JPH07299415A - ボルト締め超音波振動子 - Google Patents

ボルト締め超音波振動子

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JPH07299415A
JPH07299415A JP6097432A JP9743294A JPH07299415A JP H07299415 A JPH07299415 A JP H07299415A JP 6097432 A JP6097432 A JP 6097432A JP 9743294 A JP9743294 A JP 9743294A JP H07299415 A JPH07299415 A JP H07299415A
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昌宏 秋保
Hideaki Tanaka
秀昭 田中
Shizuo Ninomiya
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボルト締め超音波振動子を内蔵した超音波手
術器において、前部側の直径を細くして操作性及び視界
を良好にする。 【構成】 圧電素子10から前方側の第1番目の振動変
位の節Aの位置に第1の段差102が設けられ、第2番
目の振動変位の節Bの位置に第2番目の段差104が設
けられている。段差によって振幅を増大でき、かつ手術
器の直径を徐々に細くすることができるので操作性を良
好にし得るとともに視界を確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波手術器に内蔵さ
れるボルト締め超音波振動子の構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波手術器は、超音波振動を利用して
組織の破砕などを行うものであり、近年では、白内症手
術などにも超音波手術器が活用されている。かかる超音
波手術器には超音波振動を発生する超音波振動子が内蔵
されている。そのような超音波振動子の1つに、ボルト
締め超音波振動子がある。
【0003】図4にはボルト締め超音波振動子の概念が
示されている。図4において、複数の圧電素子10の間
及び両外側には電極板12が配置され、それらの中央孔
に図示されていないボルトが挿通され、そのボルトを介
して前方部材としてのブロック14と後方部材としての
ブロック16とが相互に連結されて複数の圧電素子10
が挟み込まれている。ここで、ブロック14及び16
は、円柱状金属部材で構成されている。
【0004】ブロック14の先端には、手術具としての
チップ20が取り付けられ、その先端が長手方向に振動
して組織の破砕などが行われる。図4の下段には、振動
変位分布が示され、圧電素子10からチップ20側を見
て第2番目の振動変位の節Bの位置に、ブロック14の
直径を小さくする段差100が設けられている。図4の
下段に示すように、振動変位の節Bの位置で断面積を小
さくすると、振幅が増大する。
【0005】なお、ブロック16の後端位置は、振動変
位の腹の位置に一致し、チップ20の先端の位置も振動
変位の腹の位置に一致し、全体として一波長の長さを有
する共振振動系が構成されている。図4において、18
はケースであり、ハンドピース内に超音波振動子は内蔵
される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の超音波振動子においては、ブロック14の直径が第
2の振動変位の節Bまで均一で、ケース18はその前方
端近傍まで直径が同じで太くなるため、破砕などしてい
る患部の周辺組織にケースなどが接触し操作性が良好で
はなかった。また、視界が妨げられ、手術が円滑に行え
ないという問題があった。殊に、白内障手術に用いる眼
科用超音波手術器では、その問題が顕著であった。
【0007】本発明は上記従来の課題に鑑みなされたも
のであり、その目的は、操作性及び視界を良好にできる
ボルト締め超音波振動子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、中央孔が形成され超音波振動する圧電素
子と、前記中央孔に挿通されたボルトを介して前記圧電
素子を挟む前方部材及び後方部材と、を含み、前記前方
部材の先端に手術具が取り付けられるボルト締め超音波
振動子において、前記前方部材には、前記圧電素子から
前方側の第1番目の振動変位の節位置に、ブロック径を
小さくする段差が設けられたことを特徴とする。
【0009】更に、第2番目の振動変位の節位置にブロ
ック径を小さくする段差が設けられたことを特徴とす
る。
【0010】
【作用】上記構成によれば、第1番目の振動変位の節位
置に段差が設けられているので、前方部材の径を細くし
て、操作性を良好にできまた良好な視界を確保すること
が可能となる。この場合、その段差は振動変位の節の位
置に設けられているため、超音波振動に対して悪影響を
及ぼすことなく、振動の振幅を大きくできる。
【0011】また、第1番目の振動変位の節の位置の他
に、第2番目の振動変位の節の位置にも段差を設けるこ
とにより、前方部材を先端に向かって徐々に細くでき、
より良好なボルト締め超音波振動子を構成できる。な
お、先端に向かって前方部材の断面積を連続的に小さく
して円錐形状に構成することも可能であるが、製造が困
難である。本発明の構成によれば、簡易な構成によって
従来の問題を解消できる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図面に基づい
て説明する。
【0013】図1には、本発明に係るボルト締め超音波
振動子の第1実施例の概念が示されている。なお、図4
に示した従来例と同様の部材には同一の符号を付し、そ
の説明を省略する。
【0014】図1において、このボルト締め超音波振動
子におけるブロック14には2つの段差102,104
が設けられている。すなわち、図1に示されるように圧
電素子10から前方側に向かって第1番目の振動変位の
節A位置に第1の段差102が形成され、更に第2番目
の振動変位の節Bの位置に第2番目の段差104が形成
されている。なお図1における14Aの部分の直径は1
1mmであり、14Bの部分の直径は7mmであり、1
4Cの部分の直径は3.7mmである。
【0015】図1に示されるように、このような2つの
段差を振動変位の節位置に設けることによって、図1の
下段に示されるように、各段差において振幅を増幅で
き、何ら振動に対して悪影響を及ぼすことなく従来同様
の作用を得ることができる。この場合、第1の段差10
2及び第2の段差104によって前方側に向かって徐々
に直径が小さくなっているので上述したようにケースな
どが患部周辺組織などに接触して操作性が低下すること
を防止でき、更に視界を確保して良好な手術環境を提供
可能である。
【0016】図2には、図1に示したボルト締め超音波
振動子の詳細な構成が断面図で示されている。圧電素子
10の中央孔にはボルト14Dが疎通され、このボルト
14Dによってブロック14とブロック16とが連結さ
れている。すなわち、このブロック14はボルト一体型
のブロックであり、更に第1の振動変位の節Aの位置に
第1の段差が設けられ、第2の振動変位の節Bの位置に
第2の段差が設けられている。
【0017】また、ボルト締め超音波振動子の内部には
貫通孔26が形成されており、この貫通孔26は液注入
用あるいは吸引用として用いられる。この図2に示され
る実施例では、チップ20がブロック14に直接取り付
けられ、かつボルト14Dが一体形成されているため、
一体化部材により構造を簡易にできると共に堅牢な振動
子を構成できる。なお、24は絶縁部材である。
【0018】図3には、第2実施例が示されており、こ
の実施例においてはブロック14における第1の振動変
位の節Aの位置に第1の段差のみが形成されている。こ
のような構成によっても第1実施例同様の効果を得るこ
とができ、更にケースを細くできるという効果を得るこ
とができる。しかしながら、総合的な操作性や振動状態
を考慮した場合、第1実施例が望ましい。
【0019】
【効果】以上説明したように、本発明によれば、第1番
目の振動変位の節の位置に段差が設けられているので、
操作性を良好にでき、かつ良好な視界を確保できるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波振動子の第1実施例の概略
構成を示す説明図である。
【図2】第1実施例の詳細な構成を示す断面図である。
【図3】第2実施例の概略構成を示す説明図である。
【図4】従来のボルト締め超音波振動子の構成を示す説
明図である。
【符号の説明】
10 圧電素子 12 電極板 14,16 ブロック 20 チップ 100,102,104 段差 18 ケース

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央孔が形成され超音波振動する圧電素
    子と、 前記中央孔に挿通されたボルトを介して前記圧電素子を
    挟む前方部材及び後方部材と、 を含み、 前記前方部材の先端に手術具が取り付けられるボルト締
    め超音波振動子において、 前記前方部材には、前記圧電素子から前方側の第1番目
    の振動変位の節位置に、ブロック径を小さくする段差が
    設けられたことを特徴とするボルト締め超音波振動子。
  2. 【請求項2】 更に第2番目の振動変位の節位置にブロ
    ック径を小さくする段差が設けられたことを特徴とする
    請求項1記載のボルト締め超音波振動子。
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