JPH0745880Y2 - 電池収納装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は充電器やラジオ受信機等の電子機器に用いられ
る電池収納装置に関する。

〔考案の概要〕

本考案は充電器やラジオ受信機等の電子機器に用いられ
る電池収納装置に関し、第１の電池より長さの大きい第
２の電池を接続するための正負極端子間に、この正負極
端子の一方の端子を共通にし第１の電池を接続するため
の他方の端子を上下に可動自在に配設することにより長
さの異なる第１及び第２の電池を収納できる様にし、長
さの異なる第１及び第２の電池を充電又は長さの異なる
第１及び第２の電池を使用してラジオ受信機、テープレ
コーダ等を駆動できる様にしたものである。

〔従来の技術〕

第５図は従来の充電器に用いる電池収納装置の斜視図を
示すものである。

同図で（１）は充電器を示し、本体を構成する筐体
（２）は合成樹脂等で成型され、筐体（２）に回動自在
に蓋（６）が枢着され、開蓋状態で充電しようとする蓄
電池（３）を筐体（２）内に設けた電池収納部（４）内
に挿入して充電が行われる如くなされている。

充電器（１）内には図示しないが充電回路が設けられ、
筐体（２）の底面にはACコンセントプラグが回動自在に
枢着されている。電池収納部（４）の両端には蓄電池
（３）の正及び負極（3a）及び（3b）と接して充電回路
に接続された正及び負極端子（5a）及び（5b）がスプリ
ング部材で構成されている。この正及び負極端子（5a）
及び（5b）間の距離l₁は蓄電池（３）の正及び負極（3
a）及び（3b）間の長さl₂に略対応している。

また、この充電器（１）で異なる長さの電池を充電しよ
うとするときには長さの異なる電池の入るアダプタ等を
用いていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来構成の電池収納装置では、充電しようとする蓄電池
（３）の長さl₂に対応した位置に正及び負極端子（5a）
及び（5b）を配設するか、或いは電池（３）の長さl₂の
整数倍となる様に正及び負極端子（5a）及び（5b）が配
設されているので異なる長さの電池を用いて一つの充電
器で充電出来ないために電池の種類が異なる毎に異なる
充電器を用意する必要があった。

更に長さの異なる電池を用いて電子機器を充電させる他
の方法としては電池収納部（４）の正及び負極端子（5
a）及び（5b）間に挿入され、異なる長さの電池を挿入
出来るアダプタ等を特別に作って異なる長さの電池を充
電する必要があり、別製のアダプタを必要とする不都合
があると共にこのアダプタは別体なので紛失する等の不
都合があった。

またラジオ受信機、テープレコーダ等の電子機器を長さ
の異なる電池を使用して駆動する場合も上述と同様の不
都合があった。

本考案は叙上の点に鑑み、正及び負極間の長さの異なる
電池を充電したり、或はこの様な電池を用いてラジオ受
信機等を駆動することの出来る電池収納装置を得る様に
したものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の電池収納装置は例えば第１図及び第３図に示さ
れている様に第１の電池（７）より長さの大きい第２の
電池（３）の正極及び負極を接続するための第１及び第
２の端子（5a）及び（5b）を設けると共にこの第１及び
第２の端子（5a）及び（5b）間の所定位置に第３の端子
（９）を電池収納部（４）に突出して上下可動自在に設
け、この第１の電池（７）の正極と負極とをこの第１の
端子（5a）又は第２の端子（5b）の一方の端子と第３の
端子（９）とに接続し、上記第２の電池収納時には第２
の電池（３）によって、上記第３の端子（９）の付勢力
に抗して下方に押圧する様になしたものである。

また第１の電池（７）より長さの大きい第２の電池
（３）の正極及び負極を接続するための第１及び第２の
充電端子（5a）及び（5b）を設けると共にこの第１及び
第２の充電端子（5a）及び（5b）間の所定位置に第３の
充電端子（９）を電池収納部（４）に突出して上下可動
自在に設け、この第１の電池（７）の正極と負極とをこ
の第１の充電端子（5a）又は第２の充電端子（5b）の一
方の充電端子と第３の充電端子（９）とに接続し、上記
第２の電池収納時には第２の電池（３）によって、上記
第３の端子（９）の付勢力に抗して下方に押圧する様に
なし、長さの異なる第１及び第２の電池（７）及び
（３）を充電できる様にしたものである。

〔作用〕

本考案の電池収納装置によれば長さの長い第２の電池
（３）を電池収納部に挿入したときは第１及び第２の端
子（5a）及び（5b）間に挿着され、第３の端子（９）は
第２の電池（３）の背面で押圧されて電池収納部に偏倚
され、長さの短い第１の電池（７）を電池収納部（４）
に挿入するときには例えば、第１及び第３の端子（5a）
及び（９）間に挿着されて、長さの異なる電池を収納す
ることができ長さの異なる電池を充電或は長さの異なる
電池を使用してラジオ受信機等の電子機器を駆動するこ
とが出来る。

〔実施例〕

以下、本考案の電池収納装置を充電器に適用した例を第
１図及び第２図について説明する。この第１図に於いて
第５図との対応部分には同一符号を付して重複説明を省
略する。

第１図で示される充電器（１）では第２の蓄電池（３）
の正及び負極（3a）及び（3b）間距離l₂に対応した位置
に配設された正及び負極端子（5a）及び（5b）間距離l₃
の間に第１の蓄電池（７）の負極端子（９）が設けられ
る。

この負極端子（９）は電池収納部（４）の底部（4a）に
設けられた開口（８）から頭部（9a）が突出したスプリ
ング部材より成るものであり、頭部（9a）の先端から凹
部（5c）に設けられた正極端子（5a）間の距離l₃は第１
の蓄電池（７）の正及び負極間距離l₄に略等しく選択さ
れる。

第１図の筐体（２）部分のＡ−Ａ線に沿った矢印方向の
側断面図を第２図Ａに示してある。

第２図A,B,Cの側断面図で第１及び第２の蓄電池（７）
及び（３）の収納状態とスプリング部材即ち、正及び負
極端子（5a）及び（5b）（９）の動きを説明する。

第２図A,B,Cに於いて、筐体（２）内の電池収納部
（４）の下面には充電回路を構成するプリント基板（1
2）が配設され、各種電気部品がインサートされてい
る。電池収納部（４）の左右両端には窓部（13）（14）
が形成され、上述のプリント基板（12）に植立した例え
ばスプリングで構成した正及び負極端子（5a）及び（5
b）の頭部が窓部（13）（14）より突出している。正極
端子（5a）は例えば板バネをＩ字状に形成しプリント基
板（12）上に植立させ、同じく負極端子（5b）はスプリ
ング線を略逆Ｊ字状に形成し、プリント基板（12）上に
植立させてある。本例では更に、正及び負極端子（5a）
及び（5b）の配設されている電池収納部（４）の底部
（4a）に穿った開口（８）から第１の蓄電池（７）の負
極（7b）と接する負極端子（９）の頭部（9a）の先端を
突出させる。この負極端子（９）はスプリング線で略半
円形に形成した頭部（9a）とこの頭部（9a）の一端に連
通し、電池収納部（４）の底部（4a）に穿った開口
（８）の一端に係止する様なストッパー部（9b）と頭部
（9a）の他端に連通し、頭部（9a）を上動する様な偏倚
力を付与する水平部（9c）より構成し、水平部（9c）の
一端は負極端子（5b）と一体化させてある。勿論負極端
子（5b）と負極端子（９）を一体に構成させてもよい。

上述の構成に於いて、第１又は第２の蓄電池（７）
（３）を電池収納部（４）に挿着しない状態では第２図
Ａに示される様に第１の蓄電池（７）の負極端子（９）
は電池収納部（４）の開口（８）から頭部（9a）が突出
した状態になる。

次に、長さが短い第１の蓄電池（７）を電池収納部
（４）内に挿着するには蓄電池（７）を負極（7b）を負
極端子（９）の頭部（9a）の一端に押し当てつつ正極
（7a）を正極端子（5a）が配される凹部（5c）に挿入す
れば第２図Ｂに示す様に充電回路間に蓄電池（７）を挿
着することが出来る。

次に長さが長い第２の蓄電池（３）を電池収納部（４）
に挿着すると蓄電池（３）の正及び負極（3a）及び（3
b）は正及び負極端子（5a）及び（5b）間に従来例と同
様に嵌着され、第１の蓄電池（７）用の負極端子（９）
の頭部（9a）は第２の蓄電池（３）の底部によりスプリ
ングで構成された水平部（9c）の上方向への偏倚力に抗
して押圧されて矢印Ｂ方向に偏倚される。この水平部
（9c）の長さを長くとれば第２の蓄電池（３）を上動さ
せる様な大きな偏倚力は働かない。よって、第２図Ｃに
示す様に第２の蓄電池（３）を安定に正及び負極端子
（5a）及び（5b）間に保持して充電を行うことが出来
る。

即ち、本例の構成によれば正及び負極間の距離l₂，l₄の
異なる蓄電池（３）（７）を１台の充電器（１）で充電
させることが出来るものが得られる。

上述の実施例では２種類の長さの異なる蓄電池を充電す
る構成について説明したが、三つの異なる長さの蓄電池
を充電する場合には二つの負極端子（９）（９）を正及
び負極端子（5a）及び（5b）間に設ければよく、複数個
の異なる長さの蓄電池を充電し得られることは明らかで
ある。

更に、電池収納部（４）に負極端子（９）を配設した場
合を説明したが、正極端子であってもよい。

第３図は本考案の他の実施例を示すものである。

第３図は充電器（１）ではなく例えばラジオ受信機、テ
ープレコーダ、VTR等の電子機器を直流源の電池で駆動
する場合の電池収納装置を示すものである。

第３図はラジオ受信機を示す分解斜視図であり、ラジオ
受信機（10）等の電子機器は本体（15）と蓋（16）より
構成され、本体（15）は略箱形に合成樹脂で形成され、
スピーカ挿着部（17）、表示部（18）並に操作挿着部
（19）等が形成され、シャーシ（20）には操作スイッチ
（21）、表示手段（22）等が設けられると共に各種電気
部品がプリント基板（12）上に配設されている。シャー
シ（20）の一部に電池収納部（４）が形成されこの電池
収納部（４）内に第１図及び第２図A,B,Cで述べたと同
様の第２の蓄電池（３）を挿着して電子機器（10）を駆
動させるための正及び負極端子（5a）及び（5b）と第１
の電池（７）を装着させるための正及び負極端子（5a）
及び（９）が設けられる。負極端子（９）は電池収納部
（４）の底部（4a）に穿った開口（８）から頭部（9a）
を突出させ、上下動可能に構成されている。更に蓋（1
6）の一部には切欠き部（23）が形成されこの切欠き部
（23）に電池蓋（24）が摺動自在に配設されている。

第３図の負極端子（5b）（９）は第４図Ａに示す様に板
バネを略Ｒ字状に折り曲げて一体に形成させ、頭部（9
a）に連通する水平部（9c）との境界部での折り曲げ部
（9d）を開口（８）の底部（4a）の側端に対接させて、
負極端子（９）のＣ方向の上動を阻止する様にしてい
る。

負極端子（5b）もＲ字状形成した端部を筐体（２）の左
壁内面に対接させて矢印Ｅ方向の押圧力を電池（３）に
付与する様に構成している。

第４図Ｂは負極端子（5b）（９）を別体構成し、プリン
ト基板（12）に植立したもので、負極端子（９）の頭部
（9a）が突出させている開口（８）の縁に頭部（9a）の
上下動を案内する案内部（25）を形成したものであり、
水平部（9c）に連通する折り曲げ部（9d）の下部に配し
たプリント基板（12）上のスイッチ（26）を動作させる
ことで、第２の電池（３）と第１の電池（７）が切り換
えられたことを検出することが出来る。即ち、第２の電
池（３）が挿入されれば負極端子（９）の頭部（9a）は
矢印Ｂ方向に降下してスイッチ（26）の接片を折り曲げ
部（9d）で押圧して作動させるために、第２の電池
（３）が挿着されたことを検出出来る。第１の電池
（７）の挿着では負極端子（９）はスイッチ（26）の接
片を押圧しないことは明らかである。

本例の電池収納装置はこの様にラジオ受信機に用いて長
さの異なる電池を利用して一つのラジオ受信機を駆動す
るが出来る。

更に第４図A,Bに示した正負極端子の構成及びスイッチ
構成は充電器の充電特性切換等に用い得ることが出来
る。

尚、本考案は叙上の実施例に限定されることなく、本考
案の要旨を逸脱しない範囲で種々変更し得ることは勿論
である。

〔考案の効果〕

本考案の電池収納装置によれば複数種の電池を収納する
ことができ一つの充電器で二つ以上の異なる長さの電池
をアダプタを用いることなく簡単に充電することが出来
ると共に、一つのラジオ受信機等の電子機器で二つ以上
の長さの異なる電池でアダプタを用いずに駆動すること
が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の電池収納装置の一実施例を示す斜視
図、第２図は第１図のＡ−Ａ′線に沿った矢印方向に視
た側断面図で電池挿着説明図、第３図は本考案の電池収
納装置の他の実施例を示し斜視図、第４図は本考案の電
池収納装置の他の実施例を示し要部側断面図、第５図は
従来の電池収納装置の斜視図である。 （１）は充電器、（２）は筐体、（３）（７）は蓄電
池、（４）は電池収納部、（5a）及び（5b）は正及び負
極端子、（６）（16）は蓋、（９）は負極端子、（10）
はラジオ受信機、（15）は本体、（26）はスイッチであ
る。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】第１の電池より長さの大きい第２の電池の
   正極及び負極を接続するための第１及び第２の端子を設
   けると共に該第１及び第２の端子間の所定位置に第３の
   端子を電池収納部に突出して上下可動自在に設け、上記
   第１の電池の正極と負極とを上記第１の端子又は第２の
   端子のいずれか一方の端子と第３の端子とに接続し、上
   記第２の電池収納時には該第２の電池によって、上記第
   ３の端子の付勢力に抗して下方に押圧する様になしたこ
   とを特徴とする電池収納装置。
2. 【請求項２】第１の電池より長さの大きい第２の電池の
   正極及び負極を接続するための第１及び第２の充電端子
   を設けると共に該第１及び第２の充電端子間の所定位置
   に第３の充電端子を電池収納部に突出して上下可動自在
   に設け、上記第１の電池の正極と負極とを上記第１の充
   電端子又は第２の充電端子のいずれか一方の充電端子と
   第３の充電端子とに接続し、上記第２の電池収納時には
   該第２の電池によって上記第３の端子の付勢力に抗して
   下方に押圧する様になし、長さの異なる上記第１及び第
   ２の電池を充電できる様にしたことを特徴とする電池収
   納装置。