JP3906158B2 - 鋳造装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は鋳造装置に関し、更に詳細には成形型の表面に開口する空気抜き孔と接続されたキャビティ内に、アルミニウム等の溶湯を大気圧近傍の圧力で充填する鋳造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム等の鋳造装置としては、種々の装置があるが、例えば、重力鋳造装置によれば、鋳造品の質の良さ、成形型の簡易さ等の多くの利点を有する。
かかる成形型を図5に示す。図5に示す成形型100は、金属製であって、下型102aと上型102bとの分割型である。かかる下型102aと上型102bとによって、所望形状の鋳造品が鋳造されるキャビティ104が形成される。
この上型102bの上面には、アルミニウム等の溶湯を注湯する注湯口106が開口され、注湯口106とキャビティ104との間に押湯部108が形成されている。この成形型100には、キャビティ104に注湯された際に、キャビティ104内の空気を抜く空気抜き孔110,110・・も形成されている。
かかる成形型100を用いて鋳造を行う際には、上型102bの上面に開口されている注湯口106に、溶湯を注ぎ込んでキャビティ104内に溶湯を充填する。この際に、溶湯が充填されたキャビティ104の空気は、空気抜き孔110,110・・から排出され、キャビティ104内は大気圧に保持される。
【0003】
しかし、図5に示す成形型100では、注湯口106からの溶湯の注湯速度を向上して鋳造品の生産性を向上せんとすると、キャビティ104内の空気を溶湯内に巻き込み、最終的に得られる鋳造品に不良が生じ易くなる。
一方、下記の特許文献1に提案されているダイキャスト装置によれば、成形型のキャビティ内に溶湯を高速で充填できる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−84648号公報(図1)
【0005】
この特許文献1に提案されているダイキャスト装置に用いる成形型には、空気抜き孔が形成されたキャビティが形成されており、キャビティの下方に溶湯注湯口が設けられている。この溶湯注湯口には、スリーブの一端が接続されており、このスリーブ内には、プランジャがスリーブに沿って移動自在に挿入されている。
かかるプランジャの一端部には、プランジャをスリーブに沿って移動するプランジャ駆動装置が装着されており、スリーブの途中には、溶湯をスリーブ内に注湯する注湯口が設けられている。
【0006】
このダイキャスト装置では、プランジャ駆動装置によってプランジャの他端面とキャビティの溶湯注湯口との間に所定の空間部が形成されるように、プランジャを所定位置まで移動(後退)し、キャビティの溶湯注湯口からプランジャの他端面に至るスリーブ内に、注湯口から注湯した溶湯を所定量貯留する。
次いで、プランジャ駆動装置によってプランジャをキャビティの溶湯注湯口の方向に移動(前進)し、スリーブ内に貯留された溶湯に高圧力を加えつつキャビティ内に圧入し充填する。
その後、キャビティ内に高圧力で圧入し充填した溶湯を、加えられた高圧力を保持して冷却固化し、成形型を型開きして鋳造品を取出す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ダイキャスト装置によれば、成形型のキャビティ内への溶湯の充填速度を、図5に示す成形型100を用いた重力鋳造装置よりも高速とすることができる。
しかし、ダイキャスト装置では、キャビティ内に溶湯を圧入して充填する際に、高圧が成形型に加えられる。このため、成形型を耐圧型にしなければならず、成形型が大型化し、鋳造可能な鋳造品の大きさも制限される。
更に、キャビティ内に溶湯を高圧で圧入する方向にプランジャを移動するには、プランジャ駆動装置も大きな推進力を発揮できるものであることを要し、装置が大型化する油圧駆動装置を採用せざるを得ない場合もある。
一方、ダイキャスト装置では、キャビティ内に溶湯を高圧で圧入し充填することによって、キャビティ内の空気(気泡)を高圧で圧縮して空気抜き孔から排出している。このため、キャビティ内に圧入する溶湯の圧力を低下した場合、薄肉の鋳造品や複雑形状の鋳造品を鋳造する際には、キャビティ内に空気溜り等ができ易くなり、キャビティ内に圧入する溶湯の圧力低下には、限界が存在する。
この点、重力鋳造装置では、成形型100のキャビティ104内に溶湯を溶湯自体の重力、すなわち大気圧近傍の圧力で充填でき、成形型100の構造を簡易にできる。このため、キャビティ104への溶湯の充填速度を向上できれば、その鋳造品の生産性を向上できる。
そこで、本発明の課題は、成形型の表面に開口する空気抜き孔と接続されたキャビティ内に、溶湯を大気圧近傍の圧力で充填する鋳造装置であって、その充填速度を向上し得る鋳造装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決すべく検討を重ねた結果、図5に示す成形型のキャビティの下方から溶湯を大気圧近傍の圧力で注湯することによって、キャビティの上方から溶湯を注湯する場合に比較してキャビティへの溶湯の充填速度を向上できること、及び溶湯を保持された保持炉に設けた溶湯ポンプによって、溶湯を成形型のキャビティの下方から注湯できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、成形型の表面に開口する空気抜き孔と接続されたキャビティ内に、アルミニウム等の溶湯を大気圧近傍の圧力で充填する鋳造装置であって前記成形型のキャビティの下方に設けられた溶湯注湯口に一端が接続されていると共に、途中に溶湯供給口が形成されたスリーブと、前記スリーブの他端から移動自在に挿入されたプランジャを、前記溶湯供給口を開閉するように前記スリーブに沿って移動するプランジャ駆動装置と、
前記溶湯が保持された保持炉に設けられ、前記スリーブの途中に形成された溶湯供給口を経由して前記キャビティの下方から溶湯を充填するように、前記保持炉の溶湯を送湯する溶湯ポンプとを具備し、駆動した前記溶湯ポンプから送湯された溶湯を、プランジャが移動して開放された前記溶湯供給口及びスリーブを経由して溶湯注湯口からキャビティ内に供給して充填する際に、前記キャビティ内への溶湯の充填速度を調整できるように、前記溶湯ポンプによる送湯速度を制御し、且つ前記キャビティ内への溶湯の充填が完了したとき、前記プランジャの先端を前記溶湯注入口まで移動して前記溶湯供給口を閉塞するように、前記プランジャ駆動装置を駆動する制御部が設けられていることを特徴とする鋳造装置にある。
かかる本発明において、制御部を、キャビティ内に充填された溶湯液面近傍のキャビティ横断面積の変化に応じた充填速度で溶湯が充填されるように前記溶湯ポンプの送湯速度を制御する制御部とすることによって、複雑な形状のキャビティであっても空気を巻き込むことなく外観形状が良好な鋳造品を得ることができる。
更に、キャビティ内への溶湯の充填が完了したことは、キャビティ又は空気抜き孔内に、溶湯の充填が完了した信号を制御部に発信するセンサを設けることによって容易に知ることができる。
【0009】
また、本発明は、成形型の表面に開口する空気抜き孔と接続されたキャビティ内に、ア ルミニウム等の溶湯を大気圧近傍の圧力で充填する鋳造装置であって、前記成形型のキャビティの下方に設けられた溶湯注湯口に一端が接続されていると共に、途中に溶湯供給口が形成されたスリーブと、前記スリーブの他端から移動自在に挿入されたプランジャを、前記溶湯供給口を開閉するように前記スリーブに沿って移動するプランジャ駆動装置と、 前記溶湯が保持された保持炉に設けられ、前記スリーブの途中に形成された溶湯供給口を経由して前記キャビティの下方から溶湯を充填するように、前記保持炉の溶湯を送湯する溶湯ポンプと、前記キャビティ又は空気抜き孔内に設けられ、溶湯の充填完了を検出するセンサとを具備し、前記溶湯ポンプから送湯された溶湯を、プランジャが移動して開放された前記溶湯供給口及びスリーブを経由して溶湯注湯口からキャビティ内に供給し、前記キャビティ内への溶湯の充填が完了して、前記センサから発信された信号を受信したとき、前記プランジャの先端を前記溶湯注入口まで移動して前記溶湯供給口を閉塞するように、前記プランジャ駆動装置を駆動する制御部が設けられていることを特徴とする鋳造装置でもある。
これらの本発明において、キャビティ内への溶湯の充填が完了したことは、溶湯ポンプとして、キャビティ内への1回分の充填量に相当する溶湯量を送湯する定量送湯ポンプを用いることによっても容易に知ることができる。
また、制御部からは、プランジャがスリーブ内を移動して溶湯供給口が開放されたとき、送湯ポンプの送湯を開始する信号を発信することによって、鋳造装置の自動化を図ることができる。
【0010】
本発明に係る鋳造装置では、成形型の表面に開口する空気抜き孔と接続されたキャビティの下方から溶湯を大気圧近傍の圧力で注湯する。このため、キャビティ内の空気は、成形型のキャビティの上方から注湯する場合に比較して逃げ易いと共に、湯口からキャビティへの通路で上方に逃げる空気流とキャビティに流下する溶湯流とが接触して空気を溶湯流中に巻き込むことも防止できる。
しかも、キャビティは大気圧に保持されているため、溶湯が保持されている保持炉に設けられた溶湯ポンプによって、特別な溶湯の昇圧手段を設けることなくキャビティ内に溶湯を充分に充填できる。このため、重力鋳造装置と同様に、簡易型の成形型を用いることができることと相俟って、鋳造装置の簡易化を図ることもできる。
ここで、制御部が、溶湯ポンプを駆動してキャビティ内に溶湯を充填する際に、キャビティ内への溶湯の充填速度を調整するように、前記溶湯ポンプによる送湯速度の制御も兼る場合には、キャビティ形状に最適な溶湯の充填速度を容易に採用でき、空気を溶湯流中に巻き込むことを更に一層防止できる。
また、キャビティ又は空気抜き孔内に、溶湯の充填が完了した信号を制御部に発信するセンサを設けた場合には、このセンサからの信号を受信した制御部では、キャビティ内への溶湯の充填が完了したことを知ることができ、プランジャによる溶湯供給口の閉塞を行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る鋳造装置の一例を説明する概略図を図1に示す。図1に示す鋳造装置は、アルミニウムの鋳造装置であって、アルミニウムの溶湯を保持する保持炉10には、溶湯を送り出す送湯ポンプ12が設けられている。
かかる送湯ポンプ12から送り出された溶湯を導く導管16は、成形型30に設けられたプランジャ装置20のスリーブ22に接続されている。
かかるプランジャ装置20は、図2に示す様に、成形型30に形成されたキャビティ32の下方の側面に設けられた溶湯注湯口34にスリーブ22の一端側が接続されている。このスリーブ22の途中に形成された溶湯供給口25には、送湯ポンプ12からの導管16が接続されている。
更に、スリーブ22の他端側からは、プランジャ24がスリーブ22内に挿入されている。このプランジャ24は、その先端を溶湯注入口34まで移動して溶湯供給口25を開閉するように、モータやエアシリンダ装置等のプランジャ駆動装置26によってスリーブ22に沿って移動する。
このプランジャ24は、溶湯供給口25を開閉することを目的としてスリーブ22内を移動するものである。また、スリーブ22は、後述する様に、キャビティ32への溶湯の通路として用いられているのもである。従って、スリーブ22及びプランジャ24は、溶湯の通路として充分であればよく、ダイキャスト装置の如く、スリーブ内に貯留された溶湯のみでキャビティへの溶湯の充填を完了するものに比較して、その太さ及び長さは短くできる。
【0012】
かかるプランジャ装置20が装着された図2に示す成形型30は、図面に垂直な方向に成形型30が左型と右型とに分割される分割型であって、両型が型閉じしたとき、成形型30内にキャビティ32が形成される。
形成されたキャビティ32は、図2に示す様に、成形型30の表面に開口された空気抜き孔36と接続されている。このため、キャビティ32内には、保持炉10に設けられている送湯ポンプ12によって、途中に昇圧手段を設けることなくキャビティ32内に溶湯を充填できる。
したがって、図1及び図2に示す鋳造装置では、溶湯供給口25を閉塞するプランジャ装置20及び成形型30をダイキャスト装置で用いられるような耐圧装置とすることを要しない。
【0013】
図1に示す送湯ポンプ12としては、一般的に公知の定量送湯ポンプを用いることができる(かかる定量送湯ポンプとしては、例えば特開平9−150253号公報や特開2001−219261号公報に記載されている定量送湯ポンプを参照)。この定量送湯ポンプによれば、キャビティ32内への1回分の充填量に相当する溶湯量を送湯できるように調整できるからである。
図1及び図2に示す鋳造装置には、送湯ポンプ12によって成形型30のキャビティ32に溶湯の充填が完了したとき、プランジャ24の先端を溶湯注入口34まで移動して溶湯供給口25を開閉するように、プランジャ駆動装置26を駆動する制御部40が設けられている。
この成形型30のキャビティ32内への溶湯の充填完了は、成形型30のキャビティ32又はその空気抜き孔36の内壁面に、溶湯の液面を検出する液面センサを設け、この液面センサからの信号を制御部40が受信したとき、キャビティ32に溶湯の充填が完了したと判断する。
或いは、送湯ポンプ12として、キャビティ32内への1回分の充填量に相当する溶湯量を送湯できるように調整した定量送湯ポンプを用い、キャビティ32内への1回分の充填量に相当する溶湯量を送湯したとき、成形型30のキャビティ32に溶湯の充填が完了したと判断してもよい。
【0014】
更に、溶湯供給口25がプランジャ24で閉塞された状態でも送湯ポンプ12が駆動状態となる場合には、溶湯供給口25がプランジャ24によって閉塞されたとき、制御部40から送湯ポンプ12の電動モータ14に送湯を停止する信号を発信し、送湯ポンプ12を停止することが好ましい。
かかる制御部40では、プランジャ24がスリーブ22内を移動し、溶湯供給口25が開放されたことを示す信号をプランジャ駆動装置26から受信したとき、スリーブ22を経由してキャビティ32の下方に設けられた溶湯注湯口34からキャビティ32内に溶湯を充填すべく、送湯ポンプ12の電動モータ14を駆動する信号を発信し、送湯ポンプ12を起動する。
【0015】
図1及び図2に示す鋳造装置では、成形型30のキャビティ32の下方から溶湯を充填することによって、キャビティ32内の空気は溶湯の注湯路としては用いられない空気抜き孔36から排出される。このため、図5に示す成形型100の如く、キャビティ104の上方から溶湯を充填する際に、溶湯が注湯される注湯路からもキャビティ104内の空気が抜ける場合に比較して、キャビティ32内の空気を溶湯内に巻き込み難くできる。このため、図1及び図2に示す鋳造装置では、キャビティ32への溶湯の注湯速度を向上できる。
唯、複雑な形状の鋳造品を得るべく、キャビティ32の形状を複雑化した場合、キャビティ32内に広狭部分が形成され、キャビティ32に広狭部分が実質的に存在しない部分での充填速度を同一速度とすると、キャビティ32の広狭部分の空気が充分に抜けずに残り易い。
【0016】
この空気の充分な抜き出しは、キャビティ32への溶湯の充填速度を調整できるように、溶湯ポンプ12による溶湯の送湯速度を制御することによって行うことができる。具体的には、キャビティ32の狭部分に溶湯を充填する際に、キャビティ32の広部分に溶湯を充填する充填速度よりも低下し、キャビティ32の狭部分の空気を充分に排出させることによって、更に良好な外観形状の鋳造品を得ることができる。
この様に、キャビティ32の溶湯の充填速度を制御するには、溶湯ポンプ12による送湯速度を制御することが好ましい。この溶湯ポンプ12の送湯速度は、制御部40によってキャビティ32内に充填された溶湯液面近傍のキャビティ横断面積の変化に応じた充填速度で溶湯が充填されるように制御する。
ここで、キャビティ32内に充填された溶湯液面の検出は、キャビティ32内に液面検出計を設けてもよいが、予め溶湯ポンプ12として定量送湯ポンプを用い、定量送湯ポンプの送湯開始からの送湯量とキャビティ32内の溶湯液面との関係を求めておき、定量送湯ポンプの送湯開始からの送湯量からキャビティ32内の溶湯液面位置を求めることもできる。
【0017】
また、キャビティ横断面積の変化に応じた充填速度は、予めキャビティ32の各所について求めておく。かかる充填速度を求める際には、先ず、予めキャビティ32の下方からの所定位置ごとにキャビティ横断面積を求め、所定位置における単位高さ当りのキャビティ横断面積の変化を求める。更に、所定位置における単位高さ当りのキャビティ横断面積の変化に対し、実験的に空気を巻き込むことのない最適充填速度を求める。
かかる最適充填速度が所定位置ごとに記憶部に記憶された制御部40によれば、定量送湯ポンプの送湯開始からの送湯量から求めたキャビティ32の溶湯液面位置における溶湯の最適充填速度を、その記憶部から呼び出し、定量送湯ポンプの送湯速度を制御できる。
【0018】
かかる最適充填速度を求めた一例を図3及び図4によって説明する。図3は、成形型30の縦断面図であり、キャビティ32内にピン38,38,38が設けられている。更に、キャビティ32に接続された空気抜き孔36の内壁面には、キャビティ32内への溶湯の充填が完了した信号を制御部40に発信する液面センサ42が設けられている。かかる図3に示す成形型30は、図面に垂直な方向に分割される分割型である。
この成形型30の底面からの高さ方向の所定位置における、単位高さ当りのキャビティ横断面積の変化率を測定し、図4の破線で示す。
次いで、実験的に高さ方向の複数の箇所で空気を溶湯内に巻き込むことのない充填速度を求めた。その結果を、図4に実線で併せて示す。
図4から明かな様に、単位高さ当りのキャビティ横断面積の変化率が小さい箇所は、キャビティ32に広狭部分が実質的に存在しない部分であり、充填速度は速くなる。一方、単位高さ当りのキャビティ横断面積の変化率が大きい箇所には、キャビティ32に広狭部分が存在し、その充填速度は、単位高さ当りのキャビティ横断面積の変化率が小さい箇所よりも低下する。
従って、キャビティ32に広狭部分では、キャビティ32に広狭部分が実質的に存在しない部分に比較して、キャビティ32への溶湯の充填速度を低下し、その部分の空気を充分に追い出しつつ、溶湯を充填できる。
その結果、空気の巻き込み等に因る不良が解消された良好な鋳造品を得ることができる。
【0019】
【発明の効果】
本発明に係る鋳造装置によれば、成形型のキャビティの上方から注湯する場合に比較して、その成形型のキャビティ内への溶湯の充填速度を向上しても良好な鋳造品を得ることができるため、鋳造品の生産性を向上できる。
また、成形型のキャビティ内への溶湯の充填を、略大気圧下で行うことができる。
従って、成形型及びプランジャ装置を、ダイキャスト装置で用いられるような耐圧装置とすることを要しないため、その簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る鋳造装置の概要を説明する説明図である。
【図2】 本発明に係る鋳造装置を構成する成形型及びプランジャ装置の概要を説明する縦断面図である。
【図3】 成形型の一例を説明するための縦断面図である。
【図4】 図3に示す成形型の底面からの高さ方向の所定位置における、単位高さ当りのキャビティ横断面積の変化率と、高さ方向の複数の箇所において、空気を溶湯内に巻き込むことのない充填速度とを求めたグラフである。
【図5】 従来の重力鋳造に用いられる成形型を説明するための縦断面図である。
【符号の説明】
10 保持炉
12 送湯ポンプ
14 電動モータ
16 導管
20 プランジャ装置
22 スリーブ
24 プランジャ
25 溶湯供給口
26 プランジャ駆動装置
30 成形型
32 キャビティ
34 溶湯注湯口
36 空気抜き孔
38 ピン
40 制御部

Claims (8)

  1. 成形型の表面に開口する空気抜き孔と接続されたキャビティ内に、アルミニウム等の溶湯を大気圧近傍の圧力で充填する鋳造装置であって
    前記成形型のキャビティの下方に設けられた溶湯注湯口に一端が接続されていると共に、途中に溶湯供給口が形成されたスリーブと、
    前記スリーブの他端から移動自在に挿入されたプランジャを、前記溶湯供給口を開閉するように前記スリーブに沿って移動するプランジャ駆動装置と、
    前記溶湯が保持された保持炉に設けられ、前記スリーブの途中に形成された溶湯供給口を経由して前記キャビティの下方から溶湯を充填するように、前記保持炉の溶湯を送湯する溶湯ポンプとを具備し、
    駆動した前記溶湯ポンプから送湯された溶湯を、プランジャが移動して開放された前記溶湯供給口及びスリーブを経由して溶湯注湯口からキャビティ内に供給して充填する際に、前記キャビティ内への溶湯の充填速度を調整できるように、前記溶湯ポンプによる送湯速度を制御し、且つ前記キャビティ内への溶湯の充填が完了したとき、前記プランジャの先端を前記溶湯注入口まで移動して前記溶湯供給口を閉塞するように、前記プランジャ駆動装置を駆動する制御部が設けられていることを特徴とする鋳造装置。
  2. 制御部が、キャビティ内に充填された溶湯液面近傍のキャビティ横断面積の変化に応じた充填速度で溶湯が充填されるように、前記溶湯ポンプによる送湯速度を制御する制御部である請求項1記載の鋳造装置。
  3. キャビティ又は空気抜き孔内に、溶湯の充填が完了した信号を制御部に発信するセンサが設けられている請求項1又は請求項2記載の鋳造装置。
  4. 溶湯ポンプが、キャビティ内への1回分の充填量に相当する溶湯量を送湯する定量送湯ポンプである請求項1〜3のいずれか一項記載の鋳造装置。
  5. 制御部が、プランジャがスリーブ内を移動して溶湯供給口が開放されたとき、送湯ポンプの送湯を開始する信号を発信する制御部である請求項1〜4のいずれか一項記載の鋳造装置。
  6. 成形型の表面に開口する空気抜き孔と接続されたキャビティ内に、アルミニウム等の溶湯を大気圧近傍の圧力で充填する鋳造装置であって、
    前記成形型のキャビティの下方に設けられた溶湯注湯口に一端が接続されていると共に、途中に溶湯供給口が形成されたスリーブと、
    前記スリーブの他端から移動自在に挿入されたプランジャを、前記溶湯供給口を開閉するように前記スリーブに沿って移動するプランジャ駆動装置と、
    前記溶湯が保持された保持炉に設けられ、前記スリーブの途中に形成された溶湯供給口を経由して前記キャビティの下方から溶湯を充填するように、前記保持炉の溶湯を送湯する溶湯ポンプと、
    前記キャビティ又は空気抜き孔内に設けられ、溶湯の充填完了を検出するセンサとを具備し、
    前記溶湯ポンプから送湯された溶湯を、プランジャが移動して開放された前記溶湯供給口及びスリーブを経由して溶湯注湯口からキャビティ内に供給し、前記キャビティ内への溶湯の充填が完了して、前記センサから発信された信号を受信したとき、前記プランジャの先端を前記溶湯注入口まで移動して前記溶湯供給口を閉塞するように、前記プランジャ駆動装置を駆動する制御部が設けられていることを特徴とする鋳造装置。
  7. 溶湯ポンプが、キャビティ内への1回分の充填量に相当する溶湯量を送湯する定量送湯ポンプである請求項6記載の鋳造装置。
  8. 制御部が、プランジャがスリーブ内を移動して溶湯供給口が開放されたとき、送湯ポンプの送湯を開始する信号を発信する制御部である請求項6又は請求項7記載の鋳造装置。
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