態では、まず、図5に示したようなステップ応答を予め取得しておく。
次いで、このステップ応答データから電流Iのピーク値が最大電流Imaxを越えない電圧V1 を設定する。
さらに、図6に示すように、最大電流Imaxよりも小さい値のしきい値Isを設定する。
【0033】
電圧制御部40は、電圧VをV1 としてステップ状に電圧を印加して誘導加熱を開始し、電流Iが最初にピーク値をとり、電流Iがしきい値Isまで下がったところで、電圧Vをステップ状にV2 まで上昇させる。
このように、本実施形態では、誘導加熱を開始した直後に電流Iがピークをもつという、粒状の金属材料Mの電流変化特性を利用して、電圧Vをステップ状に変化させることにより、図6に示す斜線部h4の面積を効率よく狭小化することができ、粒状の金属材料Mへのエネルギーの供給効率を最大限に高めることができる。この結果、誘導加熱回路30の容量を有効に利用して、電力供給回路35の電力供給率を向上させることができる。
【0034】
なお、図6に示すグラフにおいては一度だけ電圧Vを上げているが、加熱時間に応じて減少する電流Iを、しきい値Isと最大電流Imaxとの間に戻すように電圧Vを複数回上げる構成にすることも可能である。
電圧Vを複数回上げる構成の場合には、誘導加熱回路30の容量がさらに有効利用され、電力供給回路35の電力供給率がさらに向上する。
【0035】
第3実施形態
次に、本発明のさらに他の実施形態に係る給湯装置について説明する。
本実施形態に係る給湯装置の基本構成は、上述した第1の実施形態と同じであるが、電圧制御部40の電圧制御方法のみ異なる。
また、本実施形態では、溶解すべき金属材料Mとして、球状や細長い形状等の形態を含む粒状の金属材料を用いた場合について説明する。
【0036】
図7は、本実施形態に係る電圧制御部40の電圧制御方法を説明するためのグラフである。
上述した第2の実施形態では、最大電流Imaxよりも小さい値のしきい値Isを設定し、ステップ状の電圧V1 を印加し、電流Iがピーク値をとったのちしきい値Isよりも下がったところで、電圧Vをステップ状にV2 まで上昇させる構成とした。
本実施形態では、まず、第2の実施形態と同様に、図5に示したようなステップ応答を予め取得しておく。
次いで、このステップ応答データから、図6に示す、電流Iがピーク値を過ぎるまでに要する時間t1 を算出しておく。
【0037】
電圧制御部40は、電圧VをV1 としてステップ状に電圧を印加して誘導加熱を開始し、時間t1 を経過したところで、電圧Vをステップ状にV2 まで上昇させる。
この結果、図7に示す斜線部h5の面積を効率よく狭小化することができ、粒状の金属材料Mへのエネルギーの供給効率を最大限に高めることができる。
本実施形態によれば、しきい値Isと電流Iとを比較する必要がないため、処理がより簡単になる。
【0038】
第4実施形態
次に、本発明のさらに他の実施形態に係る給湯装置について説明する。
本実施形態に係る給湯装置の基本構成は、上述した第1の実施形態と同じであるが、電圧制御部40の電圧制御方法のみ異なる。
また、本実施形態では、溶解すべき金属材料Mとして、球状や細長い形状等の形態を含む粒状の金属材料を用いた場合について説明する。
【0039】
図8は、本実施形態に係る電圧制御部40の電圧制御方法を説明するためのグラフである。
上述した第3の実施形態では、電圧制御部40は、電圧VをV1 からV2 に変化させただけであったが、本実施形態では、所定時間(t1 、t2 ....)経過毎に電圧Vをステップ状に複数回上昇させる。これにより、さらに、誘導加熱回路30の容量を有効利用することができる。
【0040】
第5実施形態
次に、本発明のさらに他の実施形態に係る給湯装置について説明する。
本実施形態に係る給湯装置の基本構成は、上述した第1の実施形態と同じであるが、電圧制御部40の電圧制御方法のみ異なる。
また、本実施形態では、溶解すべき金属材料Mとしては、球状や細長い形状等の形態を含む粒状の金属材料、あるいは、ビレットやインゴット等の塊の金属材料の双方に適用可能である。
【0041】
上述した第2〜第4実施形態においては、電圧Vは電流Iの変化パターンを利用して、オープンループ制御される。
本実施形態においては、電流Iの変化パターンに基づいて、電圧Vをフィードバック制御する構成について説明する。
【0042】
図9(a)は、本実施形態に係る誘導加熱回路30のフィードバック制御系のブロック線図である。
図9(a)において、伝達関数Gが、図3に示す電力供給回路35の整流回路11からインバータ12、共振回路13、および、金属材料Mまでの特性を表わしている。また、図9(a)に示す電圧発生部A、減算要素90、および、補償器Hが、図3に示す交流電源19および電圧制御部40に相当する。
【0043】
交流電源19、および、電圧制御部40の一部が、電圧発生部Aとして機能する。電圧発生部Aは、所定の電圧Vfを発生させて伝達関数Gに向けて出力する。
補償器Hは、直流部における測定電圧Vおよび電流Iから、電圧Vfを所望の電圧Vcにするための電圧VHを計算して出力する。電圧Vcは、前述のように、金属材料Mへの供給電力を所望の値とするための電圧である。
減算要素90は、電圧発生部Aからの電圧Vfと補償器Hからの電圧VHとの差をとり、制御電圧Vcとして伝達関数Gに出力する。これは、図3において、整流回路11からの出力電圧がVcとなるような制御指令信号Cvを電圧制御部40が整流回路11に出力することにより実現される。
【0044】
伝達関数Gは、図5に示すようなステップ応答をとることや、電圧Vの波形を適宜変化させたときの電流Iの変化を予め測定しておくことによって取得することができる。
以上のように求めた伝達関数Gを利用することにより、伝達関数Gからの出力電流Iが所望の値となるように伝達関数Gに入力する制御電圧Vcを生成するための補償器Hを計算することができる。
【0045】
図9(b)は、以上のようにして求めた補償器Hを備える給湯装置2によって粒状の金属材料Mを加熱、溶解したときに、電力供給回路35の直流部において測定した電圧Vと電流Iとの関係を示すグラフである。図9(b)のグラフにおいて、横軸は時間tを表わし、縦軸は電圧Vおよび電流Iの値を表わしている。本実施形態においては、電流Iの値をフィードバックすることによって、直流部において測定される電圧Vを制御することができる。その結果、本実施形態によれば、図9(b)のグラフに示すように、電流Iを最大電流Imaxに追従させた状態で、金属材料Mを加熱することができる。したがって、誘導加熱回路30の容量を十分に活用して高い電力供給率を達成することができる。
【0046】
本発明は上述した実施形態に限定されない。
たとえば、誘導電流の変化情報から導いた金属材料毎の電圧Vの制御パターンを、たとえば、電圧制御部40のROMやRAMに記憶させておくこともできる。これにより、同じ給湯装置2および鋳造装置を用いて異なる金属材料を溶解する場合に、誘導電流の変化情報やそれに対応した電圧Vの制御パターンを新たに取得する必要が無くなる。溶解する金属材料の情報を電圧制御部40に与えれば、その金属材料に応じて電圧Vが自動的に最適に制御されるような構成にすることも可能である。このためには、たとえば、金属材料毎の電圧制御パターンを電圧制御部40のROMやRAMに記憶させておき、溶解する金属材料の情報が与えられたときに、対応する電圧制御パターンを電圧制御部40が選択する構成にしておけばよい。
【0047】
また、誘導加熱回路30の容量を効率良く活用することにより、金属材料Mへの電力供給率を上げることができるため、金属材料Mの溶解に要する時間を短縮することができる。これにより、鋳造毎に所定量の金属材料Mを溶解して鋳造装置に供給して製品を得る鋳造において、鋳造のサイクルタイムを短くすることができる。
また、誘導加熱回路30の容量を上げるのではなく、誘導加熱回路30の容量を十分に活用して金属材料Mへの電力供給率を上げるため、誘導加熱回路30のキャパシタ14等の電気部品を小型化することができる。これにより、給湯装置2の大型化を抑制することができる。
【0048】
また、上述した実施形態では、固体状態の金属材料を加熱、溶解する場合についてのみ説明したが、本発明は予め溶解された金属材料を加熱して所望の温度とし、これを鋳造装置に供給する場合にも適用可能である。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、電源から溶解する金属材料までの電力供給率の向上が可能であり、金属材料の溶解、あるいは、溶解された金属材料の加熱に要する時間を短縮可能な給湯装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る給湯装置の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示す給湯装置から、金属溶湯を自重により鋳造装置のスリーブに供給する状態を示す断面図である。
【図3】図1に示す給湯装置において用いる誘導加熱回路の一例を示す回路図である。
【図4】本発明の一実施形態における電圧の制御方法を模式的に示すグラフである。
【図5】誘導加熱回路におけるステップ入力電圧に対する電流の応答波形を示すのグラフである。
【図6】本発明の他の実施形態に係る給湯装置の誘導加熱回路の電圧の制御方法を説明するためのグラフである。
【図7】本発明のさらに他の実施形態に係る給湯装置の誘導加熱回路の電圧の制御方法を説明するためのグラフである。
【図8】本発明のさらに他の実施形態に係る給湯装置の誘導加熱回路の電圧の制御方法を説明するためのグラフである。
【図9】(a)は、本発明のさらに他の実施形態に係る給湯装置の誘導加熱回路のフィードバック制御系のブロック線図であり、(b)は、(a)に示す誘導加熱回路における電圧制御方法を説明するためのグラフである。
【図10】誘導加熱回路の直流部における電圧を一定に制御した場合の電流と電圧との関係を示すグラフであって、(a)は電圧が低い場合を、(b)は電圧が高い場合を示している。
【符号の説明】
2…給湯装置
3…収容容器
10…誘導加熱用コイル
21…開閉機構
30…誘導加熱回路
35…電力供給回路
40…電圧制御部(制御手段)
51…材料供給装置
M…金属材料
Claims (2)
- 固体状態の金属材料を鋳造毎に溶解して鋳造装置に供給し、あるいは、溶解された金属材料を鋳造毎に加熱して鋳造装置に供給する給湯装置であって、
金属材料に誘導電流を流して当該金属材料を加熱する誘導加熱用コイルと、
前記誘導加熱用コイルに電力を供給する電力供給回路と、
加熱中に金属材料に流れる誘導電流の大きさの変化に起因する前記電力供給回路の電力供給率の低下を補償する向きに、当該電力供給回路に印加する電圧を制御する制御手段と
を有する給湯装置。 - 前記制御手段は、前記誘導加熱用コイルが加熱する金属材料毎に取得した加熱中の誘導電流の変化情報に基づいて、前記電力供給回路に印加する電圧を制御する
請求項1に記載の給湯装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003060931A JP2004268078A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 給湯装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003060931A JP2004268078A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 給湯装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004268078A true JP2004268078A (ja) | 2004-09-30 |
Family
ID=33123282
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003060931A Pending JP2004268078A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 給湯装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004268078A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010260068A (ja) * | 2009-04-30 | 2010-11-18 | Denso Corp | 溶解機能及び加圧機能付き小型鋳造装置 |
-
2003
- 2003-03-07 JP JP2003060931A patent/JP2004268078A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010260068A (ja) * | 2009-04-30 | 2010-11-18 | Denso Corp | 溶解機能及び加圧機能付き小型鋳造装置 |
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