JPH0729996Y2 - コードレススチームアイロン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案はアイロン本体から電源コードが導出しないコ
ードレススチームアイロンに関する。

（従来の技術） この種のスチームアイロンは、アイロン本体と載置台と
で構成され、前記載置台に給電部が設けられ、この載置
台にアイロン本体を載置することにより、アイロン本体
の背面に設けられた通電ピンが給電部に接続し、この接
続でベースに設けられたヒータが通電され、ベースに熱
が蓄えられる。そしてベースが一定温度以上に上昇した
のちに、アイロン本体を載置台から取外して使用するも
のである。

またアイロン本体には水タンクが設けられていて、この
水タンクからベースの気化室内に適宜水が滴下され、こ
の水がベースの熱で気化してスチームとなり、このスチ
ームがベースの下面側に導かれて噴出するようになって
いる。

しかしながらこのようにアイロン本体に水タンクが設け
られていると、アイロン本体の全体の構成が大型とな
り、また重量も増し、アイロン掛けの際の取扱いに不便
となる。

そこで、載置台内に水タンクおよびこの水タンク内の水
を吸入して吐出する給水ポンプを設け、またアイロン本
体の背面に気化室に連通する継手管を設け、アイロン本
体を載置台に載置した際に、前記継手管を給水ポンプに
連通する給水部に接続させ、この状態で給水ポンプを作
動させて前記水タンク内の水をアイロン本体の気化室に
供給するようにしたものが考えられる。

（考案が解決しようとする課題） ところでこのような構成の場合、アイロン本体を載置台
から取外した際に載置台の給水部に水分が残ることが多
いが、載置台には前記給水部とともに給電部が配置して
おり、このため給水部に残った水分が流動して給電部に
付着し、電気的な短絡を招いてしまう恐れがある。

この考案はこのような点に着目してなされたもので、給
水部に水分が残っても、それが給電部に付着するような
ことのない安全性に優れるコードレススチームアイロン
を提供することを目的とするものである。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） この考案はこのような目的を達成するために、ヒータを
有するベースおよびこのベースの熱でスチームを発生さ
せてベースの下面側に噴出させるスチーム発生機構を備
えるアイロン本体と、このアイロン本体が着脱自在に載
置されこの載置状態でアイロン本体の背面を受ける起立
状態の受部を有した載置台と、この載置台に設けられた
水タンクおよびこの水タンク内の水を吐出させる給水ポ
ンプと、前記載置台の受部に設けられ載置台に対するア
イロン本体の載置に応じてアイロン本体のヒータに通電
をする給電部および前記給水ポンプの作動で前記水タン
ク内の水をアイロン本体のスチーム発生機構に供給する
給水部とを具備し、前記給電部を前記給水部よりも上方
の位置に配置させるようにしたものである。

（作用） 載置台の給水部に水分が残った場合であっても、給電部
が給水部の上方側に配置しているから、給水部の水分が
給電部に至るようなようなことがなく、これにより給電
部での水分の付着による電気的な短絡が防止される。

（実施例） 以下、この考案の一実施例について図面を参照して説明
する。

図中１は載置台で、この載置台１の一端部に起立部２が
一体に形成され、この起立部２の前面が後述するアイロ
ン本体の背面を受ける受部３となっている。起立部２内
には水タンク４が収納され、この水タンク４は注水筒５
を一体に有し、この注水筒５の上端部が起立部２の上端
面の上方に突出し、またこの水タンク４の下方に給水ポ
ンプ６が設けられ、この給水ポンプ６から吸入管７およ
び吐出管８が導出し、前記吸入管７が前記水タンク４内
にその上端面から挿入されている。また吐出管８の先端
部は給水部９として前記受部３の内側に配置し、この給
水部９の前面に接続口10が形成され、この接続口10の周
縁にパッキング11が装着され、前記受部３の壁面に前記
接続口10に対向して挿入口12が形成されている。

また起立部２内には、前記受部３の内側でかつ前記給水
部９の上方に位置して給電部15が設けられている。この
給電部15は、一対の弾性変形自在な接点板16.16を左右
に並列して設け、これら接点板16.16の端部にそれぞれ
電源端子17.17を取付けてなり、前記電源端子17.17に対
向して受部３の壁面にピン孔18.18が形成されている。

20はアイロン本体で、このアイロン本体20は金属製のベ
ース21を有し、このベース21にヒータ22が埋設されてい
る。そしてこのベース21に次のようにスチーム発生機構
が設けられている。すなわち23がベース21の上面に形成
された気化室、24がベース21の下面に形成された噴出口
で、前記気化室23が補助室25を通して前記噴出口24に連
通している。そして気化室23内には貯水皿26が設けら
れ、この貯水皿26の上面は閉塞板27で閉塞され、この閉
塞板27に一つまたは複数のスチーム孔28…が穿設され、
また貯水皿26の底部の一端側に滴下ノズル29が形成され
ているとともに、他端側に気化室23内と貯水皿26内とを
連通させる連通パイプ30が取付けられている。気化室23
および補助室25の上面の開口部は密閉板34で密閉され、
またベース21の上面にはこの上面のほぼ全体を覆うよう
に遮熱カバー35が取付けられ、さらにこの遮熱カバー35
の上にほぼＬ形に形成されたハンドル36がねじ37を介し
て取付けられている。

ハンドル36は合成樹脂により背面が開口する中空状に形
成され、その背面の開口がハンドルカバー40で閉塞され
ている。そしてこのハンドルカバー40の下部に継手管41
がその外方に一体に突出形成され、この継手管41の基端
側の内側に弁機構42が設けられている。この弁機構42は
前記継手管41に連通する弁ケース43と、この弁ケース43
内に収納された球弁44と、この球弁44を一方向に弾性的
に付勢したスプリング45とで構成され、前記球弁44が前
記スプリング45の付勢力で継手管41の基端側の開口部を
密閉するようにその開口部に当接している。そしてこの
弁機構42と前記気化室23との間に給水パイプ46が設けら
れ、この給水パイプ46の一端部が前記密閉板34および閉
塞板27を貫通して貯水皿26内に突出し、他端部が弁機構
42を介して前記継手管41に接続されている。

ハンドルカバー40の上部にはその内側から外側に突出す
るように一対の通電ピン49.49が並列して設けられ、こ
れら通電ピン49.49がベース21の上面に設けられた温度
調節器50を通してヒータ22に導通している。さらにハン
ドルカバー40の内側にはマグネット51が設けられ、また
前記遮熱カバー35の上面には前記温度調節器50を連動操
作してベース21の温度を所望の温度に設定するための操
作ダイヤル52が配設されている。

一方、前記載置台１の前方側の上面にはアイロン本体20
を支持するための支持柱55が突設され、また起立部２内
には前記給水ポンプ６を制御するマイコン56、および前
記マグネット51に対応するリードスイッチ57が配設さ
れ、前記マイコン56にスチームの発生の有無を選択する
切換えボタン58が設けられている。さらに載置台１内に
電源コード（図示せず）を巻き取るコードリール装置59
が設けられている。

アイロン本体20の使用に当っては、第１図に示すよう
に、ベース21の先端側の下面を支持柱55に当て、ハンド
ル36の背面を受部３に衝合させてアイロン本体20を載置
台１の上に載置する。この載置に応じて通電ピン49.49
がピン孔18.18内に進入して給電部15の電源端子17.17に
弾性的に接触するとともに、継手管41が挿入口12内に進
入して給水部９の接続口10に接続し、またマグネット51
がリードスイッチ57に対向し、この対向でリードスイッ
チ57が閉成し、アイロン本体20の載置が検知される。そ
して通電ピン49.49と電源端子17.17との接触で温度調節
器50を通してヒータ22が通電され、この通電によりベー
ス21が加熱され、このベース21の温度が温度調節器50で
設定された温度に保持される。

ここで、マイコン56が切換えボタン58の操作によりスチ
ーム発生モードに設定されている場合には、マイコン56
による制御で給水ポンプ６が作動し、水タンク４内の水
が吸入管７を通して吸入され、さらにこの水が吐出管８
を通して給水部９から継手管41内に圧送される。この圧
送で弁機構42の球弁44がスプリング45に抗して押し動か
され、これに伴い給水部９から給水パイプ46を通して順
次水が貯水皿26内に供給される。貯水皿26内に供給され
る水の量およびそのタイミングはマイコン56で制御さ
れ、その給水量は15cc程度に調整される。

貯水皿26内に供給された水は滴下ノズル29を通して気化
室23の内底面に順次滴下し、この水がベース21の熱で気
化してスチームとなり、このスチームが連通パイプ30を
通して貯水皿26内の上層部に流入する。そしてこのスチ
ームによる圧力で貯水皿26内の水面が加圧され、この加
圧で滴下ノズル29からの水の滴下が促進され、貯水皿26
内の水が的確に気化室23内に排出される。貯水皿26内に
流入したスチームはスチーム孔28…を通して閉塞板27の
上面側に流出し、さらに補助室25を経て噴出口24からベ
ース21の下面側に噴出する。

このような状態でアイロン本体20を載置台１から取外
し、ベース21の下面でアイロン掛けを行う。そしてベー
ス21の温度が低下した際に、再びアイロン本体20を載置
台１の上に載置し、ヒータ22に通電をしてベース21を加
熱する。

載置台１からアイロン本体20が取外されて給水部９の接
続口10から継手管41が離脱した際などには、接続口10の
周縁などに付着していた水分がその下方に流れ落ちるこ
とがあるが、給電部15は給水部９の上方側に配置してお
り、このため給水部９から流れ落ちた水分が給電部15の
電源端子17.17などに付着するような恐れがなく、した
がって水分の付着による電気的な短絡を確実に防止する
ことができる。

［考案の効果］ 以上説明したようにこの考案によれば、給水部の水分が
給電部に至るようなことがなく、したがって給電部での
水分の付着による電気的な短絡を確実に防止することが
できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図はコードレス
スチームアイロンの全体の断面図、第２図は載置台の受
部の正面図である。 １…載置台、３…受部、４…水タンク、６…給水ポン
プ、９…給水部、15…給電部、20…アイロン本体、21…
ベース、22…ヒータ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 石渡 隆 新潟県加茂市大字後須田2570番地１ 東芝 熱器具株式会社内 (72)考案者 坂井 博明 新潟県加茂市大字後須田2570番地１ 東芝 熱器具株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−48799（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−75099（ＪＰ，Ａ) 特開 昭64−38000（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ヒータを有するベースおよびこのベースの
   熱でスチームを発生させてベースの下面側に噴出させる
   スチーム発生機構を備えるアイロン本体と、このアイロ
   ン本体が着脱自在に載置されこの載置状態でアイロン本
   体の背面を受ける起立状態の受部を有した載置台と、こ
   の載置台に設けられた水タンクおよびこの水タンク内の
   水を吐出させる給水ポンプと、前記載置台の受部に設け
   られ載置台に対するアイロン本体の載置に応じてアイロ
   ン本体のヒータに通電をする給電部および前記給水ポン
   プの作動で前記水タンク内の水をアイロン本体のスチー
   ム発生機構に供給する給水部とを具備し、前記給電部を
   前記給水部よりも上方の位置に配置させたことを特徴と
   するコードレススチームアイロン。