JPH0729716Y2 - 電池切換装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、駆動電源としての電池により常時通電しない
と記憶データ等が消失する小型電子機器等に設けられ、
常時接続状態のメイン電池の交換時に、バックアップ用
電池を自動的に接続状態としてメイン電池からバックア
ップ用電池に切り換え、通電を継続させるための電池切
換装置に関するものである。

〈従来の技術〉 この種の従来の一般的な電池切換装置は以下のような構
成になっている。即ち、電池ボックス内にメイン電池と
バックアップ用電池とが並置状態に装着され、常時はメ
イン電池のみが回路負荷に接続されてこのメイン電池に
より電源供給されている。そして、、このメイン電池を
消耗により取り替えるに際して、電池ボックスを施蓋し
ている電池蓋体を取り外した時に、この電池蓋体の取り
外しを検出してオン状態となるマイクロスイッチ等のセ
ンサーによりバックアップ用電池による電源回路を閉成
し、バックアップ用電池を回路負荷に接続する。そし
て、メイン電池を新たなものに取り替えた後、電池蓋体
で電池ボックスを施蓋すると、この電池蓋体の施蓋状態
を検出して前記センサーがオフ状態となり、バックアッ
プ用電池による電源回路が開成されるようになってい
る。

〈考案が解決しようとする課題〉 然し乍ら、前記電池切換装置では、電池蓋体の脱着を検
出するためのマイクロスイッチ等のセンサーを要して部
品点数が多く、また、電池蓋体の脱着を電気的に検出す
るので、電気回路が複雑化しており、これらに原因して
コスト高になっている。

本考案は、このような従来の問題点に鑑みてなされたも
のであり、電池ボックスに脱着する電池蓋体によりバッ
クアップ用電池を直接作動させ、切換用の特別な部品を
用いることなく電池を切り換えできる電池切換装置を提
供することを技術的課題とするものである。

〈課題を解決するための手段〉 本考案は、上記した課題を達成するための技術的手段と
して、電池切換装置を以下のように構成した。即ち、常
時接続状態のメイン電池の交換時のみ前記バックアップ
用電池に切り換え接続する電池切換装置において、電池
ボックス内の前記バックアップ用電池の装着部に設けら
れ該バックアップ用電池の一極に電気的接続状態に圧接
する弾性を備えた第１の電池端子と、前記バックアップ
用電池の他極側に設けられた第２の電池端子と、前記電
池ボックスにこれの開口部を施蓋する状態に装着され、
前記バックアップ用電池を前記第１の電池端子側に押圧
して前記第２の電池端子から離間させる突片が内面に形
成された電池蓋体とを具備し、この電池蓋体を取り外し
た時に前記第１の電池端子の弾性により前記バックアッ
プ用電池を前記第２の電池端子に電気的接続状態に接触
させることを特徴として構成されている。

〈作用〉 電池蓋体による電池ボックスの施蓋時には、この施蓋状
態の電池蓋体の突片が、第１の電池端子の弾性による付
勢力に抗してバックアップ用電池を押圧しているので、
バックアップ用電池は、第２の電池端子から離間して回
路負荷に対し非接続状態になっている。

そして、メイン電池が消耗してこれを取り替えるに際
し、電池蓋体を電池ボックスから取り外すと、この電池
蓋体の突片によるバックアップ用電池への押圧が解除さ
れるので、バックアップ用電池は、第１の電池端子の復
元力により第２の電池端子に押し付けられて両電池端子
にそれぞれ電気的接続状態に挟持され、且つ回路負荷に
接続される。

この電池切換装置では、電池蓋体の電池ボックスに対す
る脱着をセンサー等により検出することなく、脱着する
電池蓋体自体によってバックアップ用電池を直接作動さ
せて第２の電池端子に接離させているので、切換用の特
別な電気部品を削除でき、且つその部品による切換用の
電気回路も不要となる。

〈実施例〉 以下、本考案の好適な一実施例について図面を参照しな
がら詳述する。

本考案の一実施例の分解斜視図を示した第１図におい
て、小型電子機器のキャビネット１に凹設された電池ボ
ックス２には、メイン電池B1の装着部３および２個のバ
ックアップ用電池B2,B2の各装着部4,4が並設されてい
る。メイン電池B1の装着部３は、メイン電池B1が嵌入さ
れて両側の電池端子3a,3bに電気的接続状態に接触され
ることにより、このメイン電池B1を回路負荷に常時接続
するようになっている。一方、バックアップ用電池B2の
装着部４には、縦断面を示した第２図および第３図のよ
うに、回路基板５に装着された弾性を有する第１の電池
端子4aが設けられている。但し、２個のバックアップ用
電池B2,B2は直列接続されるので、前記各第１の電池端
子4a,4aは各バックアップ用電池B2,B2の互いに異る電極
に接触する。

各バックアップ用電池B2,B2を互いに接続するための第
２の電池端子4bは、導電体からなる偏平な矩形板状とな
っており、両端部をそれぞれ直角に折曲して形成された
位置決め片６が、電池ボックス２内の溝部７に嵌入され
て位置決めされる。また、第２の電池端子4bにおける一
方のバックアップ用電池B2に対応する部位に、２本のス
リット状の挿通孔８が平行に穿孔されている。電池ボッ
クス２を施蓋する電池蓋体９は、掛止片10を電池ボック
ス２の係止孔11に係脱させることにより電池ボックス２
に脱着するようになっており、下面適所に、第２の電池
端子4bの各挿通孔８を挿通して一方のバックアップ用電
池B2を押し下げる一対の突片21が一体に形成されてい
る。

次に、前記実施例の作用について説明する。通常時に
は、第２図に示すように、電池ボックス２を施蓋する電
池蓋体９の突片12が、第２の電池端子4bの挿通孔８を挿
通して一方のバックアップ用電池B2を第１の電池端子4a
の弾性による付勢力に抗して押し下げており、この一方
のバックアップ用電池B2が第２の電池端子4bから離間し
て他方のバックアップ用電池Ｂに対し非接続状態になっ
ている。従って、機器の回路負荷にはメイン電池B1のみ
が接続されて電源供給されている。

そして、メイン電池B1が消耗してこれを新たなものに交
換する場合、係止孔10を係止孔11から離脱させて電池蓋
体９を取り外すと、この電池蓋体９に一体形成されてい
る突片12が挿通孔８から抜脱して一方のバックアップ用
電池B2への押圧が解除されるので、この一方のバックア
ップ用電池B2が、第１の電池端子4aの復元力により押し
上げられて第２の電池端子4bに押し付けられ、且つこの
第２の電池端子4bを通じて他方のバックアップ用電池B2
に直列接続され、メイン電池B1を第３図に矢印で示すよ
うに交換のために装着部３から取り出した場合に、前記
直列接続された両バックアップ用電池B2,B2により回路
負荷に電源供給されてバックアップされる。

また、新たなメイン電池B1を装着部３に嵌合して電池蓋
体９で施蓋すると、再び第２図の状態となり、突片12の
押圧により一方のバックアップ用電池B2が第２の電池端
子4bから脱離され、メイン電池B1のみが回路負荷に接続
される。

〈考案の効果〉 以上のように本考案の電池切換装置によれば、電池ボッ
クスに着脱する電池蓋体により、これに設けた突片でバ
ックアップ用電池を直接作動させて電池端子に対し接離
させる構成としたので、従来のような電池蓋体の着脱を
検出するセンサーおよびそのセンサー等によるバックア
ップ用電池のスイッチング用電気回路が不要となり、部
品点数の削減および電気回路の簡素化により相当のコス
トダウンを達成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の分解斜視図、 第２図はそれの通常使用状態の縦断面図、 第３図はそれのメイン電池交換時の縦断面図である。 ２…電池ボックス ４…バックアップ用電池装着部 4a…第１の電池端子 4b…第２の電池端子 ９…電池蓋体 12…突片 B1…メイン電池 B2…バックアップ用電池

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】常時接続状態のメイン電池の交換時のみ前
   記バックアップ用電池に切り換え接続する電池切換装置
   において、電池ボックス内の前記バックアップ用電池の
   装着部に設けられ該バックアップ用電池の一極に電気的
   接続状態に圧接する弾性を備えた第１の電池端子と、前
   記バックアップ用電池の他極側に設けられた第２の電池
   端子と、前記電池ボックスにこれの開口部を施蓋する状
   態に装着され、前記バックアップ用電池を前記第１の電
   池端子側に押圧して前記第２の電池端子から離間させる
   突片が内面に形成された電池蓋体とを具備し、この電池
   蓋体を取り外した時に前記第１の電池端子の弾性により
   前記バックアップ用電池を前記第２の電池端子に電気的
   接続状態に接触させるよう構成した電池切換装置。