JPH07294666A - 時計用文字板の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 本発明は時計用文字板に係わり、時字，マー
ク等の鏡面を有する凸部と旭光目付，模様等の生地模様
とを同時に形成する。 【構成】 金型１に時字２，マーク，旭光目付４，模様
等の凹部を形成し且つ時字２，マークの凹部は鏡面とし
ておき、この金型をＡｌ，Ｂｓ等の基板にプレスにて押
圧して、この基板に鏡面を有する時字，マーク及び旭光
目付，模様等の凸部を形成した後、外径及び中心穴をプ
レス抜きして文字板基板７となし、メッキ，蒸着等の表
面処理を施す。又レジスト膜８を利用して部分的に表面
処理の色調を変化させても良い。更には時字２，マー
ク，旭光目付４，模様等の凸部の高さを異なった高さに
して立体感を高めることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は時計用文字板に係わり、
時字，マーク等の鏡面を有する凸部と旭光目付，模様等
の生地模様とを同時に形成する時計用文字板の製造方法
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、生地に旭光目付，模様等を有し、
時字，マーク等が鏡面を有して立体的に形成された時計
用文字板を得る方法としては、次のような方法があっ
た。 文字板基板に旭光目付，模様等を形成してメッキ，蒸
着等の表面処理を施した後、時字，マークとなる部分に
フォトマスク手法により肉盛メッキを行う。 文字板基板に旭光目付，模様等を形成してメッキ，蒸
着等の表面処理を施した後、電鋳で形成された時字，マ
ーク等を所望の位置に貼り合わせる方法、又は、植物で
形成された時字，マーク等を文字板基板に形成された小
穴にカシメ固定する方法。 時字，マーク等をエンボス加工で凸部に形成し、その
後旭光目付等を行い、更に前記凸部の上面をダイヤカッ
トで仕上げた後メッキ，蒸着等の表面処理を施す。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術のうち
の方法の場合、フォトマスク手法を利用するため工数
が多くなり、又肉盛メッキに時間を要するため、コスト
が非常に高くなってしまうという課題があった。

【０００４】又、の場合は、電鋳に時間がかかるとと
もに、貼り合わせるときの位置精度が出なかったり、貼
り合わせ時に接着剤がはみ出して見栄えを悪くするとい
う課題があり、植物を使用する場合は、植物の微細加工
が難しく単純形状のものしか製作できず、バラエティに
乏しいとともに、文字板基板に植物の足を固定するため
の小穴を形成する必要があるため、別途金型が必要であ
り、コストが非常に高くなってしまうという課題があっ
た。

【０００５】さらには又の方法の場合、エンボス加工
により凸部を形成した後ダイヤカットで仕上げる必要が
あり、又別工程で旭光目付等を行うため、これもまたコ
スト高となってしまう。又凸部を形成した後旭光目付等
を行うため、凸部の周囲には旭光目付等が十分できず、
凸部の周囲がボケてしまい見栄えを悪くしてしまうとい
う課題があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、金型に、機械
加工，エッチング，ホーニング，研磨等の加工を組み合
わせて鏡面を有する時字，マーク等及び旭光目付，模様
等となる凹部を形成しておき、プレスにて前記金型をＡ
ｌ，Ｂｓ等の基板に押圧することにより、この基板に鏡
面を有する時字，マーク及び旭光目付，模様等の凸部を
形成した後、外形と中心穴とをプレス抜きして文字板基
板となし、その後メッキ，蒸着等の表面処理を施す時計
用文字板の製造方法である。

【０００７】又、前記工程中、外形と中心穴とをプレス
抜きして文字板基板となした後、時字，マーク等の凸部
以外の部分にレジスト膜を形成し、バフ又はラッピング
にて時字，マーク等の凸部を研磨してより鏡面となし、
更に前記レジスト膜を剥離除去した後、メッキ，蒸着等
の表面処理を施す時計用文字板の製造方法である。

【０００８】そして更に部分的にレジスト膜を形成し、
レジスト膜の形成されていない部分に前記メッキ，蒸着
等の表面処理の色調とは異なった色調の表面処理を施し
た後、レジスト膜を剥離除去する時計用文字板の製造方
法である。

【０００９】そして前記金型には、前記基板に形成され
た時字，マーク，旭光目付，模様等の高さが異なった高
さになるように、時字，マーク，旭光目付，模様等の凹
部の深さが異なった深さに形成されている。

【００１０】

【実施例】以下図面に基づいて本発明に係る時計用文字
板の製造方法の実施例を詳細に説明する。図１は本発明
の一実施例に係る時計用文字板の製造方法に使用した金
型１の断面図であり、外側には後にプレスにて基板に押
圧したときに時字２及びサークル３となる凹部が形成さ
れており、更に内側には旭光目付４が形成されている。
又、時字２及びサークル３となる凹部は鏡面に仕上げら
れており、且つ時字２となる凹部の深さはサークル３と
なる凹部の深さよりも深く形成されている。

【００１１】先ず、図２に示す平面図及び図２のＡ−Ａ
線断面図である図３に示すように、Ｂｓ材よりなる基板
５に、図１に示す金型１をプレスにて押圧することによ
り、基板５に鏡面で凸状の時字２とサークル３及び旭光
目付４を盛り上げ形成する。又、同時に後の外径抜き，
中心穴抜きの位置合わせのためのパイロット穴６も抜い
ておく。この状態では基板５の裏面は平坦であり、時字
２，サークル３及び旭光目付４が盛り上げ形成された
分、板厚が若干薄くなっている。

【００１２】次にパイロット穴６を基準にして外径及び
中心穴をプレス抜きすることにより、図４及び図４のＢ
−Ｂ線断面図に示すように、鏡面を有する時字２と、同
じく鏡面を有し、且つ時字２よりは高さの低いサークル
３及び旭光目付４を有する文字板基板７を得る。その後
エト足溶接、メッキ，蒸着等の表面処理を施すことによ
り時計用文字板として完成させる。

【００１３】尚、時字２及びサークル３の鏡面が、金型
１の鏡面仕上げの状態では不充分な場合は、図６に示す
ように、外径及び中心穴をプレス抜きした後、時字２及
びサークル３以外の部分にレジスト膜８を形成し、上面
をバフ又はラッピングにて研磨して時字２及びサークル
３の鏡面出しを行い、しかる後にレジスト膜８を剥離除
去してメッキ，蒸着等の表面処理を施すのが良い。

【００１４】又、上記レジスト膜８を形成する前に、メ
ッキ，蒸着等の表面処理を施し、その後時字２及びサー
クル３以外の部分にレジスト膜８を形成して、バフ又は
ラッピングにて研磨して時字２及びサークル３の前記表
面処理を除去するとともに鏡面出しを行い、更に前記表
面処理とは異なった色調の表面処理を施すと、時字２及
びサークル３の色調と旭光目付４及びその他の部分の色
調とが異なった色調にすることが可能となる。

【００１５】尚、本実施例では鏡面で凸状の時字２及び
サークル３と旭光目付４を金型で形成した時計用文字板
の製造方法を示したが、金型１の面に鏡面部，凸部，旭
光目付，砂地，絵柄等種々のものを組み合わせて形成
し、且つプレスでの押圧方法を工夫することにより、従
来の凸部なら凸部のみ、型打模様なら型打模様のみとい
う単純な方法に比べ、簡単な方法でバラエティに富んだ
時計用文字板を安価に製造することができるものであ
る。

【００１６】

【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明の時計
用文字板の製造方法によれば、金型に鏡面を有する時
字，マーク等及び旭光目付，模様等の凹部を形成してお
き、この金型をＡｌ，Ｂｓ等の基板に押圧することによ
り、この基板に鏡面を有する時字，マーク及び旭光目
付，模様等の凸部を形成し、外径と中心穴をプレス抜き
した後メッキ，蒸着等の表面処理を施すという簡単な方
法で鏡面を有する時字，マーク及び旭光目付，模様等を
有する時計用文字板が得られるため、従来のフォトマス
ク手法による肉盛メッキする方法、電鋳物を貼り合わせ
る方法及びエンボス加工方法等の、時字，マーク等の形
成と旭光目付，模様等の形成が別工程で行う方法に比べ
て、非常に安価に製造できるものである。

【００１７】又、前記メッキ，蒸着等の表面処理を施し
た後，部分的にレジスト膜を形成し、前記表面処理の色
調とは異なる色調のメッキ，蒸着等の表面処理を施し、
更に前記レジスト膜を剥離除去する方法により、例えば
時字，マーク等の色調と旭光目付，模様等の色調とを異
なった色調にでき、よりバラエティに富んだ時計用文字
板を得ることができる。

【００１８】更には、時字，マーク等の凸部の鏡面とな
す部分以外にレジスト膜を形成した後、バフ又はラッピ
ングで研磨することにより、時字，マーク等の凸部がよ
り一層鏡面となり品質が向上するとともに、バフ又はラ
ッピングによる研磨のため、時字，マーク等の輪郭に沿
った研磨となり、時字，マークの形状をそこなうことな
くほぼ初期の形状を保つことが可能となる。

【００１９】更には又、金型に時字，マーク，旭光目
付，模様等の凹部の深さを異なった深さに形成すること
により、時計用文字板としては時字，マーク，旭光目
付，模様等の凸部の高さが異なった高さとなるため、例
えば時字を高く、マークを時字よりも低く、旭光目付は
極わずかな高さにすることができ、非常に立体感のある
バラエティに富んだ時計用文字板を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る時計用文字板の製造方法
に使用した金型の断面図である。

【図２】本発明の実施例に係る時計用文字板の製造方法
の工程を示す平面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】本発明の実施例に係る時計用文字板の製造方法
の工程を示す平面図である。

【図５】図４のＢ−Ｂ線断面図である。

【図６】本発明の実施例に係る時計用文字板の製造方法
の工程を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 金型 ２ 時字 ３ サークル ４ 旭光目付 ５ 基板 ６ パイロット穴 ７ 文字板基板 ８ レジスト膜

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 正明 山梨県南都留郡河口湖町船津6663番地の２ 河口湖精密株式会社内 (72)発明者 小林 敬行 山梨県南都留郡河口湖町船津6663番地の２ 河口湖精密株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 金型に、機械加工，エッチング，ホーニ
   ング，研磨等の加工を組み合わせて鏡面を有する時字，
   マーク等及び旭光目付，模様等となる凹部を形成してお
   き、プレスにて前記金型をＡｌ，Ｂｓ等の基板に押圧す
   ることにより、この基板に鏡面を有する時字，マーク，
   及び旭光目付，模様等の凸部を形成した後、外形と中心
   穴とをプレス抜きして文字板基板となし、その後メッ
   キ，蒸着等の表面処理を施すことを特徴とする時計用文
   字板の製造方法。
2. 【請求項２】 前記メッキ，蒸着等の表面処理を施した
   後、部分的にレジスト膜を形成し、更にレジスト膜の形
   成されていない部分に前記メッキ，蒸着等の表面処理の
   色調とは異なる色調の表面処理を施した後、前記レジス
   ト膜を剥離除去することを特徴とする請求項１記載の時
   計用文字板の製造方法。
3. 【請求項３】 金型に、機械加工，エッチング，ホーニ
   ング，研磨等の加工を組み合わせて鏡面を有する時字，
   マーク及び旭光目付，模様等となる凸部を形成してお
   き、プレスにて前記金型をＡｌ，Ｂｓ等の基板に押圧す
   ることにより、この基板に鏡面を有する時字，マーク及
   び旭光目付，模様等の凹部を形成した後、外形と中心穴
   とをプレス抜きして文字板基板となし、次に時字，マー
   ク等の凸部の鏡面となす部分以外の部分にレジスト膜を
   形成した後、バフ又はラッピングにて研磨することによ
   り時字，マーク等の凸部を鏡面となし、更に前記レジス
   ト膜を剥離除去した後、メッキ，蒸着等の表面処理を施
   すことを特徴とする時計用文字板の製造方法。
4. 【請求項４】 前記金型には、前記基板に形成された時
   字，マーク，旭光目付，模様等の凸部の高さが異なった
   高さになるように、時字，マーク，旭光目付，模様等の
   凹部の深さが異なった深さに形成されていることを特徴
   とする請求項１，２又は３記載の時計用文字板の製造方
   法。
5. 【請求項５】 上面に平滑で平坦な透明塗膜を形成した
   ことを特徴とする請求項１，２，３又は４記載の時計用
   文字板の製造方法。