JPH042267Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は増築する場合において、既設の建物の
階下の外壁パネルと階上の外壁パネルとの間にジ
ヨイント金物を固着し、このジヨイント金物に増
築用の階上床パネルを取り付けるようにした増築
用階上床パネルの取付構造に関するものである。

［背景技術］ 従来、総二階の建物を増築する場合には、既設
の建物の階上外壁パネル１と階下外壁パネル１と
の間に取り付けられている幕板１５を剥がし、そ
してジヨイント金物を外壁パネル１，１間に挿入
して固定し、そしてこのジヨイント金物に増築用
の階上の床パネルを取り付けているものである
が、第８図及び第９図に示すように階上の外壁パ
ネル１の下端部には幕板１５の係止片３０を係止
させるための係止部３１がパネル枠３２より下方
へ突出してあるためにジヨイント金物を階上外壁
パネル１と階下外壁パネル１との間に屋外側から
挿入することは出来ないという問題があつた。

［考案の目的］ 本考案は上記の点に鑑みて成されたものであつ
て、階上の外壁パネルの下端部より係止部が突出
しているような場合でも支障なくジヨイント金物
を外壁パネル間に取り付けて、施工性良く増築用
の階上床パネルを取り付けることのできる増築用
階上床パネルの取付構造を提供することを目的と
するものである。

［考案の開示］ すなわち、本考案の増築用階上床パネルの取付
構造は、階上の外壁パネル１と階下の外壁パネル
１との間に介装したジヨイント金物２に、増築用
の階上の床パネル１３を取り付ける増築用階上床
パネルの取付構造において、ジヨイント金物２
は、階上の外壁パネル１に固定される上部連結金
具４と、階下の外壁パネル１に固定される下部連
結金具５とを各外壁パネル１，１への固定後に一
体に結合するように形成され、下部連結金具５の
上下方向の寸法は、階上の外壁パネル１の下端か
ら下方に向かつて突設された幕板係止用の係止部
３１の下端と階下の外壁パネル１の上端との間の
寸法よりも小さく設定されたものである。この構
成を採用したことで、ジヨイント金物２を上部連
結金具４と下部連結金具５に分割した状態で外壁
パネル１，１間に挿入し、その後上下の連結金具
４，５を外壁パネル１，１間で接続してジヨイン
ト金物２を形成することにより、上記目的を達成
したものである。

以下本考案を図示の実施例に基づいて詳述す
る。第７図は既設の建物の天井を取り除いた状態
を示す一階部分の全体斜視図を示したもので、ま
ず、建物の階上外壁パネル１と階下外壁パネル１
との間に取り付けられる幕板１５部分（第７図の
Ａ部）の構造について説明する。第８図乃至第１
０図に示すように、既設の建物において階下外壁
パネル１と階上外壁パネル１との間にて屋内側に
は階上床パネル１３が取り付けられている。階下
外壁パネル１の上端部には断面コ字状のパネル枠
３２が取り付けられており、また階上の外壁パネ
ル１の下端部にもパネル枠３２が取り付けられて
いる。この階上外壁パネル１のパネル枠３２の下
端面には係止部３１が下方へ突出してある。幕板
１５はこの階上外壁パネル１と階下外壁パネル１
との間に屋外側より嵌め込まれるもので、幕板１
５の上端部には係止片３０が上方へ延出してあ
り、また幕板１５の下端部には水平片３５が屋内
側へ延出してある。幕板１５を外壁パネル１，１
間に取り付けるにあたつては、第８図に示すよう
に、まず係止片３０を階上外壁パネル１の係止部
３１の裏面側に係止させ、次いで幕板１５の水平
片３５を屋外側より階下外壁パネル１のパネル枠
３２上端面上に差し込むようにし、その後幕板１
５の裏面側に固着されている幕板取付金具３６を
床枠３７の裏面側で折り曲げ、あるいは針打ちし
て幕板１５を固定するのである。また、その際床
パネル１３の床枠３７と幕板１５間に断熱材３８
を装填するものである。さて、ジヨイント金物２
は第１図乃至第３図に示すように、上部連結金具
４と下部連結金具５とで上下に２分割されてお
り、この上部連結金具４及び下部連結金具５を上
記階上外壁パネル１と階下外壁パネル１との間に
挿入した後、溶接などで一体に接続するものであ
る。上部連結金具４は基片６ａの上端部に上片８
を前方へ折曲すると共に基片６ａの前面側に縦片
７ａを固着して形成されている。縦片７ａの上下
長さは基片６ａの上下長さよりもやや小寸法に形
成されている。下部連結金具５は基片６ｂの下端
部より下片９を前方へ折曲すると共に基片６ｂの
前面側に縦片７ｂを固着して形成されており、縦
片７ｂの上下長さは基片６ｂの上下長さ寸法より
も長く形成されている。上部連結金具４の基片６
ａと下部連結金具５の基片６ｂの上下長さの和
と、上部連結金具４の縦片７ａと下部連結金具５
の縦片７ｂの上下長さの和は略等しく設定されて
おり、上部連結金具４と下部連結金具５とを第１
図のようにその端面同士を突き合わせて溶接した
際にはぴつたりと接合してジヨイント金物２が形
成されるのである。ジヨイント金物２をこのよう
に縦片７の上下に偏つた位置で分割したのは、縦
片７に複数個の接続孔３９が穿孔されており、縦
片７の上下中央部に設けられた接続孔３９に分割
線が通らないようにしたためである。

次に、上記のようにして形成されたジヨイント
金物２を階下外壁パネル１と階上外壁パネル１と
の間に取り付けるにあたつては、第４図に示すよ
うにまず上部連結金具４と下部連結金具５とを外
壁パネル１，１間に入れて上部連結金具４を階上
外壁パネル１のパネル枠３２にボルトナツトや溶
接ナツトなどの固着具１１で固着すると共に下部
連結金具５を階下外壁パネル１のパネル枠３２に
固着具１１で固着する。その際、階上外壁パネル
１の下端面より係止部３１が下方へ突出していて
もジヨイント金物２は上下に２分割されているの
で分解した状態で簡単に外壁パネル１，１間に挿
入することができるものである。ここに、下部連
結金具５の上下方向の寸法は、係止部３１の下端
と階下外壁パネル１の上端との距離よりも小さく
設定されている。次いで、各連結金具４，５の縦
片７ａ，７ｂ間及び基片６ａ，６ｂ間に当て板４
０を当てて上下の連結金具４，５を溶接するもの
である。

しかして、二階建ての建物を増築する場合に
は、上記のようにして既設建物の外壁パネル１，
１間にジヨイント金物２を取り付け、第４図及び
第５図に示すようにこのジヨイント金物２の縦片
７に接続金具１８の接続片１９を固着具１１にて
固着し、接続金具１８に増築用階上床パネル１３
を固着具１１などで接続するものである。接続具
１８は第５図に示すように、取付片２１に上下に
長い接続片１９を２本設けて形成されている。ま
た、ジヨイント金物２の取付箇所は、例えば第６
図に示す位置に設けることができる。第６図中Ｂ
部分は既設建物を示し、Ｃ部分は増築建物を示
す。

［考案の効果］ 本考案は上述のように、ジヨイント金物を、階
上の外壁パネルに固定される上部連結金具と、階
下の外壁パネルに固定される下部連結金具とを各
外壁パネルへの固定後に一体に結合するように形
成し、下部連結金具の上下方向の寸法を、階上の
外壁パネルの下端から下方に向かつて突設された
幕板係止用の係止部の下端と階下の外壁パネルの
上端との間の寸法よりも小さく設定したので、既
設建物の階上外壁パネルの下端部に幕板取付用の
係止部が下方へ突出しているような場合でも外壁
パネル間にジヨイント金物を上下に２分割した状
態で簡単に挿入することができ、その後溶接など
で上下の連結金具を接続することでジヨイント金
物を固着することができるもんであつて、このジ
ヨイント金物を利用して簡単に増築用の階上床パ
ネルを取り付けることができるものである。ま
た、既設外壁パネルに出入り口を設けるために改
造するにあたつてもジヨイント金物を外壁パネル
間に固着することにより外壁パネルを補強するこ
ともできるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは本考案一実施例のジヨイント金
物の側面図と正面図、第２図は同上のジヨイント
金物の分解正面図、第３図は同上のジヨイント金
物の分解側面図、第４図は同上のジヨイント金物
の取付状態を示す断面図、第５図は同上の接続金
具の正面図、第６図は同上の説明図、第７図は既
設建物の天井面を取り除いた状態を示す全体斜視
図、第８図乃至第１０図は第７図のＡ部分に相当
する既設建物の増築前の状態を示し、第８図は幕
板の取付手順を示す説明図、第９図は床パネルを
取り付けた状態の要部の斜視図、第１０図は幕板
の取付手順を示す外側からの斜視図である。 １は外壁パネル、２はジヨイント金物、４は上
部連結金具、５は下部連結金具、１３は床パネ
ル、１５は幕板である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 階上の外壁パネルと階下の外壁パネルとの間に
   介装したジヨイント金物に、増築用の階上の床パ
   ネルを取り付ける増築用階上床パネルの取付構造
   において、ジヨイント金物は、階上の外壁パネル
   に固定される上部連結金具と、階下の外壁パネル
   に固定される下部連結金具とを各外壁パネルへの
   固定後に一体に結合するように形成され、下部連
   結金具の上下方向の寸法は、階上の外壁パネルの
   下端から下方に向かつて突設された幕板係止用の
   係止部の下端と階下の外壁パネルの上端との間の
   寸法よりも小さく設定されて成る増築用階上床パ
   ネルの取付構造。