JPH07293712A - 自動車空気調和装置用温水弁 - Google Patents

自動車空気調和装置用温水弁

Info

Publication number
JPH07293712A
JPH07293712A JP8481794A JP8481794A JPH07293712A JP H07293712 A JPH07293712 A JP H07293712A JP 8481794 A JP8481794 A JP 8481794A JP 8481794 A JP8481794 A JP 8481794A JP H07293712 A JPH07293712 A JP H07293712A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot water
valve plate
sleeve
valve
casing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8481794A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukio Ozeki
幸夫 尾関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Calsonic Corp filed Critical Calsonic Corp
Priority to JP8481794A priority Critical patent/JPH07293712A/ja
Publication of JPH07293712A publication Critical patent/JPH07293712A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lift Valve (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単でしかも微小流量の調節を自在な構造を
得る。 【構成】 蝶型弁構造を採用し、ゴム製のスリーブ41
の内側で楕円形のバルブプレート43を回動させる。ス
リーブ41の内周面に1対の堰部56、56を設け、こ
の堰部56、56の面57、57と上記バルブプレート
43の外周縁とを近接自在とする。バルブプレート43
の開度が小さい場合には、このバルブプレート43と上
記各面57、57との間にスリット状の微小流路が存在
する。従って、微小流量の実現が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係る自動車空気調和装
置用温水弁は、少なくとも自動車室内の暖房を行う自動
車用空気調和装置に組み込み、ヒータコア内への温水の
供給、停止等を制御する。
【0002】
【従来の技術】自動車室内の空気調和を行う為の自動車
用空気調和装置として、従来から各種構造のものが知ら
れている。例えば、実開昭59−169213号公報に
は、図7〜8に示す様な構造の自動車用空気調和装置が
記載されている。これら図7〜8に示した自動車用空気
調和装置は、インテークユニット1とクーリングユニッ
ト2とヒータユニット3とを、互いに直列に接続する事
で構成されている。
【0003】先ず、図7に示した第1例の構造に就いて
説明すると、上記インテークユニット1のユニットケー
ス1aは、車外空気取り入れ口4と車内空気取り入れ口
5とを有する。上記ユニットケース1a内にはインテー
クドア6を設けている。このインテークドア6は、図7
の実線又は破線の位置で上記両空気取り入れ口4、5の
一方を開放する他、中間位置で両取り入れ口4、5を開
放する。この様な取り入れ口4、5を有するインテーク
ユニット1のユニットケース1a内には送風機7を設
け、上記各空気取り入れ口4、5から吸引した空気を、
上記ユニットケース1aと後述するユニットケース2
a、3aとを互いに直列に接続して成る、ケーシングの
下流側に送れる様にしている。
【0004】上記ケーシングの中間部を構成するクーリ
ングユニット2のユニットケース2aの内側にはエバポ
レータ8を、このユニットケース2aの内側流路全体を
塞ぐ状態で設けている。このエバポレータ8は、図示し
ないコンプレッサ、コンデンサ、リキッドタンク、膨張
弁等と共に蒸気圧縮式冷凍機を構成し、膨張弁を通過し
た冷媒を内部で蒸発させる事により温度低下する。そし
て、上記ユニットケース2aの内側を図7の左から右に
通過する空気を冷却すると同時に、この空気中に含まれ
る水分を除去(水蒸気を凝縮し捕集)する。尚、上記エ
バポレータ8内には、エアコンスイッチがONされて、
コンプレッサが駆動されている場合にのみ、冷媒が送り
込まれる。従って、冬期等、空気の冷却が不要とされる
際には、エバポレータ8内には冷媒が流通せず、このエ
バポレータ8を通過する空気が冷却される事もない。
【0005】又、前記ヒータユニット3のユニットケー
ス3aの内側にはヒータコア9を設けている。このヒー
タコア9は上記ユニットケース3aの内側に、空気の流
れ方向に対し傾斜させて設け、このユニットケース3a
の内側流路の一部を塞いでいる。従って、このヒータコ
ア9の側方(図7の上方)には、このヒータコア9を通
過しない空気を通過させるバイパス通路10が設けられ
る。そして、このバイパス通路10並びに上記ヒータコ
ア9の上流側に、エアミックスドア11を設けている。
このエアミックスドア11は、その回動位置を調節する
事により、上記バイパス通路10を通過する空気とヒー
タコア9を通過する空気との割合を調節する。
【0006】尚、上記ヒータコア9内には、空気の加温
が必要とされて、温水弁12が開いている場合にのみ、
給湯ホース13を通じて温水が送り込まれる。従って、
夏期等、空気の加温が不要とされる際には、ヒータコア
9には温水が流通せず、このヒータコア9を通過する空
気が加温される事もない。
【0007】更に、上記ケーシングの下流端となる、前
記ヒータユニット3のユニットケース3aの下流端に
は、デフロスタ吹き出し口14と、ダッシュパネル吹き
出し口15と、足下吹き出し口16とを、互いに並列に
設けている。そして、これら各吹き出し口14〜16
に、それぞれ第一〜第三のモードドア17〜19を設け
て、これら各吹き出し口14〜16からの空気の吹き出
し及び停止を制御自在としている。尚、前記内側流路5
の下流端部分で、これら各吹き出し口14〜16と上記
ヒータコア9及びバイパス通路10との間部分は、ミッ
クスチャンバ20としている。
【0008】上述の様に構成される空気調和装置の使用
時には、前記送風機7を運転し、インテークドア6の位
置に応じて車外或は車内、又は車外及び車内から取り入
れた空気を、前記各ユニットケース1a〜3aの内側流
路に沿って下流側に送る。この空気は、前記エバポレー
タ8を通過して温度降下した(エバポレータ8に冷媒が
流れている場合)後、前記エアミックスドア11の位置
に応じて、前記ヒータコア9とバイパス通路10との一
方又は双方を通過する。上記温水弁12が開放状態でヒ
ータコア9に温水が流れており、エアミックスドア11
が中間位置に存在する場合には、上記ヒータコア9を通
過して温度上昇した空気と上記バイパス通路10を通過
した冷たいままの空気とは、ミックスチャンバ20部分
で混ざり合う。そして、前記第一〜第三のモードドア1
7〜19の開閉状態に応じて、所望の吹き出し口14〜
16から車室内に吹き出す。
【0009】又、図8に示した第2例の構造では、ヒー
タコア9をヒータユニット3のユニットケース3aの内
側全体を塞ぐ状態で設け、エアミックスドア11を省略
している。そして、ヒータコア9に送り込む温水の流量
を制御する事により、吹き出し空気温度の調節を自在と
している。
【0010】自動車用空気調和装置は、例えば上述の様
に構成され作用するが、この様な自動車用空気調和装置
に組み込まれて、上記ヒータコア9への温水の供給を制
御する温水弁12は、従来、図9〜11の様に構成され
ていた。この温水弁12は、真鍮等の金属により管状に
造られたケーシング21を有する。このケーシング21
は、上側(上下は図面による。必ずしも使用状態を表さ
ない。本明細書全体で同じ。)半部21aと下側半部2
1bとを有する。上側半部21aは下側半部21bより
も小径とし、このうちの上側半部21aに、上記ヒータ
コア9に通じるホース22(図7、8)の上流端を接続
自在としている。又、上記下側半部21bの側面には、
前記給湯ホース13の下流端を接続する為の接続管23
を設けている。
【0011】又、上記上側半部21aの内側には、弁体
24の上半部を挿入している。この弁体24は、有底円
筒状の本体25と、この本体25の下面に添設されたパ
ッキング26とを備える。このうちの本体25の上端縁
には、複数本のガイド片27、27を、円周方向に亙っ
て間欠的に設けている。上記本体25の下端中央部に
は、ロッド28の上端部を結合している。このロッド2
8は、上記ケーシング21の下端開口を塞いだ蓋体29
の中央部を水密に貫通している。そして、このロッド2
8の下端部で上記ケーシング21外に突出した部分を、
レバー30の一端(図10の右端)に、長孔とピンとの
係合等により連結している。このレバー30は、図示し
ないアクチュエータ或はケーブル等により、枢軸31を
中心に揺動し、揺動に伴って上記ロッド28を昇降させ
る。
【0012】上記ヒータコア9に温水を送り込む際に
は、上記レバー30の回動に伴って上記弁体24を下降
させ、上記パッキング26をケーシング21の内面から
離隔させる。更に、上記各ガイド片27、27の上部を
除き、上記本体25を上記上側半部21aから抜き出
す。この結果、隣り合うガイド片27、27の間の空間
を通じて温水が、上記上側半部21aから接続管23に
流れる。
【0013】上述の様に構成され作用する温水弁12の
開放時、開放直後から上記ヒータコア9に多量の温水が
送り込まれると、このヒータコア9の温度が急上昇す
る。そして、前記各吹き出し口14〜16から車室内に
吹き出す空気の温度が急上昇し、乗員に不快感を与え
る。この様な問題は、特にエアミックスドア11を省略
した、図8に示した構造で著しい。この様な不快感に結
び付くヒータコア9の急激な温度上昇を抑える為に、上
記弁体24を構成する本体25には、この本体25の上
端縁に開口する切り欠き32を形成している。この切り
欠き32は、下端部に向かう程幅が狭くなる様な、幅の
狭いくさび形である。上記本体25にこの様な切り欠き
32を形成した為、上記弁体24が下降を開始すると、
先ずこの切り欠き32の下端部を通じて、少量の温水が
ヒータコア9に送り込まれ、このヒータコア9の温度を
少し上昇させる。従って、所定時間経過後上記弁体24
を更に下降させて、上記ヒータコア9に多量の温水を送
り込んだ場合にも、吹き出し空気の温度が急変する事が
なくなる。
【0014】上述の様に構成され作用する従来の自動車
空気調和装置用温水弁は、性能上特に問題となる点はな
いが、構造が複雑で部品点数も多く、コストが嵩む事が
避けられない。この様な事情に鑑みて従来から、構造が
簡単で安価に製作できる蝶型弁(バタフライバルブ)に
より温水弁を構成する事が考えられている。ところが、
一般的な蝶型弁の場合、バルブプレートが閉鎖位置から
開放方向に少し回動しただけで、多量の温水が流れ、そ
の結果、ヒータコア9の温度並びに吹き出し空気の温度
が急上昇してしまう。例えば、上記バルブプレートの閉
鎖位置からの回動量(角度)が図12の横軸の様に変化
した場合には、ヒータコア9に送り込まれる温水の量は
同図に実線で示す様に、吹き出し空気の温度は同図に鎖
線で示す様に、それぞれ変化する。この図12の記載か
ら明らかな通り、一般的な蝶型弁では、温水の流通と停
止とを制御できても、流量を調節する事は殆どできず、
吹き出し空気の温度が急上昇して乗員に不快感を与える
事が避けられない。
【0015】この様な事情に鑑みて、実開昭56−14
3663号公報には、図13〜14に示す様な構造の蝶
型の温水弁が記載されている。この蝶型の温水弁は、合
成樹脂により造られた二つ割れのケーシング33と、こ
のケーシング33を水密に貫通した軸34と、この軸3
4に固定されてこの軸34と共に回転する、楕円形のバ
ルブプレート35とを備える。そして、上記ケーシング
33の内面で、このバルブプレート35の外周縁が対向
する部分には、図14に示す様な、V字形の凹溝36、
36を形成している。これら各凹溝36、36は、上記
バルブプレート35の閉鎖位置から開放位置に向かう
程、幅寸法並びに深さ寸法が大きくなる。又、上記バル
ブプレート35の外周縁にはパッキング37を支持し、
このパッキング37の外周縁を、上記ケーシング33の
内面で、上記凹溝36、36を外れた部分に摺接させて
いる。
【0016】上述の様に構成される従来の蝶型の温水弁
の場合、バルブプレート35を、図13に示した閉鎖状
態から同図の時計方向に回動させると、上記各凹溝3
6、36の端部が、徐々に上記バルブプレート35の両
側に開口する。この結果、ヒータコア9(図7、8)に
送り込まれる温水の量を徐々に増加させて、このヒータ
コア9並びに車室内への吹き出し空気の温度を徐々に高
める事ができる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の図1
3〜14に示した構造の場合も、構造が十分に簡略化さ
れているとは言えず、コスト削減が不十分なだけでな
く、耐久性、信頼性の面でも解決すべき点があった。即
ち、ケーシング33は、それぞれが合成樹脂を射出成形
する事により造られる二つ割れの素子を組み合わせ、接
着剤等により結合して成るが、各部の寸法精度を確保し
つつ結合する作業が面倒で、製作費を高くする原因とな
る。
【0018】又、図13〜14に示した構造では、閉鎖
状態で温水が漏れ流れる事を防止する為、バルブプレー
ト35の外周縁に係止凹溝38を形成し、この係止凹溝
38にパッキング37を支持している。ところが、この
係止凹溝38を形成したり、この係止凹溝38に上記パ
ッキング37を嵌着する作業が面倒で、やはり製作費を
高くする原因となる。更に、上記パッキング37は、温
水弁の開閉に伴って上記ケーシング33の内面と摺接す
る為、長期間に亙る使用に伴って、このパッキング37
の外周縁が傷む事が考えられる。特に、バルブプレート
35の回動方向に亙って幅寸法が変化する各凹溝36、
36の開口縁と当接する部分は傷み易いと考えられ、こ
の部分で水もれが発生し易くなると考えられる。この
為、十分な信頼性、耐久性を得る為には、上記パッキン
グ37として耐久性の優れた(高価な)材料を使用しな
ければならず、やはり製作費を高くする原因となる。
【0019】本発明は、構造を工夫する事により、製作
費の低廉化を図れ、しかも開放時に少量の温水を流通さ
せる事が可能な自動車空気調和装置用温水弁を提供する
ものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の自動車空気調和
装置用温水弁は、硬質材により管状に形成され、一端に
温水入口を、他端に温水出口を、それぞれ有するケーシ
ングと、弾性材により管状に形成され、このケーシング
に内嵌固定されるスリーブと、このスリーブと上記ケー
シングとの互いに整合する直径方向反対のそれぞれ2個
所位置に、互いに同心に形成された貫通孔と、各貫通孔
を貫通したシャフトと、このシャフトの中間部で上記ス
リーブの内側部分に固定された楕円形のバルブプレート
と、上記スリーブ内側面の直径方向反対側で軸方向に離
隔した2個所位置にそれぞれ形成された土手状の堰部と
を備える。そして、各堰部の片面で上記バルブプレート
が閉鎖位置近傍に存在する状態でこのバルブプレートの
外周縁と対向する面は、それぞれこのバルブプレートの
片半部の外周縁に、ほぼその全長に亙って近接する形状
を有する。
【0021】
【作用】上述の様に構成される本発明の自動車空気調和
装置用温水弁の閉鎖時には、バルブプレートをスリーブ
の軸方向に対し傾斜させて、このバルブプレートの外周
縁をスリーブの内周面に、その全周に亙って当接させ
る。この結果、上記スリーブの一端開口と他端開口と
が、上記バルブプレートによって完全に隔てられる。
又、全開時には、上記バルブプレートを上記スリーブの
軸方向に向ける。この状態では、上記バルブプレートの
外周縁が各堰部から外れ、上記スリーブの一端開口と他
端開口とが十分に広い面積で、互いに連通する。
【0022】又、上記バルブプレートを、閉鎖状態から
開放状態に少しだけ回動させた状態では、このバルブプ
レートの外周縁が上記各堰部の片面に対向する。そし
て、これら各堰部の片面と上記バルブプレートの外周縁
との間に狭い流路が形成され、温水がこの流路を通じ、
上記スリーブの一端開口と他端開口との間で流れる。従
って、温水弁の開放初期段階で、ヒータコアに少量の温
水を流す事により、多量の温水をヒータコアに送り込ん
でこのヒータコアの温度を十分に上昇させる以前に、こ
のヒータコアを少し暖めておく事が可能になる。
【0023】
【実施例】図1〜5は本発明の第一実施例を示してい
る。本発明の温水弁39は、図1に示す様に、ケーシン
グ40と、スリーブ41と、シャフト42と、バルブプ
レート43とから構成される。このうちのケーシング4
0は、硬質材である耐熱性合成樹脂を射出成形する事に
より円管状に形成している。そしてこのケーシング40
の上端開口を温水入口44とし、下端開口を温水出口4
5としている。図示の実施例の場合には、上記ケーシン
グ40をヒータコア9(図7、8)の温水タンク(図示
せず)の外壁面に結合固定自在としている。即ち、上記
温水タンクの側面に形成した温水取り入れ口と上記温水
出口45とを整合させた状態で、上記ケーシング40の
下端部外周縁に形成したフランジ46を、上記温水タン
クの外壁面に結合固定自在としている。又、上記ケーシ
ング40の中間部で、直径方向反対位置には、互いに同
心の1対の貫通孔47を形成している。両貫通孔47の
内径は、上記シャフト42の外径よりも僅かに大きい。
【0024】又、上記スリーブ41は、ゴム等の弾性材
により円管状に形成されている。このスリーブ41の自
由状態に於ける外径は、上記ケーシング40の下半部の
内径と同じか、この内径よりも僅かに小さくしている。
この様なスリーブ41は、上記ケーシング40の下半部
の内側に圧入して、この下半部に内嵌固定される。この
様に内嵌固定した状態で上記スリーブ41の上端縁は、
上記ケーシング40の中間部内周面に形成された段部4
8に突き当たり、このスリーブ41の軸方向(図1、
2、4の上下方向)に亙る位置決めを図られる。又、上
記スリーブ41の下端部外周縁に形成された鍔部49
は、上記ケーシング40の下端開口周縁部に形成された
段部50に嵌合する。そして、上記鍔部49の一部に形
成した突部51と上記段部50の一部に形成した凹部5
2との嵌合により、上記スリーブ41の円周方向に亙る
位置決めを図られる。
【0025】この様にしてケーシング40内に嵌合固定
されるスリーブ41の中間部で、上記ケーシング40に
形成した1対の貫通孔47と整合する、直径方向反対位
置には、互いに同心の1対の貫通孔53を形成してい
る。この貫通孔53の自由状態での内径は、前記シャフ
ト42の外径よりも僅かに小さい。従ってこのシャフト
42は、上記貫通孔53の内径を弾性的に広げた状態
で、この貫通孔53を挿通自在である。そして挿通した
状態で、これら各貫通孔53の内周面とシャフト42の
外周面との間の水密保持が図られる。又、上記鍔部49
の下面には閉鎖環状の突条58を形成している。この突
条58は、ヒータコア9の温水タンクの外壁面に温水弁
39を装着した状態で押し潰され、この外壁面とスリー
ブ41との間の水密保持を図る。
【0026】ステンレス鋼等の金属の丸棒により造られ
たシャフト42は、上記両貫通孔47、53を挿通する
直線部54と、組立時に上記ケーシング40外に存在す
るクランク部55とから成る。温水弁39の組立時、上
記直線部54は、上記両貫通孔47、53に挿通する。
そして、この直線部54の中間部で、上記スリーブ41
の内側に位置する部分に、ステンレス鋼等の金属により
楕円形に造られたバルブプレート43を、溶接固定して
いる。このバルブプレート43を上記直線部54に溶接
固定する作業は、この直線部54を上記両貫通孔47、
53に挿通した後、スポット溶接により行う。又、上記
クランク部55の先端部には、アクチュエータ、ケーブ
ル等、温水弁39を開閉する為の駆動手段の出力部材を
結合する。この出力部材の変位によって、上記バルブプ
レート43が揺動し、上記温水弁39が開閉される。
【0027】上述の様なスリーブ41の内側面の直径方
向(図2、4の左右方向)反対側で、軸方向(図2、4
の上下方向)に離隔した2個所位置には、それぞれ土手
状の堰部56、56を形成している。これら各堰部5
6、56は、中央部の断面積が大きく、両端部に向かう
程断面積が小さくなる断面三角形で、全体が三日月形に
形成されている。そして、これら各堰部56、56の片
面で、上記バルブプレート43が閉鎖位置近傍に存在す
る状態でこのバルブプレート43の外周縁と対向する面
57、57は、それぞれこのバルブプレート43の片半
部の外周縁に、ほぼその全長に亙って近接する形状を有
する。即ち、上記各面57、57は、上記バルブプレー
ト43を上記直線部54を中心に回転させた場合に、こ
のバルブプレート43の外周縁の軌跡として得られる曲
面と相似で、この曲面よりも僅かに大きな曲率半径を有
する曲面の一部により構成されている。従って、上記バ
ルブプレート43の外周縁が上記各面57、57に対向
する状態で、これら各面57、57と上記外周縁との間
には、幅の狭い微小流路が形成される。
【0028】上述の様に構成される本発明の自動車空気
調和装置用温水弁の作用は、次の通りである。先ず、温
水流路の閉鎖時には、図4(A)に示す様に、シャフト
42を回動させる事により上記バルブプレート43を、
スリーブ41の軸方向に対し傾斜させる。そして、この
バルブプレート43の外周縁を上記スリーブ41の内周
面に、その全周に亙って当接させる。この結果、上記ス
リーブ41の一端開口と他端開口とが、上記バルブプレ
ート43によって完全に隔てられる。この状態では、前
記ヒータコア9に温水が送り込まれず、空気調和装置内
を流れる空気が加温される事はない。
【0029】又、温水流路の全開時には、図4(C)に
示す様に、上記シャフト42を回動させる事により上記
バルブプレート43を、上記スリーブ41の軸方向に向
ける。この状態では、上記バルブプレート43の外周縁
が前記各堰部56、56の面57、57から外れ(対向
しなくなり)、上記スリーブ41の一端開口と他端開口
とが十分に広い面積で、互いに連通する。この状態で
は、上記ヒータコア9に十分量の温水が送り込まれ、空
気調和装置内を流れる空気が加温される。
【0030】又、それまで停止していた暖房を開始すべ
く、図4(B)に示す様に、上記バルブプレート43
を、同図(A)に示した閉鎖状態から開放状態に少しだ
け回動させた状態では、このバルブプレート43の外周
縁が上記各堰部56、56の面57、57に対向する。
そして、これら各堰部56、56の面57、57と上記
バルブプレート43の外周縁との間に、スリット状の狭
い流路が形成される。ケーシング40上端の温水入口4
4に達している温水は、この流路を通じて少量ずつケー
シング40下端の温水出口45に達し、上記ヒータコア
9に送り込まれる。従って、温水弁39の開放初期段階
でヒータコア9に少量の温水を流し、多量の温水をヒー
タコア9に送り込んでこのヒータコア9の温度を十分に
上昇させる以前に、このヒータコア9を少し暖めておく
事が可能になる。
【0031】この結果、吹き出し空気の温度が急に高く
なる事で、乗員に不快感を与える事がなくなる。即ち、
本発明の温水弁によれば、上記バルブプレート43の閉
鎖位置からの回動量が図5の横軸の様に変化した場合に
は、ヒータコア9に送り込まれる温水の量は同図に実線
で示す様に、吹き出し空気の温度は同図に鎖線で示す様
に、それぞれ変化する。
【0032】次に、図6は本発明の第二実施例を示して
いる。上述の第一実施例が、ヒータコアの温水タンクの
外壁面に温水弁を組み付け固定する様に構成していたの
に対して、本実施例の場合には、給湯ホースの途中に温
水弁を結合自在としている。この為に本実施例の場合に
は、ケーシング59の中間部にスリーブ41(図1〜
4)を内蔵した大径部60を形成し、この大径部60の
両側に、給湯ホースの端部を外嵌自在な接続部61、6
1を形成している。この様なケーシング59は二つ割れ
の素子により構成し、上記スリーブ41を内嵌後、上記
二つ割れの素子を接着、溶着等により組み合わせる。
【0033】本実施例の場合、温水弁の設置位置の自由
度が増す為、温水弁部分に生じる音が車室内に入り込む
事を防止できる。即ち、本発明の温水弁の場合、堰部5
6、56(図2〜4参照)を設置した事に伴って、温水
の流量が多い場合にキャビテーション等に基づく異音が
発生する可能性がある。温水弁をヒータコアに付設する
第一実施例の場合には、この異音がそのまま車室内に入
り込むが、本実施例の場合には、温水弁を車室外に設置
できる為、上記異音が車室内に入り込む事を防止でき
る。その他の構成及び作用は、第一実施例と同様であ
る。
【0034】
【発明の効果】本発明の自動車空気調和装置用温水弁
は、以上に述べた通り構成され作用するので、製作費の
低廉化を図れ、しかも開放時に少量の温水を流通させる
事が可能となり、高性能で安価な自動車用空気調和装置
の実現に寄与できる。又、開閉時に大きく摺動する部分
がないので、特に高価な材料を使用しなくても、十分な
耐久性及び信頼性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す分解斜視図。
【図2】同じくスリーブの断面図。
【図3】スリーブを図2の上方から見た図。
【図4】作動状態を示す断面図で、(A)は全閉状態
を、(B)は開放初期状態を、(C)は全開状態を、そ
れぞれ表している。
【図5】本発明の温水弁に於ける、バルブプレートの開
度と温水流量及び吹き出し空気温度との関係を示す線
図。
【図6】本発明の第二実施例を示す斜視図。
【図7】自動車用空気調和装置の第1例を示す略断面
図。
【図8】同第2例を示す略断面図。
【図9】従来の温水弁の第1例を示す正面図。
【図10】図9の左方から見た側面図。
【図11】図10のA−A断面図。
【図12】単なる蝶型弁を温水弁として使用した場合に
於ける、バルブプレートの開度と温水流量及び吹き出し
空気温度との関係を示す線図。
【図13】従来の温水弁の第2例を示す断面図。
【図14】図13のB矢視図。
【符号の説明】
1 インテークユニット 1a ユニットケース 2 クーリングユニット 2a ユニットケース 3 ヒータユニット 3a ユニットケース 4 車外空気取り入れ口 5 車内空気取り入れ口 6 インテークドア 7 送風機 8 エバポレータ 9 ヒータコア 10 バイパス通路 11 エアミックスドア 12 温水弁 13 給湯ホース 14 デフロスタ吹き出し口 15 ダッシュパネル吹き出し口 16 足下吹き出し口 17 第一のモードドア 18 第二のモードドア 19 第三のモードドア 20 ミックスチャンバ 21 ケーシング 21a 上側半部 21b 下側半部 22 ホース 23 接続管 24 弁体 25 本体 26 パッキング 27 ガイド片 28 ロッド 29 蓋体 30 レバー 31 枢軸 32 切り欠き 33 ケーシング 34 軸 35 バルブプレート 36 凹溝 37 パッキング 38 係止凹溝 39 温水弁 40 ケーシング 41 スリーブ 42 シャフト 43 バルブプレート 44 温水入口 45 温水出口 46 フランジ 47 貫通孔 48 段部 49 鍔部 50 段部 51 突部 52 凹部 53 貫通孔 54 直線部 55 クランク部 56 堰部 57 面 58 突条 59 ケーシング 60 大径部 61 接続部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬質材により管状に形成され、一端に温
    水入口を、他端に温水出口を、それぞれ有するケーシン
    グと、弾性材により管状に形成され、このケーシングに
    内嵌固定されるスリーブと、このスリーブと上記ケーシ
    ングとの互いに整合する直径方向反対のそれぞれ2個所
    位置に、互いに同心に形成された貫通孔と、各貫通孔を
    貫通したシャフトと、このシャフトの中間部で上記スリ
    ーブの内側部分に固定された楕円形のバルブプレート
    と、上記スリーブ内側面の直径方向反対側で軸方向に離
    隔した2個所位置にそれぞれ形成された土手状の堰部と
    を備え、各堰部の片面で上記バルブプレートが閉鎖位置
    近傍に存在する状態でこのバルブプレートの外周縁と対
    向する面は、それぞれこのバルブプレートの片半部の外
    周縁に、ほぼその全長に亙って近接する形状を有する自
    動車空気調和装置用温水弁。
JP8481794A 1994-04-22 1994-04-22 自動車空気調和装置用温水弁 Pending JPH07293712A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8481794A JPH07293712A (ja) 1994-04-22 1994-04-22 自動車空気調和装置用温水弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8481794A JPH07293712A (ja) 1994-04-22 1994-04-22 自動車空気調和装置用温水弁

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07293712A true JPH07293712A (ja) 1995-11-10

Family

ID=13841303

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8481794A Pending JPH07293712A (ja) 1994-04-22 1994-04-22 自動車空気調和装置用温水弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07293712A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19728564A1 (de) * 1997-07-04 1999-01-28 Mannesmann Vdo Ag Drosselklappenstutzen
WO2002031387A1 (de) * 2000-10-12 2002-04-18 Siemens Aktiengesellschaft Drosselklappenstutzen
JP2012524224A (ja) * 2009-04-16 2012-10-11 テネコ オートモティブ オペレーティング カンパニー インコーポレイテッド 回転可能なフラッパバルブを導管の内部に設置する方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19728564A1 (de) * 1997-07-04 1999-01-28 Mannesmann Vdo Ag Drosselklappenstutzen
WO2002031387A1 (de) * 2000-10-12 2002-04-18 Siemens Aktiengesellschaft Drosselklappenstutzen
KR100750426B1 (ko) * 2000-10-12 2007-08-21 지멘스 악티엔게젤샤프트 스로틀 밸브 어셈블리
JP2012524224A (ja) * 2009-04-16 2012-10-11 テネコ オートモティブ オペレーティング カンパニー インコーポレイテッド 回転可能なフラッパバルブを導管の内部に設置する方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10675938B2 (en) Air conditioner for vehicle and controlling method thereof
JP3575495B2 (ja) 車両用空気調和装置
US7726391B2 (en) Air conditioner for vehicle
EP2489532B1 (en) Air conditioner for vehicle
US8398468B2 (en) Air conditioning device for car
EP0691228B1 (en) Air passage switching system and vehicular air conditioning system
US20170282682A1 (en) Air conditioner for vehicle
JPH07293712A (ja) 自動車空気調和装置用温水弁
US20060060341A1 (en) Air conditioner for vehicle use and door device
JP2000310348A (ja) 電動切換弁
JP4835509B2 (ja) 空気通路開閉用ドア
JP2007168619A (ja) 送風切換装置及びこれを用いた自動車用空調装置
JP4784449B2 (ja) 回転部のシール構造およびそれを用いた空調装置
KR101714455B1 (ko) 차량용 공조장치
JPH10100644A (ja) 空気調和装置
JP2008143237A (ja) 車両用空調装置
KR101220979B1 (ko) 차량용 공조장치
JP3603408B2 (ja) 空調装置
KR200159347Y1 (ko) 자동차 공기조화기용 공기순환유니트의 유출구개폐장치
JP2004340295A (ja) リンク機構
KR101715157B1 (ko) 차량용 공조기의 송풍장치
CN111976427B (zh) 一种隐藏式汽车空调的出风口
JP2004203127A (ja) 車両用空調装置
KR100341941B1 (ko) 자동차 공조장치용 히터 코어의 워터 밸브 어셈블리
JP4434072B2 (ja) リンク装置および車両用空調装置