JPH07300975A - 建築用パネルの取付具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 建築物の室内側から一種類の取付具で様々な
壁下地に取り付けられる取付具とすること。 【構成】 設置面１の略中央部裏面に直行するように貫
通孔７を介して係止体Ｂと固定体Ｃとが組み合わさり、
設置面１と接着面９が接着されて一体化した取付具Ａと
したので、引っ張り強度に強く、Ｃ型鋼材の開口の向き
が左右どちらであっても、１種類の取付具Ａで取り付け
施工することができ、しかも壁下地αはＣ型鋼材だけで
なく、角型、Ｈ型、Ｌ字型等のいずれの壁下地αでも固
定面８と平行な垂直面１７がある壁下地αであれば、取
り付けることができると共に、生産性、コストが改善さ
れ、しかも、前もって必要な取付具Ａの数を簡単に算出
することができ、在庫管理、出荷、注文が容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は建築、構築物の外壁を形
成するための、建築用パネルの取付具に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、現在の大都市に見られるような建
築物の密集化に伴い、建築物同士の立地間隔が狭く、屋
外側からパネル取り付けのための足場を設置できないよ
うな条件下で、建築物の屋内側から建築用パネル（以
下、単にパネルという）を壁下地に取り付ける取付具と
しては、例えば特開平４−１６０３３８号公報に開示し
てあるような取付具が発明されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この取
付具は壁下地がＣ型鋼材専用であり、他の種類の壁下
地、例えば角型鋼材、Ｈ型鋼材、Ｌ字アングル等の場合
には、取り付けることができなかった。また、Ｃ型鋼材
の開口の向きによって、左右２種類の取付具が必要であ
り、生産性、コスト、在庫管理の面で不利があったと共
に、建築現場においてＣ型鋼材の向きは不統一であり、
前もって左右の取付具の数を算出して出荷（あるいは注
文等）することは困難であった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで本発明では、設置
面の略中央部裏面に直行するように貫通孔を介して係止
体と固定体とが組み合わさり、設置面と接着面が一体に
接着されて一体にした取付具としたので、引っ張り強度
に強く、Ｃ型鋼材の開口の向きが左右どちらであって
も、１種類の取付具で取り付け施工することができ、し
かも壁下地はＣ型鋼材だけでなく、角型、Ｈ型、Ｌ字型
等のいずれの壁下地でも固定面と平行な面がある壁下地
であれば、取り付けることができると共に、生産性、コ
ストが改善され、しかも、前もって必要な取付具の数を
簡単に算出することができ、在庫管理、出荷、注文が容
易になる建築用パネルの取付具を提案するものである。

【０００５】

【実施例】以下に本発明に係る建築用パネルの取付具に
ついて図面を用いて詳細に説明する。図１（ａ）、
（ｂ）は本発明に係る上記取付具Ａを示す斜視図であ
り、（ａ）図は正面から、（ｂ）図は背面から見た斜視
図である。すなわち取付具Ａは係止体Ｂと固定体Ｃとの
２部材からなり、スポット溶接等の手段により一体化し
たものである。

【０００６】取付具Ａの素材としては、不燃性の金属薄
板材よりなり、例えばステンレス、Ｆｅ、Ａｌ、Ｃｕ、
アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、カラー鋼板、ホーロー鋼
板、フッ素樹脂塗装鋼板、クラッド鋼板、サンドイッチ
鋼板等の一種をプレス加工、ベンダー加工等して形成し
たものである。

【０００７】また、その形状として、係止体Ｂは図２
（ａ）に示すように、略垂直平面状の設置面１と設置面
１の下端を屈曲して延長した係止部２とからなるもので
あり、係止部２は、後記するパネルＤの雄実部１５およ
び雌実部１６と略同一形状に形成したものである。すな
わち係止部２は設置面１の下端を直角に屈曲した底辺３
と底辺３の先端を下方に略コ字状に屈曲させた下凸部４
と、下凸部４の先端を上方に略Ｕ字状に屈曲させた上凸
部５と、上凸部５の先端を設置面１側に屈曲して延長し
た押さえ片６とからなるものであり、図３および図４に
示すように、パネルＤの雄実部１５および雌実部１６の
間に挟持し、パネルＤを取り付ける部分である。また、
設置面１の略中央部分には縦長の貫通孔７を形成するも
のである。

【０００８】固定体Ｃは図２（ｂ）に示すように、略垂
直平面状の固定面８と固定面８の一端をＬ字状に屈曲し
た接着面９とから略Ｌ字状に屈曲したものであり、図１
に示すように設置面１に形成した貫通孔７に固定面８を
挿入し、設置面１の前面と接着面９とをスポット溶接
（スポット溶接跡１０）等の手段を用いて強固に一体に
接着するものである。また、図２（ｂ）では固定面８に
固定具βの固定位置をガイドするガイド孔１１を２つ形
成しているものである。

【０００９】さらに、取付具Ａを用いて壁下地αに取り
付けられるパネルＤとしては、例えば図５に示すような
ものである。すなわちパネルＤは、表面材１２と裏面材
１３とで芯材１４をサンドイッチした構造の長尺体から
なるものであり、一側縁に凸状の雄実部１５と他側縁に
凹状の雌実部１６を形成したものである。

【００１０】取付具Ａが固定される壁下地αとしては、
一般的に例えば図３に示すようなＣ型鋼材等であるが、
壁下地αに垂直面１７が形成されていればどんなもので
も良く、柱型木材（主柱、間柱）、角形鋼材、Ｈ型鋼
材、Ｌ字アングル材等いずれにも対応して、取り付ける
ことができるものである。

【００１１】また、図６（ａ）、（ｂ）（横端面図）に
示すように、壁下地αがＣ型鋼材である場合、Ｃ型鋼材
の開口部１８が左右のどちらを向いていても、取付具Ａ
を固定することができ、一種類の取付具Ａで対応できる
ものである。

【００１２】ここで、取付具Ａを用いた施工例について
簡単に説明する。図１に示すような取付具Ａを用いて、
図５に示すようなパネルＤを図３、図４に示すように取
り付けると仮定する。そこで、図３に示すようにＣ型鋼
材からなる壁下地αに取り付けられている下段のパネル
Ｄの雄実部１５に取付具Ａの係止部２を嵌合すると共
に、壁下地αの垂直面１７に固定面８をスクリュウビス
等の固定具βを介して屋内側より固定する。次に、図４
に示すように、上段のパネルＤをクレーン、ウインチ等
で建築物の屋上から吊り下げて、その雌実部１６を、下
段のパネルＤの雄実部１５に取付具Ａの係止部２を介し
て嵌合し、パネルＤを裏面側（屋内側）から取り付ける
ものである。また壁体全体を形成するには、上記したよ
うな工程を土台部から軒部方向に順次行えばよいもので
ある。

【００１３】

【その他実施例】以上説明したのは、本発明に係る取付
具Ａの一実施例であり、例えば図７〜図１０に示すよう
な取付具Ａとすることもできる。すなわち、図７（ａ）
は係止体Ｂ、固定体Ｃの角部分を丸く面取りし、危険の
防止につとめた例、図７（ｂ）は係止部２の押さえ片６
を切除した取付具Ａの例である。

【００１４】図８（ａ）は係止部２に強度向上のために
補強リブ１９を形成した例、図８（ｂ）は係止体Ｂと固
定体Ｃとの連結をブラインドリベット２０により行った
取付具Ａの例である。図９（ａ）は固定体ＣをＴ字型に
屈曲し、２重にした例、図９（ｂ）は固定体Ｃに強度向
上のために補強リブ１９を形成した取付具Ａの例であ
る。図１０（ａ）は貫通孔７の上部を切り欠いた例、図
１０（ｂ）は固定体Ｃの接着面９を固定面８の略中央部
分から左右にＴ字状に折り曲げて形成し、係止体Ｂとの
接着をバランス良く行った取付具Ａの例である。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る建築
用パネルの取付具によれば、建築物の屋外側からの建
築用パネルの取り付けができない条件下であっても、取
付具の係止部を建築用パネルの雄、雌実部間に介在させ
ると共に、壁下地と取付具の固定面を固定具を介して固
定するようにしたので、建築用パネルをその裏面側（屋
内側）から通常の取付強度と施工性を失うことなく取り
付けることができる。取り付ける壁下地には垂直面が
存在していればよく、壁下地の種類を選ばず一種類の取
付具で多種類の壁下地に対応できる。取付具の個数算
出が簡単で、在庫管理、出荷、注文が容易になる。設
置面の略中央部裏面に直行するように貫通孔を介して係
止体と固定体とが組み合わさり、設置面と接着面が一体
に接着されているので、係止体と固定体が強固に一体化
され、取付具全体の引っ張り強度が向上する。等の特
徴、効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る建築用パネルの取付具の代表例を
示す斜視図である。

【図２】上記取付具を構成する係止体と固定体を示す斜
視図である。

【図３】上記取付具を用いた施工例を示す説明図であ
る。

【図４】上記取付具を用いた施工例を示す説明図であ
る。

【図５】上記取付具で取り付けることができる建築用パ
ネルの一例を示す説明図である。

【図６】上記取付具と壁下地との取り合いを示す説明図
である。

【図７】上記取付具のその他の例を示す説明図である。

【図８】上記取付具のその他の例を示す説明図である。

【図９】上記取付具のその他の例を示す説明図である。

【図１０】上記取付具のその他の例を示す説明図であ
る。

【符号の説明】

Ａ 取付具 Ｂ 係止体 Ｃ 固定体 Ｄ 建築用パネル α 壁下地 β 固定具 １ 設置面 ２ 係止部 ３ 底辺 ４ 下凸部 ５ 上凸部 ６ 押さえ片 ７ 貫通孔 ８ 固定面 ９ 接着面 １０ スポット溶接跡 １１ ガイド孔 １２ 表面材 １３ 裏面材 １４ 芯材 １５ 雄実部 １６ 雌実部 １７ 垂直面 １８ 開口部 １９ 補強リブ ２０ ブラインドリベット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長尺状板材で、左右端に雄雌連結構造の
   雄実部、雌実部を形成した建築用パネルを裏面側、すな
   わち建築物の屋内側から壁下地に取り付けるための取付
   具において、略垂直平面の設置面と該設置面の略中央部
   分に縦長の貫通孔を形成すると共に、該設置面の下端を
   前記建築用パネルの雄実部および雌実部と略同一形状に
   形成した係止部を設けた係止体と、略垂直平面状の固定
   面と該固定面の一端に直交するように形成した接着面と
   からなる固定体の２部材からなり、係止体の貫通孔を介
   して係止体と固定体とが組み合わさり、設置面と接着面
   が一体に接着固定されてなり、建築用パネルの雄、雌実
   部間に取付具の係止部を嵌合し、固定面を固定具を介し
   て壁下地の垂直面に固定し、取り付けることを特徴とす
   る建築用パネルの取付具。