JPS6346859Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は腕時計用文字板の表面処理に関する
ものである。

従来この種の文字板表面処理方法は、第１図に
示すように金属文字板基板１に指標、模様等２を
プレス成形にて浮出させた後、不透明ラツカー３
を塗装し、文字板表面を指標、模様等２の金属部
が露出するまで表面を研磨し、さらに指標、模様
等２表面を電気メツキにてAu，Rh等の仕上げメ
ツキ４処理して塗装部と金属部の複合仕上げ文字
板を製造していた。

しかし、このようなプレスによる指標、模様等
の浮出し加工では複雑な形状、微細なパターンの
浮出し加工が不可能なため、デザイン的な制約を
受けていた。

また、前記プレス成形法による指標、模様等の
浮出し加工以外に、エツチングによる指標、模様
等の浮出し加工が考えられるが、この方法では複
雑な形状、微細なパターンの浮出しが可能である
が、指標、模様等の浮出し高さが20μ以上になる
とサイドエツヂにより垂直な立ち上り断面となら
ないため、研磨加工の際に斜めに傾むいて研磨さ
れた場合に、指標、模様等の金属露出部の幅が一
定でなくなり上面から見たときに見映えの悪い外
観になつてしまうなどの欠点がある。さらに、プ
レス法、エツチング法によると、指標、模様等が
文字板基板面より突出されているために、文字板
基板平面上に装飾模様を施すことができず、プレ
ス肌、エツチング肌が残つたままとなり、該プレ
ス肌、エツチング肌を隠すために不透明ラツカー
のみしか使用されていなかつた。

本考案は上記の欠点を除去するためのものであ
り、ネーム、マーク等の複雑かつ微細なパターン
を持つ塗装部と金属部の複合仕上げ文字板を提供
することを目的としたものである。

以下第２図により詳細に説明する。第２図は本
考案の文字板断面図であり、文字板基板１表面に
フオトレジストを塗布し、露光、現像処理にて指
標ネーム、マーク、模様等を形成する。次に電気
メツキによりCu，Ni、等の金属を30μ〜50μ程度
の厚みにメツキ突出部２を形成し、フオトレジス
ト膜を剥離する。しかるのち不透明ラツカー３を
塗装し焼付け後、前記メツキ突出部が露出するま
で不透明ラツカー部３を同一平面上に鏡面処理す
る。さらにメツキ露出部の防錆処理として、Au，
Rh等の仕上げメツキ４処理を行ない塗装部と金
属部の複合仕上げ文字板が作られる。

また、フオトレジスト塗布前に文字板基板表面
に装飾模様処理し、仕上げメツキを施した後、前
記方法の内、不透明ラツカーを透明ラツカーに変
えることにより、文字板基板表面の装飾模様が表
出され斬新な文字板が得られる。

第３図は前記工程の内、透明、不透明ラツカー
を塗装後、研磨加工を行なわずにメツキ突出部の
みをダイヤバイトにより切削加工したもので、こ
の場合は塗装平面部は切削加工は行なわない。

以上述べたように、本考案はフオトレジスト法
により指標、ネーム、マーク、模様等を形成し、
前記フオトパターンに忠実にメツキ突出部が形成
されるため、複雑かつ微細な金属パターンが表現
され極めて高質感のある文字板となる。また、透
明ラツカーの利用により、文字板基板表面に装飾
模様仕上げを施すことができ、デザインバラエテ
イーの拡大にも貢献できる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の塗装部と金属部の複合仕上げ文
字板の断面図、第２図、第３図は本考案の文字板
断面図。 １……文字板基板、２……メツキ突出部、３…
…透明、不透明ラツカー、４……仕上げメツキ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 文字板基板上に指標、ネーム、マーク、模様等
   を電気メツキにより部分的に凸状に形成した後、
   透明、または不透明のラツカーを文字板基板上に
   塗装し、該塗装部、メツキ部を同時に研磨または
   切削し、さらに前記メツキ表出部に仕上げメツキ
   したことを特徴とした腕時計用文字板。