JP2003033363A

JP2003033363A - 超音波手術装置

Info

Publication number: JP2003033363A
Application number: JP2001222063A
Authority: JP
Inventors: Kazufumi Sugata; 和史菅田; Shinji Nakajima; 信次中嶋; Shigeru Hanaoka; 茂花岡; Gen Ogura; 玄小倉; Shusuke Kato; 秀典加藤
Original assignee: Aloka Co Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 2001-07-23
Filing date: 2001-07-23
Publication date: 2003-02-04

Abstract

(57)【要約】【課題】ホーン先端部における径方向の振動の発生が
少ない屈曲型の超音波振動体を備えた超音波手術装置を
提供することを目的とする。【解決手段】本発明の超音波手術装置は、ホーン１０
と、該ホーン１０に超音波振動を供給する超音波振動発
生源（超音波振動子）２１とを有する超音波振動体２０
を供えている。前記ホーン１０は、その先端側に位置す
る第１の屈曲部１３と、該第１の屈曲部１３より後端側
に位置する第２の屈曲部１４を有している。このよう
に、超音波手術装置における超音波振動体に複数の屈曲
部を設けることにより、屈曲部を１つしか有しない超音
波振動体を用いた場合と比較し、ホーン先端における径
方向の振動が低減される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、超音波を用いて患
者の手術部位の組織の破砕等を行う超音波手術装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より超音波振動を利用して生体組織
を切開・破砕するための手術用装置が用いられている。
この種の手術用装置のハンドピースには、一般に超音波
振動発生源となる超音波振動子、該超音波振動子からの
超音波振動を手術部位に伝達するホーンからなる超音波
振動体と、ケーシングなどから構成されている。

【０００３】前記超音波振動子は、振動素子、電極板、
およびこれらの両側に位置する金属ブロックなどから構
成されており、増幅器からの電気信号を超音波振動へと
変換する機能を有している。

【０００４】また、前記ホーンは、前記超音波振動子か
らの超音波振動を増幅し、手術部位に伝達するととも
に、その先端部で手術部位を破砕・切開する手術具とし
ての機能を備えている。

【０００５】近年、手術時の視野の確保や操作の利便性
などの要求から、前記超音波振動体のホーンなどに屈曲
部を設けた屈曲型のハンドピースが用いられている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このような屈曲型のハ
ンドピースは、屈曲部を有しないハンドピースと比較
し、手術時の視野の確保や操作の利便性などの面で好適
に用いられるが、その一方、ホーン先端に径方向の振
動、すなわち当該超音波振動体の軸方向と直角な方向の
振動が発生する欠点がある。

【０００７】このような軸方向と直角な方向の振動は、
超音波振動子からの超音波振動の手術部位への伝達効率
の低下の原因となる。そのため、屈曲型のハンドピース
は、屈曲部を有しないハンドピースと比較し、駆動電力
が高くなるなどの欠点があった。

【０００８】本発明は、上記問題点に鑑み、ホーン先端
部における径方向の振動の発生が少ない屈曲型の超音波
振動体を備えた超音波手術装置を提供することを目的と
する。

【０００９】

【課題を解決するための手段】このような目的は、以下
の（１）〜（１２）の本発明により達成される。

【００１０】（１）ホーンと、該ホーンに超音波振動
を供給する超音波振動発生源とを有する超音波振動体を
備えた超音波手術装置であって、前記超音波振動体は、
複数の屈曲部を有していることを特徴とする超音波手術
装置。

【００１１】（２）前記複数の屈曲部は、第１の屈曲
部と該第１の屈曲部より後端側に位置する第２の屈曲部
とを含み、前記第１の屈曲部および前記第２の屈曲部が
いずれも前記超音波振動体における隣り合う２つの振動
の節の間に設けられている上記（１）に記載の超音波手
術装置。

【００１２】（３）前記第１の屈曲部の曲げ方向と、
前記第２の屈曲部の曲げ方向とがほぼ同一の方向である
上記（２）に記載の超音波手術装置。

【００１３】（４）前記第１の屈曲部より先端側の要
素の中心軸と、前記第２の屈曲部より後端側の要素の中
心軸とがほぼ同一平面上に配置される上記（３）に記載
の超音波手術装置。

【００１４】（５）前記第１の屈曲部の曲げ角度は、
１７０度以上１８０度未満である上記（２）ないし
（４）のいずれかに記載の超音波手術装置。

【００１５】（６）前記第２の屈曲部の曲げ角度は、
１７０度以上１８０度未満である上記（２）ないし
（５）のいずれかに記載の超音波手術装置。

【００１６】（７）前記屈曲部は、いずれも前記ホー
ンに設けられている上記（１）ないし（６）のいずれか
に記載の超音波手術装置。

【００１７】（８）前記ホーンは、小径部と、該小径
部の後端側に位置する大径部とを有することを特徴とす
る上記（７）に記載の超音波手術装置。

【００１８】（９）前記小径部と前記大径部との間に
段部が設けられている上記（８）に記載の超音波手術装
置。

【００１９】（１０）前記屈曲部の少なくとも１つは
前記大径部に設けられている上記（８）または（９）に
記載の超音波手術装置。

【００２０】（１１）前記各屈曲部は、いずれも前記
大径部に設けられている上記（１０）に記載の超音波手
術装置。

【００２１】（１２）前記小径部は、先端に向かって
その外径が漸減している上記（８）ないし（１１）のい
ずれかに記載の超音波手術装置。

【００２２】本発明の他の目的、作用および効果は、図
面を参照して行う以下の実施形態の説明から、より明ら
かとなるであろう。

【００２３】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る超音波手術装
置の好適実施形態を添付図面を参照して説明する。

【００２４】図１は、本発明の超音波手術装置の断面図
である。図２は、本発明の超音波手術装置に係るホーン
の平面図である。

【００２５】本発明の超音波手術装置は、超音波を用い
て患者の手術部位の組織の破砕等を行うものであり、図
１に示すように、ホーン１０と、該ホーン１０に超音波
振動を供給する超音波振動発生源（超音波振動子）２１
とを有する超音波振動体２０と、これらの外周を覆うケ
ーシング３０とを備えている。

【００２６】前記超音波振動発生源２１は、たとえば電
歪型の超音波振動子であって、圧電素子と、電極と、こ
れらを両側から挟む２つの金属ブロックなどから構成さ
れている。また、この超音波振動発生源２１は、図示し
ない増幅器からの電気信号を機械的な超音波振動へと変
換する機能を有している。

【００２７】前記ホーン１０は、その先端部において患
者の手術部位の破砕・切開・吸引を行う治具としての機
能を有しており、図１および図２に示すように、小径部
１１と、該小径部１１の後端側に位置する大径部１２と
を有している。また、前記小径部１１および前記大径部
１２の間には段部１５が設けられている。

【００２８】なお、当該ホーン１０を超音波振動させる
際には、前記段部１５が振動の節の位置に当たるように
共振させることが好ましく、そのようにすることで、前
記超音波振動発生源２１からの超音波振動が段部１５を
介して効率的に増幅され、当該ホーン１０の先端部にお
いて大きな振動振幅が得られるようになっている。

【００２９】また、このホーン１０を構成する材料とし
ては、たとえばチタンまたはチタン合金、ステンレス鋼
などの超音波振動に耐え得る機械的強度を備えた金属材
料が好適に用いられる。

【００３０】また、当該ホーン１０内部には、図１に示
すように、前記小径部１１の先端から前記大径部１２の
後端にかけて貫通し、手術時に破砕後の組織や血液など
を吸引する吸引孔１７が設けられている。

【００３１】また、前記大径部１２の後端側の端部に
は、図１および図２に示すように、ネジ山を備えた取付
部１６が設けられている。該取付部１６は前記超音波振
動発生源２１の先端部に螺合され、連結されている。

【００３２】前記小径部１１は、図２に示すように、先
端に向かってその外径が漸減しており、横断面積が後端
側から先端側に向かって減少するよう構成されている。
そして、このような構成とすることにより、超音波振動
発生源２１からの超音波振動が当該小径部１１によって
増幅され、当該ホーン１０の先端部において大きな振動
振幅が得られるようになっている。

【００３３】前記大径部１２は、図１および図２に示す
ように、第１の屈曲部１３と、該第１の屈曲部１３より
後端側に位置する第２の屈曲部１４とを有している。

【００３４】第１の屈曲部１３および第２の屈曲部１４
は、いずれも図１に示すように、当該ホーン１０が超音
波振動した際の隣り合う２つの振動の節の間に設けられ
ている。

【００３５】また、前記第１の屈曲部１３における曲げ
方向は、前記第２の屈曲部１４における曲げ方向とほぼ
同一の方向となるように構成されている。より詳しく
は、当該ホーン１０の前記第１の屈曲部１３より先端側
の要素の中心軸と、前記第２の屈曲部１４より後端側の
要素の中心軸とがほぼ同一平面上に配置されるよう構成
されている。

【００３６】このように、本実施形態の超音波手術装置
においては、超音波振動体２０、すなわち前記ホーン１
０に複数の屈曲部を設けることにより、超音波振動時の
屈曲部における曲げ応力が各屈曲部に分散されるため、
振動系全体で同一の大きさの屈曲をさせた際、１つの屈
曲部しか設けなかった場合と比較し、ホーン１０の先端
部における径方向、すなわち軸方向に直角な方向の振動
が低減され、前記超音波振動発生源２１からの超音波振
動が効率的に当該ホーン１０の先端側に供給される。

【００３７】また、前記両屈曲部１３、１４を隣り合う
２つの振動の節の間に設けることにより、当該ホーン１
０の先端部における径方向の振動が低減される。

【００３８】また、前記両屈曲部１３、１４の曲げ方向
をほぼ同一の方向とすることでホーン１０の先端部にお
ける径方向の振動が低減される。

【００３９】また、図２に示す前記第１の屈曲部１３の
曲げ角度θ₁および前記第２の屈曲部１４の曲げ角度θ₂
は、いずれも１７０度以上１８０度未満とすることが好
ましい。そして、これらの曲げ角度θ₁、θ₂を上記範囲
に設定した場合には、従来の超音波手術装置に用いられ
ていた屈曲部が１つのホーンと比較し、ホーン先端部に
おける径方向の振動が低減される。

【００４０】さらに、前述したホーン１０先端部におけ
る径方向の振動の低減に伴い、当該ホーン１０による超
音波振動の伝達効率が向上する。より詳しくは、同一の
駆動電力で屈曲部が１つのホーンと、屈曲部が２つのホ
ーンとを超音波振動させた場合、屈曲部が１つのホーン
よりも屈曲部が２つのホーンの方がより大きな軸方向の
振動振幅を得ることができる。

【００４１】なお、本実施形態においては、前記第１の
屈曲部１３および前記第２の屈曲部１４を前記ホーン１
０に設けているが、これらの屈曲部はホーンと超音波振
動発生源２１とを含む超音波振動体２０のどの部分に設
けてもよい。たとえば、前記第１の屈曲部１３および前
記第２の屈曲部１４を前記超音波振動発生源２１の金属
ブロック部分などに設けることもできる。

【００４２】また、本実施形態においては、屈曲部を２
つ設けているが、本実施形態に限らず、屈曲部は３つ以
上設けることも可能である。そのような構成とした場合
にも本発明と同様の利点を享受することができる。

【００４３】最後に、本発明は、上述した実施形態に限
定されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲
で種々の変更および改良が可能であることは言うまでも
ない。

【００４４】

【発明の効果】以上述べたように、本発明の超音波手術
装置によれば、複数の屈曲部をホーンに設けることによ
り、従来より用いられている屈曲部が１つのホーンと同
様に、屈曲による手術時の視野の確保や操作の利便性な
どの利点を享受しつつ、該従来のホーンに比べ、ホーン
先端部の径方向の振動の発生を低減でき、超音波振動発
生源からの超音波振動を効率的にホーンの先端へと伝達
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の超音波手術装置の全体構成を示す断面
図である。

【図２】本発明の超音波手術装置に係るホーンの平面図
である。

【符号の説明】

１超音波手術装置１０ホーン１１小径部１２大径部１３第１の屈曲部１４第２の屈曲部１５段部１６取付部１７吸引孔２０超音波振動体２１超音波振動発生源３０ケーシング

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者花岡茂東京都三鷹市牟礼６丁目22番１号アロカ株式会社内 (72)発明者小倉玄東京都三鷹市牟礼６丁目22番１号アロカ株式会社内 (72)発明者加藤秀典東京都三鷹市牟礼６丁目22番１号アロカ株式会社内Ｆターム(参考） 4C060 JJ23 MM24

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ホーンと、該ホーンに超音波振動を供給
する超音波振動発生源とを有する超音波振動体を備えた
超音波手術装置であって、前記超音波振動体は、複数の屈曲部を有していることを
特徴とする超音波手術装置。
【請求項２】前記複数の屈曲部は、第１の屈曲部と該
第１の屈曲部より後端側に位置する第２の屈曲部とを含
み、前記第１の屈曲部および前記第２の屈曲部がいずれ
も前記超音波振動体における隣り合う２つの振動の節の
間に設けられている請求項１に記載の超音波手術装置。
【請求項３】前記第１の屈曲部の曲げ方向と、前記第
２の屈曲部の曲げ方向とがほぼ同一の方向である請求項
２に記載の超音波手術装置。
【請求項４】前記第１の屈曲部より先端側の要素の中
心軸と、前記第２の屈曲部より後端側の要素の中心軸と
がほぼ同一平面上に配置される請求項３に記載の超音波
手術装置。
【請求項５】前記第１の屈曲部の曲げ角度は、１７０
度以上１８０度未満である請求項２ないし４のいずれか
に記載の超音波手術装置。
【請求項６】前記第２の屈曲部の曲げ角度は、１７０
度以上１８０度未満である請求項２ないし５のいずれか
に記載の超音波手術装置。
【請求項７】前記屈曲部は、いずれも前記ホーンに設
けられている請求項１ないし６のいずれかに記載の超音
波手術装置。
【請求項８】前記ホーンは、小径部と、該小径部の後
端側に位置する大径部とを有することを特徴とする請求
項７に記載の超音波手術装置。
【請求項９】前記小径部と前記大径部との間に段部が
設けられている請求項８に記載の超音波手術装置。
【請求項１０】前記屈曲部の少なくとも１つは前記大
径部に設けられている請求項８または９に記載の超音波
手術装置。
【請求項１１】前記各屈曲部は、いずれも前記大径部
に設けられている請求項１０に記載の超音波手術装置。
【請求項１２】前記小径部は、先端に向かってその外
径が漸減している請求項８ないし１１のいずれかに記載
の超音波手術装置。